ある日の一日 〜in the night〜

夕食とデザートを食べ終えた二人は一度部屋に行った。鳳はそこでくつろいでいるが、滝
はまだ風呂に入っていないので、シャワーを浴びにいっている。
「滝さん、早く出てこないかなー。」
ベッドで本を読みながら鳳は滝が来るのを待つ。ほんの少しの間だが鳳にとってはとても
長い時間に感じていた。
「はあー、サッパリした。」
「滝さん!」
読んでいた本を机の上に置き、ガバッと横たえていた体を起き上がらせた。髪の毛を拭き
ながら滝はベッドに近づき腰を下ろす。鳳は早く何かしてもらえないかなあというような
表情で滝を見ている。
「どうしたの長太郎。何かして欲しいの?」
穏やかな笑顔で滝は鳳の頭を撫でる。
「えっと・・・別に何でもないです。」
「うそだぁ。すっごく何かして欲しそうな顔してるよ。」
「してないです。」
本当はいろいろとして欲しい鳳だが恥かしくてそれが素直に言えない。だが、顔にすぐに
出てしまうので滝にはバレバレだった。
「長太郎。」
「・・・・・・。」
ドキドキと胸が高鳴った。滝の顔が鳳に近づく。唇が触れ合うと滝はそのまま鳳をベッド
に押し倒した。
「ん・・・んっ・・・ぅ・・・」
しばらく舌を絡め、お互いを感じあう。滝の顔が離れると鳳はもっと欲しいというような
目で滝のことを見つめた。
「明日も会社だよね。今日はどうする?」
「えっ?」
「inとout。俺はどっちでもいいけど。」
「そ、そんなの決まってるじゃないですか・・・。」
鳳は恥ずかしそうにうつむく。
「やっぱ、out?inじゃちょっとキツイもんね。」
「違いますよぉ・・・。」
「えっ・・・じゃあ・・・」
「・・・・inが・・・いいです・・・。」
「オッケー。いいよ。でも、明日に響かないように優しくしてあげるね。」
「はい・・・。」
滝は鳳の服のボタンを一つ一つ丁寧に外していく。露になった胸にいくつものキスマーク
をつける。
「あっ・・・はぁ・・・滝さん・・・」
「嫌だと思ったり、して欲しいことがあったらちゃんと言ってね。」
「はい・・・でも・・・滝さんにされて嫌なこと・・ないっスよ・・・」
「そっか。」
長太郎、本当うれしいこと言ってくれるね。あんまりいろんなことすると疲れちゃうから
今日はシンプルに進めよう。
シンプルと言っても早く終わらせるというわけではない。胸の飾りを舌で弄りながら、ズ
ボンの中に手を入れる。鳳は二つの感じる場所をいっぺんに弄ばれ甘い声を上げた。
「やぁ・・・あん・・あっ・・・」
「ふふ、長太郎可愛い。ココももうこんなになってるし。」
「あっ・・・滝さ・・ぁん・・・そんなとこ・・・同時にされたら・・・」
「長太郎は手でやられるより口でされる方が好きなんだよね。」
「うあっ・・・あぁ・・くっ・・・・」
滝は頭の位置を下のほうに移し、ズボンと下着を一気に下ろして勃ち始めている鳳のモノ
を躊躇もせずに口に含んだ。鳳は思わず滝の髪の毛を握る。
「ハァ・・・はっ・・・あぁ・・・」
「んく・・・んっ・・・・」
「うっ・・・た・・滝さ・・ん・・・ちょっ・・・ヤバイ・・・です・・・」
「・・・んん・・・」
「ふ・・・うああっ・・・!!」
「・・・・・っ!!」
出された蜜を飲み干すと軽く口を拭って滝は一息つく。鳳は目を潤ませて肩で息をしてい
た。
「大丈夫?」
「あっ・・・はい・・・」
「これから下の方慣らすけどいいよね?」
「・・・・そういうことは・・・聞かないでくださいよ・・・・」
真っ赤になって鳳は手で顔を覆った。
「ゴメン、ゴメン。一応、聞いた方がいいかなあと思っただけ。」
クスっと笑いながら滝は自分の指を舐めて濡らし、鳳の下の口を慣らし始める。思ったよ
り濡れていて、普通に中に入っていった。
「んんっ・・・ああ――っ・・・」
うわあ、やっぱこの瞬間は何回しても慣れないんだよなあ。体がヤバイくらい反応しちゃ
うよ・・・。
「思ったより大丈夫そうだね。」
「あっ・・・んんっ・・・・滝さん・・・ハァ・・・」
「もう一本くらいいけそう?」
「んぅっ・・・!!」
慣らすために指を動かすが、そんなに激しくは動かさない。ゆっくりほぐすように内側を
掻き回す。
「うっ・・・あぁんっ・・・滝さ・・ん・・・そんなに・・・掻き回さないでぇ・・・」
「だーめ。ちゃんとならさないとキツイでしょ。」
「だってぇ・・・あっ・・うっ・・・」
「もうそろそろいいかな?」
「くっ・・・・」
指を引き抜かれる感覚にも過敏に反応してしまう。滝は今より少しだけ鳳に足を開かせ、
ゴムをつけたあとゆっくりと身を進めた。鳳はその衝撃を少しでも軽くしようと滝にしが
みつく。
「ああ――っ・・・あっ・・・!!」
「ハァ・・・長太郎・・・」
「滝さんっ・・・滝さん・・・!!」
「動いても平気?」
「は・・・い・・・・んんっ・・・」
滝が動くと鳳はビクンッと体を震わせ濡れた声で何度も滝の名前を呼ぶ。そんな鳳の声が
滝にとっては最高の媚薬だった。
「長太郎、とってもキレイだよ。」
「あっ・・ふ・・・滝さ・・ん・・・俺・・・」
「何?」
「今日・・・とっても・・・イイです・・・」
「そう。よかった。」
「あん・・・もっと・・・俺の中を・・滝さんでいっぱいにしてください・・・!」
「うん。体も心も頭の中も全部俺でいっぱいにしてあげるよ。」
一つになって、二人とも体中がお互いでいっぱいだった。滝は鳳の顔のいたるところにキ
スをする。頬にも額にも瞼にも唇にも・・・。その度に香る滝の匂いがあまりにも心地よ
くて鳳は夢を見ているみたいだと錯覚する。だが、それを打ち破るくらいの快感が下から
込み上げてくるのも確かだった。
「滝・・・さん・・・もう・・・俺・・・」
堪えきれない熱が迫ってくるのを感じ、鳳は滝にしがみつく手に力を込める。
「一緒にイこう。長太郎・・・。」
鳳がうなずくと滝は最奥を一気に突いた。その瞬間、鳳は頭の中が真っ白になるのを感じ
て、熱い思いを解き放つ。
「はぁ・・・ぁあんっ・・・!!」
「長太郎っ・・・・」
これ以上ない満足感を全身で感じ、二人は同時に果てた。その直後、滝は鳳の銀色の髪に
手を絡めて、まるでキレイな花にするように優しく鳳の唇にキスをした。

