「よし、完成だ。これであいつらをしっかり鍛えてやらなきゃな。」
自宅の地下室で跡部は何やら怪しげな機械を作っている。その出来上がったモノを見て、
跡部は実に満足そうに笑った。その機械の様相はまるで鉄で出来た鬼だ。この機械を使っ
て、跡部は何をしようというのだろうか。それは、次の日になると同時にハッキリするの
であった。
「急に家に来いなんてなんやろな?」
「さあ。どうせまたいつもの気まぐれじゃねーの?」
「別に今日って特別なことないよね?」
「そうですね。これといって何か行事があるわけじゃないと思いますけど。」
「行事ねぇ。今日って何日だっけ?」
「2月・・・3日です・・・」
「あー、なら節分じゃん。じゃあ、豆まきでもさせてくれんじゃねぇ?」
「部長がそれだけのことで全員を呼び出しますかね?」
『うーん・・・』
突然、跡部の家に呼び出された氷帝レギュラーメンバーは、何故自分達が今日この家へ呼
ばれたかを全く理解していなかった。しかし、跡部はしっかりとした考えがあってこのメ
ンバーを呼び出したのだ。それは、ジローの言う通り節分に関係あることなのだが、ただ
豆まきをするというものではない。
「跡部ー、来てやったぜ。」
宍戸がインターホンを押しながらそう言うと、すぐに跡部は家から出てきた。
「よく来たな。待ってたぜ。」
普段は見せないような笑顔を見せ、跡部はこの家に来たメンバーを歓迎する。その笑顔を
見て、ただごとではないと妙な緊張感がレギュラーメンバーに走った。
「跡部の奴、随分ご機嫌やな。」
「絶対何かあるぜ。気をつけた方がいいよな?」
「せやな。」
緊張するメンバーを尻目に跡部は、屋敷の裏側にある広場へと案内する。広々としたその
広場にはあからさまに何かがありますというような小さな(といってもかなりの大きさは
ある)物置のようなものが建てられていた。その中に例のモノが隠されているらしい。
「テメェら今日が何の日か知ってるか?」
「節分だろ?」
「ああ、そうだ。節分には何をするんだ?」
「豆まき!!」
「そうだな。今日はそのためにお前らを呼んだんだ。」
「本当に?」
「ああ、本当だぜ。ただし・・・・」
次から次へと質問をする跡部に、宍戸やジロー、滝は順々に答えていく。跡部の顔をいま
だ楽しそうな笑みで溢れている。その笑みの裏側に隠された恐怖に何人かのメンバーは既
に気付いていた。
「俺、ここから逃げた方がすごくいいような気がするんだけど、侑士。」
「同感。」
そんな不安を抱えていると、跡部は何かを合図するようにパチンと指を鳴らした。すると
物置のシャッターが開き、隠されていた鉄の鬼が姿を現す。
《何じゃありゃ!?》
心の中でそう叫びながら、そこにいるメンバーは固まってしまった。妙にリアルに作られ
たその機械はただのロボットではないらしい。
「豆まきと言ってもただの豆まきじゃおもしろくねーからな。鬼はお前らだ。」
『はあ!?』
「行け!!」
跡部の号令と共に鉄の鬼達は動き出した。まず初めに捕らえられてしまったのは滝だ。
「うわあっ!!」
「滝さん!?」
捕らえられた滝はそのロボットに磔にされるようにしっかりと固定されてしまった。手首
と足をバンドで縛られ、身動きすることが出来ない。
「鳳、お前の相手はアレだ。」
「どういうことですか?跡部さん。」
「見ろ。形が変形して的みたいになっただろ?滝の頭の上と腕の下。腹の横と足の横。そ
れぞれに穴があいてるだろ?それにこのテニスボールを打ち込むんだ。その代わり、スピ
ードはお前のいつものサーブの速さじゃねぇとダメだからな。」
「そんな・・・・」
確かにロボットの形は変形し、まるで的のような形になった。身動きの取れない滝の周り
