家族でのクリスマスパーティーを終えると、光子郎とテントモンはリビングから光子郎の
部屋へと移動する。久しぶりに一緒に過ごせることに光子郎もテントモンもドキドキわく
わくしていた。
「光子郎はんとこうして一緒に過ごせるのホンマ久しぶりでんな。」
「そうだね。まさか大輔くん達からのプレゼントで、テントモンが来てくれるとは思わな
かったよ。」
「他のプレゼントがよかったでっか?」
「そんなことないよ。こんなに嬉しいプレゼントないと思った。だって、クリスマスイブ
の夜にテントモンと一緒に過ごせるんだもん。これ以上嬉しいことはないよ。」
「ホンマでっか?」
「うん。」
本当に嬉しそうに微笑みながら、そんなことを言う光子郎にテントモンの胸は高鳴り、そ
の姿を光子郎と同じような人の姿に変化させる。それを見た光子郎は、少し驚いたような
表情になるが、すぐにその状況を受け入れる。
「普段もパッとその姿になれたら便利なのにね。」
「そうでんな。せやけど、どういう条件でこの姿になれるのか分からへんのや。」
「まだまだ僕達の知らないことがいっぱいあるってことだね。そうなる仕組みもいつか知
れたらいいな。」
「さすが光子郎はんや。知りたがる心は健在やな。」
そんな会話をしていると、ドアの外から光子郎の母が声をかけてくる。
「光子郎。」
「はい!何ですか?」
「お母さん達ちょっと早めに休むから、テントさんとゆっくり過ごしてね。おやすみなさ
い。」
「分かりました。おやすみなさい。」
ドア越しにそんな会話をすると、光子郎は三年前につけた鍵をカチャっとかける。それを
見て、テントモンは何故鍵をかけたのか問う。
「何で部屋の鍵かけるんでっか?別にワテのこともう隠さんでもええでっしゃろ?」
「その姿、お母さん達見たことないのに?」
「あっ・・・確かにそうでんな。」
「それに、この方が何かと安心だから。」
そう言いながら光子郎はベッドに移動し、ポスンと腰かける。そんな光子郎を追うように
テントモンも光子郎のベッドに移動する。
「テントモン、今日の戦いでもう疲れちゃったかな?」
「んー、光子郎はんの家でぎょうさん夕飯食べたさかい、そこまででもないと思いまっせ。」
「そっか。」
ほんの少し頬を赤く染め、光子郎はそれ以上言葉を続けず、もじもじとしている。そんな
光子郎をテントモンは素直に可愛いと思ってしまう。
(何や光子郎はん、メッチャかわええな。クリスマスイブに二人で過ごせるなんて、恋人
同士みたいや。)
「光子郎はん。」
「な、何?テントモン。」
「嫌やったら、嫌言うてくれて構わへんのやけど、今、メッチャ光子郎はんとキスしたい。」
「へっ!?あっ・・・えっと・・・」
「してもええでっか?」
「・・・うん。」
直球なテントモンの言葉に光子郎は真っ赤になりながら頷く。普段のテントモンではなく、
人の姿のテントモンに見つめられ、頬に手が添えられる。ぎゅっと目を閉じると、ふわっ
とテントモンの唇が触れた。
(テントモンにキスされてる。すごくドキドキする・・・こんなのまるで・・・・)
「おおきに、光子郎はん。ワテ、今メッチャ幸せな気分や。」
ニッコリと目を細めながら、テントモンはそう口にする。その言葉にも表情にも、光子郎
はドキドキと胸がときめく。もっとテントモンと触れ合いたい。そんな気持ちが光子郎の
心を支配する。
「あの・・・テントモン。」
「はい、何でっか?」
「君が嫌じゃなければ・・・その、もっと恋人同士がするみたいなこと・・・したい。」
まさかの光子郎のお誘いにテントモンはドギマギとしてしまう。しかし、今日はクリスマ
スイブ。しかも、光子郎からそんなことを言ってきているのだ。これはもう断る理由など
ないとテントモンは光子郎の肩を掴んだ。
「嫌なわけあらへん。せやけど、ホンマにええんでっか?」
「うん。」
「ほんなら・・・」
ドキドキと胸を高鳴らせながら、テントモンは光子郎をベッドに乗せ、ドサッと押し倒す。
これからそういうことをするという雰囲気にテントモンも光子郎も緊張とときめきで体温
が上がってきていた。光子郎を組み敷きながら、テントモンはもう一度光子郎に確認する。
「こういうことしたいっちゅーことで、あってます?」
