パン、パーンッ!!
大きな花火の音が広い広い校庭に鳴り響いた。今日は氷帝学園運動会。いくつかのテント
が立ち並ぶ中、全校生徒が校庭へと集まってくる。開会式、準備体操から始まり、徒競走、
玉入れ、綱引き、女子のダンスに男子の組み立て体操、その他様々な競技が順々に行われ
てゆく。
「はあ〜、疲れたー。跡部達のクラス強すぎだよ。」
「当然だろ?俺様がいるんだ。」
三年の競技を終えた滝と跡部が一つのテントに入り、イスに腰を下ろす。跡部は生徒会長
のため運営全般の最高責任者で、滝は救護係。こういう役員はテントの中のイスに座れる
という点では、なかなかおいしい役である。
「次、何だっけ?」
「次は二年の障害物競走だな。」
「二年か。じゃあ、長太郎とか樺地がでるね。」
鳳が出るということで、滝は嬉しそうな顔をする。跡部も樺地を応援してやらないととい
うことで、この競技には注目しているようだ。
「跡部ー。」
「どうした宍戸?」
「これって、どこだっけ?」
地引網のような大きな網を抱えて宍戸は跡部のもとへやってくる。宍戸は道具係。競技に
つかう道具を出したり、片付けたりする役員だ。
「網は向こうの方だな。早くしねぇと競技始まっちまうぜ。」
「分かってるよ。向こうか。あー、めんどくせぇ。こっち側だったらよかったのになあ。」
ぶつぶつと文句を言いながら宍戸はテントとは真逆の方へと歩いてゆく。網が相当重いの
かその足取りはかなりよろよろしている。
「道具係なんて、そんな大変そうな役、よくやるよねぇ。」
「あー、あいつじゃんけんで負けてあれになったんだ。全く情けねぇよなあ?」
「本当に?宍戸らしいー。」
くすくすと笑いながら滝は一人で必死になって網を広げている宍戸を見る。網がしっかり
と設置されると競技が始まった。鳳も樺地も走る場所は二人のいるテントの目の前。ちな
みに障害物は小麦粉の中の飴探しだ。
「頑張れ、長太郎!」
「負けんじゃねぇぞ、樺地。」
小麦粉の中に顔をつけ、そこに隠されている飴玉を必死で探す。先に発見したのは鳳の方
だった。
「やった!そのまま行っちゃえ長太郎!!」
そのすぐ後に樺地も飴玉を発見する。この二人の勝負はかなり互角だった。
「あはは、二人とも顔真っ白だったね。」
「ああ。いい勝負じゃねぇの。」
「でもさ、やっぱ運動会っていいよね。」
走り去った二人を眺めながら、滝は呟く。
「何がだ?」
「あーいうふうに、普段見れない顔を見れるのもそうだし、何より体操服ってのがいいよ
ね。」
「あーん?何言ってんだ?」
「ほら、テニスしてる時とかってユニフォームかポロシャツじゃん。体育でも乗馬とかだ
とまた服が違うでしょ?他の学年のこういう姿見れるのって、球技大会か運動会くらいだ
もん。俺、長太郎の体操服姿好きだなー。」
「何、変態おやじみたいなこと言ってんだよ?」
そうつっこんだのは跡部ではなく宍戸。今度はすぐ近くの道具の片付けなので、二人のと
ころにやってきたのだ。
「変態おやじって、失礼だなー。」
「だって、そうだろ。体操服姿が好きだって言ってる時点で変態くせぇよ。」
「跡部だってそう思ってんじゃないの?宍戸なんかはジャージなんて全く穿こうとしない
からね。ずっと生足じゃん。」
体操服姿がよいなどとは全く意識していなかった跡部だが、指摘されると思わず意識して
しまう。確かに宍戸は面倒なのか、一度短パンになってしまったらジャージを穿こうとし
ない。テニス部のハーフパンツよりいくらか短い真っ白な短パンは、宍戸の美脚をより一
層強調している。
「確かに・・・」
『確かに?』
二人は跡部の呟いた言葉に同時に反応する。その後に来る言葉がどちらに同調しているの
かすぐには分からなかったからだ。
「確かに体操服姿ってあんまり見ねぇよな。」
どちらかと言えば滝よりの同調の言葉だが、体操服姿がいいとは一言も言っていない。そ
の微妙な跡部の返しに二人は少々もどかしさを覚えた。
「で、そのあんまり見ない体操服姿を見て跡部はどう思うのさ?」
