Various races World 
〜最終話〜

今日も忍足は、お花畑で蜂蜜集めをしていた。そんな忍足のもとへ、花族の観月と魚族の
赤澤がやってくる。
「こんにちは、忍足くん。」
「ああ、観月に赤澤。どないしたん?こっちの方に来るなんて珍しいやないか。」
「少し蜂蜜を分けて欲しいと思いまして。」
「蜂蜜?別にええけど、何に使うん?」
「赤澤がカレーを食べたいと言っているんで、その隠し味に使おうかと。」
「あー、なるほどな。」
蜂蜜はカレーに入れるとなかなかマイルドな味になり、隠し味としてはよく使われるもの
だ。それならばと、忍足は抱えていた壷に入っていた蜂蜜を、観月の持ってきたガラスの
瓶に分けてやった。
「ありがとうございます。」
「サンキューな忍足。よかったら、観月の作るカレーを食べに来ないか?」
「ええの?」
「ああ。俺が海でとってきた新鮮な魚介類で作るシーフードカレーだから、かなりうまい
ぜ。」
「ほんなら、出来上がる頃に御馳走になりに行こうかな。」
「ええ、是非来て下さい。赤澤がたくさん魚や貝をとってきたんで、量はかなり出来ると
思いますよ。」
「そっか。じゃあ、岳人も誘って・・・・」
そんなにたくさん作るつもりなら、岳人も誘ってやろうかと思っていたところで、その当
の本人がやってきた。
バサっ
「よう、侑士。あれ?赤澤と観月じゃん。どうしたんだよ?」
「忍足くんに蜂蜜を分けてもらいにきたんです。」
「蜂蜜を?」
「今からシーフードカレー作るんやて。食べに来てもいいってことやから、岳人も行かへ
ん?」
「えっ!?いいのか?観月、赤澤。」
「はい、もちろんです。」
「うまいもんは、大人数で食った方がうまいからな。」
「ラッキー!今、昼飯どうしようか悩んでたところだったんだよなあ。」
カレーを御馳走になれるということを聞いて、岳人は嬉しそうに笑う。何族であろうとも
基本的な姿は人間であるため、人間の食べ物は誰でも口に出来るのだ。
「おっ、何か珍しいメンツがそろってるな。」
「カレー、俺も食べたいです。」
岳人や忍足、観月や赤澤が話しているのを見つけ、近くまで散歩にやってきていた鳥族の
黒羽と獣族の天根が声をかけてきた。どうやらカレー作りの話を聞きつけ、仲間に入れて
欲しいと思ったようだ。
「おー、黒羽に天根。」
「シーフードカレーってことは、赤澤が魚とかをとってきたのか?」
「ああ。魚だけじゃなくて、貝もイカも海老も何でもあるぜ。」
「さすが魚族だな。しかも、シャークモードだろ?海での狩りはお手の物って感じだな。」
「まあな。黒羽は・・・その名の通り羽が黒いから、今日はカラスモードか?」
「ああ。基本的にはこっちのモードでいることが多いんだよ。」
「へぇ。」
兄貴気質な二人は今日のモードをが何なのかをお互いに言い当てながら、楽しそうに話を
する。黒羽が赤澤と話し始めてしまったのを見て、天根はあからさまにヤキモチを焼いて
ぷうっと頬を膨らませる。今はライオンモードであるため、不機嫌な顔をしているとなか
なか威圧感があった。
「ん〜、天根ってデカイし、ちょっと怖ぇーし、俺、ちょっと苦手かも。」
「まあ、今はライオンモードやからな。でも、黒羽が赤澤と話してんの見て、あからさま
に不機嫌顔になってるところは、やっぱ、俺らより年下なんやなあって感じせぇへん?」
「ヤキモチ焼いてるってことか?」
「簡単に言うとそうやな。」
「確かにあんなちょっとしたことでヤキモチ焼くってとこを見ると、少し可愛いかも。」
今ここにいるメンバーの中で、一番背が低い岳人は、180cmを超えている黒羽と天根
を前にすると、嫌でも威圧感を感じてしまう。しかし、姿形だけを見るのではなく、その