「うん・・・」
「始めたら途中で止められる自信ないんやけど、大丈夫でっか?」
「大丈夫。・・・だって、僕もしたいから。」
三年前より少し大人っぽくなった光子郎にそんなことを言われ、テントモンは我慢出来な
くなる。ここまで来たら存分にクリスマスイブらしいことをしようと、テントモンはもう
一度光子郎の唇に口づけた。
冬真っただ中ということもあり、光子郎の部屋は暖房が聞いていてかなり暖かくなってい
る。そのため、テントモンは光子郎が身につけているものを全て取り去った。
「寒くないでっか?光子郎はん。」
「平気。部屋の中暖かいし、こういうことするってなると、ちょっと顔が熱くなっちゃっ
て・・・」
「ワテも同じでっせ。光子郎はんとこういうことするのドキドキして暑いくらいや。」
「それなら、テントモンも脱いで?」
せっかくなので、肌と肌で触れ合いたいと光子郎はテントモンにそんなことを頼む。そう
言われてしまっては脱がないわけにはいかないと、テントモンは人の姿ならではの服を脱
いだ。
「これでええでっか?」
「う、うん。」
人の姿になったテントモンの裸を見て、光子郎はドキドキしてしまう。それはテントモン
も同じであった。露わになっている光子郎の首筋にテントモンはそっとキスをする。
「ふっ・・あっ・・・・」
テントモンの唇が触れるとゾクっとした感覚がじんわりと広がり、思わず声が漏れる。首
筋から鎖骨、鎖骨から胸へとテントモンはキスをする場所を少しずつずらしていく。
「んっ・・・テントモンっ・・・・」
「光子郎はん、ここにもキスしてもええでっか?」
胸の突起に触れるか触れないかの部分に指を置き、テントモンはそう尋ねる。そんな問い
に光子郎は真っ赤になりながら頷く。光子郎の同意を得ることが出来たので、テントモン
は心臓に近い左胸の突起に唇をつけ、ちゅっと吸う。
「ひゃっ・・あぁんっ・・・!」
一際大きな反応を見せ、光子郎の体はビクンと跳ねる。その反応に味を占めたテントモン
は、ちゅっちゅと音を立て、何度もその突起をその唇で弄んだ。
「やっ・・・あ・・んっ・・・・テントモンっ・・・!」
「左側だけやと物足りひんやろ?右側もちゃんとしてあげますさかい。」
そう言いながら、テントモンは右胸の突起もはむっと唇で食む。左側と同じように唇で弄
ると、光子郎はぎゅっとシーツを握り、その刺激に耐える。
「んんっ・・・ぁ・・・んっ・・・!」
(光子郎はん、胸も弱いんやなー。メッチャ反応よくて、ホンマドキドキしてしまうわ。)
しばらく胸への愛撫を続け、光子郎の口から漏れる可愛らしい声を存分に堪能すると、テ
ントモンは顔を上げる。その瞬間、目に飛び込んできたのは、激しく呼吸を乱し、快感に
頬紅を塗られた光子郎のとろけた顔であった。
「ハァ・・・はぁ・・・・テントモン・・・・」
「っ!!」
予想以上にエッチな表情になっている光子郎の表情に、テントモンの熱は一気に高まる。
とはいえども、すぐに光子郎と繋がることは出来ないので、ひとまず光子郎と一緒に気持
ちよくなれることをしようと考える。
「光子郎はんのも結構大きくなっとりますな。」
「だって・・・テントモンがここいっぱい吸ってくるから・・・・」
テントモンの唾液で濡れ、ぷっくりと立ち上がっている胸の突起に手を当て、光子郎は恥
ずかしそうそう呟く。
「一回、二人で気持ちよくなっておきましょ。」
そう言って、テントモンは自分の熱を光子郎の熱に重ね、左手を光子郎の体の横につき、
右手で二人分の熱を握る。熱く大きくなった熱同士が擦れ合い、さらにテントモンの手が
その表面を擦る。直接的な刺激に光子郎は背中を仰け反らせ、テントモンのすることに反
応する。
「あっ・・・ああっ・・・!!はっ・・・んんっ・・・!!」
「ハァ・・・これ、思ったよりも気持ちええでんな。」
「テントモンの・・・熱・・いっ・・・・あっ・・・気持ちいっ・・・!」
「光子郎はんのだって、熱いでっせ。このまま擦り合って、一回イっときましょ。」
「んっ・・・こんな気持ちいいの・・・ダメぇ・・・・」
テントモンのモノが自分のモノに重なっているという興奮と敏感な部分が擦れ合う快感に
光子郎の感度は高まり、ビクビクとその身を痙攣させる。直接的な刺激もあるが、そんな