「あーん?悪くはないんじゃねぇ?」
またもや微妙な答えの跡部に滝は閉口する。しかし、こんな答えを返した跡部であったが
心の中で思っていることはこんなものではなかった。
(確かに体操服姿っていいな。滝の言うことは最もだ。いつも生足なのなんかは、見よう
によっては誘ってるようにも見えるし。あー、体操服姿、結構クるかもしれねぇ。)
宍戸の体操服姿を見ながら跡部は思わず口を緩ませる。ちょうど競技が終わり、片付けに
行ってしまったため宍戸自身は気づかなかったが、隣にいた滝はバッチリ気づいてしまっ
た。
「やっぱ、いいと思ってんじゃん。」
「何が?」
「顔、ニヤけてるよ。それも宍戸の足をじっと見ながらね。」
痛いとこを突かれ、跡部は一瞬怯むがいつものように強気な態度で切り返す。
「あーん?気のせいだろ。別に俺は体操服姿がいいなんて一言も言ってねぇぜ。」
「顔に出てるっての。」
「跡部ー、運営係の先生が呼んでるぜ。」
「あー、分かった。今行く。」
少し離れた場所から宍戸が跡部の名前を呼ぶ。他の者に気づかれないようにと跡部は緩ん
だ顔を元に戻し、座っていた席から立ち上がった。
「全く、跡部も素直じゃないねー。」
宍戸のもとへ行く跡部の後ろ姿を見送りながら滝は呟く。跡部が宍戸の体操服姿を良いと
思っているのはまず間違いない。それがどう表れるか楽しみだと他の人には気づかれない
ように滝はクスっと笑った。
。
運動会は無事に終了し、片付けも着々と進んでいった。係ごとに終わる時間はまちまちで
救護係の滝などはすぐに終わり、さっさと帰ってしまったが、運営責任者や道具係は遅く
まで残らざるを得なかった。当然仕事は三年生中心。ある程度のところまで来ると一年や
二年は先に帰らせ、最後の仕上げは三年生のみとなる。
「あー、やっと終わったー!!」
「特に大きな問題はなかったみたいだな。」
「おう。でも、よかったなうちのクラス優勝出来て。」
跡部や宍戸の活躍により、二人のクラスは見事優勝することが出来た。優勝出来たのが嬉
しいと宍戸は片付けの大変さなど忘れてはしゃぎまくっている。
「樺地は先に帰らせちまったし、今日は一緒に帰るか。」
「いいぜ。あ、そうだ跡部。跡部制服に着替えるか?俺、もうめんどくせぇからこのまま
帰ろうと思うんだけど。」
「俺は着替えるけどよ。まあ、宍戸だったらそのままでも別にいいんじゃねぇ?」
「そっか。じゃあ、俺、待ってるから早く着替えて来いよな。」
着替えるのが面倒だと宍戸は体操服のまま、跡部が着替えてくるのを待つ。制服に着替え
ながら、跡部は頭の中でこの後のことをいろいろと考えていた。
(これはなかなかおいしい状況だな。まさかあいつから着替えないなんて言ってくるなん
て思わなかったぜ。滝があーいうこと言ってからあの格好がよく見えてしょうがねぇ。こ
れは寄り道して帰らなきゃ損だな。)
ニヤけてくる顔を必死で抑えながら、跡部は着替えを終える。
「待たせたな宍戸。」
「おう。じゃあ、帰ろうぜ。」
体操服と制服という端から見ればかなり微妙な組み合わせで、二人は家に向かって歩く。
校門を出たあたりで跡部は寄り道をしたいと宍戸に提案した。
「宍戸、ちょっと公園かどこかに寄っていかねぇか?」
「別にいいけどよ。何でだ?」
「特に意味はねぇよ。自販機か何かで飲み物買って、二人で軽く優勝祝いでもしようぜ。」
優勝祝いという言葉を聞いて宍戸の顔はパッと明るくなった。
「いいぜ!こういう時くらい寄り道するのも悪くねぇな。」
跡部の下心などには全く気づかず、宍戸は素直に跡部の提案を受け入れてしまった。あま
りにもうまくことが進むので、さすがの跡部も顔が緩んでしまう。
「跡部も優勝出来て嬉しいんだな!!すげぇ、嬉しそうな顔してるぜ。」
「そうか?別にそうでもないんだけどな。」
「素直に嬉しいって言えばいいじゃねぇか。まあ、跡部は素直じゃねぇもんな。」
からかい口調でそんなことを言いつつ、宍戸は跡部の前を歩く。素直に運動会で優勝出来