にはボールがギリギリ入るくらいの穴がいくつかあいている。コントロール能力の弱い鳳
にはなかなか難しい課題だ。しかも、いつものサーブの速さ、つまりおよそ200キロの
速さでないとダメだという。いつもの調子でミスってしまえばその球が滝に当たるのは避
けられないであろう。
「ちょっと跡部っ、どういうことだよこれは!?」
「あーん?最近だらけ気味のお前らを鍛えてやろうと思ってよ、俺様がわざわざ作ってや
ったんだ。ちなみにテメェはそのバンドを取ろうとしながら、力を入れてねぇとどんどん
キツくなってくぜ。」
「嘘!?」
「嘘なもんか。ほら。」
「うわっ・・・」
ポチっと跡部が手元にあるスイッチを押した瞬間、滝の腕や足を固定しているバンドは一
気にキツくなる。慌てて滝はもがくように腕と足に力を込めた。
「うわあ、えげつないことしよるなあ。何の特訓やねんこれは。」
「跡部の考えてること意味分かんねぇ。って、うわああっ!!」
「わっ、何やねん!?」
次に捕まってしまったのは、忍足と岳人だ。ひょいっと体を持ち上げられ、少し離れたと
ころへ連れていかれる。
「テメェら二人は、協力してこいつらを倒すんだ。こいつらから飛んでくる球をある程度
の強さで連続100球打ち返して当てられれば倒せるぜ。」
「はあ!?そんなの無理無理!!」
「いきなりそんなこと言われても出来るわけないやないか。」
「でも、やらないとテメェらはそこから出られないぜ。」
いつの間にか二人の周りは、細かい網目の柵で取り囲まれてしまっていた。出口はなく、
どうやらこの目の前にいる機械を倒さないとダメらしい。
「どないする?岳人。」
「どうするって、やるしかねぇだろ。こんな状況になっちゃ。」
「仕方あらへんなあ。」
こんな状況になってしまったら、もうやるしかない。二人は用意されたラケットを構え、
跡部の言う通りのことをすることにした。それと同じくして、残りのメンバーも残ってい
る鬼に捕らえられた。そして、周りを岳人や忍足と同じように細かい網の張り巡らされた
柵で囲まれる。これは打った球が外へ出て、他のものを邪魔しないようにするためらしい。
「ったく、何考えてんだよ跡部は。跡部、俺はどうすればこいつを倒せるんだ?」
「そいつは俺が打つ球を当てると倒せるように設定してある。サーブ、スマッシュ、ショ
ット全てにおいて、俺と同じくらいのパワー、テクニックで返せば倒せるぜ。」
「はあ!?マジかよ。くそっ、絶対、倒してやる!!」
跡部と比べれば、宍戸の方がパワーもテクニックも劣っているのは明確だ。だが、跡部は
あえてそれを条件とした。こんなことを言われれば、宍戸の闘争心にも火がつく。絶対倒
すとやる気満々で宍戸もラケットを構えた。
「跡部ー、俺はぁ?」
「テメェはひらすら飛んで来る球を打ち返せ。ただし、ミスはなしだ。一度でもミスった
らそこから出られないぜ。」
「うそ、マジで!?キビC〜!!」
厳しいと言いながらも、やる気はあるらしい。キリッとした表情をして、目の前に立ちは
だかる鬼の顔を見た。
「樺地、お前はメチャクチャに飛んで来る球を鬼に当てるように打ち返せ。日吉は鬼の急
所を探し出して、そこに正確に当てるんだ。いいな?」
「ウス。」
「はい。」
何でこんなことをしなければならないか分からないが、とにかく今はやるしかない。二人
とも緊張した面持ちでラケットを構える。
「楽しくなりそうじゃねーの。これでこいつらの弱点も少しは克服されるだろ。」
ただの気まぐれで跡部がこんなことをするわけがない。やはり、氷帝テニス部の部長であ
る。それぞれの弱点を少しでも克服させてやろうと、こんなわけの分からないことを思い
ついたのだ。
一番初めに捕まってしまった滝、そして、鳳は課題達成に戸惑っていた。滝に当ててしま
