大曲の店から帰ってくると、毛利はもらったお菓子の袋から一つお菓子を出し、ベッドに
うつ伏せになりながら眺めている。
「ホンマに宝石みたいにキラキラしとりますね!」
「ああ。」
「一つ食べてみよかなー。どないな感じになるかも気になるし。」
興味津々な毛利に、越知は心配するような眼差しを向ける。そんな越知の視線に気づき、
毛利は苦笑する。
「そないに心配せんでも大丈夫やと思いますよ。大曲さんも種ヶ島さんも確かに悪戯は好
きかもしれへんけど、人を傷つけることとかはせぇへんし。」
「それは分かっているが・・・」
「ほんなら月光さんも一緒に食べましょ。ホンマは月光さんも興味ありますよね。」
「・・・さして興味はない。」
「はは、いつも通りですね!」
絶妙な間があったことに気づき、やはり越知も興味があるのだろうと毛利は笑う。それで
あればと、毛利はオレンジ色のお菓子を一つ取り出し、パクっと口の中に入れる。
「っ!!」
パキっ!!
「んっ、あまぁ。ハチミツみたいな蜜たっぷりでメッチャ美味い。」
口の中のお菓子を噛み砕くと、甘い蜜が毛利の口に広がる。その甘さに舌鼓を打ちながら、
ごくんとそのお菓子を飲み込むと、毛利の身体が少し変化する。
「なっ!?」
その姿を見て、越知は明らかに動揺するような反応を見せる。
「食うてみたけど、別に何ともないなあ。ねぇ、月光さん?」
「いや、何ともなくはない。これは本物なのか?」
お菓子の効果で変わった部分に越知はドキドキしながら手を伸ばす。毛利の頭に現れたオ
レンジ色に近い茶色のそれに触れると、毛利の身体はビクンと跳ねる。
「ひゃあっ!!えっ、なっ・・・!?」
思ってもみない感覚に毛利も自分の頭に触れてみる。そこにはしっかり感覚のある猫耳が
生えていた。
「猫耳!?えっ、メッチャ触られてる感じあるんやけど!えっ、えっ!?」
「お前は気づいていないかもしれないが、尻尾も生えている。」
「嘘やろ!?」
少し後ろを振り返ってみると、ふよふよと不随意に動いている尻尾が見える。
「どうやら毛利の食べたお菓子の効果のようだな。」
「うっはぁ、まさかこないな効果とは・・・大曲さんも種ヶ島さんもすごいですね。」
猫耳をピクピク動かし、尻尾も揺れている毛利を見て、越知の鼓動は速くなる。
(可愛い・・・)
「あっ、月光さんもお菓子食うたら、猫耳とか尻尾が生えるんですかね?俺、ちょっと見
てみたいです!」
「どうだろうな。」
「これくらいやったら大丈夫やと思うんで、月光さんも食べてみてください!」
確かにこの程度の悪戯であれば許容範囲だと、越知は大曲と種ヶ島にもらったお菓子の袋
を手に取る。そして、サファイアのように濃く鮮やかな青色のお菓子を取り出す。
「そのお菓子もメッチャ綺麗な色ですね!」
「そうだな。」
しばらくそのお菓子を眺めた後、越知はそれを口に入れる。
パキンッ!
