『六年生の臨海学校』 〜舳丸×重〜

「んー、やっぱ外は涼しいー!!」
浜辺に出た重は大きく伸びをしながらそう口にする。今日は波も穏やかで、涼しげな海風
が沖の方から吹いてきていた。
「あんまり離れるなよ、重。」
「うん。」
少し前を歩く重に声をかけ、舳丸は真っ暗な海辺を歩く文次郎を気遣う。
「夜の海は、明かりが何もなくて真っ暗でしょう?」
「そうですね。夜に泳いだりとかもするんですか?」
「たまにだけですけど、ありますね。まあ、わたし達水練以外は危険なので、入らないよ
うに言ってますけど。」
「この真っ暗な海を泳ぐのは、なかなか勇気と技術が必要そうですもんね。」
舳丸と文次郎がそんなふうに話をしていると、少し離れたところで重が舳丸に向かって手
を振る。
「舳丸〜、海に入っていいー?」
「一人で入るのは危ないからダメだ。」
「じゃあ、舳丸も一緒に入ろうよ〜。」
若干酔っ払い気味の重の言葉に、舳丸はふぅっと小さな溜め息をつく。そして、すまなそ
うな表情で、文次郎に言葉をかける。
「あの酔っ払いの子供をあやしてくるんで、先に戻っててもらってもいいですか?たぶん
戻れば、若い奴らが部屋に案内してくれると思うんで。」
「分かりました。じゃあ、先に戻ってますね。」
「すいませんね。」
文次郎にぺこりと頭を下げると、舳丸は重の元へと駆けて行く。文次郎は水軍館に戻るフ
リをして、二人の視界に入らないところへ移動し、二人の後をつけることにした。
「こら、重。勝手に先に行くな。」
「舳丸が遅いんだよ〜。あ、あっちの岩場の方に行こう!」
舳丸の言葉を聞かず、重は海の中へ入り、向こう側に見えている岩場へ向かう。仕方がな
いなあと思いながら、舳丸は重について行った。
「到着〜。んー、何かあっついなあ。着物脱いじゃえ。」
先に岩場に到着した重は、水の中に入っているにも関わらず、何故か体が火照ってくるの
を感じ、着物を脱いで波のかからない岩の上に置く。
「下も邪魔だなぁ。」
袴も脱ぎ、着物と同じように岩の上に置くと、重は舳丸が来るのを待つ。岩場では砂浜よ
りも少し強い波が起こり、布のなくなった重の肌を撫でる。
「んっ・・・あ、あれ・・・?」
(何か波がくすぐったい・・・)
波が肌に触れるたびに、くすぐったいような何とも言えない感覚に重の胸はドキドキして
しまう。そんな重のもとへやっと舳丸が追いついた。
「勝手にこんなところまで来て・・・って、お前何て格好してるんだ。」
「舳丸〜・・・・」
重に声をかけると、重は真っ赤に顔を染めながら舳丸を見る。その表情に舳丸は胸は撃ち
抜かれる。
(ちょっ・・・何でそんなエロい顔で・・・ああ、何だか変な気分に・・・)
「そんなやらしい顔してどうしたんだ?」
「何か変だよ・・・波がくすぐったくて・・・あっ・・・・」
「波がくすぐったいって、どんなふうに?」
重を岩に押し付けるように、舳丸はぐっと重に近づき、むき出しの肌に指を滑らせる。す
ると、重は子犬のような高い声を上げる。
「あっ・・・ああぁんっ・・・!!」
「そんな声を出して、やらしいなあ。こんな場所で発情してんのか?」
「ち、違っ・・・違うけど・・・んむぅ・・・・」
あまりの重の可愛さに我慢出来なくなり、舳丸は重の口に深々と口づける。重と接吻をし
ている間に舳丸もかなり乗り気になり、ギリギリ波のかからない胸のあたりを指先で弄る。
「んんっ・・・ふ・・ぁっ・・・・うっ・・・んんんっ!!」
ビクビクとその体を震わせながら、重は舳丸の着物を掴む。舳丸がその唇を離すと、重は
呼吸を乱して、ぎゅうっと舳丸に抱きついた。
「舳丸・・・」
「どうした?」
「もっと・・・いろんなとこ・・・・触って・・・?」
舳丸に触れられたことで、重のそういうことをしたいという欲求が一気に高まる。もちろ
ん舳丸も始めからやる気満々なので、重のそんなおねだりを聞いて、だったらたくさんし
てやろうと、くるっと重の体を反転させる。
「えっ・・・?何っ・・・?」
「んー、こっちの方がいろんなとこまとめて弄ってやれると思ってな。」
「―――っ!!あっ・・・!!」
まだ腰の周りに纏わりついていた褌を外すと、舳丸は海の中で熱くなっている重の熱を握
る。そして、先程少しだけ弄ってやった胸の突起も再び弄り始める。
