You can come back

ここは、氷帝学園のテニスコート。鳳との練習を終えた宍戸が息を乱して座りこんでいる。
ネットの向こうには鳳が立っていて、心配そうに宍戸を見ている。
「大丈夫ですか、宍戸さん?」
鳳に尋ねられて、宍戸は無理やり笑顔を作って答えた。
「心配すんな。これくらいどうってことねーよ。長太郎、今日は付き合ってもらっちゃっ
て悪かったな。もう遅いから先に帰ってろ。」
「え、でも・・・。」
「マジで大丈夫だから、先に帰れ。親が心配するだろ?」
「分かりました。じゃあ、お先に失礼します。宍戸さんも帰り気をつけて下さい。」
「ああ。じゃあな。」
鳳が校門から出るのを確認すると、痛む体で立ち上がった。そして、着替えるために部室
へ向かう。
「痛っ・・・」
鳳のスカッドサーブは超高速で、普通の人なら少しでも当たれば耐えられないほどの激痛
が走るだろう。そのサーブをここ何日か宍戸は体中に受けている。その成果もあって今日
は鳳のサーブを素手で受け止めることができた。だが、体はあざや擦り傷だらけだ。歩く
のもやっとで息を切らしながら部室へたどり着いた。
「あ・・れ?」
誰もいないはずの部室の電気がついている。宍戸は不思議に思い、警戒しながら恐る恐る
扉を開けた。
「なっ!!」
そこには氷帝学園テニス部部長。跡部景吾が立っていたのだ。
「随分とがんばってるじゃねーか。」
「何で、お前がこんなとこにいるんだよ!!」
「そんなのどうでもいいだろ。それよりお前、今の練習少しやり過ぎだぞ。」
跡部の言葉に宍戸は怒りを覚え、跡部をつき飛ばして部室の奥へと進んだ。
「お前には、関係ねーだろ!!邪魔だ、どけよ!!」
宍戸は部室の中に入ったはいいが、体の痛みから着替えもできず長椅子に座り込んでしま
った。それを見た跡部はやっぱりなという表情をして、棚の上から救急箱をおろし長椅子
に座る宍戸の前にゆっくりと歩いていく。
「ほら、やっぱり痛いんじゃねーか。」
「ウルセー・・・。」
「ひでえ傷だな。ちゃんと手当てしなきゃダメだろ。」
跡部は宍戸の顔を上げさせ、顔にできている傷を救急箱に入っていた消毒液で消毒し、丁
寧に手当てをした。
「跡・・・部・・?」
跡部の意外な行動に宍戸は驚いた。そんな宍戸を後目に跡部は再び立ち上がった。
「ちょっと、そこで待ってな。」
宍戸に待っているようにいうと、跡部は部室から出て校舎の方へ向かって行った。しばら
くすると30センチほどの容器にお湯を入れて戻ってきた。氷帝学園にはお湯がでる水道
も備わっているのだ。跡部はもう一度宍戸の前に座るとまっさらなタオルをそのお湯につ
けながら、宍戸に話し掛ける。
「宍戸、そのポロシャツ脱げよ。」
「は!?何言ってんだよ跡部!?」
「別に変な意味じゃねーよ。中の傷も手当てしなきゃダメだろうに・・・。」
「別にこれくらい・・・。」
「俺が脱げって言ってんだ!早く脱げ!!」
跡部があまりにも真剣なので宍戸はしぶしぶ着ていたポロシャツを脱いだ。跡部は濡らし
たタオルを使って、宍戸の体をそっと拭き始める。腕、胸、足と順番に拭いていく。どこ
もかしこもあざだらけだ。
「痛むか、宍戸。」
上目づかいで見上げる跡部に宍戸は一瞬ドキッとしたが、なんとか平常心を保った。確か
に傷がある部分は少し痛むがちょうど良い温かさのタオルで拭かれるのは、とても心地が
よかった。
「大丈夫だけど。・・・何か、今日の跡部すげえ優しくねえ?」
