体育委員会の活動で裏々山を登ったり下りたりを何度も繰り返した体育委員会の面々は、
夕暮れになってやっと解散することになった。
「よーし、今日の活動はこれで終了!!」
『お、お疲れ様でした〜。』
泥だらけになり、かなりお疲れ気味の体育委員会の低学年メンバーは、ヘロヘロになりな
がら、そろってそう口にする。やっと帰れると山を下ろうとすると、小平太は滝夜叉丸に
声をかける。
「滝夜叉丸!」
「何ですか?」
「お前は残れ。他の奴らは帰っていいぞー。三之助が迷子にならないように、気をつけて
帰れよー。」
「えー、何でですか!?私ももうくたくたで・・・」
『はーい。』
滝夜叉丸が抗議の声を発しているのを尻目に、低学年メンバーは三之助が迷子にならない
ようにいつもの電車ごっこスタイルで山を下る。低学年メンバーが見えなくなると、滝夜
叉丸は大きな溜め息をついて、小平太の方を振り向く。
「私を残した理由は何ですか?私は七松先輩みたいに無限の体力は持ってませんよ。これ
以上、さっきのような活動は無理・・・」
「何となく滝夜叉丸と二人きりになりたくてな。」
滝夜叉丸のセリフを食い気味で小平太は答える。その言葉を聞いて、滝夜叉丸は柄にもな
く赤くなる。
「そ、それならそうと・・・先に・・・」
「あいつらがいるのに、そういうこと言っていいのか?」
「あっ・・・いや・・・」
それはそれで恥ずかしいと、滝夜叉丸は口ごもる。照れている滝夜叉丸も可愛いなあと思
いながら、小平太はぎゅっと滝夜叉丸の手を握る。
「今からどこか行きたいとこはあるか?」
「今からと言われましても・・・もう夜になっちゃいますよ。」
「そうだな!」
「そうだなって・・・それなら、喉がすごく渇いているので、どこか水の飲める場所に。」
「分かった!それじゃ行くぞ!!」
「わわっ、な、七松先輩〜!!」
滝夜叉丸の手を引いて、小平太はどこかに向かって走り出す。学園に戻るどころか、更に
山奥に向かっているので、滝夜叉丸は今日は山で夜を越さなければならなくなるなあと、
こっそり覚悟を決めた。
「到着ー!!」
「ハァ・・・ハァ・・・結局走ってしまった・・・」
小平太のペースで走らなければならなくなってしまった滝夜叉丸は、軽く息を乱して膝に
手をつく。
「ここの湧き水、すごく美味いぞ。」
「こんなところ、来たことないです。」
「そりゃそうだろ。私の秘密の場所だからな!」
本当にここは裏々山のどのへんなのかと思いつつ、滝夜叉丸はちょろちょろと岩の隙間か
ら溢れ出る水を手で掬い口へと運ぶ。思ったより冷たく、舌触りのよいその水に、滝夜叉
丸はほぅと溜め息をつく。
「確かに美味しいですね。」
「だろう?私も少し飲もう。」
「私ももう少し飲んでおきます。」
山を走り回って渇いた喉が潤される感覚に滝夜叉丸は心地よさを感じる。十分に喉を潤す
と、口元に垂れた水滴をペロッと舐める。そんな滝夜叉丸を見て、小平太はドキッとする。
ダンッ!!
