| 宍戸へ。 |
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| バレンタインに手紙の交換っつーのも、 |
| 起源にのっとっててなかなかいいんじゃねぇか? |
| お前の手紙が読めるんだったら、チョコはいらねぇかもしれねぇな。 |
| まあ、お前がくれるっつーんなら、もらってやるけどよ。 |
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| 話がそれちまった。 |
| 別に今更手紙で伝えなきゃいけねぇことなんてねぇけど、 |
| せっかくだから何かいつもとは違うことを書いてやるよ。 |
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| 俺は、お前が思っている以上にお前のこと見てるんだぜ。 |
| お前の変化はどんな些細なことでも気づける。 |
| もちろん、それを口に出したりすることはあんまりしねぇけどな。 |
| そういうこと言うとお前、怒るだろ? |
| でも、本当に言わなきゃならねぇときは言うぜ。 |
| お前は放っておくと、何しでかすか分かんねぇからな。 |
| 努力は悪いことじゃねぇが、限度がある。 |
| 限度を越えると、身体がもたねぇ。 |
| お前にはそうなって欲しくねぇんだよ、宍戸。 |
| そんなにお前は意識してねぇかもしれねぇけどよ、 |
| 俺はお前のことを誰よりも大事に思ってるんだぜ。 |
| だから、俺の忠告は素直に聞いとけ。 |
| 嫌がらせで言ってるわけじゃねぇんだから。 |
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| 普段のお前も、テニスをしてる時のお前も、俺にとっちゃすげぇ魅力的だ。 |
| こんなことは、聞き飽きてるかもしれねぇけど、 |
| 書かないと俺の気持ちが治まらねぇ。 |
| 好きだぜ、宍戸。俺はいつでもお前のことを想ってる。 |
| 別にどうして欲しいわけじゃねぇ。 |
| いつものお前のままで、俺と同じ時間を過ごせばいい。 |
| これからも、俺のことで頭ん中いっぱいにしてやるから、覚悟しとけよ? |
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| まあ、今日はバレンタインデーだからな。 |
| 最後にこの言葉だけ贈っておいてやる。 |
| 『Happy Valentine 亮』 |
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| 跡部より。 |