たことを喜んでいる宍戸に、公園で宍戸をどうしてやろうかとやましいことを頭の中で巡
らせている跡部。そんな二人が公園に着いた時には日はすっかり暮れ、街灯が灯り始めて
いた。
「おー、もう真っ暗だな。」
「ああ。あっ、あそこに自販機あるぜ。何か買ってあっちのベンチ行くか。」
「そうだな。」
自動販売機で各々好きな飲み物を買うと、街灯の下にあるベンチに腰かける。ぷしゅっと
缶を開けると、乾杯をするように缶をあわせた。
『乾杯。』
「缶で乾杯ってのもおかしいよな。」
「まあ、いいんじゃねぇ?たまにはこういうのも。」
「だな。」
缶での乾杯に不思議なおかしさを感じながら二人は笑う。飲み物を飲みながらしばらく話
をしていたが、跡部の意識は話していることとは全く別のところにあった。
「でさ、そこで岳人が・・・って、話聞いてるか、跡部?さっきからぼーっとしてるぜ。」
「ああ。聞いてる。・・・なあ、宍戸。」
「何だよ?」
宍戸の聞き返す言葉に跡部は行動で答えた。何のためらいもなしに宍戸の唇を奪い、体操
服の中に手を滑り込ませる。突拍子もない跡部の行動に宍戸は焦りまくった。
「ん・・・んんっ・・・あ、跡部、何してっ・・・」
「何って、今の宍戸の格好見てたら何となくな。」
「テメェも滝と同じかよ。わっ!!ちょ、ちょっと待て!!ここじゃ嫌だっ。」
「家までは我慢出来ねぇ。」
「家までは行かなくていい!けど、せめて人に見られないようなとこじゃねぇと・・・・」
そうじゃないと恥ずかしいと宍戸は顔を真っ赤にしてうつむき、跡部に頼む。そんな宍戸
の態度を見て、跡部の理性の糸はブッツリ切れた。手加減の出来なくなった腕力で、宍戸
の腕を引き、本当なら人の入るべき場所ではない茂みの方へと入る。街灯から離れてしま
えば、あたりは夜の闇に包まれる。そんな中で跡部は先程のキスとは比べ物にならないく
らい激しい口づけを宍戸に施す。
「ゃ・・!・・・ぅん・・・んっ・・・んん・・・」
突然のことに軽く抵抗を見せていた宍戸だが、痺れるようなキスをされるうちに大人しく
なってしまった。大きな木の幹に寄りかかり、潤んだ瞳で跡部を見上げる。
「・・・・んで、こんなとこで盛ってんだよ・・・」
「テメェが生足晒して、誘ってんからだろ?」
「別に誘ってなんかねぇっ・・・っ!?やっ・・ぁ・・・お前っ、どこ触って・・・」
短い短パンから覗く足のちょうど真ん中を跡部は揉みほぐすように触る。揉みほぐすよう
に触られているにも関わらず、その部位はだんだんと硬くなってきていた。
「んっ・・・跡部っ、やだ・・・」
二枚の布を間に挟んだ愛撫は焦らされているような感覚を宍戸に与える。そんな中途半端
な快感に身悶える宍戸の表情は跡部をさらに興奮させた。布越しでも形がハッキリ分かる
ところまでくるとその形をなぞるように指を滑らせる。
「あっ・・・」
「ズボン越しでもハッキリ分かるぜ。こんなになるほど感じてんのか?」
「感じてなんか・・ねぇっ・・・!!」
「嘘つくなよ。感じてんだろ?」
強がる宍戸の耳に唇を押しつけるような形で跡部は低く囁く。その瞬間、全身が粟立つよ
うな痺れが宍戸の身体を駆け抜けた。
「うっ・・・ぁ・・・」
「ほら、そんな声出して。俺にココを弄られて気持ちイイんだろ?」
思わず高い声を漏らす宍戸に跡部は妖しさ溢れる口調で尋ねる。耳元で囁かれ、焦らされ
るように弄られ、宍戸の熱の塊は下着の中で高まり続ける。そんな感覚に耐えられなくな
り、羞恥心と闘いながら宍戸は跡部に助けを求めた。
「跡・・部っ・・・もうこんな中途半端なの・・・やだっ・・・」
「だからどうして欲しいって?」
「ちゃんと・・・・・・て・・・」
「あーん?聞こえねぇよ。ちゃんと言えるだろ?」
恥ずかしさを我慢して言った言葉も跡部は聞こえないふりをする。そんな跡部にイラつき
ながらもこのまま放って置かれるのはもっとつらいと宍戸は自分でも驚くほどの行動をと
