「あっ・・・」
風呂から上がり、部屋に戻ってきた宍戸は、つい最近滝にもらったカレンダーを見て、小
さく声を上げた。
「どうした?」
「もう日付変わったよな?」
「ん?ああ、変わってるな。」
「今日、俺の誕生日だ。」
カレンダーをじっと見ながら宍戸は呟く。それを聞いて、跡部もカレンダーのところまで
移動し、一緒にそれを見た。
「今日は何日だ?」
「29日だぜ。俺、9月29日生まれなんだ。」
カレンダーの『29』を指差し、宍戸は跡部の方を向きながら言う。当然天使も生まれて
くるものなので、誕生日は存在する。天使界での日付の呼び方は多少違っていたが、滝の
屋敷に来てからは人間界の日付を使っているので、カレンダーを見て、今日が誕生日であ
ることに今気がついたのだ。
「そういうことはもっと先に教えろよ。」
「へ?何で?」
「誕生日っつったら、プレゼント用意するもんだろ。いきなり今日が誕生日だって言われ
ても用意出来ねぇぜ。」
「俺だって、カレンダー見て今気づいたんだもんよ。」
「ったく、しょうがねぇなあ。」
呆れたような声を漏らす跡部の言葉を聞いて、宍戸は少しムカっとくる。膨れっ面をして
見せ、くるっと向きを変え、ベッドの方へ向かおうとすると、突然跡部が後ろから抱きし
めてきた。
「っ!?」
「で?」
「な、何だよ?」
「誕生日プレゼントは何が欲しいんだ?」
「べ、別にプレゼントなんて・・・・」
「別に物じゃなくてもいいんだぜ?テメェが欲しいと思うものなら何でも。」
物じゃなくてよいとはどういうことだろうと疑問に思いつつも、宍戸は自分の欲しいと思
うものを考える。物で欲しいと思うのは今のところ思いつかない。だからと言って、物以
外のものとなると余計に思いつかなくなってしまう。
「うーん・・・」
「そんなに悩むことか?」
「だってよぉ・・・・」
くるっと跡部の方を向いて見ると、跡部の綺麗な羽が目に入った。
「あっ・・・」
「何だ?思いついたか?」
「羽・・・」
「羽?」
「俺の羽、もうそろそろ完璧に黒くなるだろ?」
「ああ、そうだな。あと一回くらいやったら完璧に黒くなっちまうんじゃねぇか?」
そんな跡部の言葉を聞いて、宍戸は心の中で決めた。抱きしめている跡部の腕をといて、
一足先にベッドに腰かける。そして、ニッと笑って跡部に今自分が欲しいと思っているも
のを口にした。
「俺の羽を、跡部の羽みてぇな真っ黒で綺麗な羽にしてくれよ。」
その言葉は跡部にとっては、誘い文句以外の何物でもなかった。宍戸がそれを誕生日プレ
ゼントとして望むならと、跡部はニヤリと笑って宍戸に近づく。
「そんなことでいいのか?俺にとっちゃお安い御用すぎて、まだまだいろんなもんをあげ
てぇ気がするんだけどよ。」
「自分の誕生日に跡部と全く同じ羽になれるなんて、こんな嬉しいことないぜ!でも、あ
えて他に欲しいものっつーんなら・・・・」
「ああ。」
「跡部が俺だけのことを考えて、俺だけのことを見て、たくさん好きって言ってくれれば
それで・・・」
言っているうちに恥ずかしくなってしまったのか、宍戸は顔を真っ赤にして跡部から視線
をそらす。全く可愛いことを言ってくれると、跡部はくすっと笑った。
「全てテメェの望み通りにしてやるよ。ほら、ちゃんとベッドに横になれ。」
「お、おう・・・」
まだまだ恥ずかしさは残るが、一年に一度の誕生日に跡部に思う存分愛してもらえるのだ。