「っ!!」
無意識に小平太は滝夜叉丸の顔の横の岩に手をついていた。岩と小平太の間にはさまれる
ような形で、顔のすぐ横に大きな音を立て手をつかれ、滝夜叉丸はビクッとその身を震わ
せる。
「な、七松先輩・・・?」
「何か今すごいムラっとした。」
「どんな報告ですか!?」
「滝夜叉丸。」
岩の壁についている手とは逆の手で、小平太は滝夜叉丸の顎をくいっと上げる。何をされ
るのか察した滝夜叉丸はぎゅっと目を瞑る。嫌がらない滝夜叉丸の態度に、小平太は気分
をよくして、そのまま口づける。ただの口づけでは足りないと、滝夜叉丸の口を半強制的
に開かせ、小平太は自らの舌を滝夜叉丸の舌に絡ませた。
「ふっ・・ぅ・・・んんんっ・・・・」
噛みつくような口づけで、口内を余すことなくなぞられ、滝夜叉丸はゾクゾクと身体の奥
が痺れてくるのを感じる。
(少し・・・気持ちよくなってきた・・・・)
腰が疼くようなその感覚に少々戸惑いながらも、滝夜叉丸は嫌がるような素振りは一切見
せなかった。
「んん・・・んっ・・・んぅ・・・・」
口づけの合間に漏れる声がだんだんと艶めいてくるのを聞いて、小平太は更に興奮してし
まう。もっともっと先へ進みたいと、滝夜叉丸の袴の腰紐を解き、肩衣の裾から手を入れ、
すっと滑らかな肌を撫でる。
「ふあっ・・・な、七松先輩っ・・・!?」
「接吻だけじゃもう無理だ。ちゃんと気持ちよくさせるから。」
「やっ・・・んっ・・・んん――っ!!」
文句は言わせないと言わんばかりに、小平太は再び滝夜叉丸の口を塞ぐ。深く激しい接吻
をしたまま、肩衣に入れた手は胸の突起を捉える。少し触れただけでも、滝夜叉丸の身体
はビクンと跳ねた。
「んんっ・・・!!んっ・・・んぅっ・・・!!」
予想以上に滝夜叉丸がいい反応を見せるので、小平太はその突起を集中的に弄る。しかし、
乱暴にするのではなく、滝夜叉丸が気持ちよくなれるように、絶妙な力加減で小平太は指
を動かした。敏感な突起をそんなふうに弄られ、滝夜叉丸はただただ与えられる刺激にそ
の身を震わせることしか出来なかった。
「ふ・・はっ・・・ハァ・・・あっ・・・ハァ・・・・」
小平太が唇を離すと、滝夜叉丸は肩で呼吸をしながら、顔を真っ赤に染め、力の入らない
手で小平太の制服を握る。口の端から垂れる雫に、潤んだ瞳。その表情がたまらず、小平
太は体の奥が熱くなるのを感じる。
「滝夜叉丸、超可愛い。」
「先輩・・・」
「私にされるのは嫌か?嫌がってるとこしたくないんだけど、もう全然我慢出来そうにな
いんだよなー。」
「嫌じゃ・・ないです。」
「本当か!?」
「・・・・七松先輩に、触れられるのは、嫌じゃないです。むしろ・・・もっと触れて欲
しいです・・・」
小平太の口づけと愛撫ですっかりその気になった滝夜叉丸は、そんなことを口にする。そ
んなことを言われてしまっては、もう我慢は出来ない。ぎゅっと滝夜叉丸の体を抱きしめ、
小平太は滝夜叉丸に耳元で低く囁いた。
「たくさん気持ちよくしてやるからな。」
耳元で響くその声に滝夜叉丸の胸はときめき、これからされることへの期待感にゾクゾク
してしまう。いつの間にか小平太は膝をつき、滝夜叉丸の褌に手をかけていた。
「あっ・・・先輩、そこはっ・・・」
「だいぶキツくなってるな。今、楽にしてやるぞ。」
しゅるりと褌を解き、そのまま地面へと落とす。蜜も滴るほどに大きな反応を見せている
それを晒され、滝夜叉丸の全身は羞恥に染まる。
「蜜もたっぷりで美味そうだな。」
「やっ・・・見ないでください・・・・」