った。自ら短パンと下着を脱ぎ捨て、跡部に限界近いそれを見せつけながら、自分のして
欲しいと思うことをハッキリと口にしたのだ。
「俺のこんなにしたのは跡部だからな!!責任とって何とかしろっ!!」
「・・・・・・。」
そんな宍戸に言葉を失いつつも、跡部はさらにやる気を出す。宍戸自らそんなセリフを言
ったのだ。燃えないわけがないだろう。
「へぇ、随分大胆なこと言ってくれるじゃねーか。」
「・・・跡部が・・・ちゃんとしてくれねぇから・・・・」
「別に悪いなんて言ってないぜ。すっげー、燃える。」
そう言いながら跡部は宍戸の足の間に顔を埋めた。次の瞬間、宍戸の熱は跡部の口に含ま
れる。さっきまでは布越しで中途半端な快感が突然直接的な快感に変わったのだ。先程と
は比べ物にならないほど、素直な喘ぎが宍戸の口から漏れる。
「ぅあっ・・・!あっ・・・あ・・とべっ・・・」
ビクンと身体を震わせながら宍戸は跡部の髪を握る。髪を引っ張られるような感覚に少々
痛みを感じるが、宍戸の反応のよさに比べればそんなものはへでもない。さっさとイカせ
てやろうと少し強く吸ってやれば、あっという間に宍戸は達してしまった。
「ぁ・・・っ!あぁ―――っ!!」
宍戸が放った雫を飲み干し、唇を舐める跡部の表情は実に満足気で、妖艶な雰囲気を帯び
ている。そんな跡部を宍戸はぼーっとする頭で見つめる。
「跡部・・・」
「どうした?宍戸。」
「俺も跡部のしたい・・・・」
何故こんなことをしたいと思ったのか宍戸自身自分でもよく分からなかったが、跡部の顔
を眺めていたら無性にしたくなったのだ。宍戸からしたいと言ってくることはそう滅多に
あることではないので、跡部は喜んでその要求を受け入れる。さっきまで宍戸が寄りかか
っていた木の前に立ち、宍戸を自分の足元へ座らせる。
「いいか?跡部。」
「ああ。」
跡部の許しを得ると宍戸はゆっくりとズボンのチャックを下げ、目の前に姿を見せた跡部
の熱を恐る恐る口に含む。少し舐めてやるだけで、それはあからさまに形を変え、大きく
なる。
「んっ・・・はぁ・・・んむ・・・・」
一生懸命に自分のモノを口に含む宍戸を見て、跡部の鼓動は一気に速くなる。それは身体
が感じる快感ももちろんあるのだが、視覚的な刺激もある。体操服の上着を着、靴下と靴
はちゃんと履いているにも関わらず、ズボンと下着は脱ぎ捨てられているという状態で、
一生懸命に奉仕をしている。しかも宍戸がだ。そんな光景を見ていたら余裕がなくなるの
は当然のことであろう。跡部の熱は一気に高まり、あっけなく限界を迎えた。
「くっ・・・宍戸っ!!」
「んぅっ・・・ん・・・!」
いつもより早く限界を迎えてしまった跡部を驚いたような眼差しで宍戸は見る。
「跡部・・・いつもよりメチャクチャ早くねぇ?」
「るせー、テメェがそんな格好してるから・・・・」
跡部に指摘され、宍戸はあらためて自分の今している格好を確認してみる。体操服がどう
のというより、これは自分でもエロいと思う。上から見たらさらにエロく見えるだろうと
いうことは容易に想像が出来た。
「あー・・・確かにこれはヤバイかも・・・」
「だろ?それもテメェがそんな格好してんだ。ああなっちまったのも仕方ねぇことだ。」
「それより、この後どうする?俺的にはここらで終わらせてもいいかなあなんて・・・」
「冗談だろ?最後までやるぜ。ほら、慣らしてやるからもっとこっち来い。」
だよなあと宍戸は素直に跡部の近くに寄る。その場に腰をおろし、宍戸を膝で座らせると
跡部は指を濡らし、宍戸の双丘の中心に指を滑り込ませる。
「んっ・・・くぅ・・・」
「ちょっとキツイな。宍戸、もっと足を開け。」
地面についている膝を少し開くと跡部はさらに奥まで指を入れる。その指がたまたま弱い
部分に当たり、宍戸は思わず跡部にしがみつき、ビクビクと身体を痙攣させる。
「やっ・・あっ・・・そこ・・・ダメっ!!」
「ここが弱いのか?もっと擦ってやるぜ?」
「あっ・・・やぁ・・ん・・・ダメだって・・・」
