Regulators of Ecclesia ��

大曲の古書店から教会へ戻ってくると、君島と遠野は君島の部屋へと向かう。種ヶ島から
もらったお菓子を手にしたまま、君島はテーブルの側にある椅子に、遠野はベッドに腰掛
ける。
「毛利も言ってたが、見た目はマジで綺麗な菓子だよな。」
「そのお菓子には見えないほどの綺麗さが怪しいんですけどね。」
袋を軽く開け、中に入っているお菓子を見ながら、二人はそんな会話を交わす。
「俺はとりあえず一つ食ってみようと思ってるが、お前はどうする?」
「迷いますね。でも、遠野くんが食べると言うのであれば、私も食べますか。」
一人で試すのは無理だが、遠野が食べると言うのであれば自分も食べてみようと、君島は
そう答える。怪しいと思いつつも、君島はそのお菓子に興味津々であった。
「なら、せーので食おうぜ!どっちかの効果を見た後じゃ、楽しみも半減するだろ?」
「そうですね。」
二人で同時に食べることを確認すると、どちらも袋からお菓子を一つ出す。君島が手にし
たのはアクアマリンのように透き通った水色のお菓子で、遠野が手にしたのは鮮やかな赤
紫色のお菓子であった。
「それじゃ、行くぜ。せーの・・・」
パキっ!
飴が砕けるような音と共に、君島の口の中にはほんの少しだけ塩味を感じる甘みが広がり、
遠野の口の中には蜜たっぷりのリンゴのような甘酸っぱさが広がる。
「おっ、味は悪くねぇな。」
「そうですね。わりと好きな味です。」
しっかりとその味を味わい、どちらもごくんと口の中のものを飲み込む。その瞬間、一瞬
遠野の体が光る。その眩しさに目を閉じ、再度目を開けると、遠野の服装が変わっていた。
「なっ!?」
「は?」
遠野の服装はいわゆる『修道服』に変わっていた。しかもただの修道服ではなく、何かに
襲われたか戦ったかした後のようにところどころビリビリに破れ、かなりボロボロな状態
であった。
「何か服が変わったな。つーか、上半身も下半身もビリビリでボロボロじゃねーか。どう
いうことだよ?」
おそらくお菓子の効果であろうことは分かるが、さすがにこれは意味が分からないと、遠
野は首を傾げる。そんな遠野の姿を見て、君島の顔は赤く染まる。
「修道服な上に、胸元は丸見えで、下もビリビリに破れて大事なところが見えそうになっ
ているじゃないですか。そんな破廉恥な格好なのに、どうしてそんなに似合ってるんです?」
そこまで口に出して、君島はパッと自分の口を手で塞ぐ。確かにそう思ってはいたが、口
に出すつもりなど一切なかった。君島にそう言われ、遠野は自分の姿を確認したくなる。
「へぇ、ちょっと自分でも見てみてぇな。」
君島の部屋には大きな姿見があるので、遠野はそこまで移動する。全身が映る大きな鏡の
前に立つと、遠野は今の姿を確認する。
「なるほどな。普通の修道服だったらまた違っただろうが、この雰囲気悪くねぇな。さす
が俺。似合ってるじゃねーか。」
修道服がひどく破れているという状況が退廃的な雰囲気を醸し出し、遠野の美学を刺激す
る。非常に自分好みの格好で、鏡の前に立っている遠野を見て、君島はこの上なく興奮し
てしまう。
「ああ、我慢出来ない・・・この手で遠野くんを汚したい。」
遠野には聞こえてはいないが、思っていることを声に出してしまっていることに君島は気
づく。
(また勝手に口が動く。これが私が食べたお菓子の効果か。)
気づいたところで今更どうすることも出来ない。さらに自分好みの雰囲気になっている遠
野を前に、何もしないということも無理であった。もうどうにでもなれといった半ば投げ
やりな心持ちで、君島は遠野の背後に立つ。
「本当によく似合っていますね。」
「当然だろ?フッ、随分と興奮してるみたいだが、お前はこんな格好が好きなのか?」
鏡に映っている君島の顔を見て、遠野はニヤリと笑いながらからかうようにそんなことを
言う。
「ええ。今の遠野くんの姿、すごく興奮します。」
遠野の肩に手を置き、君島は耳元でそう囁く。そんな君島の言葉にゾクゾクしながら、遠
野は口元を緩ませ、君島の方に顔を向ける。
「神父のくせに修道服に興奮するのかよ?」
「修道服に興奮してるのではありませんよ。こんな破廉恥な格好をしている遠野くんに興
奮しているのです。」
今日は随分と素直に言葉を紡いでいるなと遠野はドキドキしてしまう。非常に顔が近くに
あるので、どちらからともなく顔を近づけ唇を重ねる。
