Happiness of Christmas 3

早くもっとラブラブなことをしたいと岳人はいつもより速いスピードでシャワーを浴びる。
もちろん時間短縮のため、忍足も一緒だ。シャワーからあがると岳人はさっき来ていたサ
ンタの服で身を包む。
「岳人、何でまたその格好するん?」
「今日はクリスマス・イブじゃん。だから、この服なの。」
「何やそれ?まあ、似合うからええけど。」
「だろー?ほら、侑士。早くベッドのある部屋行こうぜ。」
これからのことが楽しみーと言わんばかりに岳人は忍足の手を引いて、寝室まで連れてい
く。忍足からすればこの後やることは一つしかないので、内心ドキドキしてしかたがなか
った。だが、嫌ではない。むしろ楽しみなので小さく息をついた後、岳人に分からないく
らいの微笑みを浮かべた。
「あっ、あっちの電気とか消してきたっけ?」
「どやったかな?たぶんつけっぱなしやったと思うけど。」
「もったないから俺消してくるね。」
部屋に入った瞬間、岳人はさっき夕食を取った部屋の電気がつけっぱなしだったというこ
とに気がついて、それを消しに向かった。一足先に忍足はベッドに座る。そして、さっき
岳人からもらったプレゼントをそっと出して、もう一度まじまじと見つめた。本当にどち
らも自分好みのもので嬉しくなってしまう。手触りのよいうぐいす色のストールをぎゅっ
と抱きしめると岳人に抱かれているような暖かさを感じ、忍足はほっとするような心地よ
さを覚えた。思わず溜め息が漏れてしまう。
「侑士、消してきたよー。って、何やってんの?」
「えっ!?あっ、別に何でもあらへんよ!!」
いきなり岳人が帰ってくるので、忍足は驚いて慌てた素振りを見せる。何をそんなに慌て
ているのかと岳人は首を傾げ、不思議そうな顔をする。自分もベッドに乗ろうと忍足に近
づくと、忍足の手にはしっかりと自分のあげたストールが握られていた。
「そのストール、そんなに気に入ってくれたんだ。」
「・・・・岳人のくれたもんやから。」
「嬉しいぜ、侑士。」
見られたことが恥ずかしかったのか、忍足はほのかに頬を染めながらうつむいている。う
ぐいすのストールが忍足の腕の中に収められているのを見て、岳人は嬉しそうに笑った。
「なあ、侑士。そのストール抱きしめてるのもいいけどさ、俺は侑士を抱きしめたいな。」
「岳人・・・。」
「だからさ、そのストールはちょっと横に置いておいて、今は俺だけ見て。」
こくんと忍足は頷く。持っていたストールを丁寧に袋にしまって、岳人に視線を移した。
「サンキュー。ところでさ、今日はどんなふうにしようか?」
「どんなふうにって・・・。別に俺はいつも通りでええよ。」
「えー、それじゃつまんないじゃん!!そうだ!!今日は侑士自分で服脱いでよ。」
「はあ!?そんなん・・・恥ずかしい。出来へん・・・。」
真っ赤になってしまう忍足は、これ以上なく乙女チックだ。だが、そんな忍足の反応が岳
人の攻心を無駄に刺激してしまう。すっと顔を忍足の耳元に寄せ、いつもより低いトーン
で囁く。
「今日はクリスマスだぜ侑士。サービスしてくれてもいいだろ?」
「っ!!」
そんなことを言われてしまっては、何も言い返せなくなってしまう。
「じゃあ・・・少しの間後ろ向いてて?」
「やだ。侑士が自分で脱いでるとこ見るのがいいんじゃん。」
「・・・・意地悪。」
わがままなサンタクロースに振り回され、忍足は涙目になってしまうが岳人のことはやっ
ぱり好き。言うことは素直に聞いてしまう。震える手でボタンを一つずつ外し、まずはパ
ジャマの上着を脱いだ。
「下もだよ、侑士。」
「そんな・・・・嫌や。」
「お願い侑士。」
「うっ・・・・」
今度は上目づかいでお願いだ。忍足は岳人のこの表情に弱い。仕方なく下も自ら脱いで、
隠したい部分を布団で隠そうとする。だが、それは岳人の手によって止められた。
「隠すなよ。最高だぜ侑士。すげぇキレイ。」
「・・・岳人は脱がへんの?」
「えー、せっかくサンタさんの服着てんだから脱いじゃうの勿体ないじゃん。だから、も
う少しこのままでいる。」
「そんなんずるいやん。何で俺だけ脱がなアカンの?」
「侑士は可愛いからいいの。ほら、メガネも外すよ。」
唯一身につけていたメガネも岳人によって外されてしまう。これで本当に忍足が身につけ
ているものは何もなくなってしまった。岳人は脱がないのは不公平だと思いながらも何故
だか文句を言う気にはならない。
「何かすごーい。マジ侑士がそのままプレゼントって感じだぜ。」
「そないなこと言ってないで、始めるんやったら早く・・・始めよ?」
「そうだな。」
こんな格好でずっと置いておかれるのは耐えられない、だったらさっさと始めてしまって
欲しいと忍足はそのことを岳人に伝えた。岳人は笑いながら忍足にキスをして始める。忍
足の目に映るのはとにかく明るい赤だけだった。

「ふっ・・・ぅ・・・や・・ぁ・・・あっ・・・・」
部屋の中には忍足の喘ぎと濡れた音だけが響く。初めから露わになっている忍足の熱を岳
人はさっきから咥え続けている。熱くて気持ちがよくて、忍足の頭はもうほとんど何も考
