空になったお皿や湯呑を片付けながら、東南風、航、食満の三人は他愛もない話をする。
「本当忍術学園の六年生はみんな真面目だよね〜。」
「そんなことないですよ。」
「ドクタケの忍者達とは大違いだ。」
「あはは、確かに仙蔵から聞いた話ではひどかったらしいですからね。」
(伊作の話だと、そろそろ効いてくるはずなんだけどなあ。)
この二人も結構飲んでいたはずなのに、いつも通りだなあと食満は首を傾げる。とりあえ
ずもう少し様子を見てみるかと思っていると、航がほんの少し赤くなったいつも通りの笑
顔で、食満に話しかけた。
「あとは俺とやま兄でやっておくから、留三郎くんは部屋に戻っていいよ。」
「そうですか。分かりました。じゃあ、先に部屋に戻ってますね。」
「うん、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
そう挨拶をすると、食満は部屋を出て寝室へ向かうふりをする。しかし、実際はその場に
留まり、こっそりと二人の様子の観察することにした。
食満が出て行った後、航は先程見せていた笑顔とは全く違う表情で、東南風のもとへ駆け
寄る。そして、東南風に後ろからぎゅうっと抱きついた。そうされて、東南風はビクッと
体を震わせる。
「ど、どうした?航。」
「やま兄、俺なんか変だよ。さっきからずっとエッチな気分で、体が熱いんだ。」
「・・・・実は俺もだ。」
「やま兄も?」
「いつもとは違う変わった酒を飲んだからかもしれないが・・・・この感覚はちょっと耐
えられないな。」
そっと腰のあたりに回された腕を解き、東南風は航の方に向き直す。向かい合ってその目
に入った航は、小さく呼吸を乱し、顔を紅潮させ、いかにも欲情していますといった表情
であった。そんな航を前にし、東南風はどうしようもなくそういうことをしたい気分にな
る。
「・・・間切や網問は、たぶんもうこっちには戻って来ないよな?」
「うん。」
「なら・・・」
ぐっと航の肩を掴むと、東南風は顔を傾け、航にキスをする。唇が触れ合った瞬間に感じ
る言葉には出来ない甘い痺れ。いつもとは少し違う感覚に、東南風も航もドキドキしてき
ていた。
「ふぁ・・・んんっ・・・ん・・・」
(何だろう・・・?今日はキスだけでも、すごく気持ちいい・・・)
角度を変え、何度も口づけを繰り返すうちに、二人の気分はさらに高まってゆく。満足い
くまで、深く甘い口づけを繰り返すと二人はゆっくりと唇を離した。
「ハァ・・・やま兄ぃ・・・」
「航・・・」
とろけたような航の表情に、東南風はもっと先へ進みたいという欲求に駆られる。それは
航も同じであった。
「あのさ、やま兄・・・」
「何だ?」
「やま兄のしていい?」
航の視線から東南風は航が何をしたいと言っているのかを理解する。気分がこの上なく高
まっている状態でそんなことを言われれば、断るという方が無理だ。してもいいという意
味を込め頷くと、航は東南風の袴の紐を解き、褌に手をかける。そして、その場に跪くよ
うに腰を下ろすと、既に大きくなっている熱をパクッと口に咥えた。
(うわっ・・・)
航の口の中にそれが入った瞬間、腰が砕けそうになるくらいの快感が東南風の身体を駆け
抜ける。
「んっ・・・んむっ・・・・ん・・・・」
「か、航っ・・・」
(どうしよ、すごくドキドキして・・・触られてもないのに・・・・)
東南風のモノを舐めながら、航の熱も次第に高まっていく。もっともっと東南風を味わい
たいと、夢中になって口を動かす。
「ハァ・・・航、そんなふうにされたら・・・・」
「はっ・・・だって、今日やま兄の・・・すごく美味しくて・・・・」
ちゅぷっと音を立て、口を離す航は興奮に染まった顔でそんなことを言う。そして、再び
それを口に含む。直接的な刺激に刺激的な言葉。東南風の頭と体は、航の与えてくれる快
