Various races World 
〜第4話〜

「ふー、気持ちよかったー!!」
跡部より一足早く風呂から上がった宍戸は、体を拭くと、何も身につけることなく部屋に
向かった。風呂に入ったことで火照った体を少し冷まそうと、宍戸は冷凍庫の中からアイ
スを取り出し、それを口に咥えながら部屋に入り、ベッドに腰掛ける。
「やっぱ、風呂上がりのアイスがうまいなあ。」
はぐはぐとアイスを頬張りながら、宍戸は跡部が戻ってくるのを待つ。アイスが半分ほど
食べ終わったところで、跡部が部屋に戻ってきた。
「あっ、跡部、おかえりー。」
「・・・・宍戸、家でも服着ろっていつも言ってんだろ。」
「だって、尻尾ぎゅーって押される感じがして、キツイんだもんよ。」
素っ裸で、ベッドに座っている宍戸を見て、跡部は呆れたようにそう漏らす。しかし、宍
戸は全く気にせず、ぱくぱくとアイスを食べ続ける。全裸なのはまだ許せるが、その格好
のまま棒アイスを食べている様は、さすがの跡部もドキドキしてしまう。
「つーか、跡部だって似たような格好じゃん。」
「アーン?俺はちゃんと下は穿いてるぜ。」
「でも、上は着てねぇじゃんか。」
「別に上は着てなくたって問題ねぇだろ。テメェは大事なところも丸出しにしやがって。」
「別にいいだろ。ここには跡部しか居ねぇんだし。」
最後の一口を食べると、宍戸は飄々とした態度で返す。本当にどれだけ煽れば気が済むん
だと、跡部は宍戸の持っているアイスの棒を取り上げて、それをゴミ箱へと放り投げた。
「あっ!!」
「もうアイスは十分だろ。そろそろ俺様の相手しろよ。」
ぐいっと宍戸の顎を掴むと、跡部はニヤリと笑ってそんなことを口にする。ドキっとする
宍戸だったが、せっかくくつろいでいたところを邪魔され、少し不機嫌になる。不機嫌に
なったことで、黒くて長かった耳が、黄色と黒の小さな耳になってしまった。
「虎モードか。無理矢理されるのは嫌だって?」
「当たり前だろ!」
「へぇ、でも、俺は無理矢理するのも大好きなんだよな。テメェが嫌がれば、それだけ燃
えるってもんだぜ?」
そう言いながら、跡部は腰に下げていた猛獣用の鞭を手に取った。それを見て、宍戸は耳
と尻尾をピクンと震わせる。しかし、それは恐怖からではない。
「そ、それで・・・俺のこと、叩くのか・・・?」
上擦った声で、宍戸はそう尋ねる。先程までは、少しむすっと表情であったが、今は期待
に満ちた目で跡部を見ている。
「それは、テメェの態度次第だぜ。テメェが素直になりゃ、こんなもんは使わねぇよ。」
「素直に・・・」
素直になったら使わないという言葉は、素直にならなければ、使ってやると同じ意味だ。
それを聞いて、宍戸はぷいっと跡部から顔を背けた。
「きょ、今日は跡部としたくない。」
「とことん嫌がる気だな。けど、その方が俺はやる気になるぜ。」
虎モードのままでいることは、ツンモードであることだと跡部は理解していた。虎モード
の宍戸の言うことは、心の中で思っていることとは全く逆のことである。それを分かって
いるため、跡部はふっと笑い、持っている鞭の柄で宍戸の顎をぐいっと上げた。
「っ!」
「とりあえず、この生意気な口を塞いでやるかな。」
ドキドキと胸を高鳴らせながら、跡部の動向をうかがっていると、跡部はカチャカチャと
ズボンのベルトを外し、ある程度の強度を持った熱の塊を宍戸の前に突き出した。まさか
いきなりそう来るとは思わなかったので、宍戸は少々動揺してしまう。
「なっ・・口塞ぐって・・・こっち・・・・」
「他に何があるって言うんだ?ほーら、ちゃんとご奉仕しろよ?」
「ふっ・・・んぐっ・・・!」
戸惑っている宍戸の口に、跡部は強制的に熱り立った楔を捩じ込む。急に熱いもので口の
中をいっぱいにされ、宍戸は涙目になりながらも、ぞくぞくと全身が痺れるような快感を
感じてしまう。
「んんっ・・・・うっ・・ぐ・・・」
「ハァ・・・嫌がってるわりには、随分上手い具合に舌動かしてくれてるじゃねぇの。で
も、俺的にはもっと激しい方が好きだぜ?」
