Penalty Game

(後、一時間・・・後、一時間で・・・)
ただいまは、5限目が始まってすぐの教室だ。宍戸はじんわりと汗を書きながら、何かを
誤魔化すかのように板書された字をノートに書きなぐっている。そんな宍戸を少し離れた
席から跡部がニヤニヤしながら眺めていた。
カチッ・・・
出来るだけ音を立てないように、跡部はポケットに入っている小さなリモコンのスイッチ
を入れた。その瞬間、ピクンと宍戸の体が震える。そして、ほのかに顔を赤らめながら跡
部の方へ顔を向け、何かを訴えるようにキッと睨んだ。
(こりゃマジで楽しいぜ。)
今日の宍戸には大きな秘密があり、跡部は一日中そのことで楽しんでいた。その秘密とは、
今日の朝にまで遡る・・・

この日の朝、跡部は登校するにはまだ早い時間に宍戸の家にやってきていた。ちょうど宍
戸が朝食を食べ終え、制服に着替えようとしている時分だった。
「亮ー、景吾君が来てるわよー。」
「はあ!?こんな時間に!?ちょ、ちょっと待って、俺、今着替えてるからっ!!」
「用があるみたいなのよ。あがってもらって亮の部屋に通すわよ?」
「分かった。通しちゃってくれ。」
何の用があるのか分からないが、とにかくそのまま待たせておくわけにはいかないので、
宍戸は跡部を自分の部屋へ招き入れることを許可した。しかし、それが宍戸にとっては間
違いだったのだ。
コンコン
「開いてるぜ、入って来いよ。」
ノックの音が聞こえると宍戸は、そんなことを言ってドアの外にいる人物を中へ入るよう
に促した。もちろんその人物とは跡部だ。
「よお、宍戸。何だよ?まだ着替えてもねぇのか?」
「う、ウルセーな!!テメェこそ、こんな朝っぱらから何の用だよ!?」
朝の挨拶もまともに交わさず、二人はいつものようなやりとりをする。今まさにワイシャ
ツを羽織ろうとしている宍戸の手を止め、跡部はその用件を話し出した。
「宍戸、テメェは昨日の試合の時にした約束覚えてるよなあ?」
「えっ?昨日の試合・・・?」
何か約束をしたっけと、宍戸は昨日のことを思い出そうとする。しばらく記憶を辿ってい
くと、あることを思い出した。
『今日の試合、負けた方は罰ゲームだからな。負けた方に拒否権はねぇ。いいな?』
『おう!!望むところだぜ!!絶対に負けねぇからな!!』
「あっ・・・」
「思い出したようだな。」
跡部と宍戸がした試合、当然のことながらその勝者は跡部であった。その罰ゲームを実行
するために跡部はわざわざ宍戸の家までやってきたのだ。
「まさか・・・その罰ゲームをするために?」
「おっ、テメェにしてはよく分かってんじゃねぇか。」
「じょ、冗談じゃねぇ!!何でわざわざこんな時間に・・・」
「この時間が一番適切だと思ってな。」
ニヤリと笑って、跡部は鞄の中から小さな紙袋を出した。その中身を宍戸のベッドにぶち
まける。それを見て、宍戸はぎくっとして目を疑った。
「言ったよな?罰ゲームを実行するに際して、敗者は拒否権はねぇって。」
「うっ・・・そうだけど、コレはひどすぎじゃねぇ?」
「そうでもねぇよ。さあ、罰ゲーム実行させてもらうぜ。」
嫌がりたいのは山々だが、これは罰ゲームなのだ。昨日の時点でそれを承諾してしまった
のだがら文句は言えない。しかも、負けず嫌いな宍戸のこと、負けを認めずに罰ゲームを
受けないというのはプライドが許さなかった。
「こ、これは、何に使うのか分かるんだけどよ・・・何でこんなたくさんあるんだ?」
「ああ、いろんなとこにくっつけたり、または、入れたりしてか?そのまま今日一日過ご
してもらう。それが今回の罰ゲームだ。」
楽しそうに話す跡部に宍戸は何も言えない。何てひどい罰ゲームだと思いつつも、もうこ
こは覚悟を決めるしかない。一日くらい我慢してやろうと宍戸はキッパリ言い切った。
「や、やってやろうじゃねぇの。俺は逃げねぇぜ。」
「いい心意気じゃねぇか。だったら・・・」
そんなこんなで、宍戸は跡部の罰ゲームを受けることになった。無抵抗の宍戸の体に跡部