感で埋め尽くされていた。
「くっ・・・航、もうっ・・・・」
あまりに大きな快感に、東南風の熱はあっという間に限界を迎える。思わず航の髪を掴み、
無意識にそれから遠ざけようと引っ張ってしまう。航の頭は熱い雫を放つそれから離され、
それゆえ放たれたものは、航の顔に全てかかってしまった。
「ふあっ・・・・」
顔にかかってしまったことに、航はどうしようもなく興奮してしまう。同時に達してしま
うということはなかったものの、航のそれもヒクヒクと震え、褌を濡らしてしまいそうな
ほどに先走りの蜜を溢れさせていた。
「す、すまん、航。」
「ううん、全然へーきだよ。やま兄のだし。」
そう言いながら、航は顔を手の甲で拭い、手についた蜜をぺろっと舐める。それを見て、
東南風の胸はひどく高鳴った。
(ダメだ。今日は航の仕草一つ一つにドキドキしちまう・・・)
「航・・・」
航と同じようにその場に腰を下ろすと、東南風は航の顔に両手を添え、顔についている白
い雫を丁寧に舐め取っていく。
「んっ・・・」
顔を舐められる感覚に、航はピクンと体を震わせる。東南風の舌が頬や唇の横に触れるた
び、甘い痺れが駆け抜け、航の口からは濡れた吐息が漏れる。
「ふっ・・・あっ・・・・」
(気持ちよくて・・・声が・・・・)
ゼロ距離の状態で航のそんな声を聞き、東南風はよりいい声を聞きたいと感じる。顔につ
いていた雫を全て舐め取ると、東南風は航の口を吸い、ぎゅっとその体を抱きしめた。
「今度は俺の番だな。」
体を密着させたまま、東南風は航の着物を脱がす。上着は前をはだけさせたような状態で
留めたが、袴と褌に関しては完全に脱がせてしまった。
「・・・・恥ずかしいよ。」
先程まであんなにも積極的に熱を咥えてたとは思えない航の発言に、東南風は思わず萌え
てしまう。しかし、そんなことは顔には出さず、航の弱い部分を弄り始めた。
「やっ・・・あんっ・・・・」
「さっきはかなり気持ちよくさせてもらったからな。今度は俺がお前を気持ちよくさせて
やる。」
腰のあたりに手を回し、双丘の間に指を滑り込ませる。それと同時に、既に透明な蜜が溢
れている熱をゆっくり擦り始めた。
「あっ・・・ひあ・・・んっ・・・やま兄ぃ・・・・」
「今日はどこもかしこも敏感になってるみたいだからな。こことかもかなりいいんだろ?」
両手がふさがってしまっているので、その唇を使って胸の突起を刺激する。特に感じやす
いところばかりをいっぺんに弄られ、航は東南風の首に腕を回して、その身をビクビクと
震わせた。
「ああっ・・・やっ・・・ああぁんっ・・・!!」
(やっぱりいいな、こういう声。もっと鳴かせてやりたくなる。)
よりイイところを刺激してやろうと、東南風は休むことなく手を動かす。指を飲み込んで
いる蕾は次第にほぐされ、もっと大きなものが欲しいと言わんばかりに蠢く。蜜を溢れさ
せている熱はより熱く硬くなり、もっと濃い何かを放出したいと震えていた。
「そんなに・・・いろんなとこされたら・・・イっちゃうよぉ・・・・っ」
「お前はまだイってないだろ?いいんだぞ、イっても。」
「んんっ・・・あっ・・・もうダメっ・・・イクっ・・・あああぁ―――っ!!」
東南風の言葉に、航の絶頂感は一気に高まり、濃いミルクを放つ。その感覚をもっと長い
ものにしてやろうと、東南風は内側の一番感じる部分をわざと大きく刺激した。
「あああぁ―――っ・・・やっ・・・・ああぁんっ!!・・・ダメっ・・・やま兄・・・
あっ・・・・ふああぁぁ―――っ!!」
いつもより長く続く絶頂感に、航は背中を仰け反らせドクドクと熱い蜜を溢す。予想以上
にイイ反応を見せる航に、東南風の熱もすっかり硬さを取り戻していた。
「ハァ・・・ハァ・・・・」
「気持ちよかったか?」
