three years ago

跡部の家に泊まりに来た宍戸は、今、目の前で起こっている信じられない状況に目をぱち
くりさせている。隣にいる跡部も珍しく驚いたような顔をしている。
「この宍戸の感じは、中三のときの感じだな。ということは、三年前か。久しぶりに見た
がやっぱり可愛いじゃねーの。」
「三年前?ということは、信じらんねーけど、未来の跡部って感じか?」
「俺からすると、今目の前にいるのは、三年前の俺と宍戸だけどな。」
「何らからのきっかけで、未来の俺がタイムスリップしてきたってことか。不思議なこと
もあるもんだな。」
跡部と宍戸の目の前には、今とは少し髪型も異なり、いくらか大人びた跡部が立っている。
多少驚いてはいるものの、跡部と宍戸はそこまで慌てたり、パニックになったりする様子
は見せていない。理由やきっかけは何であれ、不思議な状況になるのは、そこまで珍しい
ことではないからだ。
「それにしても・・・」
ベッドに座っている宍戸に近づくように、高校生の跡部はベッドに乗り上げ、宍戸の顎を
掴む。
「っ!!」
「やっぱこの時期の宍戸は可愛いな。」
ぐっと顔を近づけられ、宍戸の胸はドキンと高鳴る。見た目は少し変わっているが、跡部
であることは間違いない。この状況をどうしたらよいかと助けを求めるような目で、宍戸
は隣にいる跡部に視線を向ける。
「俺以外の奴が宍戸に触れてるの見て、普段なら多少なりともイラつくもんだが、今はそ
んな感じはねぇな。」
「まあ、俺もお前も俺だからな。」
「ややこしいな。つーか、ただ見てねぇでどうにかしろよ。」
「どうにかしろ?そうだな、せっかくだから、俺とお前と未来の俺と三人でするか。」
「なっ!?」
「それはいい提案だな。乗ったぜ。」
「ちょっ・・・ちょ・・・そういう意味で言ったんじゃねぇ!!」
どっちも跡部であるため、跡部のした提案に高校生の跡部は即頷く。二人の跡部、しかも
片方は年上ということもあり、抵抗する間もなく、宍戸はふわふわのベッドの上に押し倒
された。

二人がかりで脱がされ、宍戸は一糸纏わぬ姿にされていた。跡部の手が右の胸と右の太腿
に触れ、高校生の跡部の手は左の胸と左の太腿に触れている。普段ではありえない状況に
宍戸の胸はひどく高鳴り、触れられている肌は次第に敏感になっていく。
「やっ・・・んぅ・・・」
「随分とよさそうじゃねぇの。」
「んなこと・・・ねぇ・・・」
「こういうところは、昔も今も変わらねぇな。ま、その素直じゃねぇところも好きだぜ。」
そんなことを口にしながら、高校生の跡部は指先で弄んでいた胸の突起に口づける。そし
て、宍戸の一番感じる力加減でその突起を甘噛みし、軽く吸ってやる。
「ひあっ・・・ああぁっ!!」
そんな刺激に耐えられず、宍戸は素直に甘い声を上げる。その声はどちらの跡部にとって
も非常に心地のよい響きだと感じられた。そんな声をもっと聞きたいと、跡部と高校生の
跡部はアイコンタクトをし、ニヤリと笑う。
「もっと気持ちよくなりたいだろ?」
「そこの部分は未来の俺に任せて、俺様はコッチをよくしてやるぜ。」
胸や太腿へ触れられていたことで、既にある程度の大きさになっている熱に跡部は軽く触
れる。跡部の指がそこに触れた瞬間、宍戸の身体はビクンと跳ねる。宍戸の反応を楽しみ
ながら、軽く数回擦った後、さらに分かりやすく大きくなった宍戸のそれを跡部は口に含
む。
「んんっ・・・あっ・・・跡部っ・・・ダメっ・・・!」
「全身ビクビクさせて、気持ちいいんだろ?全然ダメだなんて顔してないぜ。」
「うあっ・・・あっ・・んっ・・・・んんっ・・・!」
宍戸の熱を咥えていて喋れない跡部の代わりに、高校生の跡部が思っていることを口にす
る。跡部の口の中は熱く、敏感な熱は蕩けるような快感に蜜を溢す。それだけでもたまら
ないのに、羞恥を煽られるような言葉で責められる。
(うう、恥ずかしいのに激気持ちよくて、抵抗出来ねぇ。)