こんなに嬉しいことはないと、宍戸は期待に胸を躍らせながら、雲のようにふわふわのベ
ッドに体を預けた。
ベッドに横になっている宍戸に、跡部は愛情を込めて何度も繰り返し、接吻を施す。全身
の力が抜けるような甘いキスに、宍戸はすっかり夢見心地であった。
ちゅっ・・・ちゅ・・・ちゅく・・・
(跡部、マジキス上手いよなあ。気持ちいいー。)
とろんとした目で跡部の顔を眺めながら、宍戸はそんなことを考えていた。宍戸に見つめ
られていることに気づいた跡部は、ゆっくりと唇を離し、フッといつもの自信に満ちた笑
みを浮かべる。
「俺様のキス、そんなにイイのか?」
「へっ・・・?」
「テメェ、マジエロい顔してるぜ。」
「そ、そんなことな・・・」
確かに気持ちいいとは思っていたが、そこまで顔には表してないと宍戸は思っていた。し
かし、跡部の手に握られたものを見た瞬間、宍戸は言葉を失う。
「なっ?」
「そ、それ反則っ!!やだっ!!」
「テメェが認めねぇから、証拠見せてやっただけだ。」
「う〜・・・」
跡部の手に握られていたのは、金色で豪華な装飾が施されている手鏡であった。そこに映
った自分の顔があまりにもいつもと違うので、宍戸はビックリしてしまったのだ。恥ずか
しさのあまり、両手で顔を覆ってしまった宍戸をなだめるように、跡部は鏡をベッドの横
に置き、優しく宍戸の頭を撫でる。
「もう見せねぇから、顔隠すんじゃねぇよ。」
「けど・・・」
「俺の一番好きな顔を見せねぇ気か?それに、そんなことしてたらテメェも俺の顔見れな
いんだぜ?」
そんなことを言われてしまったら、顔を覆っている手を外さないわけにはいかない。まだ
恥ずかしさは残っているが、跡部の顔が見れないのは惜しいと、宍戸はゆっくりと手を自
分の顔から離した。
「これからもっとイイ顔たくさん見せてもらうんだからな。もう隠すんじゃねぇぞ。」
「俺の誕生日なのに・・・跡部ばっか得してるみてぇじゃん。」
「だったらテメェも俺のこと存分に見てりゃいいじゃねぇか。俺は隠しもしねぇし、素直
に気持ちは出すつもりだぜ。」
笑顔でそんなことを言ってくる跡部に、宍戸はひどくときめく。
(跡部、本当ずりぃよな・・・)
どうしても跡部にはほだされてしまうと、ちょっと悔しく思いながらも宍戸は苦笑した。
「だったら、他の奴らが絶対見れないような顔たっくさん見てやる!!」
「フッ、ならテメェがそういう顔させてみろよ。」
そんな会話を交わしながら、二人はニッと笑い合う。今のやりとりで俄然やる気になった
宍戸はおもむろに体を起こし、上着を半分脱ぎながら挑発的な目で跡部を見る。
「今日は跡部のいっぱいもらうんだからな。」
「テメェにだったらいくらでもやってもいいぜ。」
「言ったな?」
積極的に動き始めた宍戸は、跡部の足の間に顔を埋める。そして、自分の大好きな蜜が出
される茎を何のためらいもなしに口に含んだ。
「テメェの誕生日なのに、大サービスだな。」
「俺が好きでやってんだから・・・別にサービスとかそんなつもりじゃねぇよ。」
「そりゃなおさら嬉しいな。」
本当に嬉しそうな顔をしている跡部を見て、宍戸はドキドキしてくる。そのドキドキ感が
また心地よく、宍戸はあむあむと口を動かし、跡部を気持ちよくさせようと頑張った。
「はむっ・・・んぅ・・・んっ・・・」
一生懸命に自分のモノを咥えてくれている宍戸を見ながら、跡部は全身を駆け抜ける快感