「すごく・・・気持ちよかった・・・イってるときに、あんなとこ触るなんてずるいよ。」
「でも、あそこ触られるの好きだろ?お前。」
ニヤリと笑ってそんなことを言ってくる東南風に、航の顔はカアァっと真っ赤に染まる。
「知らないもん!!」
「今度は俺ので、そこを弄ってやるよ。」
その言葉に航の胸はドキンとする。今まで指が入っていたそこに熱く硬いモノを押し当て
られ、どうしようもないくらいの期待感と興奮が、航の頭を支配する。
(やま兄のが、入ってくるっ・・・)
ひくついている蕾を抉じ開けられ、航の肌は粟立つ。痛みはほとんどないに等しく、感じ
るのは頭が真っ白になってしまいそうなほどの快感。やはり今日はいつもと違うと思いつ
つ、航のそこは東南風の熱を奥の奥まで受け入れた。
「あっ・・・ああっ・・・!!」
「航っ・・・」
「んんっ・・・ハァ・・・やま・・兄ぃ・・・やま兄ぃ・・・・」
「今日は・・・本当何しても気持ちいいな。」
「俺も・・・ずっとすごく気持ちよくてっ・・・・」
「なら、もっと大きく動かすか?」
ぐいっ航の腰を動かし、航の一番感じる部分を太い楔で抉る。その瞬間、航の内壁はぎゅ
うぎゅうとその楔を締めつけ、東南風に大きな快感を与える。
「あああぁんっ!!」
「くっ・・・」
「ふあっ・・・やま兄っ・・・あっ・・・ああ・・・・!!」
「そんなにぎゅうぎゅう締めつけられたら、すぐにでもイっちまいそうだ。」
「俺も・・・今みたいに動かれたらっ・・・・気持ちよすぎて・・・・イっちゃ・・・」
「ふっ、こうか?」
「ひぅっ・・・ああぁ―――っ!!」
もう一度先程のように動くと、航はビクビクとその身を痙攣させ、達してしまう。しかし、
ギリギリのところで、東南風はまだ達してはいなかった。
「本当今日のお前は可愛いな。」
「ハァ・・・あっ・・・ずるいよぉ・・・・」
「そんな顔されたら、余計ひどくしたくなっちまうぞ。」
軽く呼吸を乱してそう言う東南風に、航は少々困ったような顔を浮かべながら、東南風の
首にぎゅうっと抱きつく。
「やま兄になら・・・されてもいい・・・・」
「なっ・・・!!」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかったので、東南風の興奮ゲージは一気に上
がる。
「ちっ、そんなこと言われたら、手加減出来なくなっちまう。」
もう理性など知るかと言わんばかりに、東南風は航を激しく責める。もともとかなり限界
近くまで高まってたこともあり、東南風は航の中にたっぷりと熱い雫を注いだ。
「くっ・・・航っ・・・・!!」
「ひあっ・・・ああぁ・・・・」
熱いものを存分に注がれ、航はさっきとはまた違った気持ちよさを感じながら、静かに絶
頂を迎える。
(お腹の中・・・熱くて気持ちいい・・・もっと、やま兄と繋がってたいなあ・・・)
「ハァ・・・やま兄・・・・」
「何だ?」
「もっとして?」
「えっ・・・?」
「もっとやま兄と繋がって、もっとたくさん気持ちよくなりたい。」
そう言われてしまったら、しないわけにはいかない。普段はこんなにたくさんすることは
ないのだが、今日はあの酒の所為で様々な効果が表れている。果てしない気持ちよさを感
じながら、二人はしばらくその身を離そうとはしなかった。
「これは予想外というか何と言うか・・・。やっぱ、あの酒の効果すごいんだな。だいぶ
イメージと違う感じだった。いやー、これは刺激強すぎだろ。」
東南風と航のレポート担当だった食満は、真っ赤になりながら二人の様子を記したノート
を閉じる。
「他の奴らはどんな感じなんだろ?とにかく、あの二人に見つからないうちに引き上げる
とするか。」
行為を終えた東南風と航は今はまだ休んでいるようだ。二人が出てくる前に、自分の部屋
へ戻っておこうと、食満はその場を後にした。
to be continued