Various races World 
〜第6話〜

さわやかな夜風が吹く原っぱで、リーンリーンと澄んだ鳴き声が響いている。そんな鳴き
声につられて、森の方から一匹のカナリアがやってくる。
「侑士。」
「ああ、岳人。こんな時間にどないしたん?」
「んー、何か綺麗な声が聞こえたから。」
「声って言うても、翅の音なんやけどな。声やったら、今のモードの岳人も相当イイ声で
歌えるんちゃうの?」
「まあな。けど、こんな夜遅くには歌わねぇよ。ま、どうしてもっつーんなら、聞かせて
やってもいいけど?」
妖しげな笑みを浮かべて、岳人はずいっと忍足の顔に自分の顔を近づけた。岳人の顔が目
の前にあることに、ドキッとする忍足であったが、その胸の高鳴りは嫌なものではない。
むしろ、もっといろいろなことをして欲しいというような、イケナイ欲求を呼び起させる。
「歌う言うても、普通に歌を歌うわけやないんやろ?」
「分かってんじゃん。俺ももっと侑士の鳴き声聞きたいんだけど。」
「翅を擦り合わせて出る音やなくて?」
「それも悪くはないけど、やっぱコッチの口から出る声が聞きたい。」
忍足の唇に人差し指を当て、岳人はそんなことを言う。その言葉の意図するところを忍足
はしっかり理解していた。
「せやったら、することは一つやな。俺も岳人の歌うの聞きたいし。」
「だな。」
お互いに顔を見合わせ笑い合うと、二人は真っ暗な野原にその身を沈ませる。静かな野原
の真ん中で、カナリアモードの岳人とコオロギモードの忍足は、ゆっくりと唇を重ね合わ
せた。

「んっ・・・ぅ・・ふっ・・ああ・・・」
「まだ、ちょっとしか触ってないぜ。それなのにもうこんなになって。」
むき出しになっている忍足の熱を岳人はゆるゆると左手で擦っていた。それほど激しい刺
激を与えているわけではないが、忍足のそれはもうトロトロと蜜を溢し始めている。
「な、なあ・・・岳人っ・・・もうちょっと・・・ちゃんと・・・・」
「えっ、何?聞こえない。」
バッチリ聞こえているのだが、岳人はあえて聞こえないフリをして、つーっと指先で熱の
形をなぞる。もどかしい程の緩やかな刺激に、忍足はもやもやとした切なさを腰のあたり
に溜め込んでいく。
「ハァ・・・も・・・やっ・・岳人ぉ・・・・」
「嫌?じゃあ、やめてやろうか?」
忍足の反応が可愛くて、岳人はわざと焦らそうとする。中途半端に高められた状態で、何
の刺激もなくなり、忍足の熱はもっとハッキリとした刺激が欲しいと小さく震える。
「ダメっ・・・岳人・・・触って・・・もっと、ちゃんと触ってっ・・・」
「侑士は、ココをそんなに触って欲しいのかよ?」
「んっ・・・触って欲し・・・・」
「こんな場所で、こんなとこ触って欲しいなんて、侑士ってば超エロい。触らなくてもト
ロトロだし。」
ニヤリと笑いながらそんなことを言う岳人の言葉に、忍足はゾクゾクしてしまう。そんな
状態で、高まった熱をぎゅっと握られ、忍足はビクンとその身を震わせた。
「ん・・あっ・・・!!」
「すぐにイカないって約束するなら、たくさん触ってやってもいいぜ。」
「そ・・んな・・・」
「どうする?約束出来ないなら、触らないで放置だけど?」
このままの状態で、放っておかれるのは耐えられないと忍足は岳人の言葉に頷く。
「する・・・するから・・・・」
「じゃあ、約束破ったら罰ゲームな。」
ちゃんと触ってしまえば、忍足がそれほどもたないということを岳人は初めから分かって
いた。分かっている上で、そんな約束をさせ、事に及ぶ。しっかりと握って二度三度擦っ
てやるだけで、忍足は先程とは比べものにならないような大きな反応を見せた。
「ひあっ・・・ああっ・・・!!」
「あと、三分くらい耐えられたら罰ゲームはなしだけど、どうだろうなあ?侑士。」
「ひぅ・・んっ・・あっ・・・」