「どうしてだ?こんなに可愛くて美味そうなのに。」
「恥ずかしいですよぉ・・・」
「恥ずかしがってる滝夜叉丸も超可愛いぞ。んじゃ、いただきまーす。」
「えっ・・・!?ふあっ・・・ああぁっ!!」
目の前にある滝夜叉丸の熱を小平太は何のためらいもなしにパクッと咥える。予想だにし
ていなかった刺激に、滝夜叉丸は驚きと戸惑いの声を上げる。
「やあっ・・・ダメです・・・先輩っ・・・」
滝夜叉丸の制止する声を全く耳を貸さず、小平太は中にある蜜を吸い出すかのように強く
それを吸う。濡れた感触と敏感な熱を強い力で吸われる快感に、滝夜叉丸の頭は真っ白に
なる。
「ああぁっ・・・ひぅ・・・あああぁ―――っ・・・」
(すごいイイ声。こんな声聞いてたら、嫌でも反応しちゃうよなー。)
滝夜叉丸の上げる甘い悲鳴に、小平太はどうしようもなく興奮する。もっともっとその声
を聞きたいと、さらに滝夜叉丸を責める。一旦咥えていたそれから口を離し、自分の指を
舐め、再びトロトロになった熱を咥えると同時にその手を双丘の間に持っていった。
「あっ・・・ダメっ・・ダメぇ・・・・―――っ!!」
全てが吸い出されてしまうのではないかと思うほどの衝撃とともに、閉じた蕾を割り開か
れる挿入感。前と後ろに与えられた大きな刺激に、滝夜叉丸はがくがくと足を震わせ、悲
鳴を上げた。
「ああぁ――っ・・・ああっ・・・ああぁんっ!!」
前への刺激が強すぎて、後ろに指を入れられても痛みなどは一切感じず、大きな快感だけ
が滝夜叉丸を襲う。何度か指を出し入れされるだけで、そこは花が咲くように解れていっ
た。
「ハァ・・あっ・・・な、七松せん・・ぱ・・・もう・・・出ちゃ・・・・」
小平太の髪を掴みながら、滝夜叉丸は激しく息を乱してそう訴える。だったらイカせてや
ろうと、小平太は一際強く口の中にあるそれを吸い、双丘の中心の一番感じる部分を擦っ
てやった。
「んんっ・・・あああぁ―――っ!!」
ビクビクと全身を震わせ、滝夜叉丸は小平太の口の中に熱いミルクを放つ。しかし、小平
太は滝夜叉丸のミルクを飲み込んでも、それを離そうとはせず、むしろもっと飲ませろと
言わんばかりに吸い続けた。
「ひっ・・ぅ・・・七松先輩っ・・・もっ・・ダメですっ・・・やっ・・・ひあぁんっ!」
達したばかりの敏感なそれをさらに責められ、滝夜叉丸は息つく暇もなく、大きすぎる快
感にその身を支配される。
「やっ・・・ダメぇ・・・ひあっ・・・ああぁんっ!!」
すぐにまた達するが、それでもまだ小平太は滝夜叉丸を解放しない。いつまで経っても治
まらない絶頂感に、滝夜叉丸はボロボロと涙を流し、ビクビクと全身を痙攣させる。
「ああぁ――っ・・・七松・・・せんぱ・・ぃ・・・やっ・・・ああぁ――っ!!」
しばらくイキ続ける滝夜叉丸を十分に堪能すると、小平太は口を離し、ぎゅうぎゅうと大
きく収縮を繰り返す蕾から指を抜いた。
「あっ・・・ハァ・・・ハァ・・・・」
あまりに長い絶頂感に、滝夜叉丸はもう腰砕け状態になっていた。そんな滝夜叉丸の体を
しっかり支えてやると、小平太は満足気に笑う。
「ずーっとイキっぱなしでビクビクしてる滝夜叉丸、可愛すぎてヤバかったぞ。」
「・・・・・」
恥ずかしさと体力の消耗で滝夜叉丸は何も言えず、ただ小平太を睨むことしか出来なかっ
た。しかし、そんな滝夜叉丸の表情も、小平太にとっては可愛い以外のなにものでもなか
った。
「さてと・・・」
ほんの少し滝夜叉丸を自分の体から離すと、小平太は制服の上着を脱ぎ、その上着を滝夜