態度をちゃんと見てみると、なかなか可愛いところもあるんだなあということに気づく。
「赤澤、そろそろ海の方戻ってカレー作り始めますよ。」
ヤキモチを焼いて不機嫌になっている天根が可愛そうだと思った観月は、赤澤に声をかけ、
黒羽を天根に返してあげようとする。
「ああ。じゃあ、昼頃になったらみんな浜辺の方に来てくれ。」
『了解。』
「行きますよ、赤澤。」
「ああ。」
赤澤の手を引いて、観月は海の方に向かって歩いて行く。黒羽が自由になると、天根は後
ろからぎゅうっと抱きついた。
「おいおい、どうした?ダビデ。」
「・・・何でもない。」
「何でもなくねぇだろ。ったく・・・少し他の奴と話してるだけでそんなにヤキモチ焼く
なよな。」
「だって・・・」
顔が見られないのをいいことに、黒羽は天根の可愛らしい態度に顔を緩ませていた。しか
し、それを傍から見ている岳人と忍足には、黒羽の顔の緩みっぷりがよく分かった。
「黒羽、絶対分かっててあーいう態度とってるよな。」
「せやな。なんだかんだ言っても、黒羽も天根のこと大好きやからな。」
「俺だって、侑士のこと大好きだぜ。」
「そこはりあうところやないやろ。」
「だって、本当のことだもんよ。」
こんなところでナチュラルにそういうことを言われると恥ずかしいと、忍足は照れるよう
な反応を見せる。そんな態度を見せる忍足が可愛いと、岳人はにぱっと笑った。
「侑士、かーわいいー。顔真っ赤だぜ!」
「う、うるさい!」
お花畑は雰囲気も乙女チックな場所だが、どうやらそこにいる人も乙女チックな気分にさ
せてしまうようだ。

ところ変わってここは、森の中。お菓子のなる木から大量のお菓子を採ってきた狼モード
のジローと蟻モードの樺地は、その腕にお菓子を抱えながら森の中を歩いていた。そんな
道の途中で、いつもとはちょっと雰囲気の違う柳生に会う。
「あれー?柳生?」
「ああ、芥川くんと樺地くんですね。こんにちは。」
「ウス。」
「なんかいつもと雰囲気違くない?」
「ああ、今日はフクロウモードではなく、孔雀モードですからね。その所為でしょう。」
「ふーん、柳生の孔雀モードって初めて見たかも。」
「まあ、普段は仁王くんの前でしか見せないんですけどね。」
「えー、じゃあ、何で今孔雀モードなの?」
「それは・・・」
そこまで言いかけたところで、柳生の頭は誰かに叩かれる。否、叩かれた頭は柳生のもの
ではなかった。
「私の変装をして、何をしてるんですか?仁王くん。」
「容赦なく叩くなあ、柳生。」
「わあ、柳生が二人!!」
叩かれた頭を押さえながら、柳生の変装をした仁王は後ろを振り返る。そこには、立腹し
た様子の柳生が立っていた。しかし、ジローや樺地からすれば、柳生が二人いるようにし
か見えない。
「ちっ、柳生の格好で他の奴らを驚かしてやろうと思ったのに。」
「そんなこと許しませんよ。」
「残念。」
柳生のかつらを外しながら、仁王は呟く。不本意ながらも、ジローと樺地を驚かしてしま
ったことを、柳生は謝った。
「すいません、芥川くん、樺地くん。仁王くんの悪戯で驚かせてしまって。」
「ううん、全然気にしてないから。てか、仁王の変装すごいな!!マジ似てたぜ!!」
「ウス。」
「似ているのは私も認めているんですけどね。だからこそ、私の顔で下手なことされると
困るんですよ。」
「あー、確かに。」
「別にそんな変なことはしてないぜよ。」
柳生の言葉にそんなつっこみをする仁王であったが、柳生はむすっとした顔で仁王を睨ん
だ。
「なら、聞きますが、孔雀モードの私の変装で二人に何を言おうとしてたんですか?」
「んーと、それはだな・・・」
