悪魔の跡部と一緒に暮らし始めてから非日常の生活が日常になっていた宍戸は、今日も外
の世界と隔絶された教会の中で、跡部と共にゆっくり流れる時間を過ごしていた。いつも
のように夕飯を食べ、風呂に入り、長い夜の時間を過ごす準備をする。初めは戸惑いと羞
恥と恐怖を感じていた跡部との契りも、最近はすっかり慣れてしまい、むしろ宍戸もかな
り楽しむようになっていた。
「跡部、今日も地下室行くのか?」
「当然だろ?何だよ?テメェもあそこに行くのがそんなに楽しみになってんのか?」
あまりにもわくわくした様子で宍戸がそんなことを尋ねてくるので、跡部は笑いながら、
そう聞き返す。
「んー、まあな。跡部とするの気持ちいいし、楽しいし、たまにありえないようなことさ
れるけど、それもまたいいなあって感じで。」
「ほう。いつもと違うプレイも悪くねぇって?」
「ビックリするけどな。最終的にはすっげぇ気持ちよくなれるから結構好きだぜ。」
「だったら、今日はとびっきりの用意してやるよ。普通の人間だったら、一生味わうこと
の出来ないようなすげぇ奴をな。」
「マジで・・・?」
跡部の言葉に宍戸の胸は期待に躍る。自分の言葉を聞いて目を輝かせている宍戸を見て、
跡部は口元を緩ませた。
「それじゃあ早速地下室に行くか。」
「お、おう・・・」
今日は何をされるのだろうと、ドキドキしながら宍戸は差し出された跡部の手を取り、教
会の奥にある地下室へと向かって歩き出す。地下室に下りる階段を下りながら、宍戸は胸
の高鳴りを抑えられず、ぎゅっと跡部の手を強く握った。
地下室の扉を開ける前に、跡部はその扉に触れ目を閉じて呪文を唱える。これによって、
地下室の中の様子が今日するための仕様に変わることを宍戸は知っていた。扉のほんの少
しの隙間から、眩しいほどの光が漏れる。その光が消えると跡部は扉の取っ手を握り、ゆ
っくりと扉を開いた。中がどのような様相になっているのか、宍戸はドキドキしながら確
認する。入り口から見た限りでは大きな水槽のようなものが二つと、独特の模様が描かれ
た絨毯が左の壁側にあるのが分かった。
ギー・・・バタンッ!
二人が地下室の中に入ると扉は自動的に閉まり、跡部が満足しない限りは開かないように
魔力で鍵がかけられた。つまり、どんなことをされても宍戸はこの部屋から逃げることは
不可能になったということだ。そのことが宍戸の興奮と期待をさらに煽る。
「今日はじっくり時間をかけて、テメェを存分に嬲ってやるよ。」
妖しく魅力的な笑みを浮かべて、跡部は宍戸の耳元で囁く。そんな言葉が宍戸にとっては、
たまらなく嬉しい言葉であった。宍戸が跡部の言葉にうっとりとして立ち止まっている間
に、跡部は入り口の側にある大きな水槽の前まで歩いてゆく。そして、そこでパチンと一
回指を鳴らした。すると、今までは空っぽに見えた水槽がうっすらと緑色に染まってゆく。
「来い、宍戸。」
「お、おう。」
跡部に呼ばれ、宍戸はその水槽の前までやってくる。近くで見ると、その水槽はひどく薄
い緑色の何かでギリギリまで満たされていた。しかも、かなり深さがあるようで、仮に中
に入ったとしたら足がつかないのは確かであった。
「これ・・・何?」
「それは入ってからのお楽しみだぜ。」
「こん中に入らなきゃいけねぇのか?」
「ああ。」
得体の知れないモノで満たされた水槽の中に入ることには若干の恐怖と戸惑いがあったが、
それ以上に強い好奇心があった。宍戸はごくりと唾を飲み込むと、薄緑色の水槽をじっと
見る。しかし、見ただけではそれが何かは全く見当がつかなかった。
「宍戸、両腕伸ばせ。」