「んぶっ・・・んんっ・・・!!」
もともと嫌がってはいないので、宍戸は跡部の期待に応えられるよう、一生懸命に舌を動
かしていた。しかし、跡部はもっと宍戸を虐めてやりたいと、しっかりと頭を固定させ、
激しくその熱の塊を前後させる。
「たまんねぇぜ、テメェの口ん中。さっきまでアイス食ってたくせに、すげぇ熱くて。」
「うっ・・・んぅっ・・・んぐっ・・・」
「その表情もエロくて最高だしな。ふっ、そろそろその口の中、俺様のミルクでいっぱい
にしてやるよ。たーんと、味わえよ?」
宍戸の口に咥えられているという物理的刺激と宍戸の見せる表情の相乗効果で、跡部は比
較的早く限界点に達する。宍戸の頭をしっかりと押さえこみながら、跡部は熱いミルクを
宍戸の口の中へと、思う存分注ぎ込んだ。むせかえりそうなほどの激しい放出に、宍戸は
ビクビクとその身を痙攣させながら、口の中に注がれる熱いものを嚥下する。
「んっ・・ん・・・んんっ・・・!」
宍戸の中へ一滴も残らず放出し終えると、跡部はゆっくりとその楔を宍戸の口から抜いた。
口を塞いでいたものがなくなると、宍戸は大きく息を吸い、激しく咳き込んだ。
「ハァ・・・ゲホっ・・ゴホっ・・・ハァ・・ハァ・・・」
激しく咳き込むものの、一度飲み込んだものは決して吐いたりはしない。宍戸の呼吸が落
ち着くのを待っている間に、跡部はベッドの横にある棚の引き出しからあるものを取り出
した。
「ハァ・・・」
「次行くぜ、宍戸。いつまでもへばってねぇで、ここに手ついて腰突き出せ。」
「あ、跡部の所為・・・だろうがっ!!」
「まだ、文句言える元気あるじゃねぇか。ほら、言った通りにしろよ。あっ、あと、しば
らくは虎モードのままでいろよ?」
「は?何で・・・?」
「いいから、早くしろ。」
納得いかないなあと思いつつも、宍戸はベッドの柵に手をついて、跡部に向けて腰を突き
出す。差し出された双丘を前にし、跡部は舌舐めずりをしながら、先程取り出したものを
トロリと宍戸の双丘の中心に垂らした。
「ひゃっ・・・!?」
「やっぱ、テメェのココは敏感だな。」
「い、いきなり、そんなもん垂らされりゃ、ビックリするに決まってんだろうがっ!!」
「ビックリねぇ。まあ、いい。少し指入れて慣らすからな。」
「えっ・・・!?・・・やっ・・あっ!!」
宍戸に何かを言う暇を与えず、跡部は指にも先程の薬ようなものを絡めながら、まだ少し
硬い蕾をゆるゆると解してゆく。普段は閉じたままでいる蕾を弄られる感覚に、宍戸はぶ
るりと身体を震わせる。
「んっ・・あっ・・・ふぅっ・・・」
「少し入口弄ってやるだけで、随分イイ反応してくれるじゃねぇの。こりゃこの後が期待
出来るな。」
毎日慣らされていることもあり、宍戸のそこはすぐに跡部の指を二本ほど飲み込むくらい
になる。蕾を慣らしつつ、跡部は先程取り出した液体状の薬を宍戸の内側にじっくりと塗
り込んでいった。そして、すぐに指を抜いてしまう。
「あ・・・んっ・・・・」
「こっちの準備はオッケーだな。あとはこっちだ。」
「な、何が・・・?」
「ふっ、それはまだ秘密だぜ。」
意味ありげな笑みを浮かべ、跡部は再び先程の薬を自らの手に絡める。そして、それを宍
戸の尾てい骨のあたりから生えている虎の尻尾へと擦り込んだ。
「ひあっ・・・し、尻尾・・・握んなよぉ・・・・」
獣族にとっては、尻尾も性感帯の一つなので、宍戸は尻尾に触れられることが苦手だった。
そんな尻尾に跡部は容赦なくその薬を塗りたくる。ぞくぞくとするのを我慢しながら、宍
戸は、声が出てしまうのを必死で堪えていた。
「ふ・・ぁ・・・ハァ・・・っ?」
跡部が尻尾に薬を塗り終わるのを感じとると、宍戸は少しほっとしたような声を漏らす。
しかし、何だか先程弄られた蕾が妙に疼いてくるように感じる。何故だろうと、考えてい
ると再び跡部が尻尾を握った。
「ひゃあっ!!だ、だから、尻尾を握るなって・・・!」
「テメェは、尻尾も相当感じるんだよな?」
「そ、そうだ、悪ぃかっ!!」
「なら、好都合だ。」