少しでも恥ずかしさを少なくするため、宍戸はぐっと唇を噛んで声を我慢しようとする。
そのことに気づいた高校生の跡部は、宍戸の脚の間に顔を埋めている跡部に声をかける。
「おい、三年前の俺。ちょっと宍戸の体起こすぞ。」
「ああ。」
一旦、宍戸のそれから口を離させ、宍戸の体を起こし座らせる。そんな宍戸を後ろから抱
くようにして、高校生の跡部は宍戸の口に指を持っていき、その唇を開かせる。少しの隙
間が出来ると、苦しくならない程度にその指を口の中へ滑り込ませる。
「あっ・・・!?」
「指、噛むんじゃねぇぞ。ラケットを持つ大事な右手なんだからな。」
無理矢理口を開かされた宍戸を見て、跡部は高校生の自分がしたいことを理解する。座っ
ている宍戸の脚を大きく広げると、跡部は再び宍戸の熱を口の中に収める。
「あっ・・・ああっ・・・!!」
口を開けているため、その口から漏れる声は少しもくぐもっていない。これは鳴かせ甲斐
があると、どちらの跡部も口元を緩ませながら、その手や口を動かす。
「はっ・・・あっ・・・ああっ・・・ああぁっ・・・!!」
高校生の跡部に口内と胸の飾りを弄られ、跡部には感じやすい熱を舌と唇で弄られる。頭
の中も腰も蕩けてしまいそうな程の快感。二人の跡部の美技にすっかり魅了されている宍
戸は絶え間なく甘い声を上げ続ける。
「うあっ・・・ぁ・・・んっ・・・ああっ・・・!」
「だいぶイイ感じになってきてるんじゃねーの?そろそろイキそうなんだろ?」
声色やビクビクと跳ねる腰の様子から高校生の跡部はそんなことを言う。それならばと、
跡部は一際深く宍戸の熱を咥え、ぎゅっとその口を閉じ、舌でその熱の裏側を舐め上げる。
そんな刺激に耐え切れず、宍戸は跡部の口内に熱い蜜を放った。
「あっ・・・ああぁ―――っ!!」
宍戸の蜜を飲み干すと、跡部はゆっくりと体を起こし、宍戸の顔を見る。閉じれない口か
らは涎を溢し、興奮と快感でその顔は赤く染まり、熱い吐息を漏らしている。そんな宍戸
の表情にぞくぞくしながら、跡部は宍戸の顎をぐいっと上げる。
「イイ顔してるじゃねーの。最高にエロい顔してるぜ。」
「ハァ・・ハァ・・ウルセー・・・」
「ちょうどいい具合に指が濡れてるし、俺はコッチを弄っといてやるよ。三年前の俺は、
キスでもして宍戸をもっとその気にさせときな。」
宍戸に膝をつかせるようにし、浮いた腰の下を高校生の跡部は軽く撫でる。ひくんと宍戸
の肩が揺れるのを確認した後、双丘の割れ目をなぞり、その奥の入口に指を差し込む。
「う・・あっ・・・」
思わず目の前にいる跡部の肩を掴み、宍戸は跡部の顔を見上げる。達した余韻の残ってい
るその表情に、跡部はドキッとしてしまう。高校生の跡部からそんな宍戸の表情は見えな
いのだが、跡部の表情からどんな顔をしているのかだいたい想像がつく。さぞ可愛い顔を
しているのだろうなと考えながら、高校生の跡部は宍戸のそこを丁寧かつ大胆にほぐして
いく。
「あっ・・・ん・・あっ・・・跡部っ・・・」
「それはどっちの俺に言ってる言葉だ?」
「も・・・どっちだっていいだろ、そんなもん・・・ふあっ・・・あぁ・・・!」
中を弄られているのが相当いいようで、宍戸は跡部に蕩けた顔を見せ続ける。紅潮した頬
に、潤んだ瞳、濡れた口元から覗く赤い舌。熱い吐息が口元に当たり、濡れた声が耳に響
く。そんな状況に鼓動は速くなり、跡部は宍戸の頭をしっかり掴むと、小さく開かれた唇
に噛みつくようにキスをした。
「はっ・・・んぅ・・・んんっ・・・」
突然の激しい口づけに初めこそ戸惑う宍戸であったが、すぐにその状況を受け入れ、跡部
のキスを十分に味わうかのように、自らも舌を絡ませる。三年前の自分と宍戸が夢中にな
って深い口づけを交わしているのを見て、高校生の跡部は非常にいい気分になってくる。
「イイ光景じゃねーの。中もいい感じになってきてるし、せっかくだから、このままもう
一度イカせてやるよ。」