「え?おう。」
「よっと。」
「うわっ・・・!?」
跡部は宍戸に腕を伸ばさせると、脇のところに手を添え、ぐっと宍戸の体を持ち上げる。
そして、真っ黒な羽を軽く羽ばたかせると、水槽の上に宍戸を運んだ。いきなり持ち上げ
られたために、驚いた宍戸は反射的に跡部の首にしがみつく。
「ちょっ・・・跡部っ!」
「そんなに怖がらなくても大丈夫だぜ。」
「で、でもよ・・・」
「下ろすぞ。」
「こ、このまま!?服着たままだぜ。」
「ああ、全然構わねぇよ。どうせ、服は溶かされちまうんだし。」
「えっ・・・?」
跡部がぼそっと呟いたことを聞いて、ドキっとする宍戸だが、何かを言う余裕を与えられ
ないまま、薄緑色の何かで満たされた水槽の中に下ろされた。液体のように見えたそれは、
液体というよりはむしろゲル状という感じで、ねっとりと素肌に絡みつくような感触がむ
き出しになっている足から感じられた。
「ひゃっ・・・マジで何コレ・・・?」
「いわゆる『スライム』って奴だな。」
水槽の縁に腰掛け、足を組みながら跡部は飄々とした顔で答える。スライムと聞いて、ぞ
くっとするが、その中に下ろされた後なのでもうどうすることも出来ない。宍戸の体はず
ぶずぶとその薄緑色のスライムの中へと沈んでゆき、肩のあたりまで浸かってしまった。
「やっ・・・跡部っ・・・」
「別に顔までは沈みゃしねぇから安心しろ。これを操作してんのだって、俺なんだからよ。」
「そういうことじゃなくてっ・・・ひっ!!」
跡部と話している間に着ている服がじわじわと溶けていることに宍戸は気がついた。この
まま体も溶かされてしまうのではないかと思った宍戸は、恐怖から身を捩ろうとする。
「あ、跡部っ・・・跡部っ!!」
「大丈夫だ。溶けるのは服だけだからな。体は溶けねぇよ。」
それを聞いて少しは安心したのか、宍戸はほっとしたような顔を見せる。しかし、安心出
来たのはつかの間のことであった。着ていた服が全て溶かされてしまうと、むき出しにな
った素肌に直接スライムが触れることになる。今まで体験したことのない感触に、宍戸は
ぞくっと身を震わせた。
「うぅ・・・何かすげぇ変な感じ・・・」
「慣れればよくなるぜ。こいつも相当な媚薬効果のあるもんだからな。」
「そ、そうなのか・・・?」
「ああ。何だったらもっとよく感じるように、俺様の蜜も飲ませてやるぜ?」
そう言って、跡部は組んでいた足をほどき、宍戸の目の前に熱の塊を差し出す。跡部の蜜
がどれほどの媚薬効果を持っているか宍戸は身を持って知っていた。全ての刺激がとろけ
るような快感に変わる悪魔の蜜は、一度味わったらそれを求めずにはいられない。宍戸は
ドキドキと胸を高鳴らせながら、跡部の熱に手を伸ばし、それを躊躇いもなしに口に含ん
だ。
「んっ・・・」
ちゅくちゅくと口を動かし、宍戸は跡部の茎を下から上まで余さず舐める。だんだんと口
の中で大きくなる跡部の熱をもっともっと味わおうと、宍戸は夢中になってそれを舐めた。
「んんっ・・・んぐっ・・・んっ・・・」
「いいぜ、その調子だ。舌使いもだいぶ上手くなってるじゃねぇか。」
跡部の言葉がじんじんと耳に響き、宍戸自身もだんだんと気分が高まってくる。素肌に触
れるスライムの感触も心地よいと感じ始めた瞬間、跡部がぐっと頭を押さえつけてくるの
を感じる。
「そろそろ出るぜ、宍戸。」
「んん・・・」
蜜を放ってもらうため、より確かな刺激を与えようと、宍戸は軽く歯を立て、おもいきり
先端を吸った。その瞬間、熱い蜜が口の中へと放たれる。少しも逃すまいと宍戸は口をし