ニヤリと嗜虐心たっぷりの笑みを浮かべると、右手で尻尾を握ったまま、左手でぐいっと
宍戸の蕾を開いた。そして、そのままシマシマの尻尾の先を、開いている蕾に挿入させる。
「―――――っ!!」
どちらも跡部の塗った薬でぬめっているため、簡単に尻尾は蕾の中に入っていった。ちく
ちくとした毛が敏感な壁を刺激しながら、どんどん奥へと入ってゆく。異物の挿入にその
入口はきゅうきゅうと収縮し始める。その締め付けは敏感な尻尾を握るのと同じ効果を生
み出していた。
「やあぁっ・・・あっ・・・やだぁっ!!」
「自分で自分の敏感なところを同時に弄れて一石二鳥だろ?」
「こ、こんなのっ・・・ダメだっ・・・・あっ・・・あぁんっ!!」
「ちなみに、さっき俺が塗った薬は、獣族には効果絶大の媚薬だぜ。人族には大した効果
がねぇから、俺の指についたって何の問題もねぇんだけどな。」
「さ、最悪っ・・・ひっ・・・あん・・・・ああっ・・・はぁっ・・・」
文句を口にしつつも、宍戸はもう腰の周りに感じる快感で頭がいっぱいになっていた。薬
の効果が表れてくるにつれ、中の感度も尻尾の感度も上がり、全身が粟立つような快感が
全てを支配してしまう。
「あっ・・・ふ・・・ああっ・・・ひぁ・・んっ・・・!」
「相当イイみてぇだな。さっきから、テメェの尻尾、出たり入ったりしてるぜ。」
「ハァ・・・うるせっ・・・・あっ・・・あんっ・・・・」
「ぐちゅぐちゅ音立てて、すっげぇエロい。虎なくせに、全身桜色に染まってきてやがる
し。」
尻尾での自慰にすっかり夢中になっている宍戸を見ながら、跡部もかなり興奮してきてし
まう。倒錯的なその光景が、跡部の嗜虐心を更に煽り、とある欲求を跡部の中に起こさせ
た。
(ヤベェ・・・すげぇ、これで打ちてぇ・・・)
側に置いておいた猛獣用の鞭を手に取り、それを跡部はじっと見つめる。本気で使おうな
どとは思っていなかったのだが、今はこれを宍戸に打ち込みたくて仕方がない。
「あ・・・跡部ぇ・・・ハァ・・・あっ・・・」
「宍戸・・・」
宍戸が自分の名前を紡ぐのを聞いて、その欲求は更に高まる。一度だけ、一度だけならと、
跡部は思いきってその鞭をしならせ、宍戸の腰の辺りに打ち込んだ。
ビシィっ
「ひっ・・・ああぁ―――っ!!」
疼く腰の辺りに大きな刺激を打ち込まれ、宍戸はシーツの上に白濁の蜜を放った。まさか
打った瞬間、達するとは思わなかったので、跡部はその事実にドキドキと胸を高鳴らせる。
「ハァ・・・あと・・べ・・・」
「し、宍戸・・・」
「い、今の・・・・もっかい・・・して・・・?」
「っ!!」
思ってもみない宍戸の発言に、跡部の理性の糸は完全に切れた。ぐっと鞭を握る手に力を
込め、本能の赴くままに宍戸をそれで打つ。一振りするたびに、ぞくぞくと身体の奥が震
えるような感覚が跡部の中に巻き起こる。それは、打たれる宍戸も同じことであった。
「ひあっ・・・ああっ!」
「フッ、叩かれて感じるなんて、どんだけ淫乱なんだよ?テメェは。」
「ハァ・・・だって・・・すげぇ気持ち・・いっ・・・から・・・」
「まあ、ぶっちゃけ、俺はテメェをこうしてることで、すげぇ興奮して感じまくってるけ
どな。」
「跡部だって・・・相当っ・・・変態じゃん・・・・」
「アーン?今更だろ。安心しろ。俺様がこうなるのはテメェ相手の時だけだからよ。」
何度かそんなことを繰り返しているうち、跡部も宍戸も一度か二度ほど熱い蜜を迸らせる。
しかし、やはりそれだけの行為ではどちらも満足出来なかった。宍戸の尻尾を蕾の中から
引き抜くと、跡部はすっかりぐちゃぐちゃになったそこへ、自分の楔を押し当てる。その
瞬間、宍戸は完全デレモードの兎モードへと変化する。
「ハァ・・・尻尾・・・なくなっちまった・・・・」
「すぐに俺様のもっとイイものでいっぱいにしてやるよ。」
「うん・・・早く、入れて・・・」
素直におねだりをする宍戸に、跡部はもう我慢出来ないと、性急に自分自身を宍戸の中に
埋め込む。跡部が自分の中に入ってくる感覚に、宍戸は腰が砕けてしまいそうな程の快感
を感じる。