叉丸の肩にかける。
「・・・・?別に寒くないですよ?」
「後ろが岩だろ?なるべく痛くないようにと思ってな。よいしょ。」
「わわっ・・・」
自分の袴の紐を緩めると小平太は滝夜叉丸はひょいっと持ち上げる。
「しっかりつかまっておけよ。」
滝夜叉丸の腕を自分の首に回させると、小平太はすっかり大きくなっている自身を滝夜叉
丸に押し当てる。どうあがいても逃げられない状況と双丘の中心に熱いモノがあたってい
るという状況に、滝夜叉丸の心臓は壊れそうなほど高鳴る。
「な、七松先輩・・・・」
「行くぞ。」
「――――っ!!」
小平太のモノが自分の中へと入ってくる感覚に、滝夜叉丸は声にならない声を上げる。小
平太に抱えられているため、結合部に体重がかかり、意図せずに奥の奥まで入っていく。
「ふあっ・・・・ああぁ―――っ!!」
「ハァ・・・全部入ったな。」
「七松先輩の・・・大き・・・」
「けど、しっかり咥えこんでるぞ。」
ほんの少し腰を動かしてやるだけで、滝夜叉丸はしがみつく腕に力を入れ、大きな反応を
見せる。滝夜叉丸が感じれば感じるだけ、小平太の熱は締めつけられ、溶けてしまいそう
な気持ちよさが結合部から全身へと駆け抜ける。
「滝夜叉丸・・・すごく気持ちいいぞ。」
「ハァ・・・あっ・・・七松せん・・ぱい・・・・」
「滝夜叉丸も気持ちよさそうだな。そのえっちぃ顔、メチャクチャ可愛くて、好きだぞ。」
恥ずかしいが、好きという言葉を聞いて、滝夜叉丸の胸はきゅーんとときめく。そのとき
めきが繋がっている部分に伝わり、内側がより敏感になっていく。
「んっ・・・ぁ・・・・中、気持ち・・・い・・・・っ」
「そうか。それじゃあ、もっとよくしてやるぞ。」
滝夜叉丸の言葉にテンションが上がった小平太は、更に激しく滝夜叉丸の中を穿つ。奥の
奥まで小平太の熱いモノで擦られ、滝夜叉丸は甘い悲鳴をあげ、小平太にしがみついた。
「ひっ・・あぁ・・・七松先輩っ・・・・も・・・イっちゃ・・・」
「ハァ・・・私もそろそろイキそうだ。」
次の瞬間、一際奥で小平太を感じ、ビクビクと中で脈打つのと同時に、熱い何かで満たさ
れる。小平太の全てで身体が満たされていく感覚に、滝夜叉丸は言いようもない満足感と
絶頂感を覚え、恍惚としながら達した。
(気持ちいい・・・)
繋がったままうっとりと絶頂の余韻に浸っていると、愛情たっぷりの口づけを施される。
小平太とするのは、どうしてこんなにも心地がよいのだろうと思いながら、滝夜叉丸はそ
っと瞳を閉じた。
事が終わると、滝夜叉丸は後ろから小平太に抱かれるような形で、地面に腰掛け小平太に
寄りかかっていた。夕方までの体育委員会の活動と先程の行為のせいでひどく疲れ、かな
りうとうとしている。
「眠いのか?滝夜叉丸。」
「・・・・はい。」
「まだ夜明けまではかなりあるし、寝てていいぞ。」
「でも・・・」
「熊が来ようが敵の忍者が来ようが、私が守ってやる!だから、安心して眠っとけ。寝れ
るときに寝るのも、忍者として大事なことだぞ。」
「それなら、お言葉に甘えて・・・」
頼もしい小平太の言葉に、滝夜叉丸は目を閉じる。目を閉じた瞬間、滝夜叉丸はすっと眠
りに落ちる。腕の中で全身を預けてくる滝夜叉丸の寝顔を見て、小平太は顔を緩ませる。
「今日は、滝夜叉丸のいろんな顔が見れて楽しかったなー。本当どうしてこんなに可愛い
んだろう。」
しばらく滝夜叉丸の寝顔を堪能した後、小平太も少しだけ眠ることにする。滝夜叉丸のぬ
くもりを感じながら、小平太は幸せな夢の中へと落ちていった。