「そんなことねえよ。」
照れたような顔をしていることに宍戸は気づいて、なんとなく自分も赤くなってしまった。
とその時、奇妙な感覚が宍戸を襲った。
「・・・っ!!」
「どうした宍戸?やっぱり痛むのか?」
跡部の手は宍戸の内腿を拭いていた。
「べ、別に痛くはないんだけど・・・。」
顔がだんだんと赤くなっていくのを見て、跡部は宍戸が何を思ったのかすぐに気づき耳元
でそっと囁いた。
「もしかして感じたとか?」
ドキッ
本当のことを言われて、宍戸は心臓が早くなっていくのを感じた。
「そ、そんなんじゃねーよ。」
「へえ、そう。」
跡部はもう一度同じ場所をタオルで撫でた。
「あっ・・・・」
宍戸は慌てて自分の口を塞いだ。まさか、声が出てしまうとは思わなかったのだ。跡部は
そんな宍戸を見てニヤニヤしながら、からかうような口調で言う。
「やっぱり感じてんじゃねーか。どうする?してやろーか?俺、上手いぜ。」
跡部はタオルを長椅子に置くと、宍戸のハーフパンツのジッパーを下ろす。
「やめろ!!跡部!!」
「こんなになってるのに?俺にまかせろよ。絶対良くしてやるぜ。」
跡部の手が直接宍戸のモノに触れた。その瞬間宍戸の体が敏感に反応する。
「やっ・・・あ・・跡部・・・」
「お前、すげえ感じやすいんだな。この程度でこんなになるなんて。」
さっきよりも硬くなってきているソレに跡部は指を這わせ、ゆっくりと上下に擦る。宍戸
はもう声を殺すことができなくなっていた。
「は・・ぁ・・・あっ・・・やぁ・・・」
宍戸の表情にだんだんと余裕がなくなってきている。跡部はさらに激しく指を動かした。
「あっ・・・ダメ・・・跡部・・・も・・う・・」
「じゃあ、さっさとイっちまえよ。」
「う・・ああっ・・・!!」
跡部に言われるまま、宍戸は跡部の手の中に己を放った。呼吸が乱れてぐったりと壁に寄
りかかっている宍戸を見ながら、跡部は自分の手についた雫を舐める。
「なっ!!跡部、何して・・・。」
恥ずかしさから、顔を真っ赤にする宍戸に跡部は軽くキスをし、目を見て言った。
「なあ、宍戸。今のお前見てたら俺もしたくなっちゃった。・・・続きしようぜ?」
「えっ・・・?」

長椅子から床へと押し倒された宍戸の口を跡部の唇が塞ぐ。鳳のサーブを顔面に受けたこ
とで口の中が少々切れていて、舌を絡めると跡部の口の中に血の味が広がった。
「・・・んん・・ふ・・ぅん・・」
口内を犯されて、宍戸の背筋に痺れが走る。かすかな痛みがまた違う感覚を生む。
「・・・あ・・・はぁ・・・」
跡部は宍戸から唇を離すと、片手で体を起こした。そして、もう一方の手で柔らかい黒髪
に手をかけそれを束ねているゴムをそっと外した。初めから解れていた部分もあったが、
全てほどくとさらに色っぽさが増す。
「な・・に・・?」
「こっちの方がお前には似合うぜ。それからこの先俺のこと名前で呼べよ。俺もお前のこ
と名前で呼ぶからな。その方が雰囲気出るだろ?」
納得いかないような気もしたが、一応宍戸は頷いた。それを確認すると跡部は続きを始め
る。胸の突起に舌を這わせ、軽く歯をたてる。その瞬間、宍戸の体が仰け反った。
「ひぁ・・・や・・・景・・吾ぉ・・・」
跡部に言われた通り宍戸は跡部のことを下の名前を呼ぶ。跡部はそれを聞いて、ふっと笑
った。
「いいぜ、亮。でも、今俺の口の中血の味でいっぱいだ。お前、怪我しすぎ。何か、肉食
の獣になったみてえ。」
「だったら・・・やめろ・・・!!」