ゴトンっ!!カランっ・・・
唇が触れた瞬間、何かが床に落ちる音が聞こえる。その音に唇を離し、二人は床に目を向
ける。
「何だ?」
「何か落ちましたね。」
何が落ちたのかを確認するために、遠野も君島もその場にしゃがむ。そこには触手や蛸の
足を思わせるような形の玩具と細い鎖とリボンが合わさったような紐状のものが落ちてい
た。
「これもさっき食った菓子の効果か?うわっ、結構エグい見た目の玩具だな。」
なかなかの見た目の玩具を手に取りながら、遠野は戸惑いと期待に満ちたような表情でそ
れを見る。その隣にリモコンのようなものが落ちていたので、君島はそれを手に取る。
(これで操作するのか。)
試しにリモコンにあるボタンを一つ押してみると、遠野の手にしている玩具から潤滑油の
ようなとろりとした液体が溢れてくる。
「うわっ・・・」
「へぇ、本当にそういうことに使う道具のようですね。」
「ま、まあ、そうなんじゃねぇの?」
ドギマギとしている遠野から鏡に視線を移すと、遠野が着ている服の合間から脚の付け根
あたりが見えそうになっていることに気づく。
(もっとちゃんと見たい・・・)
「遠野くん。」
「ん?何だよ?」
「そのままお尻をつけて座ってくれますか?」
「えっ?お、おう。」
君島に言われるまま、遠野はその場に腰を下ろす。
「膝を立てて、脚を広げてください。」
「んっ・・・」
少し恥ずかしいと思いつつも、遠野は君島の言葉に従う。チラリと鏡に目をやると、修道
服のスカートの布の部分が開いた脚の中心にかかり、なるべくなら隠したい部分は隠れて
いた。その状態で、君島は後ろから手を伸ばし、床に落ちているリボンの混じった鎖状の
紐を手に取る。
「ハァ・・・」
「遠野くん、そこにかかっている布をめくってください。」
「えっ!?それは・・・」
「早く。」
「うっ・・・」
なるべく鏡の方を見ないようにしながら、遠野は腰回りにかかっている布をめくり上げる。
羞恥と興奮から、遠野の熱は勃ち上がり、その先端から透明な蜜を滲ませていた。
「遠野くんのココ、もっと美しくなるように飾ってあげますね。」
妖しい笑みを浮かべながら、君島は持っているリボンと鎖で遠野の熱を縛る。
「ひっ・・・あんっ・・・!」
震える楔に細い鎖が絡みつき、赤いリボンが可愛らしく垂れる。それなりの強さで縛られ
ているため、食い込むようなその刺激に遠野は呼吸を乱す。
「んん・・・ハァ、ハァ・・・」
「ああ、思った通り、すごく似合いますね。ほら、見てください。その衣装ともあいまっ
てこんなにも素敵ですよ?」
「ぐっ・・・見たくねぇ。」
「見ないとダメですよ。」
「あっ・・・」
いつもよりも素直な言葉で責めてくる君島に、遠野は興奮しつつその言葉に従ってしまう。
自らそこを見せつけるように布を持ち上げ、細い鎖とリボンで彩られた熱がハッキリと映
っている。
(くそ、恥ずかしいのに・・・気持ちいい・・・)
「この後どうします?」
「は?」
「このまま放置してもいいですか?」
意地悪くそう質問してくる君島に、遠野は不満気な顔を見せる。そんな遠野の目に先程手
にした玩具が映る。
(これ、使って欲しい・・・)
「・・・これ。」
「何です?」
再度その玩具を手にし、遠野はボソっと呟く。
「・・・これで、中を責めて欲しい。」
「ふふ、本当遠野くんはエッチですね。いいですよ。この禍々しい見た目の玩具使って、
遠野くんの中を存分に責めてあげます。その代わり・・・」
「な、何だよ?」
「それを挿れるのは、自分でしてください。」
「なっ・・・!?」
そんな君島の言葉に遠野の心臓は跳ねる。どうしようか迷っていると、君島が手に持って
いるリモコンを操作し、手にしている玩具から液体が溢れ、ぬるぬると濡れていく。
(勝手に濡れて、本当に触手とかそういうやつみてぇ・・・)
「ほら、挿れやすくしてあげましたよ。挿れる場所も鏡に映っているので、迷わず挿れら
れるでしょう?」
「くっ・・・」
君島に煽られ、遠野はぬるぬるとしているそれを自らそこにあてがう。
「んっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
(見たくねぇのに、鏡から目が離せねぇ・・・)
玩具をあてがったそこは期待感からヒクヒクと痙攣し、早くそれを飲み込みたいと蠢いて
いた。
(早く欲しいっ!!)