っかりと閉じ、ドクドクと流れ込んでくる蜜を次から次へと飲み込んでゆく。跡部の蜜が
喉を通り、自分の中へ取り込まれていく感覚に、宍戸は何とも言えない恍惚感を感じた。
「んっ・・んっ・・・んっ・・・」
「ハァ・・・今日のも相当濃いぜ。しかも、この量だ。少なくとも朝までは持つだろうな。」
「ん・・はっ・・・朝まで・・・?」
「ああ。今日はいろいろしてやるからな。それくらいは持ってもらわねぇと。」
今から朝までなんて何て長い時間嬲ってもらえるのだろうと、宍戸の胸は歓喜で躍る。こ
れからどんな責めが待っているのだろうなどと考えていると、下半身に強烈な刺激を感じ
る。
「ひあっ・・・!?」
下半身と言っても前の方ではない。後ろの蕾がスライムによって抉じ開けられようとして
いた。固体ではないスライムはその独特の体の特性を利用して、いとも簡単に宍戸の中に
入ってしまう。
「ああぁっ・・・ひっ・・・跡部っ・・・スライムが・・・中にっ・・・」
「そうだな。スライムが半透明だからその様子、よく分かるぜ。」
「やっ・・・ああっ・・・どんどん入ってきちまう・・・ひぁっ・・・!!」
一度抉じ開けられたそこは、もう自力で閉じることは出来ない。流れ込むように中に入っ
てくるスライムの進入を止められず、宍戸の内側はどんどんスライムで埋めつくされてゆ
く。もうこれ以上入らないというところまでくると、やっとスライムの進入は止まった。
「くっ・・・ひぅ・・・腹ん中がぁ・・・」
「こいつらにはテメェの腹ん中を綺麗にしてもらうつもりだ。その方が後々楽しめるから
な。ま、これ自体もテメェにとっちゃ相当イイもんになると思うけどよ。」
ぐいっと宍戸の体を持ち上げ、跡部はスライムのために少し膨らんだ宍戸の腹をすっと撫
でる。すると、宍戸の中のスライムは宍戸の腸内を掃除するが如く活動をし始めた。先程
跡部に飲まされた蜜とスライムの出す媚薬成分のおかげで、腸内でのスライムの動きは宍
戸には激しい快感にしかなりえなかった。
「ひああぁっ・・・跡部っ・・・ああぁっ・・・!!」
「どうだ?なかなか悪くねぇもんだろ?スライムに腹ん中掃除されんのも。」
「やあっ・・こんなの・・・ダメぇ・・・んっ・・・ああ――っ!!」
「こんな感覚、そう滅多に味わえないぜ?ふっ、テメェの腹、赤ん坊がいるみてぇに動い
てる。」
スライムの動きを確かめるかのように跡部は宍戸の腹を優しくさする。跡部にそこに触れ
ることがたまらなく気持ちよく宍戸はそのまま達してしまう。
「んっ・・・ああぁ――っ!!」
薄緑色のスライムの中で、白濁の霧のようなものが弾けるのを見て、跡部はニヤリと笑う。
「何だよ?もうイっちまったのか?」
「ひぐっ・・・だって・・・ああっ・・・ひんっ・・・!」
「この程度でイっちまうんだったら、腹ん中が綺麗になるまで何回イっちまうんだろうな
あ?宍戸。」
悪魔の笑みを浮かべ、跡部は宍戸の顎をぐいっと上げる。その笑顔に含まれた意味を宍戸
は理性でなく本能で悟る。跡部は宍戸が内側をスライムに犯され、何度も絶頂に達する姿
をそれから30分ほど眺めていた。
「くっ・・・ひっ・・・ま、またっ・・・あっ・・・あああぁ――っ!!:
「ふっ、そろそろ内側も綺麗になった頃だな。」
宍戸がもう何度目か分からない絶頂を迎えているところで、跡部は思いきり宍戸の腹を押
し、中にいるスライムを全て押し出した。スライムが一気に内側から出て行く感覚も今の
宍戸にとっては快感以外の何ものでもなく、絶頂感をさらに長いものにする。
「ふあああっ・・・中からっ・・・全部・・出てくっ・・・あっ・・ああぁん・・・!!」