「ま、無理だとは思うけど。」
必死で堪えようとする忍足だが、堪えようとすればするほど、余計に感じてしまう。もう
我慢出来ないと思った瞬間、岳人が爪の先でぐりっと先端を擦った。
「くっ・・んんっ・・・・あっ・・ああぁ―――っ!!」
突然の大きな刺激に忍足は、堪えていたはずの真っ白な蜜を放ってしまう。堪えていた分
だけ感じられる快感は大きなものになり、忍足は全てを出し切ると、ぼんやりとしながら、
呼吸を乱していた。
「あーあ、出しちゃった。」
「あんなん・・・我慢出来るわけ・・ないやん・・・」
「じゃあ、罰ゲーム決定だな。」
「・・・ああ。」
なかなか不合理な約束ではあったが、約束は約束だ。もうどうにでもなれという感じで、
忍足は岳人の言葉に頷く。
「罰ゲームって・・・何・・・?」
「んー、そうだな、ここから先に進むためのことは侑士が全部自発的にして、どうしても
俺にして欲しいことがあったら、ちゃんと口で言ってお願いするってのにしようかなあ。」
「っ!!」
「俺にしては、優しい罰ゲームだろ?」
「うっ・・・それ、ホンマにせな・・・アカンの・・・?」
「だって、罰ゲームだし。」
「うう・・・」
どこが優しい罰ゲームなんだと思いつつも、一度約束してしまったものは仕方ない。意を
決して、忍足はその罰ゲームを受け入れた。
「な、なら・・・岳人・・・・」
「何?」
忍足が自分でするのを見るのも、自分におねだりしてくるのも、どっちもオイシイと岳人
は嬉しそうに笑いながら、忍足の言葉に答える。
「慣らすんは・・・自分じゃ出来へんから・・・・岳人がして・・・?」
そう言いながら忍足は自ら足を開き、普段は隠されている秘部を岳人にさらけ出した。そ
の緊張と興奮からか、忍足の蕾は岳人を誘うようにひくひくとしている。
「ココ、慣らして欲しいんだ。」
「・・・うん。」
「どうして?」
「が、岳人のを・・・入れて欲しい・・から・・・・」
思った以上に素直に言葉を返してくれる忍足に、岳人はきゅーんとしてしまう。羞恥心を
紛らわすためなのか、忍足は背中に生えている翅を擦り合わせ、コオロギの奏でる美しい
音色を放っていた。そんな音にも酔いしれながら、岳人はぴちゃりと自分の指を舐めると、
忍足の可愛らしい蕾にそれを滑り込ませる。
「ふあっ・・あぁんっ!!」
「入れて欲しくなったら、ちゃんと言うんだぜ。言わないとずっと指で弄るだけだからな。」
「そんなん・・嫌・・やぁ・・・・」
「だったら、分かるだろ?」
内側に埋め込んだ指で入口と中を解しながら、岳人は言葉で忍足のことを責める。カナリ
アモードの岳人は、ヒバリモードの時よりも饒舌になり、その内容もかなり激しいものに
なる。しかし、忍足にとってそれはより興奮を煽る要素になっていた。
「ひあっ・・・はっ・・・ああっ・・・・」
「何か指だけでイっちゃいそうじゃん。」
「ハァ・・・あっ・・・岳人・・・あんっ・・・」
「一回イカせてやろうか?それとも、俺のを入れてからイキたい?」
忍足の反応を見ながら、岳人は耳元で妖しく囁く。それだけでももう忍足にとっては、達
してしまいそうな刺激になった。
「・・・ぃ・・・」
「えっ?何?もっとハッキリ言って、侑士。」
「も・・・イキた・・ぃ・・・イカ・・せて・・・岳人。」
呼吸を乱しながら、涙声でそんな言葉を紡ぐ忍足に、岳人はドキンとしてしまう。
「だったら、この辺りを弄れば一発だよな?」
「ひあっ・・・ああぁんッ・・・・!!」
忍足の弱いところを擦ってやれば、熱い雫が高まった熱から放たれる。しばらく岳人にし
がみついて、その余韻に浸っていた忍足だが、ある程度呼吸が整うとその手を緩める。
「ハァ・・・岳人、もう・・・慣らすのは、ええで・・・」
「へっ?お、おう。」
忍足の可愛さに思わず見惚れてしまっていた岳人は、声をかけられてハッと我に返る。忍