反応を示す光子郎にテントモンは光子郎以上に興奮し、息を荒げる。
「ハァ・・・あっ・・・テントモンっ・・・もう・・・イっちゃ・・・・」
「ワテももうイキそうや・・・」
「ふあっ・・・ああぁんっ・・・!!」
「光子郎はんっ・・・!!」
どちらもほぼ同時にテントモンの掌に熱い雫を放つ。二人分の白濁の雫にまみれた手をテ
ントモンはゆっくりと開く。
(ワテと光子郎はんのでべたべたや。せやけどこれ使えば、光子郎はんの入口すんなり慣
らせるかもしれへんな。)
「光子郎はん。」
「ハァ・・・はっ・・・何?テントモン。」
「ちょっと休みまっか?」
「えっ?ううん、平気・・・さっきのがすごく気持ち良くて・・・呼吸がまだ整わないけ
ど・・・・」
「ほんなら、もうこっちの方、弄ってもええでっか?」
二人分の雫で濡れた手をテントモンは双丘の間に持っていく。ぬるりとした感触がその中
心を掠め、光子郎の下肢はひくんと揺れる。
「んっ・・・」
「もう少し足開いてもろてもええでっか?」
「う、うん・・・・」
テントモンの言葉に答えるように、光子郎はおずおずと足を開く。光子郎の膝を軽く押さ
えながら、テントモンはその入口を慣らし始める。
「んっ・・・ぁんっ・・・」
「ワテのと光子郎はんので、光子郎はんのココを慣らしてくって、それだけでもエッチな
感じしますな。」
「そんなこと言われたら・・・あっ・・・んんっ・・・」
「どうでっか?そこまでキツイ感じはないと思うんやけど。」
「テントモンの手が・・・ぬるぬるしてて・・・気持ちいい・・・・」
「それ聞いて安心しましたわ。ゆっくりならしていくさかい、存分に気持ちよくなってく
れなはれ。」
濡れた指を使い、テントモンは光子郎の入口から中にかけてをじっくり弄る。少し深く指
を入れれば、ビクッとその体を震わせ、ぎゅっと指を締めつける。
「うあっ・・・あっ・・・ん・・・・!」
「光子郎はんは、奥まで弄られるのが弱いみたいやな。」
「だって・・・」
「こうされるのはどうでっか?」
「ひゃっ・・うっ・・・!!あっ・・・ダメぇ・・・・」
「光子郎はんがダメ言うときは、気持ちよくてたまらないときでっしゃろ?」
テントモンの言うことが正しいので、光子郎は肯定も否定もせず、大きな声が漏れてしま
いそうな口を両手で塞ぐ。その仕草がテントモンにとってはとてもツボで、光子郎の弱い
部分を的確に責める。
「ふっ・・・んんっ・・・・んっ・・・ぅあっ・・・・」
「別に声我慢することあらへんのに。」
「でも、あんまり大きい声出すと・・・部屋の外に聞こえちゃ・・・・」
「まあ、そうしてる光子郎はんもメッチャかわええんで、ワテとしてはどっちでもええん
やけどな。」
必死に声を抑えようとしている光子郎を愛でながら、テントモンは何本か入れていた指を
中から抜く。そろそろ大丈夫だろうと、光子郎の脚を抱え、自分と光子郎の放った蜜です
っかりほぐれたそこに自身を押し当てる。
「あっ・・・テントモンっ・・・・」
「そろそろ繋がりましょ。」
光子郎が頷くのを確認すると、テントモンはその身を進め、光子郎の中に自身を挿れる。
充分に慣らされたそこは、テントモンの先が少し入るとより奥へと引き込もうとぎゅうぎ
ゅうと蠢く。
「ああぁっ・・・!!」
テントモンが入ってきた瞬間はさすがに堪えきれず、光子郎は高い声を上げる。もう少し
ゆっくり挿れるつもりであったが、予想外に早く奥まで入ってしまい、テントモンも荒い
息を吐く。
「ハァ・・・こないにいきなり奥まで挿れる気はなかったんやけど・・・」
「んっ・・・けど、テントモンがいっぱい入ってきてる感じ・・・・好きだよ・・・・」
呼吸を乱しながらも、光子郎は微笑みながらそんなことを言う。光子郎のそんなセリフに
きゅんとしてしまい、テントモンの熱はさらに大きくなる。
「そないなこと言われたら、いろいろ我慢出来なくなってまうで。」
「いいよ・・・たくさん僕で気持ちよくなって・・・・」
そんな誘い文句をどこで覚えたのかと、ドキドキしながらテントモンは光子郎の中に入れ
ている自身の熱を動かし始める。途中まで引き抜き、再び中に挿入すると、逃がすまいと