は、小さなローターをぺたぺたと貼り付け、それを完全に隠すかのように制服を着せる。
もちろん一番基本的な部分にも仕込まれた。スイッチさえ入れられなければ、意外と大丈
夫かもしれないと、宍戸は多少緊張しながらもふぅっと小さく息を吐く。
「もう飯は食ったんだろ?今日は一緒に学校行こうぜ。」
「お、おう・・・」
体中に感じる違和感を感じながら、宍戸は学校へ行く準備を進める。用意が終わると、い
つも通りを装い宍戸は跡部とともに家を出た。

そんなことがあってから、もうかれこれ6時間以上経過している。何もされなければ、平
気なのだが、敏感なところばかりに仕掛けられているローターのスイッチを入れられると
否が応にでも反応してしまう。ただいま跡部がスイッチを入れたのは、胸の突起にくっつ
けられているローターのスイッチだ。そんなに強い振動ではないが、やはり気になること
は気になる。
「はい、じゃあ、次の文章、宍戸読んでみろ。」
「あっ、はいっ!!」
さすがにここでスイッチを入れたままでは可哀想だと思い、跡部はとりあえずスイッチは
切った。刺激がなくなったことにホッとした宍戸はスラスラと教科書を読んでゆく。
「うん、よく読めてるな。じゃあ、次・・・」
ふうっと溜め息をついて腰掛けると、カタンと何かが落ちる音がした。ふとそちらの方を
見てみると、跡部がシャーペンを落としたようでそれを今まさに拾おうとしていた。跡部
の手がシャーペンに触れた瞬間、宍戸は椅子に触れている部分に違和感を感じる。どうや
ら跡部がかがんだ弾みにポケットの中にあるリモコンのスイッチが入ってしまったらしい。
しかも、跡部は自分で入れたわけではないので、全くもってそのことに気がつかない。
(ど、どうしよ〜、よりにもよって一番入って欲しくないところのスイッチが・・・)
小さな振動ではあるが、その振動は確実に宍戸の内側を掻き回している。だからと言って、
大きな反応を見せれば周りのクラスメートに気づかれてしまう。ふと時計を見ると、授業
が終わるまではあと15分であった。
(こ、これくらいなら・・・たぶん大丈夫。意識しなければ・・・)
唇を噛み、宍戸は必死でその刺激に耐える。たった15分ではあるが、宍戸にはその15
分が果てしなく長い時間に感じられた。
(あと少し・・・)
時計と睨めっこをしながら、宍戸はこの刺激から解放されるのを待つ。チャイムが鳴り、
授業が終わったら即行で跡部のところに行って、止めてもらおうと考えていたのだ。
キーンコーンカーンコーン・・・
そして、待ちに待ったチャイムが鳴り響いた。授業の終わりの号令がかかると、宍戸はふ
らふらとした足取りで跡部の席に向かう。
「あ、跡部・・・」
「ん?どうした、宍戸?」
「中のヤツの・・・スイッチ入ってる。早く・・・切って・・・」
「はあ!?」
そんな覚えはないと、跡部は慌ててポケットからそのリモコンを出す。見ると確かに弱の
ところまでスイッチは動いていた。
カチ・・・
すぐさま跡部はそのスイッチを切った。ずっと堪えていた刺激がなくなり、宍戸は脱力感
からその場にへたり込む。
「おいおい、大丈夫かよ?つーか、何で勝手にスイッチが入ったんだ?」
「たぶん・・・シャーペン拾った時だと思うぜ。かがんだ弾みに・・・」
「そんな前から動いてたのかよ!?全然気づかなかった・・・」
「そろそろ限界だ。跡部、もう帰りたい。」
どうしようもない体の疼きから、宍戸は目を潤ませてそんなことを言う。そんなことを言
われたらお持ち帰り決定だと言わんばかりに、跡部は迎えを電話で呼ぶ。そんな跡部を見
て、車で帰れるとホッとした表情で宍戸は帰り支度をしに、自分の席へと戻った。

学校から跡部の家までの移動中、宍戸は再び窮地に陥る。車の中なら周りを気にすること
もないと理由で、全てのローターのスイッチを入れられてしまったのだ。
「んっ・・・ぅ・・・」
「今日は俺んちに泊まりでいいよな?まだ、罰ゲーム終わってないし。そのままじゃ、家