口の中でお菓子が砕けると、少しピリリとしたスパイシーな味が舌に広がる。
「かなりスパイシーな味だな。」
「へぇ、俺のは甘かったのに月光さんのは違うんですね。」
そのお菓子を飲み込んだ後、しばらく待ってみるが越知に猫耳や尻尾が生える気配はない。
「あれー?月光さんには猫耳生えてきませんね。」
「ああ。まあ、俺に生えたところで、毛利のように可愛らしくなるわけでもないしな。」
「へっ!?か、可愛らしいやなんて、そないなこと・・・」
予想外の越知の言葉に毛利は真っ赤になりながら、ひどく動揺する。
「そのままでも十分に可愛らしいが、猫耳と尻尾の生えているこの姿。筆舌に尽くしがた
い可愛さで、たまらないな。」
ゆるりと毛利に生えている猫耳を撫でながら、越知はそんなことを言う。越知の声で可愛
いを連呼され、毛利はドキドキしてしまう。
「えっ、あっ・・・月光さん?」
「もっとたくさん触れてもよいだろうか?」
大きな手でするりと頬を撫でられ、毛利は越知の瞳から目を離せないまま固まってしまう。
しかし、今しか生えていない猫の尻尾は嬉しさからピンと立っていた。ドキドキしすぎて、
言葉を発せられないまま毛利は頷き、ぎゅっと越知に抱きついた。
毛利をしっかりと抱きしめながら、越知は尻尾をその手で弄び、猫耳を食む。お菓子の影
響で今だけしか生えていないものにも関わらず、どちらもひどく敏感で毛利は越知にしが
みつきながらビクビクと震えている。
「あっ・・・月光さん、尻尾そないに触られたら・・・」
「感じているのか?」
「んっ・・・」
あからさまに頷くようなことはしないものの、毛利は真っ赤になった顔で越知を見上げる。
「可愛らしいな。どこが特によいんだ?」
「そんなん・・・恥ずかしくて・・・」
「教えてもらえるとありがたいんだがな。」
猫耳の耳元で囁かれ、毛利はゾクゾクしてしまう。
(メッチャ恥ずかしいっ・・・せやけど、月光さんがそう言うなら・・・)
「ね、根本のあたり・・・」
越知の質問に答えようと、毛利は恥ずかしさをこらえて口を開く。
「このあたりか?」
「ひゃあぁんっ!!」
予想以上に毛利がよい反応を示すので、越知は軽く口元を緩ませる。ほどよい力加減でそ
の部分を握ったり、擦ったりしてやると、毛利はビクビクと痙攣し、甘い声を上げる。
「あっ・・・あんっ・・・んあっ・・・ああっ!!」
「気持ちよさそうだな。こんなにもお前のよい反応が見れるのなら、あいつらの悪戯も悪
くはない。」
「あっ・・・月光さんっ・・・そこ、そないにぎょーさん弄られたら・・・」
「普段は存在しない尻尾を弄られて、イッてしまうのか?」
「やって、そこメッチャ気持ちよくて・・・」
激しく呼吸を乱しながら、毛利はぎゅっと越知の服を握る。そんな毛利の行動に興奮し、
越知はより強く毛利の尻尾の根本を握り、少し激しめに手を動かす。
「ああぁんっ!!アカンっ・・・もぉ・・・っ!!」
そんな刺激に耐えられず、毛利は腰を揺らして果てる。毛利が達すると、ふっと猫耳も尻
尾も消えてしまう。
(達するとお菓子の効果は消えてしまうのか。もっと猫のような姿の毛利を愛でたい。)
蕩けたような表情で呼吸を乱している毛利を尻目に、越知は毛利のお菓子の袋から一つお
菓子を出す。それを毛利の口の前に差し出すと、越知は興奮しながらもいつも通りの口調
で言葉を発する。
「口を開けろ。」
まだ達した熱が冷めやらない状態で、毛利は小さく口を開く。そんな毛利の口の中にパー
ルのような乳白色のお菓子を越知は押し込む。
「んんっ・・・」
(今日の月光さんちょっと強引でドキドキする・・・)
そんなことを考えながら、毛利は口の中に入れられたお菓子を噛み砕いて飲み込む。する
と、今度は越知の髪のように真っ白でところどころに青いメッシュの入った猫耳が現れた。
「これは・・・」
「やっぱ、俺のお菓子は猫耳と尻尾が生えよる感じなんですね。」
頭に触れ、尻尾を確認するために軽く振り向きながら毛利はそんなことを言う。自分とお
揃いのような見た目の猫耳と尻尾が生えた毛利を見て、越知はその胸を撃ち抜かれる。
「今度は白に青メッシュの耳が生えているぞ。」