「ふーん、やめてもいいのか?また、硬くなってきてるぜ。」
跡部は再び宍戸のモノに触れ、軽く握った。
「ああ・・・やめっ・・・んん・・」
「今度は口でしてやろうか?それとも、もう後ろを慣らすか?」
「いや・・・だ・・・もう・・・やめ・・・」
「やめるわけねーだろ、バーカ!あー、時間ももう遅いしさっさと進めるか。」
そう言うと跡部は宍戸の足を抱え上げた。宍戸は驚いて跡部から離れようとしたが、体の
痛みとその体勢からそれはかなわなかった。そのまま、跡部は宍戸の秘部に舌を這わせた。
「ッ・・・!!」
今までに味わったことのない感覚に宍戸は頭の中が掻き回されるような気がした。体が熱
くなって、何も考えられなくなる。
「あっ・・・あぁ・・景・・吾・・・・マジで・・やめろぉ・・・」
「お前、初めてなんだろ?ちゃんと、慣らさなきゃ辛いのはお前だぜ?」
「う・・・でも・・もう・・・変になりそ・・・」
「じゃあ、俺のことだけ考えてな。」
やめる様子など全くなくさらに奥を愛撫する。しだいに柔らかくなってきたソコに今度は
指を差し入れる。宍戸の体がビクンッと震えた。
「ひっ・・・いたっ・・・あ・・・」
内部をこすられると痛みがだんだんと違うものに変わる。だんだんと湿ってきたことを確
認すると跡部は指の本数増やす。くちゅくちゅと卑猥な音が宍戸の耳をついて言いようも
ない快感が宍戸を襲う。
「は・・・あん・・・景・・・吾・・・もう・・」
「もうそろそろ良さそうだな。」
跡部は宍戸から指を引き抜くと、宍戸の足を開かせ自分のモノをソコに押し当てた。
「少し痛いかもしれないが我慢しろ・・・。」
そのまま跡部は身を進める。あまりの激痛に宍戸は悲鳴のような声をあげた。スカッドサ
ーブを体に受けた時もかなりの痛みを感じたが、今感じている痛みはそれよりも何倍も痛
い。
「いっ・・てぇ・・・いたっ・・・痛い・・・!!」
「すぐに良くなるから、今は我慢しろ。初めはそんなもんだ。」
しばらくすると跡部の言うとおり痛みの中に痺れるような甘い感覚が生まれた。跡部が動
くとそれは確かなものになる。
「あ・・・あん・・・はぁ・・・」
その感覚に宍戸は夢中になっていた。自然に腰が動く。
「大分、慣れてきたみたいだな。それじゃあ・・・」
「・・・え?」
跡部は宍戸の体を起こし自分の膝のうえに乗せるような形にさせた。そして、宍戸の膝を
持ち上げるとそのままおろす。真下からくる熱に宍戸は思わず声をあげる。
「ああ・・・!!はぁ・・・ん・・あっ・・・!」
「こっちの方が深く感じるだろ、亮?」
もうさっきのような身を切り裂かれるような痛みは全くなかった。宍戸は跡部の首に腕を
回し甘い声をあげる。体中に電気が流れるように全身に快感が走った。こんなにも乱れて
いる宍戸に跡部も大分翻弄されていた。
「あっ・・・け・・い・・ごぉ・・・もう・・イきそ・・う」
「俺も・・・もうそろそろやべえな。」
跡部は宍戸の体をぎゅっと抱きしめると、激しく突き上げる。宍戸も首に回している腕に
力を込め跡部にしがみついた。
「やっ・・・あああ―――!!」
「――――亮!!」
二人は同時に絶頂に達した。

「動けるか、宍戸?」
「うーー・・・全身痛くて動けねえ。」
周りを片付けると、跡部は帰る用意をして宍戸に尋ねた。ラケットを持たない無理な練習
とさっき跡部とした行為のせいで宍戸は着替えることもままならなかった。
「しょうがねえなあ。」
跡部は自分の持っていたカバンを下ろすと、宍戸に服を着させていった。