には帰れねぇだろ?」
「ハァ・・・くそ、そうするしかねぇだろ。」
「そういう潔いトコ、好きだぜ。」
小さく震えている宍戸の頬に跡部は軽くキスをしてやる。跡部に触れられたことで、宍戸
はより一層感じてしまう。
「あっ・・・」
「さっきから感じまくりじゃねぇか。そんなに気持ちいいなら、もっと強くしてやるぜ?」
「ふ、ふざけんなよ!!」
「言っただろ?敗者に拒否権はねぇって。」
ニヤリと笑うと跡部はいくつかのリモコンのスイッチをカチカチっと動かした。中程度の
振動になったローターは宍戸の体の至るところに刺激を与える。
「ぅあっ・・・ああっ!!」
「あんまりデカイ声出してると、運転手に気づかれるぜ?」
「くっ・・ふ・・・ぅ・・・」
それは嫌だと、宍戸は必死で声を押し殺す。顔を紅潮させながら、刺激に耐え、声を必死
で押し殺している宍戸の姿は、跡部にはもうたまらなかった。小刻みに震える身体がまる
で小動物のようで、そのままペットにでもしてやろうかという気にもなってくる。
「ハァ・・・んっ・・ぁ・・・」
「後少しだから、頑張れ。」
「が、頑張れじゃね・・・マジ、止めろよっ!!」
「あんまり文句ばっか言ってると下の方のスイッチも入れんぞ。」
それは勘弁と宍戸は文句を言うのを止め、ぶんぶんと頭を横に振った。中に入っているも
ののスイッチを他のところのスイッチを同時に入れてしまったら、あっという間に達して
しまうだろうということで、跡部はわざと入れなかったのだ。そのおかげで、達してしま
うほどの絶対的な刺激がないまま、身体がひどく疼くような刺激だけを宍戸は断続的に与
えられている。
(あー、もう何も考えられなくなってきた・・・)
あまりの刺激に頭がぼーっとしてきている宍戸は、目を潤ませたまま跡部の肩にもたれる。
そんな宍戸の仕草と表情にドキッとしながらも、跡部は平常心を装い、チラッと宍戸の方
を見た。小さく息を乱し、赤く染まった顔は言いようもない色気を放っている。このまま
ここで犯してしまいたいという衝動に駆られながら、宍戸の身体に触れようとすると、車
が突然止まった。どうやら自宅に到着したようだ。
「着いたぜ、宍戸。」
「おう・・・」
執事にドアを開けられ、外に出ようとするが、宍戸が制服の裾を引っ張る。
「どうした?」
「立てねぇ・・・」
断続的に続くほのかな快感のために、宍戸の身体からはすっかり力が抜けてしまっていた。
このままでは立つこともままならないと、跡部に助けを求める。
「しょうがねーなあ。」
跡部は自分の鞄と宍戸の鞄を執事やメイドに渡すと、ドアの前にかがむ。そして、宍戸に
背を向け後ろに手を伸ばした。
「おぶさるくらいは出来んだろ?部屋まで連れてってやるよ。」
「う、うん・・・」
がくがくと震える体に何とか力を入れ、跡部の背中にもたれかかる。しっかり宍戸が背中
に乗ったのを確認すると、跡部はそのまま立ち上がった。
「・・・・っ!!」
身体中に貼り付けられているローターはいまだに動いたままなので、宍戸はそんな刺激に
も過敏に反応し、声にならない声を上げる。それに気づいたのか、跡部はふっと口元を緩
ませた。
「鞄は玄関近くに置いとけ。部屋までは持って来なくていいからな。」
「かしこまりました。」
今、自室に来られては都合が悪いと跡部はそんなことを言い残して、宍戸を背負ったまま
自分の部屋へと向かった。跡部に背負われながら、宍戸はポツリと呟く。
「気持ちイイ・・・」
跡部に背負われている感じと敏感な部分をくすぐられるようなその感覚に、そんな言葉が
宍戸の口から思わず漏れる。それを聞いて、跡部はぞくっと身体の奥から何か熱いものが
湧き上がってくるのを感じた。早く部屋に連れて行ってどうにかしたいと、跡部は歩く足
を速めた。

部屋に到着すると、跡部は宍戸を自分のベッドに下ろす。そして、今まで動いていた全て
のローターのスイッチを切ってやった。
「ハァ・・・ハァ・・・」