そう言いながら、高校生の跡部は宍戸の内側の一番感じる部分を重点的に擦る。それと同
時に再び大きくなっている熱を空いている方の手に収め、ちょうどよい力加減で擦り始め
た。
「んんっ・・・んっ・・・ぁ・・・んんんっ・・・!!」
一気に大きくなった下半身への刺激に、宍戸は一瞬跡部から離れようとする。しかし、跡
部はそれを許さず、しっかりと頭を押さえ、唇を離そうとしない。
(中も前も気持ちよすぎてヤバイ・・・口の中も舌も気持ちよくて・・・おかしくなっち
まいそう。)
「んっ・・・ふあっ・・・んんっ・・・んっ・・・!」
「ほら、イっちまえ。」
口づけを交わしている状態で、跡部の声でそう囁かれる。ゾクゾクと甘い痺れが宍戸の中
を駆け抜け、高校生の跡部の手の中に熱い蜜を溢す。高校生の跡部が宍戸の下肢から手を
離すと、宍戸はへたりと腰を落とし、跡部と交わっている舌を震わせた。
「ハァ・・・随分と激しくイったみたいだな。」
「ハァ・・・ハァ・・・跡部・・・」
あまりの快感に宍戸は頭が回らず、跡部の名を口にするのが精一杯だ。そんな宍戸を後ろ
から抱くように、高校生の跡部は自分に宍戸を寄りかからせるような形で引き寄せる。
「わっ・・・」
「まずは俺よりもいつもの俺に挿れられた方がいいだろ?」
「えっ・・・えっ・・・?」
「ほら、足開くのも宍戸の体支えるのも俺が手伝ってやるから、三年前の俺、挿れてやれ。
ちゃんと慣らしてやったから、余裕だと思うぜ。」
「言われなくてもそうするつもりだ。」
「ちょっ・・・待っ・・・んあっ・・・ああぁ――っ!!」
どちらの跡部も宍戸の言葉には聞く耳を持たず、自分のしたいように事を進める。高校生
の跡部に体を支えられ、跡部に熱い楔を挿れられる。この状況に意識は追いついていない
ものの身体はしっかりと跡部を受け入れている。根本まで跡部の熱を受け入れ、ビクビク
と下肢を震わせながら、宍戸は跡部を見つめた。
「も・・・ふざけんなよ・・・」
「アーン?嫌がってもねぇし、ココはちゃーんと俺様を受け入れてるぜ。」
「ウルセー・・・もっと俺の言うことを・・・・」
「なら、どうして欲しいか言ってみな。どこをどうして欲しいんだ?」
「それは是非俺も聞いてみてぇな。」
跡部の言葉に被せるように、高校生の跡部もそんなことを言う。そんなことを言われても
言えるはずがないと、宍戸は涙目になって黙ってしまう。しかし、二人の跡部は何を言っ
てくれるのかと、期待に目を輝かせている。
「・・・跡部の、好きにしろよ。」
「フッ、それがお前の言いたかったことか?」
「ウルセー!!さっさと動け!」
何だかんだで自分のして欲しいことを口にしている宍戸に、跡部はニヤけてしまう。望み
通り動いてやろうと、跡部は宍戸の内側を余すところなく擦るように動く。
「んっ・・・はっ・・・あっ・・・ああっ・・・」
「どうだ?お前の望み通り、動いてやってるぜ。」
「あっ・・・ん・・・気持ちいっ・・・・」
「正直でいいな。褒美にもっと激しく突いてやるよ。」
「ひあっ・・・あっ・・・ああっ・・・!!」
跡部の動きが激しくなり、宍戸は声を抑えることもせず、感じるままに喘ぐ。そんな宍戸
の顔を上から見下ろすように見ている高校生の跡部は、自分も何かしたくなる。とは言え
ども、三年前の自分を邪魔するようなことはしたくないので、そこまで大きな動きをする
ことは出来ない。目の前にある可愛らしい宍戸の顔を愛でたいという気持ちが大きくなり、
高校生の跡部は宍戸の首や耳を猫を撫でるときの手つきで撫でる。
「ふあっ・・・やぁっ・・・!」
「ん?こんなちょっとのことで感じてるのか?」
「ひゃあっ・・・くすぐった・・・・」
思いのほか宍戸が大きな反応を示すので、高校生の跡部は宍戸の首と耳を重点的に撫でる。
今の状態ではくすぐったさは即快感に変わる。これは可愛いしたまらないと、高校生の跡
部はしばらく宍戸のくすぐったがる場所を撫で続けた。