眩しい朝の光を受け、滝夜叉丸は目を覚ます。目を覚ましてすぐは自分が今どこにいるの
か理解出来ず、ぼーっと目に映る景色を眺めていた。
「おー、起きたか、滝夜叉丸!」
「七松先輩・・・?」
小平太に声をかけられ、滝夜叉丸は今の状況を理解する。
「あっ!」
昨晩のことを思い出し、滝夜叉丸は真っ赤になる。腰のあたりの違和感と自分が今小平太
の腕の中にいるという状況から、昨日のことが夢ではないということが分かった。
「夜も明けたし、そろそろ忍術学園に帰ろうかと思うんだが。」
「・・・・腰が痛いです。歩けないです。おんぶして下さい。」
一晩ぐっすり寝たので、体力は十分に回復しているのだが、滝夜叉丸はあえてそんなこと
を言ってみる。もちろん歩けないなどということはなかった。しかし、小平太は滝夜叉丸
のそんな言葉を信じ、滝夜叉丸をおぶって帰ることにする。
「分かった。じゃあ、私におぶされ。」
「はい。」
滝夜叉丸を背負うと、小平太は立ち上がる。落ちないように、滝夜叉丸はぎゅっと小平太
にしがみついた。
「よーし、じゃあ、帰るぞ!」
滝夜叉丸をおぶったまま、小平太は忍術学園に向かって歩き出す。かなりの山道ではある
が、そんなことは全く気にせず、小平太は軽快な足取りで進んで行く。だいぶ道らしい道
になると、滝夜叉丸は先程の言葉が嘘であったことを小平太にばらす。
「七松先輩。」
「どうした?」
「私、本当は全然歩けるんです。」
「そうなのか?じゃあ、楽しようとしておんぶって言ったのか?」
「いえ・・・」
別にそれならそれでいいかと思っていた小平太であったが、滝夜叉丸は少し恥ずかしそう
に言葉を続ける。
「この方が・・・もっと長く七松先輩とくっついていられるじゃないですか。」
まさか滝夜叉丸がそんなことを言ってくるとは思っていなかったので、小平太は思わず歩
みを止める。
「嘘ついてすいません。」
「・・・・下ろさないからな。」
「へっ・・・?」
「そんな可愛いこと言われたら、下ろせるわけないだろう!ずるいぞ、滝夜叉丸!」
滝夜叉丸の言葉が嬉しくてたまらず、小平太は照れ隠しにそんなこと言う。テンション的
にはいけいけどんどーん!と走り出したい気分だが、走ると滝夜叉丸とくっついていられ
る時間が短くなってしまうので、ぐっとこらえる。
「滝夜叉丸!」
「何ですか?」
「好きだー!!」
「ちょっ・・・こんなところで、叫ばないでください!!」
「だって、もう本当好きすぎて、ドキドキして、叫ばないとやってられん!」
まだ朝も早い時間なので、ほとんど人は通らないが、いきなり愛の告白を大声で叫ばれた
ら恥ずかしい。しかし、好きすぎると言われて嫌な気はしない。むしろ、嬉しくて胸が高
鳴る。自分は小平太のように叫ぶことは出来ないが、その想いを伝えようと、滝夜叉丸は
小平太にだけ聞こえるような声で耳元で囁いた。
「私も・・・七松先輩のこと、好きです。」
「っ!!」
「大好きです。」
言ってはみたものの恥ずかしくて顔が熱くなる。それ以上に、小平太の顔が赤くなってい
るのに滝夜叉丸は気づいた。
「あーもう、いろいろ耐えられん!!滝夜叉丸!!遠回りして忍術学園に帰るぞ!!」
「はい!?何でですか!?」
「いけいけどんどーん!!」
恥ずかしさと嬉しさと胸のときめきを誤魔化すかのように、小平太は走り出す。遠回りを
してというのは、もっと滝夜叉丸とくっついていたいからだ。今回は自分は走らなくてよ
いので、まあいいかと思いながら、滝夜叉丸はくすっと笑い、小平太にぎゅっと抱きつい
た。
END.