やっと解放されたと、宍戸は荒い息を吐く。ベッドに横になっている宍戸はこれ以上なく
艶やかで、跡部の視覚を興奮させる。
「宍戸。」
「な、何・・・?」
「ローター、取ってやるから服脱げよ。」
「お、おう。」
跡部が盛っているのは承知の上だったが、宍戸は素直に制服を脱ぎ、熱を持った裸体を跡
部の目の前に晒した。言葉通り、跡部は上半身につけられていたローターを外してゆく。
「下のも取ってやるから、そっちも脱げ。」
「・・・・・。」
さすがにそれは恥ずかしいなあと思いつつも、宍戸はズボンを脱ぎ、その綺麗な脚を露わ
にさせた。内腿に貼り付けられたローターを跡部は躊躇いもなく外す。思った以上に簡単
にローターを外してくれる跡部に、宍戸は何となく安心感を覚える。
「さてと、あとはココに入ってるやつだな。最後の一枚も脱いでもらうぜ。」
残りは蕾の内側に埋められているローター一個だけだった。これも取ってもらえるならと
宍戸は多少の羞恥心を感じながらも今唯一身につけていた下着も自ら脱いでしまった。
「もうベタベタじゃねぇか。そんなに感じてたのかよ?」
「・・・・・っ。」
あからさまな反応を見せているそれを見られ、宍戸は恥ずかしさからうつむき、跡部から
視線をそらした。可愛い反応を見せてくれると、跡部はニヤリと笑って、最後の一個のロ
ーターのリモコンを手にする。
カチカチカチ
そのスイッチに指をかけ、跡部は上げられる最高のところまで動かした。次の瞬間、宍戸
の身体はビクンと大きく跳ねる。
「ひあっ!!あ・・ああ―――っ・・・!!」
激しく動き回るローターの刺激に、宍戸はそれを抜こうと太腿へ伸びるピンク色のコード
に手をかけた。しかし、跡部はそれを制止する。
「おっと、誰が抜いていいって言った?」
「いやっ・・・あ・・・抜いてっ・・・止めてぇっ!!」
「これは罰ゲームなんだぜ?それに、他のところのローターは全部取ってやったじゃねぇ
か。これくらいは残しておかねぇと面白くねぇだろ。」
「あっ・・ひっ・・・こんなの・・・ひど・・・」
ビクビクと身体を震わせ、涙を流して止めてくれと懇願してくる宍戸は、跡部にとっては
興奮を煽る要素以外の何物でもなかった。そのうちもっと虐めてやりたいという気持ちが
跡部の中で高まってくる。内側を掻き回される刺激に喘いでいる宍戸をそのまま放置し、
跡部は自分の机の引き出しから何かが入った瓶のようなものを持ってくる。
「な、何・・・?」
「もっと滑りがよくなった方が気持ちイイだろ?」
恍惚とした笑いを浮かべながらそう言うと、跡部は宍戸の身体を前に倒し、四つん這いに
なるような体勢にさせ、腰を高く上げさせた。そして、ぶるぶると揺れているコードが入
り込んでいる赤い蕾の中心にその瓶の口を当てる。指で少しその蕾を開きながら、瓶の中
に入っている透明なローションを跡部は容赦なく流し込んだ。
「ひああぁぁっ!!」
冷たい液体が中へ入り込んでくる感覚に宍戸は悲鳴にも似た声を上げる。それは中に入っ
ているローターに掻き回され、くちゅくちゅと淫靡な音を響かせた。
「ほら、イイ音立ててるじゃねぇか。聞こえるだろ?」
「あっ・・・嫌っ・・・あ・・あっ・・・ああっ・・・!」
シーツを掴み、宍戸は言いようもない快感にガクガクと全身を震わせる。それと同時に見
開かれた瞳からは生理的な涙がボロボロ溢れていた。だんだんと自分好みに乱れていく宍
戸を見て、跡部はさらに興奮してゆく。
「ローションのおかげで、いい感じになってきてるぜ、テメェのココ。見た感じだとまだ
いろんなもんが入りそうだけどなあ?」
「っ!?」
「おっ、まだまだこんなにあるじゃねぇか。これは使わないと勿体ねぇよな?」
先程他の部分から外したローターを手に取り、跡部は妖しい笑みを浮かべてそんなことを
言う。そして、一つまた一つとローションでぐちゅぐちゅになった宍戸の蕾へと押し込ん
でゆく。
「ひっ・・・ぐっ・・・」
「すげぇぜ、宍戸。ピンク色の可愛いコードのついたローターがテメェの中に3つも入っ