に浸る。じわじわと体の奥底から痺れてくるような甘い感覚に、跡部は思わず吐息を漏ら
した。
「ハァ・・・・」
そんな跡部の様子を上目遣いでチラッと眺めながら、宍戸はちゅうっと跡部のそれを吸う。
その瞬間、跡部の身体が小さく震えた。
「くっ・・・!」
しかし、達するというところまではいかなかった。今のは結構頑張ったのになあと思いつ
つ、宍戸はいったんそれから口を離した。
「ふはっ・・・跡部・・・・」
「アーン?何だよ?」
「・・・早く、飲ませろよ。」
恥ずかしそうに、しかし、ハッキリとそんなことを言ってくる宍戸に、跡部はキュンとき
てしまう。もっと、いい感じのセリフが聞けないものかと跡部は無理を承知で、少しばか
り無理な要求を宍戸にする。
「テメェがマジでクるなっつーセリフ言ってくれたら、飲ましてやるぜ。」
「どんなんだよ、それ〜?」
「それは自分で考えなきゃだろ?」
また難しい要求をしてくるなあと思いながら、宍戸は一生懸命頭を働かせる。どれがクる
セリフかなど分からないので、とりあえず思いついたことを口にしてみた。
「俺、跡部のコレ大好きだぜ!だから、早く飲ませて?」
ただ言うだけじゃ効果はないだろうと、そんなことを言った後で宍戸はパクッと口に含み
直す。そして、放出を促すかのように先程よりも強くそれを吸ってみた。そんな宍戸の言
葉と行動に、跡部は撃沈。自分でも驚くほどあっという間に達してしまった。
「っ!!」
「んんぅ・・・・んっ・・・んん・・・!」
ずっと欲しいと思っていたものが一気に口の中に放たれ、宍戸はそれを実に幸せそうに飲
み下す。宍戸にとって跡部の放つ蜜は、最高の甘露であった。出された全てを飲み干すと
宍戸は跡部の熱から口を離す。その口の端には白色に光る雫が一筋垂れ、恍惚としている
その顔をより妖艶にさせていた。
「ハァ・・・」
「まさか、あんなセリフがくるとは思ってなかったぜ。ちょっと油断してたな。」
「へへへ、だって本当のことだもんよ。つーか、跡部の、やっぱいつ飲んでもうまいよな。
すっげぇ今イイ気分だぜ。」
「そうか。そりゃよかったじゃねぇか。まあ、俺も今、相当イイ気分だけどよ。」
ニコニコしながら二人は軽くちゅっと口づけを交わし合う。跡部の蜜を飲んで、すっかり
気分のよくなった宍戸は、自ら足を開き、跡部を誘う。
「跡部のしてたら、俺もしてもらいたくなっちまった。・・・して?跡部。」
あまりに積極的な宍戸にいつもの冷静さを失いつつ、跡部は宍戸の望み通り、すっかり高
まっている熱を外に出し、愛情を込めてそれに口づける。
「あっ・・ん・・・」
少し跡部の唇が触れただけでも、宍戸はズクンと腰の奥が熱くなる。そんな宍戸の反応を
見ながら、跡部はゆっくり下から上へと舌を動かした。
「はあぁ・・・あっ・・あぁ・・・」
ゾクゾクと脳天を突き抜けるような快感が熱を持った中心から、全身へと広がってゆく。
もっと宍戸が望むようにしてやりたいと跡部は率直にそのことを尋ねた。
「どんなふうにされたい?」
「ど、どんなふうにって・・・?」
「じっくり舐めるってのもありだし、口に含んで中で動かすってのもありだぜ。」
「え、えっとぉ・・・・」
そんなことを急に言われても、答えに困ってしまう。どちらの場合も想像してみるが、そ
れだけでもうかなり感じてしまう。
「うっ・・・」
「何、想像だけで感じてんだよ?ほら、どうすんだ?」