「よし、腸内洗浄はこんなもんだろ。上げるぜ、宍戸。」
「んっ・・あ・・・ハァ・・・・」
長い絶頂の余韻に浸りながら、宍戸は弱々しく跡部に縋りつく。スライムの水槽から出さ
れて宍戸が感じたのは、跡部のぬくもりに触れた安心感と腹の中が今までに感じたことの
ないほどすっきりしている感覚だった。跡部の腕に抱かれながら、宍戸はぼんやりと跡部
の顔を眺める。宍戸に見つめられていることに気づき、跡部はその唇にそっとキスをした。
「んぅ・・・」
舌を絡ませている間に溢れてくる唾液を宍戸はコクンと飲み込む。
(甘い・・・)
跡部とのキスは、全身がとろけてしまうような甘さが伴っていた。跡部の体液は唾液でさ
えも特別な効果があり、あれほど何度も達し、だいぶ消耗してしまった宍戸の体力をもと
もとあった以上に回復させる。
「ふはぁ・・・」
「まだまだ全然いけるだろ?今のテメェの体は疲れ知らずだからな。」
「まあ・・・そうだけど・・・」
「じゃあ次の責め行くぜ。」
非常に楽しげな様子で跡部は宍戸を抱いたままさらに部屋の奥へと移動する。こんなに楽
しげな顔を見せられては嫌がる気も失せてしまう。部屋の奥にも先程と同じような大きな
水槽があり、宍戸はそのすぐ目の前まで連れて来られた。
「ちょっと用意するから待ってろよ。」
「おう。」
少し用意が必要だと、跡部は扉の前で行ったのと同じようなことをする。透明な水槽の表
面に触れ、何か呪文を唱える。そして、呪文が唱え終わるとパチンと指を鳴らした。
パアアァ・・・
目を開けていられないほど眩しい光が煌くと、先程の水槽と同じようにその中が何かで満
たされる。眩しさがおさまり、ぺたんと床に座ったまま宍戸がゆっくり目を開けると、そ
こにはありえない光景が広がっていた。
「――――っ!!」
あまりに驚愕しすぎて、宍戸は声も上げられない。いくらなんでもこれはひどすぎると跡
部に目で訴えたが、そんなことを気にする跡部ではなかった。
「テメェの大好きなtentacleだぜ。今回は大サービスだ。いろんな種類の奴らを
召喚してやったぜ。」
「こ、これはさすがに・・・・」
「アーン?せっかく俺様がテメェを悦ばせるために召喚してやったっていうのに、嫌がる
気か?」
「だ、だって・・・・」
水槽の中には色とりどりの様々な形をした触手が蠢いていた。そんなものを前にして、平
静でいられるわけがない。一つ一つの色はグロテスクというよりはむしろ美しい色合いで
あったが、触手というだけあり、形はどうしてもそれなりにグロテスクな感じになる。そ
の中に身体を入れられると考えただけで、宍戸はがくがくと体が震えた。
「これは・・・マジで無理っ・・・」
「久々だな。そこまで怯えてんの。でも、俺は悪魔だぜ?そんな顔されたら、余計にした
くなっちまう。」
久しぶりに恐怖に震えている宍戸の顔を見て、跡部は嗜虐心を煽られる。先程と同じよう
に宍戸の体をひょいっと持ち上げると、様々な触手で満たされた水槽の上に跡部は羽を羽
ばたかせ移動した。下に蠢いている触手の海を見て、宍戸は先程はなかった抵抗を見せる。
「嫌っ・・やだっ・・・跡部っ・・お願いっ・・・やめっ・・・!!」
「安心しろ。最高に気持ちよくさせてやるから。」
「やっ・・嫌っ・・・やああぁっ!!」
宍戸の言葉に耳を傾けず、跡部はその体を水槽の中へと下ろす。既に服を着ていない宍戸
は触手の海に体を浸すにはあまりにも無防備だった。どこもかしこもむき出しであるため
に、触手独特の粘液は直接肌にからみ、ぬるぬるとしたその感覚が宍戸の全身を粟立たせ
る。
ズ・・・ズズズ・・・ズズっ・・・