「ああっ・・・はぁんっ!!」
「テメェん中、トロトロでぐちゃぐちゃで、超イイ感じだぜ。」
「中・・・熱い・・・跡部っ・・・・もっと・・・・」
「もっと、何だよ?」
「たくさん・・掻き回して・・・・もっと・・・いっぱい気持ちよくして・・・・」
兎モードになると本当に態度が一変するなあと思いながらも、跡部はその素直さにかなり
心を奪われていた。そこまで率直にお願いされたのなら、その願いを叶えないわけにはい
かない。後ろから抱え込むように宍戸の腰を捉えると、跡部はその中を掻き回すかのよう
に、激しく自身を打ち込み始めた。
「あっ・・・んっ・・・ああっ!!ハァ・・・あと・・べっ・・・」
「ハァ・・・宍戸・・・・」
「跡部の・・・熱くて・・・おっきくて・・・・気持ちイイ・・・・」
「言ってくれるじゃねぇか。そう言われると、もっと激しくしたくなっちまうぜ?」
「ふああっ・・・いっ・・・ああっ!!」
「テメェは本当Mだよなあ?痛くされたり、激しく犯されたりすんのが好きなんだろ?」
「そ・・だよ・・・・けど、それは・・・跡部が相手だから・・・だも・・ん・・・」
「そりゃ嬉しいな。だったら、存分にテメェ好みの攻め方してやるよ。」
お互いにその身を繋げ合うと、どちらの口からも嘘偽りのない本音がこぼれ出す。どんな
に恥ずかしいセリフでも、お互いのことで頭がいっぱいな今なら、それはより気持ちよさ
を煽る要素にしかなり得なかった。身も心も大好きな相手でいっぱいになる感覚は、二人
をすぐに到達出来る天国へと導いてゆく。身体と心の奥の奥の部分で、相手の想いを感じ
取った時、二人は熱い蜜をその身から放ち、絶頂という天国へ辿り着くのであった。

身体も心も十分に満たされた宍戸は、兎モードで素っ裸のまま、跡部にべったりくっつい
ていた。
「いつまでくっついてるつもりだ?」
「いつまででもいいだろ。」
「ったく・・・んで、服を着る気は?」
「ない!」
「ああ、そうかよ。つーか、兎モードなのに、少しツンじゃねぇ?」
「そ、そんなことねぇぜ。」
兎モードにしてはあまり素直じゃない宍戸を前に、跡部はそんなことを言う。本当はもっ
と跡部に甘えたいのだが、まだ少し恥ずかしくて宍戸は中途半端な態度になってしまって
いるのだ。
「跡部・・・・」
「ん?何だ?」
「あのな・・・跡部にもっとぎゅうっとして欲しいんだけど・・・・」
跡部にそのことを指摘され、宍戸はもっと素直に言ってみようと意識し、そんなことを言
う。それを聞いて、跡部は宍戸をぎゅっと抱いてふっと笑った。
「やっぱ、兎モードのテメェは可愛いな。まあ、虎モードのテメェも大好きだけどよ。」
「俺も・・・跡部のこと・・・好き。」
「昼間は大ッキライって言ってなかったか?」
「あの時は虎モードだったじゃねぇか。虎モードの時のキライは好きって意味なんだよ。」
「へぇ、なるほどな。そりゃ覚えとかねぇと。」
「兎モードはそのままだけどな。」
「じゃあ、もう一回言えよ。俺のこと好きって。今は兎モードだからそのまま言ってくれ
るんだろ?」
その言葉は何度でも聞きたいと、跡部は宍戸にそんなことを頼む。少し恥ずかしいなあと
思いつつ、宍戸はむぎゅっと跡部に抱きついて、もう一度その言葉を口にした。
「跡部、大好きだぜ。」
照れながらもハッキリと言ってくれる宍戸を跡部は心から愛しく想う。その想いを少しで
も行動で表そうと、跡部は宍戸の顔を上げさせた。
「俺もテメェのこと、愛してるぜ。」
「んむっ・・・・」
笑顔でそう囁いてやると、跡部は宍戸の唇にちゅっと優しくキスをする。それが嬉しくて、
しかし、恥ずかしくもあって、宍戸は顔を真っ赤にしながら、口をぱくぱくさせた。
「明日もたくさんいろんなことしような、宍戸。」
「お、おう・・・」
昼間ケンカしていたことなどすっかり忘れ、二人は明日の約束をする。森を出たところに
ある人族と獣族が住む家では、甘い空気がいつまでも漂っているのであった。

                     to be continued

戻る