あてがっているだけでは我慢出来なくなり、遠野は自らの手でその玩具を自分の中に挿入
する。
「んああぁんっ!!」
それなりの太さのある軸と蛸の吸盤のような突起が遠野の内側の壁を擦り上げる。かなり
深くまでその玩具を咥え込み、キュンキュンと収縮を繰り返している遠野の蕾を鏡越しに
見て、君島の胸はひどく高鳴る。
「こんな背徳的な格好で、こんなに大きく禍々しい形の玩具を咥え込んで、今の遠野くん、
この上なく淫らで美しくて最高です。」
「やっ・・・そんなことねぇ・・・」
「私の手でもっと乱れて、私を楽しませてください。」
興奮から軽く息を乱しながら、君島はリモコンに指を添える。一番大きなボタンを押すと、
遠野の中の玩具のスイッチが入り、大きく動き出す。
「んあっ・・・あああぁんっ!!」
触手のような見た目の玩具で内側を激しく掻き回され、遠野の腰は大きく跳ねる。
(これ、思った以上にヤベェ!!ボコボコした表面で中ぐちゃぐちゃに掻き回されて・・・)
「ああっ・・・気持ちイイっ!!んあっ・・・あああぁっ!!」
「イイ声で鳴きますね。こうしたらどうです?」
どんなふうになるかは分からないが、君島は別のボタンを押してみる。動きの変わった玩
具に、遠野はガクガクと下肢を震わせる。
「ひっ・・・それ、ダメだっ・・・そんなとこ集中的に責められたらっ・・・」
敏感な部分を集中的に責めるようなその動きに遠野の絶頂感は一気に高まる。
「ひああぁんっ!!もう・・・イック・・・っ!!」
(あれ!?イけねぇ!?)
細い鎖とリボンがしっかりと巻きついているそこは先程よりも質量を増しているため、よ
りキツく縛られているような状態になっていた。そのため、物理的に出すべきものが出せ
ない状態になっている。
「ああぁっ・・・やっ・・・イけねぇ・・・君島、これ外してくれっ!!」
「ああ、これのせいでイけないんですね。このままもっと中を責めたらどうなるんでしょ
うね?」
「なっ・・・あっ・・・」
「試してみましょうか。」
意地悪な笑みを浮かべると、君島はまた違うボタンを押す。今度はその玩具自体が回転す
るような動きをし始め、その激しすぎる刺激に遠野は背中を仰け反らせながら君島の服を
掴む。
「いっ・・・あああぁっ!!」
「ふふ、可愛いですね。イけないのに気持ちイイ感じがどんどん強くなってたまらないの
でしょう?」
「ひっ・・・あっ・・・ああっ・・・んああぁっ!!」
達してもおかしくないレベルの快感が絶え間なく続き、遠野はビクビクと全身を震わせる。
(ずっと気持ちよすぎて、おかしくなるっ・・・)
「んんっ・・・あああっ・・・君島ぁっ・・・んああぁっ!!」
甘い悲鳴を上げ続け、時折君島の名を呼びながら、遠野の顔は快感に染まり、この上なく
蕩けたものになっていく。
「こんなに禍々しいものに中を掻き回されて、達することの出来ない苦痛に酔いしれなが
ら、そんな蕩けた顔をするのですね。その表情、いつまでも眺めていたいです。」
「ああっ・・・君島っ、もう許して・・・こんなのずっと続けられたら・・・」
「遠野くん気づいてます?今日は別に遠野くんを拘束してはいないんですよ?ちゃんとイ
キたければ、勝手に自分で解けばいいじゃないですか。」
君島のその言葉を聞き、遠野は初めてそのことに気づく。確かに今日は浄化をしてもらう
ときとは違って、手も足も拘束されてはいない。自分で解こうと思えばいくらでも解くこ
とが出来るのだ。しかし、遠野の心は何故かそうすることを拒絶していた。
(自分じゃ解きたくねぇ・・・)
「嫌だ・・・」
「何が嫌なんですか?」