「あ・・んっ・・・ひゃっ・・あ・・・ダメぇ・・・」
「首とか耳触られて相当感じてるみてぇだな。撫でられてるたびに中がぎゅうぎゅう締ま
って気持ちいいぜ。」
「んんっ・・・やっ・ぁ・・・もう・・・イっちゃ・・・」
どこもかしこも気持ちいい感じがして、宍戸はもう限界寸前であった。それならばと、跡
部と高校生の跡部は示しを合わせたように、それぞれ弄っている穴に対して、より大きな
刺激を与える。跡部は一際大きなストロークで中を穿ち、高校生の跡部は両耳の穴に軽く
指を入れる。
「ひあっ・・・あああぁ―――っ!!」
「くっ・・・」
大きな刺激を受け取り、宍戸は素直に達する。それと同時にぎゅうぎゅうと強く締めつけ
るような宍戸の内側の動きに、跡部も宍戸の中で達した。
「ハァ・・あっ・・・あ・・・」
絶頂の余韻にビクビクと全身を痙攣させている宍戸を見て、高校生の跡部はやはりこの瞬
間の宍戸は、この頃からたまらなく可愛らしいなあと顔を緩ませる。そんな高校生の跡部
に跡部は声をかける。
「次はお前の番だ。」
「アーン?いいのか?」
「だってお前は未来の俺なんだろ?宍戸が好きでたまらない俺だったら、この状況で何も
したくないはずはねぇからな。」
「さすが三年前の俺だな。自分のことよく分かってるじゃねぇか。だったら・・・」
単純に三年前の宍戸を借りるのは申し訳ないので、高校生の跡部は跡部をベッドに仰向け
にさせ、そんな跡部の体を跨ぐように宍戸を四つん這いにさせる。先程までの行為で、宍
戸は腕にも足にもあまり力が入らず、上半身は跡部の体と重なり合う。お互いの顔が目の
前にあるような状態に、跡部も宍戸もドキドキしてしまう。
「俺は後ろからしてやるから、お前らはキスをするなり好きなことしてればいいぜ。その
方が三人でしてる意味あるだろ?」
次の瞬間、宍戸の中に高校生の跡部の楔が入る。先程まで跡部のモノを受け入れていたそ
こは、高校生の跡部のそれもやすやすと受け入れる。
「んっ・・・ああっ・・・!!」
高校生の跡部のモノを受け入れ、宍戸はあることに気がつく。
(うわっ、間違いなく跡部のだ。本当に未来の跡部なんだな。)
信じていなかったわけではないが、多少見た目の変わっている跡部に、ほんの少しだけ違
うかもしれないという気持ちがあった。しかし、今自分の中に入っているのは、先程入っ
ていたものと同じだと、宍戸は何度も跡部を受け入れているそこで理解する。
「あ、跡部・・・」
「どうした?」
「何つーか・・・挿れられて・・・マジで三年後の跡部なんだなってことが・・・分かっ
ちまった・・・」
「へぇ。俺様のと同じなのかよ?」
「・・・・・」
こんなことで分かってしまう自分が恥ずかしくて、宍戸は黙って跡部の言葉に頷く。そん
な宍戸が可愛くて愛おしくて、跡部は宍戸の頬に手をあて、キスをする。
「さすがじゃねーの。未来の俺が言ってた通り、俺達はキスでもして楽しもうぜ。」
今の跡部とキスを交わし、高校生の跡部に中を突かれる。跡部も十分に自分の気持ちいい
ツボを心得ているが、高校生の跡部はそれ以上に的確にイイところを突いてくる。跡部の
放った蜜がかき混ぜられ、気持ちのいい場所を擦られる。その感覚が堪らず、宍戸は跡部
とキスをしながら腰を揺らした。
(あんなに何度もイってるのに、気持ちよすぎて、またすぐにイっちまいそうだ。何つー
か・・・)
「はっ・・・跡部・・・」
「どうした?宍戸。」
「跡部のこと、すげぇ好き・・・きっと未来の俺も跡部のこと、すげぇ好きだと思う。」
宍戸のそんな言葉を聞いて、跡部も高校生の跡部もドキンと心臓が跳ねる。こんなにも自
分をドキドキさせ、幸せな気分にしてくれるのは宍戸だけだと、どちらの跡部も自分の想
いを宍戸に伝えたくなる。
「俺もお前のこと大好きだぜ、宍戸。」
「過去の宍戸も未来の宍戸も、俺にとっては一番大切な存在だ。」
それぞれ想いを言葉にした後、跡部と高校生の跡部は宍戸の耳元で同時に囁く。