ったらどうしようという恐怖心と緊張からいつものスピードでボールが打てず、コントロ
ールもうまくいかないのだ。
「一球・・・入魂っ・・・」
「わっ・・・」
本当に顔すれすれ、腕すれすれのところにボールが飛んでくる。滝の恐怖も尋常ではない。
しかも、ミスをすればものすごいスピードのボールが鳳めがけて発射される。これもまた
緊張感を高めさせる要因の一つだった。
「ごめんなさい、滝さん。俺がノーコンだから・・・・」
「大丈夫だって。落ち着いて長太郎。少しくらいボール当たったって死にはしないし。む
しろ、俺に当てるくらいの勢いでボール打ってくれなきゃ。」
「でも・・・」
「宍戸との特訓の時は平気で当ててたじゃない。」
「それとこれとは話が別ですよ。」
「長太郎がこの課題クリアしてくれないと、ここから出れないないんだよ。俺は本当に大
丈夫だから。頑張って。」
鳳のことを励ます滝だったが、実は滝もかなり必死だった。鳳がミスをするたびに腕と足
を固定しているバンドがキツくなる。それに対抗して、どちらにも尋常でない力を込めな
ければならない。滝自身も気を抜くことは許されないのだ。
「一球・・・入魂っ!!」
滝に励まされ、鳳はいつもの力を込めてボールを打った。しかし、それは穴には入らず、
滝の腕にぶつかる。
「くっ・・・」
「滝さんっ!!」
「だ、大丈夫っ。全然平気だから!!」
痛みをこらえながら、滝は必死で笑顔を作る。そんな滝の腕や足が震えていることに鳳は
気付く。力を込め続けているのだから当然だ。早く終わらせなければならない。そう感じ
た鳳は大きく深呼吸をした。そして、小さな穴に全神経を集中させ、球を打ち込む。
「一球・・・入魂!!」
滝の頭の上にある穴に打たれたテニスボールは吸い込まれるように入っていった。そのこ
とに鳳自身驚き、滝も感動した。
「入ったじゃん長太郎!!」
「はい・・・。でも、まだ、たくさん残ってます。」
一つ入ったからといって、気は抜けない。鳳は再び真剣な表情になって、ボールを打ち始
めた。一度入ってしまうと、コツはつかめるもので次から次へと鳳は滝の周りにある小さ
な穴にボールを打ち込んでいった。
「一球・・・入魂っ!!」
ガシャンッ!!
最後の穴にボールを入れると滝を捕らえていた鬼のロボットはもとの形に戻り、滝を放し
た後、そのまま地面に倒れた。それと同時に二人の地面に手をつき、ゼーゼーと息を乱す。
張り詰めていた緊張が一気に解れ、疲労がどっと体に表れたのだ。
「滝と鳳は合格だな。」
そんなことを呟き、跡部はボタンを押して、二人の周りの柵を取り除く。メンタルとテク
ニックに弱点を持つ鳳は滝に当ててしまうかもしれないという恐怖心と闘いながら、あの
小さな穴にボールを打ち込むことが出来た。同時に滝もあのパワーボールが当たるという
状況下の中、キツくなり続けるバンドに対抗し続け、最後まで我慢した。パワーに弱点を
もつ滝には非常につらいものだったであろう。どちらも弱点を克服したという点では、そ
の目標を達成した。
一方、100球連続で鬼から飛んで来るボールを返さなければいけない忍足と岳人は、飛
んで来るボールのスピードとパワーに押されながらも順調に打ち返している。
「侑士、これメチャメチャキツイぜ。」
「確かに。鳳か樺地のボールを返してるみたいやもんな。」
「でも、100球連続でいかないとまた初めからやり直しだろ?絶対落とせねぇ。」
「気合入れてやらんと・・・あっ!!」
話ながらやっていたため、忍足は一球見逃してしまった。これでは今までやってきた分が
パアになると焦った瞬間・・・
「まかせとけ、侑士!!」