「自分で解くのは嫌だ・・・なあ、君島ぁ・・・」
快感に溺れた表情で、軽く振り向きながら遠野は君島にそんなことを言う。そんな遠野に
君島のもともと持っている嗜虐心が刺激される。
「そんなに私に縛られたままがいいんですか?仕方ないですね。でも、遠野くんのそうい
うところ大好きです。もっと奥まで、私の代わりにそれで犯されている姿、存分に眺めて
いてあげますよ。」
「そんな・・・」
熱に絡みついたそれを全く外す気のない君島の言葉に、遠野は絶望にも似た恍惚感を覚え
る。遠野を後ろから抱きながら、君島は指先を動かすことで、遠野の口から放たれる声で
美しい音色を奏でる。
「ハァ・・・んあっ・・・あああぁっ・・・」
ピクピクと熱と蕾を震わせながら、声を上げる続ける遠野の顎を掴み、君島は真っ直ぐ鏡
の方を見るようにその顔を固定する。
「ほら、見てください。処刑人であるアナタが、こんな得体のしれない玩具に、そして私
の独占欲に、これほど無様に美しく溺れている。そんなアナタが愛しくて愛しくてたまら
ない。もっと私に溺れてください、遠野くん。」
鏡越しに熱を帯びた瞳で見つめられ、重く甘い愛の言葉を囁かれ、遠野は心ごと飲み込ま
れるような心地になる。
(もっともっと君島が欲しい。)
心からそう望んだ瞬間、中に入っていた玩具と熱を縛っていた鎖とリボンがパッと消え去
る。熱い雫が外に出るのを堰き止めていたものが突然なくなったため、遠野は深い絶頂感
と共に堰き止められていた大量の蜜を放つ。
「あああぁんっ!!」
白い雫は濡羽色の修道服に飛び散り、より艶やかな深みを与える。鏡にその様はしっかり
と映っており、遠野が達する様子を、君島は恍惚とした表情で微笑みながら眺めていた。
「おやおや、私が外す前に消えてしまいましたね。」
「はっ・・・はぁ・・・き、君島・・・」
長く続いた快感と深い絶頂感の余韻にクラクラしながら、遠野は君島の腕を掴み、君島の
顔を見る。
「何です?」
「早く、お前を俺の中に挿れてくれ・・・」
それなりに率直な遠野のおねだりに君島は我慢ならなくなる。
「分かりました。せっかく鏡の前でしていることですし、私のモノが遠野くんの中に入る
ところ、一緒に見ましょう。」
「そんなこと・・・」
遠野が否定する間もなく、君島は自身の熱を出し、遠野の入口にあてがう。その様子がし
っかり見えるようにと、君島は遠野の脚を大きく開かせ、少し自分に寄りかからせるよう
な体勢にする。
「あっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「挿れますよ。」
入っていく様を見せつけるように、君島はゆっくりと自身を遠野の中に挿入する。先程あ
れだけ玩具で中を弄っていたこともあり、遠野のそこは何の抵抗もなく、君島の熱を受け
入れる。
(君島のが俺の中に入ってく。あんなにデカいのに・・・)
視覚的な刺激もあり、遠野はゾクゾクとした快感が君島の熱から広がっていくのを感じる。
「あっ・・・あああぁっ!!」
「私のモノが入るところ、一緒に見てしまいましたね。」
「んあっ・・・中、気持ちいい・・・」
恥ずかしさよりも快感を優先している遠野の言葉に君島は口角を上げる。
「鏡越しに遠野くんを眺めていて、ここにとても触れたいと思っていたんですよね。この
破れた服の合間から覗く胸の飾り。こんなに可愛らしく勃ち上がって、触って欲しくてた
まらないんですよね?」
「そんなことねぇ・・・」
君島の手がすっと胸に添えられ、まだ触れられていないにも関わらず、遠野の身体はビク
ンと跳ねる。