『愛してるぜ。』
二人の跡部の最大限の想いを聞いて、宍戸の胸はきゅーんとときめく。そのときめきは、
全身を多幸感で包み、あっという間に宍戸を絶頂へと導く。
「―――っ・・・跡部っ・・・!!」
甘い声でその名を口にしながら、宍戸は何度目かの絶頂を迎える。甘く心地のよい宍戸の
声と宍戸の中の心地よさに酔いしれながら、高校生の跡部もこの上ない幸福感に身を任せ、
宍戸の中で己を放った。

果てしない心地よさを感じながら跡部が目を開けると、隣で宍戸が気持ちよさそうに眠っ
ている。先程見ていた宍戸よりもいくらか大人っぽく、髪は顔にかかるくらいの長さがあ
る。体をゆっくりと起こし、跡部はあたりを見回した。
「夢か。まあ、そりゃそうだよな。」
どう考えても現実ではありえない状況だろうと、跡部はクスっと笑う。隣で眠っていた跡
部が目を覚ましたことに気づき、宍戸も目を覚ます。
「ん・・・どうした?跡部。」
目を擦りながら体を起こし、宍戸は跡部に声をかける。
「ちょっとイイ夢見てな。」
「いい夢?どんな夢だったんだよ?」
「三年前の俺と三年前のお前と俺とで、3Pする夢だ。」
寝ぼけ眼の宍戸であったが、跡部の夢の内容を聞き、ぶわっと顔を真っ赤にする。
「はあ!?お前、どんな夢だよ、それ!?」
「三年前のお前、メチャクチャ可愛かったぜ?文句言いながらも、始終気持ちよさそうで。」
夢の中の宍戸を思い出し、跡部はニヤニヤしながら宍戸を見る。
「夢の話だろ?俺がそうしてたみたいに話すんじゃねぇよ!」
「三年前の宍戸がよ、三年前の俺のことすげぇ好きって言って、『未来の俺も跡部のこと、
すげぇ好きだと思う』と言ってて、マジでこいつ可愛すぎかってなったな。」
「なっ!?」
「で、その未来のお前はやっぱり俺のことすげぇ好きなのか?」
夢の中の話であるにも関わらず、本当にあったことのように話してくる跡部に宍戸は困惑
する。
「お、お前はどうなんだよ?」
すぐに答えるのは何だか悔しい気がして、宍戸は逆に跡部に同じことを聞き返す。そんな
こと決まっているだろと言わんばかりの表情で、跡部は自分の気持ちを表す。
「過去の宍戸も今の宍戸も、俺にとっては一番大切な存在だぜ。」
「そ、そうかよ。」
「愛してるぜ、宍戸。」
照れ隠しにそっけない言葉を返してはみるが、その次の言葉に宍戸の顔は火がついたよう
に赤くなる。恥ずかしいながらも嬉しくて、思わず宍戸は自分の気持ちを口にしてしまう。
「俺も・・・跡部のこと、すげぇ好き。」
夢の中の宍戸と同じセリフに、跡部の胸はときめき、一気にテンションが上がる。まだ真
夜中と言える時間帯ではあるが、すっかり目が覚めてしまった。
「さっきの夢とお前の告白のせいで、眠れなくなっちまった。責任取ってもらうぜ。」
「な、何でだよ!?どう考えても俺のせいではないだろーが!」
宍戸をベッドに押し倒しながら、跡部はそんなことを言う。文句は言ってみるものの、先
程の跡部の言葉に宍戸もドキドキしてしまっている。
「しようぜ、宍戸。」
「う・・・」
顔を近づけられ、そう言われてしまっては、何となくその気になってしまう。自分も目が
覚めてしまったし、跡部とするのは嫌いではない。むしろ、今も昔も大好きだ。ただその
まま頷くのは恥ずかしく、宍戸はいつものツンデレセリフで言葉を返す。
「跡部がどーしてもしたいって言うなら、別に構わないぜ。俺がしたいからするってこと
じゃないんだからな!勘違いすんなよ!」
「はは、本当、お前は今も昔も変わらねぇなあ。けど、そういうとこも大好きだぜ。」
ちゅっと軽くキスをして、跡部は宍戸の服を脱がし始める。正夢とまではいかないものの、
これから宍戸とイイコトが出来ると、跡部はかなりいい気分になっていた。

                                END.

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