「はっ・・・ああっ・・・舳丸っ・・・!!」
「こっちは全然触ってやってなかったのに、随分デカくなってるじゃないか。」
「だって、舳丸がっ・・・ちゅうしながら、おっぱいとか・・・弄るからぁ・・・・」
「ココ弄られるの、お前好きだもんなあ?」
耳元で囁きながら、舳丸はぷっくりと膨らんだ突起を少し強めに引っ張る。
「ひあっ・・・やあぁっ・・・!!」
「可愛い声。ココ弄ってやるだけでも、イッちゃいそうだな。」
「やっ・・・ミヨ・・・そんなに強くしちゃ・・・やだぁ・・・・」
「でも、下はさっきよりも硬くなってるぞ?」
「あっ・・・ん・・・ダメっ・・・そんなにされたらぁ・・・・」
水の中の熱を軽く擦ってやると、重はビクンと震え、甘い悲鳴を上げる。こんなに早くイ
クとは思っていなかったが、イっている重が可愛いので、舳丸はわざと気づかないフリを
して、重の敏感な突起を弄り続ける。
「あああぁ―――っ!!ひぅっ・・・ダメ・・・ダメっ・・・いっ・・・ああぁんっ!!」
「何がダメなんだ?こんなに気持ちよさそうなのに。」
「ああっ・・・イってるのに・・・またっ・・・・んんんっ・・・!!」
長引く絶頂感に重はビクビクとその身を震わせ、いつもよりも多く海の中に精を放つ。明
らかにいつもとは違うと思いつつも、あまりの気持ちよさに重の頭は真っ白になり何も考
えられなくなっていた。
「ハァ・・・はっ・・・ハァ・・・・」
「今日の重はいつもよりやらしいなあ。そんなにわたしのすることが気持ちいいのか?」
「舳丸に・・・触られると・・・・全部気持ちよくなって・・・・わけ分かんなくなっち
ゃう・・・・」
「そうか。だったら、こういうのはどうだ?」
「・・・・・っ!!」
乱れる重の姿にすっかり大きくなっている自身の熱を、舳丸は重の双丘の間に挟み、そし
て、ゆっくりとその間を擦り上げるように腰を動かし始める。舳丸の熱の棒で入口を擦ら
れる感覚に、重はゾクゾクとした甘い痺れを感じる。
「あっ・・・あんっ・・・・」
「重の尻はきゅっと締まってるから、こうすると気持ちいいぞ。」
「ああっ・・・そんなに擦りつけちゃ・・・や・・だぁ・・・・」
「どうしてだ?重の入口もヒクヒクしてて、全然嫌がってるようには感じられないが?」
「だって・・・だって・・・・舳丸の熱くて・・・そんなのでいっぱい擦られたら・・・」
「気持ちよくなっちゃうって?」
耳に口をつけるくらいの距離でそう囁かれ、重の身体に電流が走るかのように甘い痺れが
駆け抜ける。どう頑張っても否定出来ない体と頭がとろけるような快感に重は次第に落ち
てゆく。そんな状態の重に、さらなる刺激が襲う。
「ひっ・・・!?」
「ん?どうした?」
「あっ・・・足がっ・・・ひぁんっ・・・ムズムズして・・・うあっ・・・!!」
突然太ももから膝のあたりに走るムズムズし、チクチクするような刺激に重は声を上げる。
軽くそのあたりに手を伸ばし、舳丸はその正体が何かを確認する。
「ああ、なるほど。」
「な、何・・・?ひあっ・・・んっ・・・!!」
「ただの触手だ。このへんは結構群生してるからな。毒性のあるものじゃないから問題な
いだろ。」
「ちょっ・・・触手って・・・・舳丸、何とかしてよぉ・・・・」
「とりあえず、潰さないように気をつけような。」
重の足を弄っていたのは、海水に浸かっている岩に群生していたイソギンチャクの触手で
あった。危害を加えるものでもないので、気にするなと言って舳丸は事を続ける。しかし、
ひどく敏感になった重の体には、イソギンチャクの触手が肌に触れるという刺激は強すぎ
るものであった。
「ああっ・・・ひぅっ・・・ああぁっ・・・!!」
「さっきよりもココが反応してるみたいだが、それはわたしで感じてるのか?それとも、
足を弄ってる触手か?」
「そんなこと・・・聞かないでよ・・・・ふあぁっ・・・!!」
「その反応は可愛いが、わたし以外のモノでそんなに喘いでるっていうのは、少し妬ける。」
「んっ・・・やっ・・・まだ、ダメっ・・・!!」
「触手なんかよりももっと大きいもので、して欲しいだろ?」
ニヤリと笑ってそう言うと、舳丸は双丘の間を行き来していた熱の先端を重の入口に当て、
その入口を押し広げるかのように身を進める。
「ひあっ・・・あああぁ―――っ!!」