痛いところを突かれ、仁王は誤魔化すような口調で言葉を濁そうとする。やっぱりロクな
ことをするつもりではなかったのだなあと、柳生は呆れたような溜め息を漏らす。
「ほら、言えないじゃないですか。」
「それよりさ、俺、本物の柳生の孔雀モード、すっげぇ見てみたいんだけど!!」
「えっ?私の孔雀モードですか?」
「うん!フクロウモードとどれだけ違うのかなあってのが見てみたい!!」
「別に構いませんけど、そんなに変わりませんよ?」
「いや、変わるって。孔雀モードの柳生はな、すげぇ積極的で色っぽくて・・・・」
「仁王くん。」
「はい。」
これ以上柳生の機嫌を損ねるのはよくないと、柳生の言葉に仁王は口をつむぐ。ジローの
リクエストに応え、柳生はバサッと一回羽を羽ばたかせると、その羽の色を変え、孔雀特
有の大きな尻尾を出してみせた。
「孔雀モードはこんな感じですけど?」
「へぇ、マジマジすっげー!!羽の色が変わったし、尻尾もついた!!」
「ウス。」
「僕としては、その尾を広げた状態を見てみたいな。」
『うわっ!!』
柳生のモードが変わったのを見てはしゃいでいると、突然後ろから不二が声をかけてきた。
いきなり現れたので、ジローと樺地、仁王は驚いたような声を上げる。
「不二くん。」
「こんにちは、柳生。それに、仁王に芥川に樺地。」
「いきなり現れるなよ。ビックリしたー。」
「さっきからずっといたんだけど。」
「でも、全然気配しなかったよ。なあ、樺地。」
「ウス。」
不二に続くようにして、手塚もそこにいるメンバーの前に現れる。しかし、その手塚は他
の者にとっては、あまり見慣れた雰囲気ではなかった。
「不二、こんなところにいたのか。」
「ああ、手塚。」
「そろそろ、桜モードに戻れるようにしてくれないか?」
「だーめ。今日一日は椿モードでいてもらうよ。」
手塚が見慣れない雰囲気であったのは、いつもの桜モードではなく基本的には夜になるモ
ードの椿モードになっているためであった。
「椿モードの手塚ってのもだいぶ雰囲気が変わるもんだな。」
「そうですね。それにしても、戻れるようにしてくれとはどういうことでしょう?」
「僕の黒魔術で、一日椿モードでいられるようにしたんだ。昨日の手塚があんまりにも可
愛かったさ。」
『昨日の手塚??』
「お、おいっ、不二っ!!」
『昨日の手塚』とはなかなか気になる言い方だと、そこにいたメンバーは声をそろえて聞
き返す。そんな他のメンバーの言葉を聞いて、手塚はいつもの冷静さを失い、かなり焦っ
ていた。その様子から、そこにいたメンバーは、何となく不二の言葉の意味しているとこ
ろが分かってしまった。
「へぇ、手塚相手にそういうことするとは、不二もなかなかやりおるのぅ。」
「そう?僕にとっては結構当たり前だけど。」
「ま、そういうときの可愛さなら柳生も負けてないぜよ。孔雀モードでこう・・・」
「な、何言ってるんですか!?仁王くん!!」
「不二もいい加減にしろ!!」
お互いのパートナーがすごいことを言い出し始めているので、柳生と手塚は真っ赤になり
ながら、怒鳴るようにパートナーの言葉を制する。そんなやりとりをしている二組のカッ
プルを見て、ジローはくすくすと笑った。
「なんかみんな楽しそうだなー。」
「ウス。」
「俺、人のノロケ聞くの嫌いじゃないんだよねー。樺地もだろ?」
「ウス。」
他のメンバーのそういう話を聞くのは楽しいことだと、ジローも樺地も傍観者としてその
場の雰囲気を楽しむ。普段は冷静な手塚や柳生がここまで必死になるのを見れるのは、こ
ういう場面だけであろうと、二人は顔を見合せて笑った。結局、不二や仁王がそういうネ
タの話を続けていたため、しばらくは森の中には実ににぎやかな声が響いていた。