「は、初めは、舐めんの中心で・・・後半は、ちゃんと口に含んでってのじゃダメか?」
「欲張りな奴だな。でも、今日はテメェの誕生日だし、何でもテメェの望み通りにしてや
るよ。その代わり、舐めてる段階でイッたりすんなよ?」
「あぅ・・・それは・・・頑張る・・・」
宍戸の希望も聞けたので、跡部はその通りにしてやる。初めは巧みに舌を使い、宍戸の敏
感な熱を余すところなく舐め尽くす。時に優しく時に激しく動くその舌は、宍戸をあっと
いう間に甘い快楽の世界へと誘う。そして、先端から溢れる先走りの蜜は、跡部の舌を喜
ばせ、もっと味わいたいという欲求をより強いものにしていった。
「あっ・・・はぁ・・跡部っ・・・んっ・・・」
「すげぇ蜜、溢れてきてるぜ。純正の天使のは、やっぱ違ぇな。」
「俺は・・・跡部のやつの方が・・・うめぇと思うけど・・・」
「純正の天使っつーか、テメェのだからかもしれねぇな。そろそろちゃんとした蜜飲みて
ぇし、ちゃんと咥えてもいいか?」
「お、おう・・・」
そろそろ舐めるのはやめて、ちゃんと口に咥えてしてやろうと大きく口を開けて、宍戸の
それを口に含む。先程とは全く違う刺激に宍戸の身体はビクンと震える。
「んんっ!!」
「テメェはこっちの方がイイみてぇだな。」
「ん・・あ・・・はぁ・・・あと・・べぇ・・・・」
じゅぷっと濡れた音を立てて、跡部は宍戸の熱を口の中に入れたり、出したりする。その
感じがたまらなく、宍戸は跡部の髪を掴み、ひっきりなしに声を漏らす。
「ひぅんっ・・・あっ・・・跡部の口・・・熱い・・・んんっ・・・」
(さっさとイカせてぇ気もするが、もう少しこの声聞いてるのも悪くねぇな。)
そんなことを考えながら、跡部は根元の部分を押さえて、さらに激しく口を動かす。そん
な刺激に宍戸はもうメロメロだった。達してしまいそうなほど気持ちいいのに、根元を押
さえられているためにイクことが出来ない。若干苦痛にもなりえるような状況だが、宍戸
にとっては激しい快感にしかなりえなかった。
「ひあぁっ・・・あんっ・・・あっ・・あ・・・」
がくがくと下肢を震わせ、強すぎる快感に宍戸は喘ぎまくる。
「あ・・とべ・・・気持ちいっ・・ぃ・・・あっ・・・あぁっ!!」
宍戸の放つ一言一言に跡部は興奮し、全身の血が沸き立つように感じる。しばらくそんな
宍戸の喘ぎ声を堪能した後、跡部は根元を握っていた指を離した。せき止めるものがなく
なり、宍戸の熱は弾けるように濃い蜜を放つ。
「ああっ・・・跡部っ・・・も・・イクっ・・・ああぁ――っ!!」
意識が飛んでしまいそうな絶頂感を感じながら、宍戸はせき止められていた甜蜜を思う存
分跡部の口の中へと放つ。せき止められていたために十分に濃くなった蜜は、跡部の舌を
満足させ、媚薬のように跡部の体を浸食していった。
(マジで最高の甘露だぜ。すげぇイイ気分だ。)
最後の一滴まで残さず飲み干すと、跡部は目を爛爛と輝かせて、すっかり力が抜けベッド
に倒れ込んでいる宍戸を見る。宍戸の蜜のおかげで、跡部の体力は底なしになる。これか
らが本番だと言わんばかりに、跡部は唇に残った白い雫を舐め取り、ニヤリと笑った。
「濃くて美味くて最高だぜ?テメェの蜜。」
「ハァ・・・ハァ・・・あったりまえだろ!!」
「言ってくれるじゃねぇか。宍戸、これからが本番だぜ。テメェのここに俺のを入れなき
ゃ、テメェの羽は完璧には黒くならねぇからな。」