岳人がいつものように飛び跳ね、股抜きショットで鬼の方へと返す。焦っていた忍足はそ
れを見てホッとした。
「おーきにな、岳人。」
「いいって、いいって。二人で協力して倒すんだろ?これくらい当たり前だって。」
ストンと地面に着地しながら、岳人は笑いながら言う。やっぱり最高のパートナーだなあ
と忍足は心底感じた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「ハァ・・・あと何球や?」
70球を越えるとさすがに疲労が表れてくる。しかし、ここまで来て失敗するわけにはい
かない。真冬にも関わらず、たくさんの汗をかきながら二人はとにかくありったけの力を
ふり絞った。
「うあっ、ヤベっ!!」
疲労のためか岳人はミスショットをしてしまう。すかさずそれを忍足がカバー。お互いの
ミスをカバーし合うという形で、またしてもピンチを乗り越えた。
「サンキュー、侑士。助かったぜ。」
「お互い様や。ほな、ラストスパートかけよか。」
「ああ。」
息を乱しながらも、二人はラストスパートをかける。次から次へと飛んでくる球を交互に
打ち返し、鉄の鬼に当ててゆく。ついに100球目というところでは、バレーボールのよ
うに忍足がトスを上げ、岳人がそれを鬼に向けて力いっぱいスマッシュを決める。滝と鳳
の時と同じように、課題がクリアされるとその鬼はガシャンと音を立てて地面に崩れ落ち
た。
「ハァ・・・終わったぁ。」
「えらい疲れたわ・・・」
疲労困憊の二人もそのまま地面に倒れ込んだ。
「忍足と岳人も合格っと。」
先程と同じように跡部は二人の周りの柵を取り除く。どちらもパワーとスタミナ、そして
若干メンタルに弱点があったが、この特訓はそれらを全て克服出来るようなものとなった。
一度もミスらずに球を返し続けるというジローは、そろそろ体力の限界が来ていた。次か
ら次へと飛び出してくる球をとにかく返す。一度もミスはしていないものの、その動きは
だいぶ鈍くなってきている。
「はぁ・・・もう疲れたー。」
「ジロー、あと5分だ。頑張れ。」
「あと5分〜?もう勘弁してよー。」
そんなことを言いながらも、ジローは確実に飛んで来るボールを返している。時計を見な
がら、跡部はカウントダウンをしてやった。
「あと1分だ。」
「ハァ・・・ハァ・・・あと1分!!」
最後の力をふり絞り、ジローは必死でラケットにボールを当てる。跡部があと10秒の言
葉を放った瞬間、一瞬気が抜けた。
「10、9、8・・・・」
「よし、あと少し・・・って、わああ!!」
ほぼ最後の一球と言っていい球が自分の頭の上を通過してしまったのだ。これじゃあ、今
までの苦労は全て水の泡になってしまうと、ジローはそのボールを追いかけた。そして、
岳人のアクロバティックにも負けず劣らずな体勢からそのボールを鬼めがけて打ち返す。
ガッシャン
最後の一球が鬼の体に当たると、その動きはピタッと止まる。どうやらジローも課題をク
リア出来たようだ。
「ハァ・・・もうダメ〜。」
そのまま地面にバタンキュ〜で、くーくーと眠ってしまう。相当疲れてしまったらしい。
メチャクチャに発射される球を打ち返さなければならない樺地は、打ち返すことよりも走
り回らされることに激しい疲労を感じていた。相手が機械のためにお得意のコピー技も使
えない。やることは単純なのだが、樺地にとってはなかなか難しい課題なのだ。
「ばぁうっ!!」
「15分か。あと3分くらいで終わりにしてやるか。」
樺地が疲れているのは目に見えて分かるのだが、ここでやめさせてしまっては特訓の意味
がない。もう少し頑張らせようと跡部は時計を見つつ、樺地を眺めた。
「ハァ・・・い゛ー!!」
だいぶ動きの遅くなってる樺地を見ながら、跡部は時計に目を落とす。残り30秒といっ