「白に青メッシュって・・・何や月光さんみたいですね。」
「ああ、お揃いだな。」
嬉しそうな声色でそう呟き、越知は白い猫耳に口づける。
「んんっ・・・」
「今度の耳も敏感なようだな。フッ、尻尾も立っていて嬉しそうだな。」
そう言いながら、越知は毛利のズボンと下着を下ろしてしまう。
「あっ・・・月光さんっ・・・」
「本当に今日のお前は愛らしくてたまらない。早く繋がりたい。」
真っ白な猫耳に口をつけたまま、越知は毛利の双丘の間に手を滑らせる。その中心にある
蕾に触れると、ぐっと指を中に挿れる。
「ああぁんっ!!」
「毛利のここ、指に吸いついてくるぞ。そんなに触れて欲しかったのか?」
「あんっ・・・ちが・・・」
「猫耳も震えていて可愛らしいな。お前のその姿、すごく好きだ。」
内側を弄られながらそう囁かれ、毛利の胸はキュンキュンとときめく。
(今日の月光さん、いつもよりメッチャ喋りよる。かわええ言われるんも好きって言われ
るんも嬉しくてたまらん・・・)
繋がる準備をされる心地よさにビクビクとその身を震わせながら、毛利は越知に蕩けたよ
うな表情を見せる。そんな表情を至近距離で眺めつつ、越知はその言いようもない愛らし
さを堪能する。
「ハァ・・・あっ、月光さん!」
「そろそろ大丈夫そうか?」
「はい・・・もう、月光さんのが欲しいですっ・・・」
もう指では物足りないといった表情で、毛利はそうねだる。猫耳と尻尾がその艶やかさを
際立たせ、越知は我慢ならなくなる。
「せっかくそのような姿になっているんだ。後ろからしたいのだがよいだろうか?」
猫耳と尻尾が生えているのであれば、後ろから挿れるのが一番しっくりくると越知はそう
提案する。越知と繋がれるのであれば、どんな体位でもよいと思っているので、毛利は自
ら四つん這いになり、尻尾の揺れる双丘を越知に向ける。
「月光さんの好きなようにしてください・・・」
「・・・・っ!!」
その誘い方は反則だと思いながら、越知は毛利の腰を掴み、自身を入口に押し当てる。
「ひあっ・・・!!」
「挿れるぞ。」
毛利の可愛さに興奮が抑えられず、越知は一気に毛利の中を貫く。
「んああぁんっ!!」
「ハァ・・・いい具合だな。」
「あっ・・・月光さんの・・・奥まで入っとる!!」
「動くぞ。」
「あっ!!ああっ・・・!!」
(何や今日、メッチャ気持ちええっ!!)
毛利の猫耳や尻尾の動きを観察しながら、越知は自分と毛利がとことん気持ちよくなれる
ように動く。
「あっ、あんっ・・・ひあっ・・・んああっ!!」
「随分と気持ちよさそうだな。」
「ああっ・・・気持ちええですっ・・・月光さんの・・・メッチャ気持ちええ!!」
「俺もいつもより気持ちがいい。突くたびに尻尾がビクっと震えるのが可愛らしくて、よ
り興奮する。」
そう口にしながら、越知は毛利の奥を穿つ。すると白い尻尾がピンと立ったままビクっと
震える。その光景をもっと見たいと、越知は何度も毛利の奥を突く。
「ひあっ・・・お、奥そないにされたらっ・・・あっ・・・!!」
毛利がイキそうになっていることに気づき、越知は動きを止め、すっと毛利の中から自身
を抜く。
「ああっ・・・えっ、月光さん・・・?」
「まだイッてはダメだ。」
「ハァ・・・ハァ・・・んっ・・・」
しばらく我慢をしていた毛利だったが、中に何も入っていない状態が切なくなり、腰を揺
らしながら越知にねだる。
「あの・・・イかないんで、月光さんの挿れて欲しいです・・・」
その言葉に嘘はないようで、毛利の蕾はヒクヒクと蠢きながら、開いたり閉じたりを繰り
返している。
「そんなに欲しいのか?」
「欲しいです・・・お願いします・・・」
懇願するような言葉を口にする毛利に、越知はゾクゾクしてしまう。
「そこまで言うなら仕方ないな。」
そう言って、越知は毛利の中に大きな楔を捩じ込む。
「あああぁんっ!!」
欲しいもので満たされる快感に、毛利は歓喜の悲鳴をあげる。
「ハァ・・・入ってきました・・・」
「そうだな。」
「さっきみたいに、奥の方・・・突いてください・・・」
「ああ。」
先程と同じように、越知は毛利の奥を責める。内壁を擦られながら、奥に越知の熱が当た