ちまった。」
押し込められている所為で一番初めに入っていたローターは、かなり奥の奥まで入り込ん
でしまった。二つ目のローターは三つ目のものに押されるようにして、ちょうど前立腺の
あるあたりで止まっている。三つ目は入り口のすぐ近くでその存在感を誇示していた。そ
して、跡部は二つ目と三つ目のローターのリモコンを手にする。
「やだっ・・・跡部・・・いや・・・」
これ以上中を掻き回されたらおかしくなってしまうと、宍戸は必死で跡部にそのことを訴
える。しかし、跡部は無情にも手に持っていた二つのリモコンのスイッチを最強にまで押
し上げた。
「ひああぁぁっ―――っ!!」
その刺激に耐え切れず、宍戸はシーツの上に白濁の蜜をぶちまける。しかし、一度出した
だけでは、全くもって絶頂感は弱まらない。
「あっ・・あはっ・・・ああっ・・・」
「気持ちイイだろ?こんな感覚俺とじゃないと味わえないぜ?」
「ひぐっ・・あ・・あと・・べぇ・・・・」
あまりの快感に朦朧としたような表情で宍戸は跡部の顔を見る。そんな宍戸の表情を見て、
跡部はたまらなくなり自分の欲望の象徴を宍戸の前に差し出した。
「テメェだけ気持ちよくなるってのは不公平だろ。テメェの口で、俺を気持ちよくさせて
みせろよ。」
もう何も考えられないと、宍戸は跡部に言われるがまま、目の前に差し出された熱の塊を
口に含む。両方の口を犯されているような感覚に宍戸の中のアドレナリンは一気に上昇す
る。日常では絶対に味わえない激しい快感に、宍戸の脳内はショート寸前だった。
「んぐっ・・・んっ・・んぅっ・・・」
「ハァ・・・その調子だぜ、宍戸。くっ・・・たまんねぇ。」
「んっ・・・ふ・・・んん・・・んっ・・・」
「すげぇ、イイ。今日のテメェは最高だぜ、宍戸。」
自分のことをひたすら褒めてくれる跡部の言葉にも宍戸の思考は侵食されてゆく。いくつ
ものローターで内側を激しく掻き回される快感。口に含むのもやっとな跡部の熱が口内を
犯してゆく快感。そして、跡部の自分を賞賛する言葉。それがあいまって、宍戸は今まで
になく激しい絶頂感がやってくるのを感じる。
「くっ・・・もうっ・・・出るっ!!」
「んぐっ・・・んんんんっ!!」
喉の奥へ放たれた苦い蜜を飲み干しながら、宍戸は再び絶頂を迎える。その絶頂感はなか
なか治まらず、全身が痙攣するとともにしばらくの間、茎の先から白蜜がとめどなく溢れ
ていた。
「あっ・・・あっ・・あ・・・」
「ハァ・・・ハァ・・ハァ・・・」
宍戸の口の中にある程度の熱を放てたことで、少しは満足したのか、跡部は宍戸の中で激
しく暴れまわっていたローターのスイッチを三つとも切った。そして、そのローターを荒
々しく宍戸の中から引き抜く。
「あうぅっ・・・」
その刺激にも過敏に反応し、宍戸は身体をぶるりと震わせる。先程からのイキっぱなしの
ような状況からやっと解放され、宍戸は瞳にハッキリとした光を宿しながら、大きく胸を
上下させた。しかし、極限まで高まった熱はそう簡単には治まらない。先程まで入るだけ
何かを入れられていた宍戸の蕾は、物足りなさからひくひくと収縮を繰り返している。
「跡部ぇ・・・」
力の入らない体をゆっくりと起こし、宍戸は潤んだ瞳で跡部を見つめる。そして、擦り寄
るかのように跡部に近づき、その首に腕を回した。
「どうした?」
「中・・・まだ熱い。空っぽなの耐えらんねぇ・・・」
「もっと分かりやすく言ってくれねぇと分からねぇぜ。」
「跡部の・・・俺ん中に挿れて・・・」
恥ずかしそうに跡部の耳元で宍戸は囁く。そのセリフに跡部はゾクゾクするような興奮を
覚える。荒々しく宍戸の身体をベッドへと押し倒し、脚を大きく広げさせた。多少乱暴だ
なあと思いながらも、宍戸の胸は跡部に貫かれる期待感から大きく高鳴っていた。
ズッ・・・ズチュッ・・・・
ローションとローターで十分に慣らされているそこは、跡部の大きな楔も何の抵抗もなし