「触りますよ。」
「やっ・・・」
耳元でそう囁かれ、遠野の鼓動は一気に速くなる。破れた修道服から覗く胸の突起を君島
は両手の指先できゅっと抓む。
「ひゃあぁんっ!!」
「イイ反応ですね。しばらくココを可愛がってあげます。ついでに遠野くんが楽に動ける
ように手伝ってあげますね。」
今の体位では遠野がメインで動かないとなかなか動きづらいのだが、君島は軽く魔法をか
け、遠野の腰を動かす。
(あっ、勝手に腰が・・・)
遠野の意思に反して、勝手に腰が動き出す。熱く大きな楔で内側を擦られる刺激と敏感に
なっている胸の突起を弄られる刺激に、遠野はビクビクとその身を震わせる。
「あっ・・・君島っ・・・あん・・・ああっ!!」
「ほら、見てください。破れ目から白い肌を覗かせて、赤く染まる突起を弄られ、内側を
突かれながら、淫らに喘いでいるこの姿。最高に美しいですよ。」
「んっ・・・恥ずかしい・・・」
「おや?随分余裕がなくなっているようですね。ここを弄られるの、そんなにいいのです
か?」
両方の突起を親指と中指でぎゅっと抓みながら、その先端をくりくりと人差し指で擦る。
「ひっ、ああぁんっ!!それ、ダメっ・・・気持ちよすぎて・・・っ!!」
「ふふ、この触り方が好きなのですね。」
「あっ、あんっ・・・ひあっ・・・ダメだっ・・・イ、イクッ・・・!!」
特に感じる触り方でそこを責められ、遠野の身体はビクンと跳ねる。熱の先端から白濁の
蜜が溢れると同時にすーっと修道服が消えていく。
(修道服は消えてしまったが、一糸纏わぬ遠野くんの姿、これはこれで悪くない。)
思っていることが口に出なくなったことに気づき、君島は自分の食べたお菓子の効果も切
れたことに気がつく。
「お菓子の効果が切れたようですね。」
「ハァ・・・ハァ・・・そうだな。」
「お菓子の効果は切れてしまいましたが、私はまだイッていないので、もう少し続けます
よ。」
「ああ・・・」
「遠野くん、少し私の方を向いてください。」
言われた通り君島の方を向くと、深い口づけを施される。
「んんっ・・・」
「遠野くん、視線を鏡の方へ向けてください。」
「んっ・・・」
一瞬唇を離し、君島はそう指示する。顔は君島の方へ向けたまま、視線だけ鏡に移すと、
鏡に映っている君島と目が合う。目が合ったのを見計らい、君島は再び口づける。
「あっ・・・んんっ・・・」
(目が合ったまま、キスされてる・・・スゲェドキドキする・・・)
目が合い、舌が絡むのを見ながらのキスに、遠野はひどく高揚する。胸がときめき、君島
が入っているそこがキュンキュンと疼く。
「遠野くんの中、ビクビクと反応していますよ?」
「はぁ・・・だってよ・・・こんな目を合わせながらのキス・・・ドキドキしてどうにか
なっちまいそう・・・」
「本当可愛いですね。遠野くんの中、すごく気持ちいいですし、私もすごくドキドキして
います。」
君島もドキドキしているということを聞いて、遠野はキュンとしてしまう。目を合わせた
まま、遠野はおずおずと君島の手に触れる。それに気づき、君島はすっと指を絡め、遠野
の手を握ってキスをする。
(ああ、遠野くん可愛い。ドキドキする。気持ちいい。)
遠野の魅力に酔いしれながら、君島は何度もキスを繰り返す。そんなキスの合間に、遠野
は君島を直接見て名前を呼ぶ。そして、溢れて止めることの出来ない君島への想いをふわ
りと漏らす。
「んはっ・・・君島、好き・・・」
蕩けたような表情でそう漏らす遠野の言葉に、君島の熱は一気に高まる。
「私も遠野くんのこと大好きです。私の想い、全部受け止めてください。」