森から少し離れた丘の上では、跡部と宍戸のペアと滝と鳳のペアが、ゆっくりとくつろぎ
ながら他愛もない話をしていた。空気が穏やかなので、宍戸は兎モードであり、鳳はスミ
レモードであった。
「今日は、長太郎じゃないけど、本当日向ぼっこ日和だよね。」
「はい。」
「悪くねぇ日差しだ。強すぎもせず弱すぎもせずって感じでな。」
「うーん、こういう天気の日は昼寝でもしたくなっちまうよなあ。」
思い思いにリラックスしていると、丘の下から滅多にこちらへ来ない二人が来るのが見え
る。
「あれ?あいつら・・・」
「魚族の甲斐と平古場だな。」
「どうしたんだろうね?わざわざこんな丘まで上がってくるなんて。」
「気分転換でもしに来たんじゃないですか?」
そんなことを話しているうちに、甲斐と平古場は四人のもとまで丘を登って来る。体力は
ある方だが、海とは勝手が違うということで、二人はかなり疲れた様子を四人に見せた。
「はあー、疲れたー!!」
「こんな坂、海にはないもんな。」
「おー、跡部、ちょうどいいところに。ちょっとお前に頼みがあるんだけどよ。」
「俺に頼み?何だよ?」
甲斐と平古場が素直に何かを頼みに来るとは珍しいと、跡部は不思議そうに首を傾げる。
他のメンバーもそのことには興味津津だった。
「ちょっと果物が食べたいなあと思ったんだけどさ、俺達、普段海で過ごしてるから、ど
こに何があるか分からないんばぁよ。跡部だったら、このへんの地理全部把握してるだろ
うと思って、聞きに来たんだけど。」
「イチゴとパイナップルがあれば、なおよしって感じさー。」
「果物ならうちにいくらでもあるぜ。」
「本当か!?なら、少しもらいたいんだけど。」
「別に構わねぇぜ。好きなだけもってけよ。」
まさかこんなに跡部が太っ腹だとは思わなかったので、甲斐も平古場も素直に喜ぶ。普段
は近寄りがたい感じであるが、話してみるとなかなかイイ奴かもしれないと、二人は顔を
見合せて口元を上げた。
「二人とも、すぐに海に帰んなくちゃいけなかったりするの?」
「えっ?いや、別にそんなことはないけど・・・・」
「だったら、ここで少し休んでけよ。俺らまだ家に帰るつもりねぇし。魚族だからって、
ずっと陸に上がってたら干からびちゃうってことはねぇんだろ?」
「まあ、海に入ったら魚の尾ひれが出るって感じやし。陸上での活動は他の種族と同じよ
うに出来るさー。」
「じゃあ、ちょっと俺らに付き合えよ。たまには、他の種族の話を聞くってのも悪くねぇ
だろ?」
「どうするば?裕次郎。」
「んー、別にいいんじゃねぇ?これから特に用事があるわけでもないし。」
滝や宍戸、跡部の誘いに甲斐と平古場は応じる。こんなところでゆっくりするということ
はそう滅多にないので、二人は何だか新鮮な気分になる。他のメンバーが話しているのを
しばらく聞いているだけの二人だったが、平古場がふとあることに気がつく。
「なあ。」
「ん?どうした?」
「鳳だっけ?やーの手首、なんか跡ついてるみたいだけど、どうした?ちょっと痛そーだ
なあって思って、気になったんだけど。」
「えっ!?」
平古場に言われて手首に目を落としてみると、確かにそこには何本もの筋がくっきりと浮
かんでいた。これはあきらかに、昨日の夜、滝の蜘蛛の糸で縛られた跡であった。
「あの・・・えっと、これは・・・・」
「ああ、結構跡残っちゃってるね。ゴメンね、長太郎。そんな強く縛ったつもりはなかっ
たんだけど。」
『縛った??』
「た、滝さんっ!!」
何を素直に言っているのかと、鳳は驚いて思わず大声を出してしまう。
「蜘蛛モードの滝は、結構過激だからな。」