宍戸の足をぐいっと広げ、跡部はその中心にある赤い蕾に触れる。快感続きで、既にその
蕾はひくひくと何かを誘うかのように収縮を繰り返していた。そんな蕾に跡部は二本の指
を同時に差し入れる。
「ひあっ!?」
「テメェのここは弄られるの大好きだもんなあ?まずは指で十分ほぐしてやるぜ。」
中に入れた二本の指をぐりぐりと動かし、跡部は宍戸の下の口をほぐしてゆく。
「あっ・・・あぁんっ・・・指・・・ダメぇ・・・」
「アーン?ダメじゃねぇだろ?さっきイッたばかりだってのに、また勃ってきてるぜ。」
「んんっ・・・だって、跡部の指・・・気持ちイイからぁ・・・・」
「素直でいいぜ。テメェはこのあたりを特に弄られんのが好きなんだろ?」
内側の少ししこったところをぐりっと刺激する。そうした瞬間、宍戸の下肢はぶるっと震
える。
「ひあぁんっ!!」
「ココ、気持ちイイんだろ?なあ?」
「あっ・・あっ・・・ダメっ・・・そんなにぐりぐりされたらっ・・・ひっ・・あ・・・」
前立腺のあたりばかり刺激され、宍戸の熱はすっかり固さを取り戻し、ビクビクと小さな
痙攣を繰り返していた。敏感なところばかり弄られ、宍戸の内へと入る入り口は次第に緩
み、パクパクと先程よりはっきりした収縮を見せる。
「なあ、このまま指で一度イッとくか?」
「んっ・・・やだっ・・・・イクんだったら、指じゃなくて・・・こっちがいい・・・」
ふるふると全身を震わせてながら手を伸ばし、宍戸は跡部の熱り立った茎に触れる。なか
なか素直でいいと、跡部は指を抜いて、十分な強度を持ったそれをヒクヒクと物欲しげに
震えている赤い蕾に押し当てた。
「宍戸、コレが欲しいって言えよ。そうしたら、あとはもう何時間でもコレで犯してやる
ぜ。」
ひたりと熱い楔は蕾にはくっついているので、宍戸はもう期待感で胸がいっぱいだった。
激しい興奮から息を乱して、宍戸は素直に跡部の求めに応じた。
「ハァ・・・早く、早く・・・俺ん中に・・・跡部の入れて・・・・それで、死にそうに
なるくらい・・・俺ん中掻き回して・・・たくさん犯してっ・・・」
あまりにも率直な言葉を聞いて、跡部はぞくっと身体が興奮に震えるのを感じつつ、宍戸
の蕾を貫いた。跡部が一気に自分の中に入ってくる感覚に、宍戸は達してしまう。
「あああぁぁ―――っ!!」
「フッ、突っ込んだだけでイッちまうなんて、淫乱な身体だなぁ?」
「ハァっ・・・るせっ・・・あっ・・・跡部のが・・・デカイから・・・」
「でも、テメェにとっちゃそれがたまんねぇんだろ?」
「うっ・・・そう・・だよっ!!・・・悪ぃか!!」
「いや、全然いいことだぜ。悪いことなんて一つもねぇ。」
少し顔を動かせば、その一部が触れてしまいそうなくらいの近距離な状態で二人はそんな
会話を交わす。宍戸の中が自分のモノに馴染むまで少し待ってやろうと、跡部は根元まで
中に入れたまま、しばらく動かさないでいた。しかし、全てが敏感になっている宍戸にと
ってはそれだけでも、じわじわと快感が内側から生まれてくるのが感じられた。
「ハァ・・・んっ・・・ぁ・・・」
「そろそろテメェの中も俺の形をしっかり覚えただろ?動くぜ。」
「あ、ああ・・・」
ある程度の頃合を見計らって、跡部は腰を動かし始める。宍戸は跡部の背中にしがみつき、
与えられる快感を全て享受した。
「はあっ・・・あっ・・・あんっ・・・」
「羽、邪魔じゃねぇか?しがみつくのに。」
「大・・丈夫・・・それに・・・俺、跡部の羽、大好きだしっ・・・」