る感覚に毛利の快感は一気に高まる。
「んああっ・・・ひっ・・・うっ・・・奥、気持ちええ!!」
「ハァ・・・ああ、気持ちいい。」
「あっ・・・やっ・・・もう、イッ・・・」
再び毛利がイキそうになったところで、越知はまたその熱を抜く。
「ああっ・・・!」
明らかに残念そうな声を上げ、毛利は潤んだ瞳で越知の方を見る。
「抜かないでください・・・」
中には挿れず、入口に熱を押し当てているだけの状態で、越知は毛利に覆いかぶさるよう
に毛利の身体を抱きしめる。
「お前がイクと、お菓子の効果が切れて、その可愛らしい耳と尻尾が消えてしまうからな。
もっとその姿を愛でていたい。」
「せやけど・・・こんなん耐えられへん・・・」
イク直前で止められるのは辛いと、毛利はうるうるとした瞳で越知にそう訴えかける。そ
の表情も越知にとってはツボで、毛利の頼みを全て叶えたくなってしまう。
「分かった。止めるのは今回で終わりだ。次はちゃんと最後までしてやる。」
「月光さん・・・」
毛利を抱きしめたまま、越知は腰を進め、毛利の中に自身を挿れる。挿れられることを待
ちわびていたそこは、嬉々としてその大きな熱を受け入れ、愛情深く包み込む。
「んああぁっ!!」
「くっ・・・先程よりも締めつけてくるな。」
「あっ・・・さっきよりも熱いです・・・」
「お前が可愛すぎるからな。」
ゆっくりと動き出す越知だが、やはり毛利に生えている猫耳や尻尾をすぐに消してしまう
のは惜しく、すぐには達しないように緩やかに動く。先程のような激しさはないものの熱
く大きな熱で内側を掻き回される感覚に、毛利は蕩けるような心地よさにうっとりとする。
「はぁ・・・あん・・・月光さん・・・」
「気持ちいいか?」
「んっ・・・気持ちええです・・・さっきみたいにすぐイキそうになる感じやないけど
・・・ずーっと気持ちええのが続いとる感じで・・・」
「そうか。もう少しこの心地よさを味わわせてくれ。」
「月光さんも気持ちええなら、全然構わないです・・・」
緩やかな快感に酔いしれながら、二人はしばらくお互いの熱を味わう。恍惚とした毛利の
表情を後ろから眺めながら、越知は無性にキスをしたくなる。
「毛利、少しこちらを向いてくれ。」
「はい・・・」
毛利が振り向くと、越知は毛利の唇に自身の唇を重ねる。反射的に毛利は口を開け、越知
の舌を受け入れる。
「んんっ・・・」
(キスするの気持ちええ。中がキュンキュンして、余計気持ちよくなってまう・・・)
口づけを喜んでいるかのように毛利の内側は収縮し、ほどよい加減で越知の熱に刺激与え
る。
(緩やかにしか動いてはいないが、こんなふうに締めつけられたらイッてしまいそうだ・・・)
毛利の中の心地よさにそんなことを思いながら、越知は唇を離す。舌と舌を繋げる白銀の
糸がプツリと切れた瞬間、毛利は無意識に口を開く。
「月光さん・・・好きでっせ・・・」
「っ!!」
甘く濡れた声でそう呟く毛利の言葉に、越知の熱は大きく反応する。毛利を愛おしく想う
気持ちが溢れ、越知も同様の言葉を返す。
「俺も毛利のことが大好きだ。愛している。」
想いを込めた言葉を今だけある猫耳ではなく、毛利自身の耳元で越知は囁く。物理的な刺
激ではなく、心が満たされるような心地よさに二人の絶頂感は急速に高まる。
「あっ・・・月光さん、イクっ・・・!!」
「毛利っ・・・!!」
お互いを想う気持ちで満たされ、それが白濁の蜜となり溢れ出る。精神的な充足感を伴う
穏やか絶頂はしばらく続き、二人に多幸感をもたらす。そんな多幸感の中、より深い繋が
りを求め、どちらからともなく唇を重ねていた。
緩く服を見直し、二人は先程の甘い時間の余韻を味わうかのように抱き合っていた。毛利
に生えていた猫耳と尻尾は消えてしまっているが、越知は先程まで猫耳が生えていた頭を
撫で、尻尾の生えていた腰のあたりに手を回していた。
「月光さん、もうそこに耳は生えてへんよ。」
「分かっている。」
「ほんなら、何でそこ撫でとるんですか?」
「猫耳や尻尾がなくとも、お前は愛でるに値するほど可愛いからな。ここを撫でられるの
は嫌か?」