「何やってんだよ!?」
「お前が動けねえっていうから手伝ってやってんじゃねえか。」
ワイシャツに腕を通させ、ボタンを順番に止めていく。跡部がここまでしてくれるなんて
宍戸には信じられなかったが、本当に動けないので正直ありがたかった。
「よし、終わり。ほら、帰るぞ!!」
「えっ?」
跡部は俺におぶされと言わんばかりに腰を低くして宍戸に背を向け、後ろに手を出した。
「何してんだよ、早くしろ!」
「いいのか?」
「だって、お前動けねえんだろ?だから、俺が送ってってやるよ。早くおぶされよ。」
「・・・分かった。」
宍戸は素直に送ってもらうことにした。本当に今日の跡部は怖いくらい優しい。そう思わ
ずにはいられなかった。いつもは樺地にカバンを持たせている跡部が自分を背負い、カバ
ンを二人分しっかりと担いでいる。意外に力があるんだなと宍戸は思った。部室から出て、
外へ出ると大きな月がテニスコートを照らしていた。そのテニスコートを通って、校門を
出る。暗い夜道を歩いて跡部は宍戸の家と向かった。
「なあ、跡部・・・」
「何だ、宍戸?」
学校を出ると宍戸に言いようもない不安が襲った。
「俺・・・レギュラー復帰できるか?」
宍戸は恐る恐る跡部に尋ねる。もちろん、跡部ができると言ってくれるとは思っていなか
ったがどうしても聞かずにはいられなかった。
「さあな。そんなの知らねーよ。それは監督が決めることだ。」
思っていた通りの答えだった。だが、その言葉を聞いて宍戸の目から涙があふれた。分か
ってはいたけれどやはり悔しさが胸にこみあげる。それに気づいた跡部はさっきの言葉に
他の言葉を続ける。
「でも、俺はお前にレギュラー復帰して欲しいぜ。あんなにがんばっているんだもんな。
今の正レギュラーの誰かを倒せたら、少しは望みあるんじゃねえか?」
「本当か?」
「ああ。今のお前ならきっと勝てるさ。後は監督しだいだけど、もし監督がダメっていっ
たら、俺が頼んでやるよ。あの監督俺には甘いからな。ただし、今の正レギュラーを倒し
たらっていう条件でだぞ。」
「分かった。俺、絶対正レギュラー倒してみせる。」
宍戸の不安は跡部の言葉で幾分軽くなった。そして、絶対にレギュラーを諦めないという
闘志が宍戸の中でさらに燃え上がった。しばらくすると、宍戸の家に到着した。
「今日はサンキューな跡部。お前意外と優しいとこあんだな。」
「何言ってやがる。じゃあな、あんまり無理すんじゃねーぞ。」
「ああ。」
跡部が自分の家へ向かおうと歩いて行くのを宍戸はしばらく見ていた。角を曲がろうとし
たその時宍戸は跡部に向かって叫んだ。
「跡部!!・・・俺、絶対に正レギュラーに戻るから!!」
「分かってるよ。何度もいうなよ、バーカ!」
跡部はいつもの不敵な笑顔とは違う、どこか優しげでからかうような感じをもった笑顔で
宍戸の方を振り返った。その姿は月明かりに照らされとても輝いていた。

その後の校内戦で宍戸は正レギュラーの滝を倒した。監督には初めダメだと言われたが、
自慢の髪を切り意気込みを表し、跡部の協力を受け、もう一度正レギュラーになることが
許された。これから始まる関東大会、宍戸は以前とは違う雰囲気で他校のメンバーと戦っ
て行くのだろう。

                                END.

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