「んー、でも、跡部に比べたらまだまだだと思うけど?宍戸の太腿のトコ、すっごい跡残
ってるよ。あれ、どう見ても鞭で打った跡だよね。」
『鞭!?』
滝がそんなことを言っているのを聞いて、宍戸は思わず自分の太腿を確認する。自分では
ハッキリとは見えないが、どうやら後ろの太腿の辺りに跡がついているらしいということ
は分かった。
「凛、こいつら何の話してるば?」
「わっかんねぇけど・・・たぶん、昨日俺達がしてたようなのと似たようなことじゃねぇ
のか?」
「んー、縛るとかはまだなんとなーく分かる気がするけど、鞭ってのはどうなんだろう?」
「さすが、跡部やし。やることが違うさー。」
ハッキリとは分からないが、たぶんそういうネタのことを話しているのだろうと、甲斐と
平古場は小声でそんなやりとりをする。そのやりとりが聞こえていたのか、突然跡部が二
人に似たような話題を振ってきた。
「で、テメェらはどんな感じなんだよ?」
『へっ!?』
「昨日、テメェらもしてたんだろ?ちゃんと聞こえたぜ。」
「べ、別にそんな変なことはしてないさー。・・・ちょーっと、毒使ったり、触手使った
りはしたけどさ。」
ぼそっと最後の方に甲斐がつけたした言葉をそこにいたメンバーは聞き逃さなかった。
『毒!?触手!?』
「うぉいっ!!裕次郎!!何、ぶっちゃけた話してるかよ!?」
「甲斐、お前のモードって何だ?」
「えっと、クマノミモードとクラゲモードだけど。」
『あー、なるほど。』
二つ目のモードを聞いて、先程の毒と触手というよく分からないアイテムの意味が理解出
来た。それにしてもすごいなあと、そこにいた四人は感心する。
「何気にすごいな、魚族のアレって。」
「そうだね。俺らにはちょっと真似できないプレイだよ。」
「裕次郎が余計なこと言うから、あんなこと言われてるだろ!?」
「で、でもよ、蜘蛛の糸で縛ったり、鞭使ったりするのもレベル的には変わらんだろー?」
「ま、まあ、確かに。俺としては、鳳がそういうことしてるってのにビックリしたさー。
超優等生タイプに見えるのにさー。」
「あうぅ・・・・」
何とか自分の話題から話をそらそうと、平古場は話のフォーカスを鳳に向けようとする。
そう言われてしまえば、もう何も反論することは出来ないので、鳳自身は真っ赤になりな
がら、うつむいてしまう。
「優等生タイプだからこそ、萌えるんじゃない。それを乱す楽しみっていうかさ。」
『うわー。』
「滝、超変態じゃん。」
「でも、それで鳳も楽しめてればいいんじゃねぇの?俺らのしてることだって、確かに普
通じゃねぇけど、合意の上でしてるわけなんだしよ。」
跡部の言うことはもっともだと、そこにいる全員が納得してしまう。何だかんだ言っても
どのペアもしていることは同レベルなのだ。どれがすごいなどとお互いに比べることは出
来ない。
「も、もう別の話題にしましょうよー。この話題はちょっと精神的にキツイです。」
『同感。』
受なメンバーは口をそろえて、鳳の意見に賛同する。攻メンバーとしては、もう少しこの
話題で引っ張りたい気もしたが、それはまたの機会にということで話題を変えてやること
にした。その後は、世間話のような話で盛り上がり、お昼になるくらいまで時間を潰す。
お昼になったあたりで、昼食を食べに行こうと、そこにいた全員は跡部の屋敷に向かうの
であった。

様々な種族が共存するこの平和な世界では、今日も海や森、丘や野原で、お互いに想い合
っている者同士が、穏やかな時間を過ごすのであった。

                                END.

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