「そうか。一回目はそんなにもたねぇかもしれねぇな。テメェの羽を黒くするために、た
くさん出してやんなきゃなんねぇから、まあ、問題はねぇけどよ。」
「いいぜ・・・もう、俺ン中に・・・跡部が出せるだけ出せよ・・・・そんで、俺の羽、
真っ黒にして・・・」
「そうだな。だったら遠慮なくテメェの中に出させてもらうぜ。」
宍戸の淫らな姿にすっかりやられている跡部は、入れた瞬間からかなりキていた。何度も
腰を動かしているうちに、絶頂感はだんだんと高まってくる。
「くっ・・・そろそろイッちまいそうだっ・・・」
「んあっ・・・はっ・・・いいぜ、早く出せよ・・・」
「・・・宍戸っ!」
「んんっ・・・あっ・・ああ・・・あぁっ!!」
ビクンと跡部の身体が震えたかと思うと、宍戸の中に熱い雫がドクドクと注がれる。内側
が跡部の蜜で満たされてゆく感覚に、宍戸も大きな快感を感じる。じんわりとお腹の奥が
温かくなる感じに、宍戸は跡部と繋がっているんだという実感を心の底から感じた。
「ハァ・・・出してやったぜ。」
「おう・・・すっげぇ、腹ん中熱い・・・でも、激気持ちイイ・・・」
跡部の顔を見ながら、宍戸はニッと笑って言う。そんな宍戸の顔に、跡部の熱はあっとい
う間に固さを取り戻す。
「ふあっ・・・!?テメェ、今出したばっかなのに・・・」
「仕方ねぇだろ。テメェが可愛すぎんのがいけねぇんだ。」
「ったく・・・でも、俺的には大歓迎だぜ?・・・まだまだし足りねぇし。」
「俺だってそうだ。こんなもんじゃまだまだ足りねぇ。」
「なあ、今度はもっと奥の奥で跡部を感じられる体位がいい・・・」
「いいぜ。よっと・・・」
もっと奥で感じたいという宍戸の要望に応えるべく、跡部は繋がったままの状態で宍戸の
身体を起こし、自分の足の上に乗せた。結合部に直接体重がかかるので、正常位よりも簡
単に跡部の熱が奥まで届く。
「ふあぁっ・・・すごっ・・・すっげぇ奥までくる・・・」
「奥までは入りやすくなるけどよ、これの難点は俺が大して動けねぇってことだな。」
「だったら・・・俺が動けばいいだけの話じゃねぇか・・・でも、ちょっとは手伝ってく
れよな・・・?」
問題ないと宍戸は笑ってそんなことを言う。そして、宍戸は跡部の体を跨いでいるような
格好のままバサっと背中の左側にある羽を動かした。すると、体は少し浮くような状態に
なり、蕾から跡部の楔がずるっと抜ける。しかし、全てが抜けきってしまう前に、宍戸は
体を浮かせるのをやめ、そのまま重力に任せて体を落下させる。
「くっ・・・!」
「ひああぁんっ!!」
じゅぶっと音を立て、勢いよく跡部のモノが自分の中へ入ってゆく感覚に宍戸は歓喜の声
を上げる。多少驚く跡部であったが、宍戸があまりにもよい反応を示しているので、これ
はいいとその動きをもっとするように宍戸に促す。
「随分激しい動きだが、気に入ったぜ。それ、もっと続けろよ。」
「ハァ・・・あっ・・・おう・・・・」
激しく呼吸を乱しながらも、宍戸は口元に笑みを浮かべて跡部の言葉に頷く。ただ体を浮
かすだけでは大変なので、跡部の首に腕を回し、決して体が離れすぎてしまわないように
してから、何度も同じ動きを繰り返した。
「ううぅ・・・・」
「もう少しギリギリまでいけ。」
「んんっ・・・ぬ、抜けちゃっ・・ぅ・・・」
「大丈夫だ。あと、3センチ、2センチ・・・・そこだ。」
じゅぷんっ!!!!