しているかのように柔らかい壁が絡みつく。その感覚がたまらず、テントモンはいつの間
にか夢中になって、光子郎の中を何度も何度も突いていた。
「あっ・・・あぁっ・・・ん・・・はっ・・・ああっ・・・!!」
「光子郎はん・・・ハァ・・・くっ・・・・」
「テント・・・モンっ・・・・テントモンっ・・・・」
「ホンマ、クリスマスイブにこないなこと出来るの、最高でんな。」
「うん・・・恋人同士みたい・・・だね・・・・」
「ワテと光子郎はんはパートナーやけど、恋人同士みたいなもんやろ?」
「そうだね・・・こんなことしちゃうわけだし・・・」
恥ずかしそうに笑いながら光子郎はそんなことを言う。光子郎もそう思っていることが嬉
しくて、テントモンはさらに大きく光子郎の中を抉る。
「ひゃっ・・・あんっ・・・!」
「光子郎はんのそういう声もエッチな顔も大好きでっせ。三年前よりもいろいろ大きくな
って、光子郎はんが成長してるんメッチャ嬉しいですわ。」
テントモンも嬉しそうな笑みを浮かべてそう口にする。喋りながらも動きは一切止めてい
ないので、どちらも絶頂感が高まり、だんだんと呼吸が荒くなる。
「ハァ・・・テントモンっ・・・んんっ・・・ぁ・・・」
「くっ・・・光子郎はんっ・・・・」
限界を伝える意味で、どちらもお互いの名を口にする。光子郎の体がビクンっと跳ねると
同時に、テントモンも中にある熱の先から熱いミルクを放つ。
(テントモンの中に出てる・・・熱くて、気持ちいい・・・)
恍惚としながら、光子郎はそんなことを考える。そして、ふとある思いが頭の中に浮かぶ。
「テントモン・・・」
「何でっか?」
「カブテリモンとも・・・したいな・・・」
その言葉を聞いて、テントモンの胸はドキンと高鳴り、抑えきれない力が溢れ出す。一瞬、
光ったかと思うと、その姿はテントモンからカブテリモンに変わっていた。それを見て、
光子郎は驚いたような表情を見せた後、にっこりと笑う。
「ありがとう、カブテリモン。」
「光子郎はんのおかげやで、進化出来るんは。」
「してくれる?カブテリモン。」
「もちろんええで。今度はもっと抱き合いながらしましょ。」
まだ光子郎の中から抜いてはいないので、そのままカブテリモンは光子郎に覆いかぶさる
ように光子郎の顔の横に手をつく。かなり近い距離にカブテリモンの顔が来たので、光子
郎の胸はドキンとときめく。
「こないに光子郎はんの顔が近くにあると、ドキドキしますな。」
「うん・・・すごくドキドキする・・・・」
「動きまっせ、光子郎はん。」
「うん・・・・」
テントモンよりいくらか大きくなったそれで、カブテリモンは光子郎の中を再び突く。動
かすたびに中にある雫が掻き回され、先程よりも濡れた音が響く。滑りのよくなったそこ
はカブテリモンの熱を奥の奥まで受け入れ、キュンキュンと強く甘く締めつける。敏感な
壁を繰り返し擦られる光子郎も、感じやすい楔をほどよく締めつけられるカブテリモンも
極上の快感を味わっていた。
「はっ・・あぁんっ・・・奥、気持ちいっ・・・もっとして、カブテリモン・・・・」
「今日の光子郎はん、エッチくて可愛くてホンマ最高でっせ。」
「だって・・・テントモンともカブテリモンとも・・・ずっとしたかった・・・・」
「そうなんでっか?そりゃ嬉しいでんな。」
「今日は・・・本当に最高のクリスマスイブだよ・・・・」
「ワイもそう思いまっせ。大好きな光子郎はんとこんなにたくさん愛し合ってるさかい、
これ以上幸せなことないないと思いまっせ。」
この上なく幸せそうな笑みを浮かべ、カブテリモンは光子郎にそう伝える。カブテリモン
を想う気持ちが溢れ出し、光子郎はカブテリモンにぎゅっと抱きつく。
「大好き、カブテリモン・・・」
「ワイも光子郎はんのこと、メッチャ好きやで。」
そう言って、カブテリモンはありったけの想いを込めて光子郎に口づける。どちらもお互
いを好きだという気持ちが溢れ、交わっている心地よさが何倍にも高まっていくのを感じ
る。しばらくそのまま口づけを交わしながら、奥の奥で繋がっている快感に身をゆだねる。
そのうちまた、快感が限界まで高まり幸せな気分の中で果てる。しかし、その状態を迎え
てもどちらもまだ満足はしていなかった。
「ハァ・・・カブテリモン・・・・」