今日は滝の心遣いからそんなにまわりが汚れてしまうということはなかった。そのまま鳳
はベッドに横になり、滝はその横に座っている。
「どうだった長太郎?体キツくない?」
「そりゃ・・・気持ちよかったですよ。体は滝さんすっごく優しいから全然大丈夫です。」
感想を言わされ、少し恥かしくなっている長太郎だがそれは嫌ではなかった。
「あの・・・滝さん・・・」
「何?長太郎。」
ほのかに顔を赤らめ鳳は下から滝を見上げた。
「えっと・・・あの・・・さっきみたく頭撫でてもらえませんか?」
「何で?」
「さっき撫でてもらったとき、すごい気持ちいいなあと思って・・・ダメですか?」
「いいよ。ホント、長太郎可愛い。なんか犬みたい。」
クスクスと笑って滝は鳳の頭を撫でる。犬みたいと言われて微妙な気分の鳳だが、撫でら
れる感じがとても心地よくて、自然と瞼がおりてくる。
「滝さんって、すごいキレイな顔してるのに声が意外と男っぽいですよね。」
目を閉じながら鳳は呟く。
「そうかな?」
「はい。でも、俺、滝さんにその声で名前呼ばれるのすごく好きです。」
「本当?うれしいな。」
「・・・・・。」
「長太郎?」
突然、鳳は何も言わなくなった。滝は頭を撫でていた手をいったん止め、鳳の顔を覗き込
む。
「ふふ、寝ちゃってる。」
鳳はスヤスヤと寝息をたて、すっかり夢の中。滝はそんな鳳が本当に可愛いなと思い、軽
くほっぺたにキスをした。
「おやすみ、長太郎。大好きだよ。」
耳元でこう言うと滝も布団に入り、横になった。目の前にある鳳の寝顔をしばらく眺める。
滝が眠りについたのはそれから15分くらい経ってからだった。

次の日、鳳はいつものように会社に出かけて行く。滝もエプロンをして玄関まで鳳を見送
る。
「いってきます、滝さん。」
「いってらっしゃい。あっ、外まで送るよ。」
「ありがとうございます。」
外に出ると、岳人や跡部もちょうど出るところだった。岳人は忍足に手を振り、もう行く
気満々。跡部はまだ宍戸とイチャイチャしていた。
「それじゃあ、いってきます。」
「うん。いってらっしゃい。」
鳳も滝に軽く手を振る。そして、岳人のところまで行って一緒に行くことにした。
「おはようございます。向日先輩。」
「おっはよう!!鳳。」
「一緒に行きましょう。」
「ああ。いいぜ。跡部はまだ宍戸とラブってるよ。」
「いつもですもんね。」
跡部の方を見ながら、二人はクスクス笑う。その時、岳人があることに気づいた。
「あれ?なんか長太郎いつもと匂い違くない?」
「そうですか?」
「うん。なんか・・・かいだことある匂いだけどなんだろう?」
岳人は鳳の匂いをかぎ、何の匂いだったかを必死に思い出そうとする。
「あっ、分かった!!」
「何ですか?」
「滝の匂いだ!」
「えっ・・・!?」
滝の匂いだと聞いて鳳はビックリ。
「お前、昨日滝とヤッたんだろー。だから、匂いが移っちゃってんじゃねーの?」
ニヤニヤしながら岳人は言った。鳳は図星を突かれ、メチャメチャ焦る。
「ち、違いますよー!!」
「うっそだー。そんなに真っ赤になってちゃバレバレだよ。」
「う〜〜。」
「あとで、跡部に言ってやろ。」
「やめてください!!」
からかいながら岳人は走る。鳳もそうされては困ると岳人を必死で追いかけた。まだまだ
子供のような二人だ。跡部も満足したのかその二人の後から歩き始めた。
「あいつら何やってんだ?」
首をかしげながら跡部は少し早歩きで二人を追いかけた。
「何やってんだお前ら?」
「あっ、聞いてよ跡部。鳳がな・・・」
「わあーー!!何でもないです!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら三人は会社に向かい一緒に歩く。とても近所迷惑な感じなのだ
が、この三人のことだから許されるであろう。そして、今日もいつものように一日が始ま
るのであった。

                                END.

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