「あああぁぁんっ!!」
跡部の指示通りに動くと宍戸はより激しく大きな快感が得られた。5回ほどそんなことを
繰り返していると、あまりの快感にどちらも絶頂に達する。
「ほら・・・今だ。」
「んんっ・・・ああぁぁ―――っ!!」
「・・・っ!!」
宍戸の中は2回分の蜜が放たれ、すっかりトロトロになっていた。しかし、跡部はまだ満
足していないようで、ぐったりとしている宍戸の体を起こし、自分の背中に生えている翼
から羽根を一本抜く。
「ハァ・・・何・・・してんだ?」
「まだ、平気だろ?宍戸。」
「まあ、何とかな。」
「さっきのもっと続けようぜ。」
どちらかと言えば、悪魔よりの笑顔を浮かべ、翼から抜き取った羽根を白い雫が滴る結合
部へと持ってゆく。
「宍戸、さっきみてぇに本当ギリギリまで腰を浮かせ。」
「ああ。」
バサッと翼を動かし、宍戸は跡部の楔が抜けてしまうギリギリまで体を浮かした。そして、
宍戸の中から姿を現した楔に跡部は真っ黒な羽根を添え、パチンと指を慣らす。すると、
その羽根はしゅるっと跡部の楔に巻きつき、無数の疣を出現させた。
「なっ・・・えっ・・・!?」
「もっと気持ちよくしてやるぜ?宍戸。ほら、さっきみてぇに腰、落とせよ。」
「で、でも・・・そんなのに落としたら・・・俺・・・」
「大丈夫だ。テメェはもう快感しか感じねぇよ。」
「跡部っ・・・」
跡部の言葉は、もう宍戸にとっては媚薬以外の何ものでもなかった。ギリギリまで抜けて
いる状態から、疣々がつけられた跡部の楔を自分の中へと戻す。それは先程とは比べ物に
ならない衝撃で、その一回でも達してしまうような強い刺激が内側を抉る。
「ああぁぁんっ!!」
「たまんねぇぜ、宍戸。でも、今度はそう簡単にはイカせねぇ。その方がテメェも長い間
気持ちいいままでいられるだろ?」
「ハァ・・・んっ・・・もう跡部の好きにしてくれよ・・・跡部のでこんなに気持ちよく
なれるんだったら・・・俺は・・・それだけで・・・・」
そう呟きながら、宍戸は自ら羽を動かし、体を浮かせた。疣々の所為で抜くときにも相当
な刺激が宍戸の内側を巡る。
「んああぁ・・・・」
「俺はテメェを悦ばせられることなら何でもする。テメェが悦んでくれることが、俺の至
上の悦びだ。」
「跡部・・・」
「愛してるぜ、宍戸。生まれてきてくれて、俺と出逢ってくれて、そして、俺と一緒にい
てくれて・・・・」
「・・・・・」
「ありがとよ。」
その言葉と同時に宍戸は身体を落下させ、跡部を内側に取り込む。身体の奥に打ち込まれ
る、内側を抉る、跡部の全てが宍戸にとっては悦びだった。跡部と出逢って本当によかっ
た。そんなことを思いながら、宍戸は体力の続くまで、お互いに身も心も満足するまで、
跡部と身体を繋げ続けるのであった。
そろそろ空が白み始めるくらいになると、二人はぐったりと身を横たえ、すっかり疲れき
った体を休めていた。跡部の腕の中で、宍戸は跡部の体に自分の体をぴったりとくっつけ、
触れ合う肌から伝わる体温の心地よさに浸っていた。
「ちゃんと真っ黒になったぜ、テメェの羽。しかも、かなり綺麗な黒だ。」
宍戸の真っ黒になった羽に触れながら、跡部はそう呟いた。それを聞いて、跡部は嬉しそ
うに笑う。
「へへ、これで跡部と同じだな。」
「ああ。」
「そういえばさ。」
「何だ?」
「跡部の誕生日はいつなんだ?」