「ああっ・・・跡部っ・・・やあっ・・・!!」
一度体がその中に入ってしまうと、様々な触手が四肢に絡み、より深いところへと引きず
り込もうとする。胸の突起がギリギリ見えるか見えないかのところまで引きずり込まれる
と、それ以上深いところまでは引っ張られなかった。
「少しはどう犯されてるのかが見えた方がいいからな。」
「跡部・・・ひどい・・・」
「ひどくされんのがテメェは好きなんだろ?まだ何もしてねぇのに、そんなに乳首も立た
せやがって。」
「っ!!」
確かにほとんど触れられていないはずの胸の突起は、既に赤く充血し、ぷっくりと立ち上
がっていた。それを指摘され、宍戸は羞恥心から顔を真っ赤に染める。
「さてと、まずはどこから責めるか・・・」
涙目になっている宍戸をじっくり眺めながら、跡部はどう責めてやろうか考える。ここで
はたっぷりと時間を使って、宍戸を思う存分嬲ってやろう、跡部はそう心に決めた。そし
て、だいたいどのような触手をどのような順番で使うかを頭の中で考えた。
「いいプランが出来たぜ、宍戸。」
自分の考えたプランが満足のゆくものらしく、跡部は自信満々にそんなことを言う。どん
なプランであっても、激しい責めをくらうのは間違いないと宍戸は少し不安気な顔で跡部
を見た。
「そんな顔すんなよ。絶対にテメェを満足させてやるから。」
「こんなもんの中に入れられたら・・・怖いに決まってんだろっ・・・」
「安心しろ。もう怖いなんて感じさせねぇからよ。まずは摩擦系のからいくぜ。」
跡部がそう言い放つと、水槽の中の触手はうねうねと動き出した。宍戸の腕と足はしっか
りと固定され、腕で触手を払うことも、足を閉じることも出来なくなる。そんな無抵抗状
態の宍戸の胸の突起と足の中心から生える茎に、とある触手がピッタリとくっつく。胸の
突起を覆っている触手は、お椀状の先端の中に白いブラシのようなものが生えており、茎
全体を覆っている触手は、内側が非常に細い柔毛がびっしりと一面に生えていた。
「な、何か・・・くっついて・・・」
「初めはその可愛らしい突起と感じやすい茎を責めてやるよ。」
「えっ・・・待っ・・・・」
心の準備が出来てないと戸惑うような態度を見せる宍戸だったが、跡部が待ってくれるは
ずがなかった。指を鳴らして触手に合図を送ると、その触手達は驚くほど激しく動き始め
る。
「ひああぁぁ―――っ!!」
あまりに強い刺激に宍戸は悲鳴にも似た声を上げる。ぷっくりと立ち上がっている胸の突
起は白いブラシ状の触手に激しく擦られ、さらにその赤みと感度を増してゆく。ある程度
の硬さを持った熱い茎を覆っていた触手は細かい柔毛を一つ一つ動かしながら、茎を擦り
上げるように上下に動く。そんな直接的な刺激をいきなり与えられ、宍戸はビクビクと身
体を痙攣させた。
「ああぁ・・・跡部っ・・・やっ・・・ひあっ・・・!!」
「なかなかいい感じみてぇだな。」
「んっ・・ああっ・・・そんなに・・・擦られたらぁ・・あぁんっ・・・」
「触手に擦られてたまんねぇんだろ?さっきから痙攣してんの止まんねぇもんなあ。」
「ひっ・・ぅ・・・・下・・・ダメぇ・・・胸も・・・ああぁっ・・・」
指や手では絶対に与えられない刺激に宍戸は感じまくってしまう。しかも触手は擦るリズ
ムを絶妙に変えて、宍戸の身体が刺激に慣れるということをさせなかった。感じやすい部
分をとにかく擦られ続けるという刺激に宍戸の絶頂感はあっという間に高まってしまう。
「あっ・・・あんっ・・・も・・ダメっ・・・イっちゃ・・・ぅ・・・」
「ああ、イっちまえよ。ただし、この程度でイっちまうんだったらこの後はもうイキまく