たところだ。秒針が決めていた時間を示すと跡部はロボットの動きを停止させた。
「樺地、終わりだ。もうやめていいぞ。」
「ハァ・・・ハァ・・・・」
普段はここまで走り回るということはないので、樺地もだいぶバテバテだった。しかし、
相手をコピーする前の樺地が苦手としているフットワークとスタミナの部分は少しは改善
されたようだ。
一方、日吉は他のメンバーよりは楽に課題をクリアしようとしている。日吉はずば抜けて
いいステータスがあるわけではないのだが、逆に際立って弱点とするステータスもない。
跡部から出された課題を何の問題もなくクリアしていく。その確実性はさすがといったと
ころだろう。
「何でこんなことしなくちゃいけないのか分からないが、下剋上するには使えそうだ。」
やはり目標は下剋上らしい。鬼の弱点を見つけ、そこにボールを打ち込む。比較的最後の
方にスタートしたのだが、課題を終わらせる時間は他のメンバーが終わるのと同じくらい
だった。
ガシャンッ
「よしっ。」
「日吉、合格。」
軽々と課題をクリアする日吉の周りの柵を跡部は取り除いてやる。他のメンバーほど、息
を乱さず、日吉はイスのある方へとてくてく歩いていった。
一番最後まで、課題をクリア出来ずに粘っているのは宍戸だ。跡部と同じくらいのパワー
とテクニックでボールを打ち込むということは、思った以上に難しいようだ。しかし、宍
戸には全く諦めるという態度は見当たらなかった。
「うらぁ!!」
ボールを打ち返し、鬼に当てるのだがやはりまだパワーが微妙に足りないらしい。なかな
かクリア出来ない自分にイラ立ちながらも鬼に向かってゆく。
「宍戸、かなり粘ってるよね。」
「負けず嫌いだからな。跡部と同じくらいってとこにこだわってんだろ。」
「でも、もう傷だらけやん。」
自分の課題を終えて一休みしているメンバーは、宍戸のことをよくやるよなあという感じ
で眺めている。ボールを返すことに夢中になっているので、何度も転び、体は傷だらけだ。
「くそ、何で終わんねぇんだよっ。」
「宍戸、ボールをちゃんと正面で捉えろ。無理な体勢で返そうとすんじゃねぇ。」
宍戸の課題はともかく跡部と同じパワーとテクニックでボールを返すことなのだ。別に落
としてはいけないという決まりない。夢中になっている中で聞えた跡部のアドバイスを宍
戸は無意識に実践した。その瞬間、今までにないほどの力とコントロールで鬼に向かって
ボールを打ち返すことが出来た。
ガシャンっ!!
そのボールが当たると鉄の鬼はその動きを停止させる。どうやら課題をクリアしたようだ。
「ハ・・・ハァ・・・終わった・・・」
課題を終えると宍戸はその場にへたり込む。相当無理をしていたようだ。
「さてと、これで全員終わったな。どうだ?楽しかっただろ?」
『全然、楽しくなんかない!!むしろ、お前が鬼だ!!』
笑いながらそう言う跡部に他のメンバーは猛抗議。しかし、跡部は全く動じなかった。
「せっかく俺様がいい練習をさせてやったのにそんなこと言っていいのかねぇ。まあ、そ
れはいいとして、テメェら家に入ってシャワーを浴びて来い。終わったら、節分パーティ
ーやんぞ。」
練習が終わると自分の家に入れ、パーティーをさせるらしい。まさかパーティーをすると
は思ってもみなかったので、他のメンバーの表情は少し明るくなった。
「パーティーは楽しそうだよな?」
「うん。跡部もいいとこあるじゃん。」
「パーティーだけでよかったのになあ・・・」
「いいじゃないっスか。とにかくおじゃまさせてもらいましょう。」
パーティーをするならまあいいかということで、疲れた体を引きずりながら跡部の家へと
入っていった。
to be continued