「俺の誕生日?俺の誕生日は10月4日だぜ。」
「へぇ、じゃあもうすぐじゃねぇか。」
跡部の誕生日がもうすぐだということを聞いて、宍戸は目を輝かせる。跡部の誕生日には
どんなプレゼントをしてやろうかと、宍戸は心を躍らせながら、そんなことを考え始めた。
「滝から聞いたんだけどよ。」
「何?」
「10月4日って、人間界では『天使の日』らしいぜ。」
「へぇ、そうなんだ。」
「皮肉なもんだよなあ?悪魔と天使のハーフが、『天使の日』に生まれるなんてよ。」
「別にいいんじゃねぇ?『天使の日』だろうが『悪魔の日』だろうが、俺にとっては、跡
部が生まれた日っていうだけで、一年で一番大事な日になるんだから。」
「フッ、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。」
「だって、そうだろ?」
「確かにな。俺も今日から9月29日は一年で一番大切な日になったぜ。」
優しく笑い、跡部は宍戸の額にそっとキスをした。あまりに嬉しいその言葉に宍戸は胸が
ときめき、自然と顔がほころんでくる。
「跡部、誕生日プレゼント、何が欲しい?俺があげられるもんなら何でもいいぜ!」
「そうだな・・・テメェ自身がバースデーケーキになるってのはどうだ?」
「はあ?どういうことだよ、それ?」
「テメェにいろいろデコレーションして、俺がそれを食うって感じか?」
「・・・どっちの意味で?」
「どっちもだ。」
また意味の分からないことを言ってくるなあと思いつつも、跡部がそれを望んでいるなら
と、宍戸はその提案に乗ることにする。
「まあ、テメェがそうしたいなら俺は構わねぇけど。」
「言ったな。じゃあ、俺の誕生日、期待してるぜ。」
「そ、そんなに期待されても困るけどよ・・・・」
「安心しろ。デコレーションするのも食うのも俺なんだからよ。テメェがしなきゃならね
ぇことはそんなにねぇよ。」
「そっか。」
それなら大丈夫かなと宍戸は少し安心する。いずれにしても、跡部が喜んでくれればそれ
だけで、宍戸にとっては満足なのだ。これは本当に自分の誕生日が楽しみだと思いつつ、
跡部は宍戸の顔を眺める。じっと宍戸の顔を眺めていると、跡部は自分が宍戸にまだして
やっていないことを思い出した。
「そうだ、宍戸。」
「何だよ?」
「俺、まだテメェにしてやってねぇことがあったぜ。」
「えっ?何?」
もうされてないことなどないと思っていた宍戸は不思議そうな顔で跡部を見る。意味あり
げな微笑みを浮かべて、宍戸の頭を優しく撫でた。
「?」
「ハッピー・バースデー、宍戸。テメェが生まれてきたこの日に感謝するぜ。」
「跡部・・・」
心のこもった祝いの言葉をもらい、宍戸は胸が熱くなる。言葉に出来ない嬉しさと感動を
伝えるために宍戸はぎゅうっと跡部に抱きついた。そして、言葉に出来る限りの想いを跡
部に伝える。
「ありがとう、跡部。すっげぇ嬉しいぜ!!俺も跡部の誕生日は、俺の出来る限りのこと
して、たっくさんたっさん祝ってやるからな!!」
「ああ、楽しみにしてるぜ。宍戸。」
日が昇り、カーテンの隙間からは輝かしい日の光が差し込む。喜びに満ちた二人の心はそ
の朝日よりも明るい光を放っていた。漆黒の翼を持った片翼の二人の天使は、お互いのぬ
くもりの中で、ゆっくりとまどろみ始めるのであった。
to be continued