りだぜ?」
「やっ・・ああっ・・・もう・・・あああぁんっ!!」
がくがくと身を震わせ、絶頂を迎える宍戸を跡部はニヤニヤしながら眺める。イっている
間も触手はその手を休めようとしないので、絶頂感はなかなか治まらず、白い蜜もかなり
長い間どくどくと流れていた。その蜜を茎を覆っている触手は嬉々として自分の体内へ取
り込む。一匹の触手が宍戸の体液を取り入れることで、その水槽にいる触手全体の活動が
活発になるようで、どの触手もうねうねと身体を動かし、宍戸の肌をぬめったその表面で
すりあげた。
「あっ・・あっ・・・あ・・・」
「テメェの蜜のおかげで、この中の奴ら相当元気になってるぜ。」
「まだ・・・気持ちイイの・・・全然っ・・・治まんね・・ぇ・・・」
「この中にいる限り、治まるなんてありえねぇぜ。次はまた別のタイプの快楽を味わわせ
てやるよ。今度は挿入系の触手でな。」
まだ絶頂の余韻が残っている状態で、跡部は宍戸の突起と茎から今までくっついていた触
手を外し、また別の触手をくっつける。どちらにくっついたものも先程とは全く形状が異
なっていた。
「そ、挿入系って・・・どこに・・・?」
「そんなのさっき擦られてたところに決まってんだろ。」
ニヤリと笑って跡部はパチンと指を慣らす。それを合図に胸にくっついていた触手はその
先端をぱかっと開き、何本もの細い針を宍戸の両方の突起に突き刺す。
「ひっ・・・!!」
「下にも入るぜ。」
「いやっ・・・そこはっ・・・く・・ひっ・・・ああっ!!」
茎の先端の小さな孔にも細い触手が入り込んだ。ほのかな痛みを伴う今度の刺激は、宍戸
により強い快楽の扉を開かせる。
「はっ・・・跡部っ・・・これじゃ・・・出せねぇ・・・よぉ・・・」
「ああ、そうだな。」
「そうだなって・・・そんな・・・っ!?」
「別に出さなくたってイケんだろ?ほら、どっちも動き始めたしよ。」
胸に刺さった針状の触手も茎に刺さった触手も抜いたり刺したりを繰り返すような動きを
始める。しかも、その先端から何か熱い液体がじわじわと出されていた。
「んっ・・ああぁ・・・!」
「中で動かれるとたまんねぇだろ?」
「あ・・ひっ・・・やっ・・・あぅう・・・」
「もっと激しくしてやるよ。すぐにでもイっちまいたくなるくらいな。」
跡部がそう言った瞬間、触手は出し入れをする動きを速める。それと同時に中に出される
液体の量も一気に増えた。
「ひああぁっ・・・あぁんっ・・・あっ・・あっ・・・!!」
「いい声で鳴くじゃねぇか。その声、だいぶクるぜ。」
「気持ちいっ・・・動くの・・・イイ・・・あっ・・・ふああっ!!」
触手から出される液体には相当強い媚薬成分が含まれているらしく、宍戸は感じているま
まを言葉にして放つ。そんなにこの責めが気に入ったのならと、跡部はしばらくの間、こ
の挿入系の触手に宍戸を責めさせた。当然この触手の責めで宍戸は何度もイッたが、本来
出されるべき蜜は出されることはなく、むしろ触手の出す液体が中に注がれ、蜜袋は破裂
しそうなほど濃い蜜を溜め込んでいた。
「ああぁんっ・・・イクっ・・・また・・・イっちゃうぅ・・・!!」
出されるものが出されないために、絶頂を迎えるスパンは非常に短くなっていた。何度も
空イキを繰り返す宍戸を見ながら、跡部は血が沸き立つような興奮を覚える。もっともっ
とイカせてやりたい。そんな嗜虐心にも似た欲求を感じ、跡部は煌々と目を輝かせ、次の
責めの用意を始める。
「そろそろちゃんと出しながらイカせてやるよ。」
「ひ・・んっ・・・ハっ・・・ハァ・・・・」