「何でっか?光子郎はん。」
「もっと、カブテリモンと繋がってたい。」
「ええで。今日はとことん光子郎はんとイチャイチャするって決めましたわ。」
「ありがとう、カブテリモン。それじゃあ・・・」
「もっと楽しみましょ。」
お楽しみはまだまだこれからと言わんばかりに、二人は顔を見合わせて笑う。三年前の冒
険を終えてから、夢にまで見た二人で過ごすクリスマス。その夢が叶った聖なる夜に二人
はありったけの愛を伝え合った。
クリスマスイブがクリスマスに変わってからしばらくは身体を重ねていたカブテリモンと
光子郎だが、満足いくまで事を行うと、横並びになってベッドに横になる。
「思ったよりぎょうさんしちゃいましたけど、大丈夫でっか?光子郎はん。どこか痛かっ
たり、辛かったりせえへん?」
テントモンには戻ったものの、いまだに人の姿を保っているテントモンは、心配そうにそ
う尋ねる。
「多少疲れてるけど大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」
「それならよかったですわ。」
「逆にあんなにたくさん付き合わせちゃってゴメンね。テントモンと一緒に過ごせるんだ
って思ったら、そういうことしたい気持ちが止まらなくなっちゃって。」
「何言うてますの。全く謝る必要なんてあらへんで。ワテも十分楽しませてもらったし、
可愛い光子郎はんがぎょうさん見れたさかい大満足やで。」
それを聞いて少し恥ずかしくなるが、テントモンも満足してくれたということを知って、
ホッとする。普段は一人で眠っているベッドにテントモンが一緒に寝ているという状況に
光子郎は少し甘えたい心がムクムクとわきあがってくる。
「テントモン、ちょっと子どもっぽいお願いしてもいい?」
「何でっしゃろ?」
「今日はテントモンにぎゅってして寝たいんだけど・・・ダメかな?」
先程とはうってかわった光子郎の子どもらしい態度に、テントモンはドキドキキュンキュ
ンしてしまう。
「全っ然構いまへんで!ほんなら、ワテもぎゅってしてあげますわ。」
「ありがとう、テントモン。」
はにかむように笑ってお礼を言いながら、光子郎はぎゅっとテントモンに抱きつく。そん
な光子郎をテントモンは抱きしめ返した。
「三年前の冒険を通して、お母さんとお父さんともかなりいい関係にはなれてると思うん
だけどね、まだ心から素直には甘えられないんだ。それに僕、もう中学生だし。」
「中学生でも全然甘えてもええと思いまっせ。もともとそんなに甘えては来なかったんで
っしゃろ?」
「うん。でも、やっぱり遠慮があるというか・・・難しいよね。だけど、テントモンには
素直に甘えられるから、ちょっと甘えたくなっちゃって。」
光子郎と両親の関係を知っているがゆえに、テントモンは光子郎のその言葉に胸を打たれ
る。自分に甘えられるならもういくらでも甘えて欲しいと、光子郎を抱きしめたまま、優
しく頭を撫でる。
「ワテに甘えられるなら、めいっぱい甘えなはれ。ワテはいつでも光子郎はんのこと想っ
とるし、光子郎はんに甘えてもらえるなんて、こんな嬉しいことはないで。」
「テントモン・・・」
テントモンの言葉が心に響き、光子郎はテントモンに抱きつく手に力を込め、テントモン
の胸に顔を押しつける。
「ありがとう、テントモン。テントモンは僕にとって、一番大切な存在だよ。」
「ワテも光子郎はんが一番やで。世界で一番光子郎はんのこと好きやと思ってるのは、こ
のワテや。」
「ふふ、嬉しいな。大好きだよ、テントモン。」
そう言った後、テントモンの胸に頭を預けたまま光子郎は目を閉じる。しばらくすると、
気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。
「光子郎はん・・・?」
すっかり夢の中に入っている光子郎を見て、テントモンはふっと微笑む。
「ホンマ今年のクリスマスプレゼントは最高やったな。ゆっくり眠りなはれ。光子郎はん。」
腕の中で眠る光子郎の頭を撫でるながら、テントモンはそう呟く。来年もその先も、こん
なふうにクリスマスの夜を一緒に過ごせたらいいなあという夢を抱きながら、テントモン
はしばらく光子郎の寝顔を眺めていた。
END.