「いや、全然嫌やないです。月光さんに撫でられるんは好きですし・・・」
越知の大きな手で頭を撫でられるのは心地よいと、毛利は照れながらそんなことを口にす
る。恥ずかしそうにしながらも、頭を預けてくる毛利を愛らしいと思いながら、越知はし
ばらく毛利を愛でていた。
「そういえば・・・」
「どうした?」
「結局月光さんが食べたお菓子の効果って何だったんでしょうね?」
「お前は俺がいつもと違うと思ったところはあったか?」
確実とは言えないが、越知の中でこれではないかと思い当たる節はあった。毛利もそう感
じているのであればそれが正解だろうと、そんなことを尋ねてみる。
「いつもの月光さんと違うとこ・・・えっと、何て言うたらいいか分からんのですけど、
今日の月光さんは、俺のことぎょーさん可愛いって言うてくれるなあとは思ってました。」
自分に猫耳と尻尾が生えていたので、猫好きの越知には刺さったのだろうなと思いつつ、
あそこまで可愛いを口にするのは、少し越知らしくないと毛利は感じていた。
「そうか。毛利が可愛いとは常々思ってはいるが、今日はそれを口に出さずにはいられな
かった。やはり、それが俺の食べたお菓子の効果のようだな。」
「あ、あの・・・もしかして、月光さん、まだお菓子の効果切れてなかったりします?」
「いや、おそらくお前と同じタイミングで切れていると思うが。」
「そ、そうですか・・・」
越知がいつも通りの表情や態度であるにも関わらず、自分のことを可愛いと常々思ってい
るという言葉を聞いて、毛利はドキドキしてしまう。
(お菓子の効果やなくても、可愛いとは思ってくれとるんや。月光さんにそう思われとる
のメッチャ嬉しい!)
顔が緩んでしまいそうなのを抑えながら、毛利はポスンと越知の胸に顔を埋める。そんな
仕草を見せる毛利が可愛すぎると、越知の胸はひどくときめく。
(やはり可愛いな。)
「毛利。」
「はい、何ですか?」
顔を上げ、ほのかに赤く染まっている毛利の顔を見て、越知は一瞬言葉に詰まる。猫耳な
ど必要ないほど、毛利のその顔が好きだと思っていると、何も言わない越知を不思議に思
った毛利が首を傾げて名前を呼ぶ。
「月光さん?」
「あ、いや・・・あいつらのお菓子を食べての行為、お前はどう思った?嫌ではなかった
か?」
「えっ!?えっと・・・猫耳と尻尾が生えて月光さんが喜んでくれとったし、尻尾弄られ
るんはメッチャ気持ちよかったし、月光さんがぎょーさん可愛い言ってくれて、俺はよか
ったなと思いました。」
恥ずかしそうにしながら、素直な感想を口にする毛利に、越知はふっと口元を緩ませる。
「そうか。」
「月光さんはどうでした?」
「嫌だと思う要素が一つも見つからないな。あいつらの悪戯じみた思惑も悪くないと思う
ほど、とてもよかった。」
「やっぱ食べてみてよかったですね!」
食べる前はひどく警戒していたとは思えない越知の感想を聞いて、毛利は楽しげに笑いな
がらそんなことを言う。
「ああ。浄化とは関係なしに、あのような行為を純粋に楽しむのも悪くないな。」
「そうですね。何や月光さんともっと仲良うなれた気がしますわ。」
嬉しそうに目を細めながらそう言ってくる毛利を腕に抱きながら、越知は毛利のことをよ
り好きになる。毛利の言葉に完全に同意だと思いつつ、越知は少し控えめにあることを提
案する。
「もし、お前が嫌ではなければ・・・」
「はい。」
「あいつらからもらったお菓子を食べての行為、またしてもらえるだろうか?」
まさか越知からそんなことを言ってくれるとは思っていなかったので、毛利は素直に嬉し
くなる。にぱっと花が咲いたような笑顔を見せ、毛利は越知のそも提案に全力で頷く。
「もちろんええですよ!俺もしたいです!」
「ありがとう。そのときは、またお前のことを存分に可愛がらせてくれ。」
「えっへへ、ちょっと恥ずかしいですけど、楽しみにしときますね!」
大曲と種ヶ島にもらったお菓子は、袋の中にまだたくさん残っている。それをまた食べて
しようという約束をし、越知と毛利は顔を見合わせて笑う。二人が食べたお菓子と同じ蜜
のように甘くスパイスのように刺激的な夜を越え、二人の絆はより一層深まるのであった。
END.