君島も直接遠野を見て、遠野の腰を抱く。そして、再び口づけると、ぐっと遠野の腰を下
げ、深い場所へ熱い想いを注ぐ。
(あっ、君島のが奥に・・・)
「んんっ・・・んんん――っ!!」
たっぷりと自分の中に君島自身を注がれ、触れ合う唇からも想いが伝わる。浄化されてい
るときは違う甘く穏やかな快感で満たされながら、遠野は果て瞳を閉じた。

もともと着ていた服を着直し、遠野は君島のベッドで体を休めていた。ベッドでゴロンと
横になりながら、遠野は聞きたかったことを君島に尋ねる。
「なあ、お前の食った菓子の効果って結局何だったんだよ?いまいち分からなかったんだ
よな。」
「おや、分かっていなかったんですか?」
「んー、何となくこれかなってのはあるんだけどよ、そうするとちょっと辻褄が合わねぇ
とこがあって。ちなみに効果が切れたのは、俺が着てた修道服が消えたのと同じタイミン
グだよな?」
「そうですね。」
「だよなー。そうすると本当分からねぇ。」
遠野がお菓子の効果だと思っていることはだいたい合っているのだが、効果が切れた後も
君島が自らの意思であえて口にしていたので、混乱していた。
「分からなかったなら、分からなかったでいいんじゃないですか?」
「いや、スゲェ気になるから!ちゃんと教えろよ。」
「私自身もハッキリと断定出来るものではないですが、普段は思っていたとしても口には
しないことが、勝手に口から出てしまっていましたね。」
「へぇ、そういう感じなんだな。てっきり惚れ薬?みてぇな感じで、無駄に俺のことを褒
めたくなるみてぇな効果かと思ってたぜ。」
そう口にして、遠野はあることに気づく。
(ん?別にそういう効果じゃねーってことは、君島が口にしてたことは、全部君島が素直
に思ってることってことだよな?)
そんなことに気づき、遠野の顔はぶわっと真っ赤に染まる。
「えっ、じゃあ、お前が言ってたことって、お菓子のせいで無理矢理言わされてるっつー
よりは、お前の本心がダダ漏れになってたってことか?」
「まあ、そうとも言えるんじゃないですか?」
「・・・マジかよ。」
最中に言われたことを反芻し、遠野の鼓動は非常に速くなる。
「まさかそんな効果だとは思っていなかったので、最初は困惑しましたが、言えば言うほ
ど遠野くんの反応がよくなっていっていたので、悪くなかったと思いますね。」
ニヤリと笑う君島に遠野は何も言えなくなってしまう。
(あれ、全部君島の本心なのか。スゲェ恥ずかしいけど、超嬉しい・・・)
顔を真っ赤にしながらも、口元を緩むのが抑えられず手で隠そうとしている遠野を見て、
君島はからかいたくなってしまう。
「私に言われたこと、嬉しかったですか?」
「べ、別にそんなこと・・・」
誤魔化そうとする遠野の顎を掴み、グイッと上げて強制的に自分の方を向かせる。
「っ!?」
「本当のことを言わないと、このままキスしてしまいますよ?」
そんな君島に負けじと遠野もわざと反抗的な態度をとる。
「すればいいだろ?俺は君島のこと、スゲェ好きだし。別にされたところで嫌でも何でも
ねーしな!」
(本当こういうところが・・・)
「それならさせてもらいますよ、遠野くん。」
胸を高鳴らせ、心の底から遠野のことを愛しく思いながら、君島は遠野の唇に自分の唇を
重ねる。言葉では伝えづらい気持ちが触れ合う唇から伝わっていく。素の気持ちが交錯す
る二人の側で、まだ袋に残っている宝石色のお菓子が今度はいつ食べてもらえるかを楽し
みにしながらキラリと光った。

                                END.

戻る