「ダメって言ってたわりには、全然余裕じゃないか。」
(ああ、どうしよ・・・お尻の中、舳丸でいっぱいで・・・・波とイソギンチャクの触手
がくすぐったくて・・・・)
自分を気持ちよくさせてくれる刺激が多すぎて、重の思考回路はショート寸前だ。
「外側で擦られるのもなかなかだが、やはりこっちの方が圧倒的に気持ちいいな。」
「んんっ・・・舳丸っ・・・舳丸ぅ・・・・」
「どうした?キツイか?」
あまりに切なげな声で重が名前を読んでくるので、舳丸はそう尋ねる。しかし、重はふる
ふると首を横に振って、振り返るように顔を舳丸の方へ向ける。
「もっと・・・奥まで・・・して・・・・」
「重・・・」
色っぽさ全開の表情でそんなことを言われ、舳丸は一気に自身を重の奥の奥まで突き入れ
る。
「ああっ・・・ああぁ―――っ!!」
「あんまり煽るなよ。」
「ミヨの熱い・・・お尻の中・・・舳丸でいっぱい・・・で、すごく・・・・気持ちいい
よぉ・・・」
「わたしもだ、重。」
重の首筋にちゅうっとキスをすると、舳丸は先程よりも大きく動き出す。波が打ち寄せる
のに合わせ腰を動かすため、重にとってはいつも以上に大きな衝撃が内側に響いていた。
「あっ・・・ああぁんっ・・・!!あっ・・・ああっ・・・!!」
「海の中でするのもやっぱいいな。」
「舳丸っ・・・ひっ・・あ・・・舳丸・・・・」
「今、どういう感じだ?重。わたしはすごく気分がいいぞ。重がこんなにイイ反応を見せ
て、わたしのをこんなに奥まで飲み込んでくれてるんだからな。」
「俺も・・・気持ちいい・・・すごく・・・気持ちいい・・・舳丸っ・・・好きっ・・・
好きぃ・・・・」
「ふっ、わたしも重のこと・・・・」
一旦中に埋めている熱をギリギリまで引き抜き、再び最奥まで埋める。そのタイミングに
合わせ、舳丸は言葉を続けた。
「大好きだ。」
(舳丸の声が、頭の中に響いて・・・ああ、もうダメ・・すごいの・・・来ちゃう・・・)
「ふあっ・・・ああぁ――――っ!!」
「・・・くっ!!」
今までとは比べ物にはならない絶頂感に、重はドクンドクンと白い雫を放ち、海の水をう
っすらと濁らせる。それと同時に、舳丸も重の中にたくさんの蜜を放った。舳丸と一緒に
達したという満足感にしばらく浸っていると、中に入っていた熱が抜け、ぐるっと体を反
転させられる。そして、ぐっと体を持ち上げられ、重は岩の上へと乗せられた。
「み、舳丸・・・?」
「今度は波も触手も重に触れさせない。わたしだけを感じさせてやる。」
まだまだ続ける気満々の舳丸に、重はドキッとしてしまう。しかし、そのドキドキ感が重
の体を再び熱くさせた。おずおずと足を開き、重は舳丸に向かって腕を伸ばす。
「して・・・舳丸。」
「重・・・」
今度は口づけを交わし、お互いの体をしっかりとその腕で捉えながら、その身を繋げる。
何度も何度もお互いの名を口にし、想いを確かめ合う。心も体も全てが一体になるような
心地良さに二人はしばらく溺れていた。
「舳丸っ・・・好き・・・好きっ・・・またっ・・・イクっ・・ぅ・・・・!!」
「ハァ・・・重っ・・・わたしも・・・・」
「あっ・・・ああぁ―――っ!!」
もう何度目か分からない絶頂を迎え、ふっと重はその意識を失った。そんな重の体をしば
らく抱きしめたまま、舳丸も甘い甘い時間の余韻にその身を沈めていた。

「半分海に浸かりながらあそこまで出来るってところは、やっぱり精鋭の水練のお二人だ
よなあ。それにしても・・・・」
二人がそういうことをしていた岩場の陸側で文次郎は最後の一行を書き終える。そして、
一休み中の二人にチラッと目をやりながら気になることを呟いた。
「・・・触手って、どういうことだろうな。」
舳丸と重の話を聞いていて、一番よく分からなかった部分だ。実は舳丸には触手が生えて
いて・・・なんてことも想像したが、それはありえなさすぎると、文次郎は苦笑する。
「さてと、そろそろ戻らねぇとな。」
二人が帰ろうとする前に戻らなければと、気配を消して足音も立てず、文次郎は水軍館に
戻って行った。

                     to be continued

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