足の中から指を抜くと、岳人は忍足に覆い被さっていた体を起こした。
「ここからは・・・ちゃんと・・・自分でするから・・・・」
そう言うと、忍足は重い体を起こし、岳人を押し倒した。そして、岳人の腰のあたりを跨
ぐように膝をつき、大きく息を吸う。
「ハァ・・・」
次に起こることを期待して、岳人の心臓はうるさいくらいに高鳴っていた。忍足の方に目
をやれば、その表情は暗闇の中でも分かるくらい赤く染まり、眩暈がしそうなほどの艶や
かさを含んでいた。
「岳人・・・」
「早く来いよ、侑士。」
岳人に誘われ、忍足はゆっくりと腰を落とす。熱い熱の棒で蕾を押し開かれる感覚は何度
味わっても慣れないが、その感覚が忍足は好きだった。岳人が自分の中に入ってくる。そ
う思うと、ぞくぞくと腰の中心から背筋にかけて電気が流れるように痺れた。
「あっ・・・あああぁ――っ!!」
「そんながっつかなくても、俺は逃げないぜ。」
「別に・・・そんなつもり・・・あらへんっ・・!」
「けど、侑士のココ、超俺の咥えこんでる。」
ニヤッと笑いながら、岳人繋がっている部分をなぞる。そんな小さな刺激にも忍足はビク
っと体を震わせて反応する。
「ひっ・・あんっ・・・!!」
「侑士のココ、こーんなに広がって、すげぇやらしい。」
「あっ・・・やぁ・・・がく・・・っ・・・・」
「なあ、もっと激しく動けよ。その方が俺も侑士も気持ちイイし。」
「ん・・・でも・・・そないなことしたら・・・・」
「嫌なのかよ?」
「嫌やない・・けど・・・動いたら・・・止まりなくなりそうで・・・」
「いいじゃん。俺は大歓迎。」
そう言われてしまったら、動かないわけにはいかない。くっと唇を軽く噛むと、忍足は上
下に腰を揺らし始めた。せっかく結んだ唇も、あまりの快感に耐えきれず、すぐに離れ、
甘い喘ぎ声が漏れ始める。
「あっ・・・ひあっ・・あ・・・・あぁんっ・・・」
「最高。侑士ん中、超気持ちイイし、乱れてるその顔もすげぇ俺好み。」
「ふあっ・・・岳人っ・・・・あっ・・・ああ・・・」
「侑士だけ動いてんのは不公平だから、俺も手伝ってやるよ。」
「ひあっ・・・んんっ!!」
少々息を乱しながら、岳人は倒れていた体を起こす。その衝撃で、岳人のモノが奥に入り、
忍足は一際大きな声を上げる。その瞬間、きゅうっと締まる蕾が岳人により大きな快感を
与えた。
「侑士は胸も弱いからな。ココも弄ってやったらもっと気持ちよくなれるだろ?」
「やっ・・・あぁんっ・・・そこはっ・・・・」
忍足の身体をぎゅっと抱きしめながら、ぷっくりと立ち上がった胸の飾りを岳人は食む。
内側を擦られる快感と胸の突起を弄られる刺激があいまって、忍足はもう頭の中がとろけ
てしまいそうな程の快感を感じていた。
「ハァ・・・あっ・・・がく・・・とぉ・・・」
「ん?」
「も・・・気持ちよすぎて・・・アカン・・・」
「俺もすげぇ気持ちイイぜ。」
「もぅ・・・イキそ・・やから・・・・だから・・・」
「うん。」
「俺ん中に・・・いっぱい岳人のミルク・・・ちょうだい・・・・」
切羽詰まったような声でそんなことを言われれば、余裕もなくなってしまう。
「そ、それは、反則だろ・・・侑士。」
「えっ・・・?」
「いいぜ、存分に侑士の中に俺の熱いミルクを注いでやるよ。」
少し動揺したような態度を見せた岳人だったが、すぐに持ち直し、ふっと笑ってそんなこ
とを言う。最後の一突きくらいはこちらでしてやろうと、岳人は思いきり忍足の中を突き
上げた。
「ひあっ・・・あああぁ――っ!!」
「・・・・くっ・・・んっ!!」
自分の望み通りに内側に熱い雫が注がれるのを感じ、忍足は恍惚とした様子でその快感を
享受する。岳人も忍足の中の熱さを感じながら、絶頂の後の何とも言えない心地よさにし
ばらく何も言わずに浸っていた。