胸の突起と茎に刺さっていた触手を抜くと、跡部はまた違う触手を宍戸の前に突きつける。
今度の触手はいかにも触手という形状であったが、先端がもとからパックリと割れていて、
まるでそれが口のようにも見えた。
「今度は存分に出していいぜ。」
すっかり快感に溺れ、うつろな目になっている宍戸の体に容赦なくその触手は取り付く。
ぬめった体を固定させるためか、宍戸の突起と茎を咥え込むと、その触手は黄色の細い触
手を何本か出し、しっかりと宍戸の肌に貼り付いた。そして、次の瞬間、想像を絶するよ
うな力でその口に咥え込んでいるものを吸引し始める。
「ふああぁぁ・・・ああぁんっ!!」
先程までの責めで敏感すぎるほど感じやすくなっている場所を吸われ、宍戸は背中を仰け
反らせる。ビクビクと身体が痙攣し、頭の中が真っ白になる。しかし、あまりに強すぎる
快感と疲れをしらない体の所為で気を失うことが出来ない。はっきり意識がある状態で宍
戸は信じられないほど長く続く絶頂感を味わわされるはめになった。
「あっ・・あ・・・ひあっ・・・あああぁっ・・・・」
先程までは出せなかった蜜が一気に吸い出される。しかも、触手にたくさんの蜜を注がれ
ているために、なかなか蜜が空っぽにならない。延々と射精の快感が続くような状況に、
宍戸はこのままこの状態が終わらないのではないのかという錯覚に陥っていた。
(それでもいいかもしれねぇな・・・・)
そんなことを考えながら、ふと跡部の方へ目をやる。激しい興奮状態から跡部の瞳は赤く
染まり、悪魔らしい笑みがその顔に浮かんでいた。そんな跡部を見て、自分は今跡部に犯
されているのだと、宍戸は強く感じる。触手ではなく跡部に犯されているのだと思うと、
今感じている絶頂感が数倍甘美なものになる。
「あ・・・跡部っ・・・んあっ・・・ああぁ・・・」
「その声で名前呼ばれるの悪くねぇな。もっと呼べよ、宍戸。」
「はぁっ・・あと・・べ・・・跡部っ・・・んっ・・・くぅんっ!!」
身体の中の蜜が全て吸い取られてしまうのではないかと思うほどの吸引を受けながら、治
まらない射精感の中で宍戸は何度も跡部の名を呼び続ける。もうこれ以上出ないというと
ころまでくると、吸引系の触手はやっと宍戸を解放した。
「ふ・・はぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
果てしない絶頂感からやっと解放され、宍戸はがくっと身体から力が抜けるのを感じる。
こんなにも長い時間気持ちいい状態が続くのはそうそう味わえないと、宍戸は先程までの
責めに疲労感よりも満足感を感じていた。しかし、ここで責めるのを終わらす跡部ではな
い。すっかり脱力している宍戸の身体を触手の上に上がるようにし、四つん這いのような
状態で固定させる。腕にも足にもしっかりと触手が巻きついており、宍戸は自らの意思で
身体を動かすことは出来なかった。
「な、何・・・?何で・・こんな格好・・・?」
「これからがお楽しみだぜ。前は十分に弄ってやったからな。今度は後ろの穴を存分に可
愛がってやるぜ。」
「う、嘘だろ・・・?」
「嘘なわけねぇだろ。安心しろ。もう前は弄らせねぇから。後ろだけで、最高によくして
やるよ。いろんな触手でな。」
先程よりもかなり近いところで宍戸を固定してあるので、少し手を伸ばせば、跡部は宍戸
に触れることが出来る。宍戸の顎をくいっと上げ、跡部は笑いながらそんなことを言った。
その言葉を聞いて、宍戸は再び無限の快楽の海に堕とされる倒錯的な期待感に心を躍らせ
る。触手に対する嫌悪感など、とっくに消えていた。
to be continued