ダメだと言われればやりたくなるのが人の心理だ。弱い部分を何度も擦ってやれば、自然
と蕾は緩んでくる。指を増やせば宍戸の反応はさらに大きなものになり、跡部を悦ばせる。
「いいぜ。宍戸、もっと鳴けよ。」
「やっだぁ・・・ひ・・あっ・・・あ・・・!」
「そろそろいいな。この体勢からだったら、この向きのままで挿れるのが楽だろ。」
そう言うと跡部は宍戸の腰をぐっと引き寄せ、指を抜き、軽く唇にキスをする。
「ハァ・・・跡部?」
「このまま腰を落とす感じでいいよな?」
「えっ・・・?」
しっかりと蕾の場所を確認すると跡部はそこに自分の熱を突き立てる。自分の意識とは全
く関係なしに跡部のモノが入ってくる感覚に宍戸は戸惑うが、あまりの気持ちよさにそん
なことはどうでもよくなってしまった。
「うっ・・あ・・あぁ・・・」
「いい感じじゃねぇの。なあ、宍戸。」
「あっ・・・そこっ・・・!」
「くっ・・・やるじゃねぇの。お前のココ、俺のを離したくねぇってすげぇ締めつけてく
るぜ。」
「ひゃっ・・・ぁ・・・さ、触るなぁ・・・」
繋がっている部分を跡部がなぞると宍戸は一際高い声を上げる。そんな反応が楽しくて跡
部そこ以外の宍戸の弱い部分を撫で上げてやった。
「あっ・・・やん・・・跡部っ・・・!!」
「ハァ・・・お前の身体、超素直だぜ。弱いとこに触ってやれば、しっかりここで答えて
くれる。」
「だっ・・から、そこを触んじゃねぇってっ・・・ふ・・あ・・・っ」
「よすぎてたまらないから触って欲しくねぇんだろ?」
「・・・るせっ、テメェだってそうだろっ・・・」
「まあな。・・・宍戸。」
「ん・・・んん・・・」
名前を呼んだ後で、口づけを施す。それはそろそろ限界が近いという合図であった。今ま
でより激しく揺すった後、最奥を突くように宍戸の腰を落とさせる。その瞬間、時が止ま
ったような静寂が二人を包んだ。声にならない声が響く。お互いの身体をしっかりと抱き
しめながら二人は夜の闇に溶けていった。
「あー、だりー。やっぱ、運動会後はキツイだろ。」
「でも、テメェだってかなり楽しんでたじゃねぇか。」
「ウルセー。そういう気分になっちまったんだから仕方ねぇだろ!」
行為の後にだるさにヘロヘロになりながら、宍戸はその場に座り込んでいる。一方跡部は
なかなかいい感じだったとご満悦気味に笑っている。
「俺様は優しいからな。車呼んで、お前んちまで送ってやるよ。」
「マジで!?そうしてもらうと激助かるー。」
もう歩くのもだるいので、送ってもらえるのはありがたい。跡部の気遣いに素直に喜び、
宍戸は笑顔になった。
「でもさー、やっぱお前も滝と同じだな。俺の体操服姿に欲情してたんだろ?へーんたー
い。」
「あーん?あいつと一緒にすんじゃねぇよ。俺はお前だからしたくなったんだ。」
宍戸がからかうようにそう言うと跡部は即行否定する。しかし、その否定の仕方は微妙に
おかしなものになっている。
「それ全然否定になってねぇぞ。まあ、いいや。気持ちよかったし。」
「何だよそれ。テメェだって淫乱なんじゃねぇの?」
「はあ!?んなわけねーだろ。俺は相手がお前だから・・・って、あれ?」
「俺と言ってることがかぶってるぜ宍戸。」
「じゃ、そういうことだ。」
「どういうことだよ?」
「俺はお前が好きだから別に断らなかったわけだし、テメェも俺のことが好きだからこん
な場所で盛ってんだろ?ま、要するに相思相愛ってことでいいんじゃねぇ?」
照れながらもそんなことを言う宍戸に跡部は非常に嬉しそうな笑顔で答える。
「言ってくれるじゃねーか。でも、そりゃ全く間違ってねぇな。」
「だろ?それより跡部、車呼んだのか?」
「あっ、忘れてた。」
「しっかりしろよー。俺の彼氏なんだからよ。」
何故だかご機嫌な宍戸は、跡部が嬉しがるようなことをポンポン言う。携帯電話で車を呼
ぶ跡部の顔は、それはそれは嬉しそうに緩んでいた。運動会の後の寄り道は、どちらにと
っても楽しい一時になったようだ。
END.