事が終わるとやはり体の汚れが気になるもので、二人は近くの川に水浴びに行く。夜の川
は冷たいものであるが、先程の熱を冷ますにはちょうどよい温度に感じられた。
「んー、気持ちいいー。夜の水浴びもたまにはいいもんだな!」
「ちょっと冷たすぎる気もするけどな。」
「侑士、翅とか濡れちゃって大丈夫なのか?俺は鳥のだから平気だけど。」
「ああ、別に問題ないで。虫の翅ってのも、結構丈夫に出来てるんやで。こっちのモード
だと、水辺には強いしな。」
「へぇ、そうなんだ。俺、虫族の翅は雨とか水に弱いかと思ってた。」
パシャパシャと体を流しながら、岳人は感心したようにそんなことを言う。そのままふと
忍足に目をやると、黒い翅の下にある透明な薄い翅が、水に濡れ、ひどくキラキラと輝い
て見えた。
「何か、綺麗だな。」
「は?何が?」
「侑士のその翅。透明でキラキラしてて、すっげぇ綺麗。」
「そ、そうか?コオロギの翅なんてそんな綺麗なもんでもないと思うけど・・・・」
蝶の翅などであれば、綺麗という形容詞はふさわしいものであるが、まさか自分の翅を綺
麗だと言ってもらえるとは思わなかったので、忍足はドギマギしてしまう。
「そんなことないぜ。侑士の翅、マジ綺麗だって。」
「あ、ありがとう・・・・」
自分ではそう思っていなくとも、やはり自分の体の一部を褒められるのは嬉しいもので、
忍足は照れながら岳人にお礼を言う。そんな照れた顔も可愛いと岳人はぴょんっと跳ねな
がら、忍足に抱きつく。
「わっ、ちょっ・・・岳人っ!」
「侑士、超可愛いーvv」
「はっ!?何で今そうなるんっ!?」
「何か今の顔、超萌えだった!」
「何、意味の分からんこと言うとんねん!!ちょ、離れ・・・」
「へっ・・・?」
バシャーンッ!!
いきなり抱きつかれ、バランスを崩してしまった忍足は岳人も道連れに川に中へと倒れた。
どちらも頭から足先までビショビショになり、起き上がってもポタポタと水を滴らせる。
「ぶはっ、うわあ、超濡れた・・・」
「岳人がいきなり飛びついてきたりするからやろ!」
「あはは、ゴメンな侑士。でも、素っ裸でよかったよな。服が濡れずに済んだ。」
「そういう問題やないやろ。全く・・・」
眼鏡を外しながら、ぶすっとしたような顔をしている忍足を見て、さすがに岳人も悪かっ
たなあと感じる。何とか機嫌を直してもらおうと、岳人は忍足を後ろから抱きしめ、心か
ら謝った。
「本当にゴメン、侑士。」
急に真面目に謝ってくる岳人に忍足はドキっとしてしまう。
「べ、別にそんなに怒ってへんし・・・そないに真面目に謝られても・・・・」
「本当?」
「ああ。」
「よかった。じゃあ、仲直りのちゅうな!」
忍足があまり怒っていないということが分かると、岳人はひょいっと忍足の前に回り、唇
が触れるだけの軽い口づけを忍足にする。
「なっ・・・岳人っ!!」
「よーし、体も綺麗になったし、そろそろ上がるか!」
「だから、勝手に話を進めるなあ!!」
「あんまり浸かってっと、風邪引くぜ、侑士。ま、風邪引いたら俺が心を込めて看病して
やるけどー。」
どこまでもマイペースな岳人に振り回されつつも、それが楽しいと思ってしまう。ふっと
苦笑すると、岳人を追いかけるように忍足も川から上がった。
「全く、ホンマに岳人には敵わんわ。」
「へっ?何か言ったか?」
「別に何でもあらへんよ。」
変なのーと首を傾げながら、岳人は濡れた体を拭き、服を着る。明日も岳人と一緒に居れ
ばこんな楽しい思いが出来るのだなあと思いながら、忍足も風邪を引かないうちにと、乾
いたまっさらな服を着るのであった。

                     to be continued

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