想ひ歌 〜長次×仙蔵〜


 
 君想ひ 文か花かと 迷いける
        いっそこの身を ささげてむや 
立花 仙蔵
  (お前のことを想いながら、文を贈ろうか花を贈ろうかと悩んでいる
       これだけ迷って決められないのなら、いっそこの身を贈ってしまおうか)
 君問ふに げに思ふこと 隠しける
   その身その心(うら) わがものにとは 
中在家 長次
  (何が欲しいとお前は問うが、本当に思っていることは隠しておいた
       文よりも花よりもお前自身を自分のものに出来たらいいなということは)
 
「ばれんたいんのプレゼントをしようと思うものの、長次には何をあげればよいのだろう?
 食べ物よりは、文や花の方が想いは伝わりそうだが・・・うーん・・・」
「仙蔵・・・何を悩んでいるんだ?」
「長次。いいところに来た。」
「どうした・・・?」
「お前にばれんたいんのプレゼントを贈ろうと思っているのだが、何を贈ればよか迷って
 しまってな。お前は何が欲しい?」
「欲しいもの・・・・」
(仙蔵自身が欲しいなんて言ったら・・・きっと怒られるんだろうなあ・・・)
「・・・・お前がくれるものなら、何でもいい。」
「何でもいいって、それが一番困るのだが。なら質問を変える。お前が好きなものは何だ?」
「仙蔵。」
「私か・・・って、それじゃあ、プレゼントの参考にならないだろうが!全く・・・」
(仙蔵は本当可愛いなあ・・・やっぱり欲しいものは、仙蔵自身だなあ・・・)
(全く、本人に聞いても全然参考にならないとは・・・もういっそのこと私自身を受け取れ!
 みたいにしてやろうか。)
 



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