に受け入れる。ほどよい収縮を繰り返す宍戸の蕾は跡部にも大きな快感を与えた。
「うあっ・・・ああぁっ・・・あっ・・ひぃんっ!!」
「すげっ・・・ぐちゅぐちゅなくせに絶妙に締めつけてきやがる・・・」
「あっ・・・あ・・跡部っ・・・ああぁっ・・・」
「マジ最高だぜ、テメェのココ。くっ・・・たまんねぇっ!!」
あまりの快感に跡部は容赦なく宍戸の中に自分の熱を何度も打ち込む。そのたびに宍戸は
艶めいた嬌声を上げ、跡部の興奮をさらに煽る。
「ひっ・・あっ・・・跡部っ・・・イイっ・・・あっ・・あんっ・・・」
「宍戸・・・」
激しく呼吸を乱しながら、跡部は宍戸の唇に自分の唇を重ねる。そんな感覚にも身体が溶
けてしまうような快楽を覚えながら、二人はさらなる結合を求める。
「んんぅ・・・跡部っ、もっと・・・もっと奥まで・・して・・・」
「ああ。テメェの中、全部俺で埋め尽くしてやるよ。」
「はぁ・・・跡部・・・あっ・・・あぁ・・・」
「宍戸、ちゃんとしがみついてろよ?」
ぎゅうっと宍戸が自分にしがみついたのを確認すると、跡部はいったんギリギリ自分自身
を引き抜き、そして、勢いよく宍戸の最奥まで貫く。
「ふあっ・・・ああぁぁ――っ!!」
「・・・・・っ!!」
どちらも熱い蜜を放ち、快楽の高みに到達する。しばらくその感覚に浸りながら、二人は
恍惚の中で瞳を閉じた。

しばらくそのままの格好で身体を休めると、二人は汚れた服やシーツを片付けようと起き
上がり動き出す。洗濯物として出しに行くついでに、シャワーを浴びにでも行こうと二人
は部屋着を羽織り、部屋の外へと出た。
「はあー、部活したわけでもないのに超疲れたー。」
「まあ、気分は超イイけどな。つーか、意外とテメェ余裕だな。」
「んー、何かスッキリした。今日学校いる間中うずうずしてたからな。」
「やらしいー奴。」
「はあ!?テメェの所為だろ!!」
まるで自分だけの所為でそうなっているような言われ方をし、宍戸は恥ずかしさを誤魔化
すかのように跡部を怒鳴る。
「でも、ま、そのおかげで俺は相当いい思い出来たし、テメェだってよかったんだろ?」
「ま、まあ、そうだけどさぁ・・・」
素直に認めるあたり可愛いと、跡部は声を殺して笑う。それに気づいて宍戸は再び真っ赤
になって跡部に対して怒ったような態度を見せる。
「何で、笑うんだよ!?」
「いやあ、テメェは本当可愛いなあと思ってよ。」
「む〜。」
不機嫌顔になってしまった宍戸の頭を跡部はぐりぐり撫でる。嫌がると思いきや、宍戸は
それほど嫌がらずむっとした表情で跡部の顔を見るだけだ。
「嫌がらねぇのか?」
「べ、別に嫌じゃねぇし・・・」
素直じゃないのにところどころで素直さを出す宍戸に跡部はキュンとしてしまう。シャワ
ーを浴びながらも存分に可愛がってやろうというようなことを考えながら、跡部は顔を緩
ませた。
「また、ニヤけてるし。あっ、風呂場では変なことすんなよ!!」
「別にそんなこと言ってねぇだろ。それともテメェがして欲しいのか?」
「んなわけねーだろ!!ったく・・・・」
風呂場へ移動する間のこんなやりとりも心の底から楽しいと思える。それが嬉しくて、跡
部は宍戸の腰に手を回し、髪にちゅっとキスをした。
「こ、こんなとこで何だよ!?」
「んー、親愛の気持ちを急に表したくなってな。」
「何だよそれ?そんな気持ちはさっきので十分伝わってるっつーの・・・」
「フッ、テメェは本当嬉しいことばっか言ってくれるな。」
「へっ?」
「何でもねぇよ。ほら、さっさとシャワー浴びて、飯でも食いに行こうぜ。」
「お、おう。」
今日の跡部は若干雰囲気が違うなあと思いつつ、宍戸は跡部にくっついて長い廊下を歩く。
まあ、跡部の機嫌がいいのは悪いことではないと、宍戸も顔を少し緩ませ、このあと何を
しようかを考え始めた。

                                END.

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