えられない状態になっていた。
「んっ・・・あ・・・・岳人っ・・・・」
いくら声を上げても岳人は軽く上を向き、忍足の反応を見るだけで決してそれを離そうと
はしない。ちゅっと音を立てて吸ってやると忍足の足はぶるっと震える。
「はあぁ・・・嫌ぁ・・・あっ・・・んん・・・・」
「侑士のここ、すげぇうまいぜ。何でだろうな?」
「もう・・・離してぇ・・・・あぁ・・・」
「やだよ。まだ全然足りないもん。」
そう言ってまたピチャっと唇を寄せ、しっかりと咥える。根元まで咥えられ、舐められ、
強く吸われて忍足はもう限界に近かった。だが、岳人はそう簡単にはイカせてはくれない。
「あっ・・・!?」
そのことに気がつき、忍足は焦る。岳人は悪戯に笑いながらその行為を続けた。話すこと
もせずにただただ忍足を追いつめる。
「が・・くとっ・・・離し・・・て・・・」
堪えられない程の放出感を感じるのに、それを解消することが出来ない。パッション・ピ
ンクの髪に指を絡め、離そうとするがそれだけの力が入らない。苦しい程の快感に忍足は
もうただ喘ぐしかなかった。
「あっ・・・あぁ・・・うっ・・・んんっ・・・はっ・・・」
「侑士、もう限界?」
さすがにこれはつらすぎるのではないかと岳人はいったん口を離し、忍足に尋ねた。忍足
は首を縦に振る。
「もう・・・無理や・・・・おねが・・・岳人・・・・」
「うん。」
今イカせてあげるからと言う代わりに岳人は頷き、握っていた手を緩める。そして、激し
く上下に擦ると同時に強く吸った。
「あっ・・・がく・・と・・・・出・・るっ・・・」
忍足としては離して欲しかった。だが、岳人は全くもって離そうとはしない。溢れる蜜を
口でしっかりと受け止め、しっかりと飲み込む。それと同時に忍足の嬌声が岳人の耳に響
いた。
「はっ・・・ああ―――っ!!」
着ている服とは対照的な白が岳人の口元から流れる。忍足はそのままシーツの上に倒れこ
んだ。
「やっぱ、うまいよな侑士の。」
「岳人・・・ヒドイで。」
「でも、よかったでしょ?だってほら、ここもこんなに濡れてる。」
「ひっ・・・あっ・・・・ちょっ・・・なっ!?」
まだほとんど触れてもいないのに忍足のそこはもうかなり潤っている。痛みも違和感もほ
とんど感じないその感覚に忍足は再び身を震わせる。
「なんで・・・?・・・こんなん・・・おかしい・・・」
「全然おかしくないよ。俺、侑士のこといっぱい気持ちよくさせてやりたいと思ってこう
いうことしてんだからさ、こんなふうになってることは全然おかしくない。侑士も同じで
しょ?俺にこういうことされて嫌だと思ってないよな?」
「そりゃ・・・そうやけど・・・・でも・・・あっ・・・・」
「すごいね。もう入れられそうだよ?」
「やっ・・・そんな・・・はぁん・・・あぁ・・・」
いつもとは違う自分の身体の変化に忍足は戸惑う。そんな戸惑いをなくしてしまうかのよ
うに岳人は忍足に優しくキスをする。とろけるような甘いキスと下からくる痺れるような
感覚に忍足の理性はもうないに等しかった。このまま岳人に全部任せてしまおう。そんな
ことが頭をよぎる。もう大丈夫だろうと岳人は慣らすのをやめた。そして、真っ赤なズボ
ンのジッパーに手をかけ、忍足の中に入ろうと準備を整える。
「なあ、もう大丈夫だよな?いい?」
「はっ・・・何や岳人も結構キてるやん・・・」
「だって、今日の侑士超色っぽいんだもん。そりゃ俺だって男ですから。」
「俺も・・・男やけど・・・?」
「気にしない、気にしない。」
こんな状況でも二人は笑い合う。忍足は岳人の肩に手をかけ、岳人は忍足の足をしっかり
抱える。そして、そのまま二人は一つに繋がった。
「んっ・・・!あぁ――っ!!」
「くっ・・・!」
思った以上に容易に繋がることが出来、二人は少々驚く。それもとにかく気持ちいい。繋
がった直後にここまで気持ちよくなれるのはなかなかないので、二人はその感覚にしばら
く酔いしれた。
「ハァ・・・すげぇよ侑士・・・。ありえないくらいイイんだけど。」
「俺もや・・・あっ・・・ぅんんっ・・・」
「最高・・・やっぱクリスマスだからかな?」
「そうかもしれへんな・・・・ふっ・・・な・・・岳人・・・」
「ん・・?何?」
忍足もかなりいろんな意味でキていた。ここで忍足は岳人の思ってもみなかったことを口
にする。
「もっと・・・もっと・・・俺のこと攻めて・・・・もっと・・・俺ん中・・・岳人でい
っぱいにして・・・・」
「侑士・・・!?」
意外な忍足の誘うようなセリフに完璧に岳人の理性はぶっ飛んだ。もう気遣う余裕などな
い。いつもより何倍も激しく動くが忍足が感じるのはとにかく気持ちよさのみ。岳人が自
分に与えてくれる快感をあますことなく受け取った。
「あっ・・・ふあっ・・・あぁん・・・がく・・とっ!!」
「侑士っ・・・侑士っ・・・!!」
「岳人・・・ハァ・・・んっ・・・・」
「今日は最高のクリスマス・イブだぜ。侑士、大好き。もっと、ずっと一緒に・・・・」
そこで岳人の言葉は途切れた。だが、忍足には言わなくても岳人の言いたいことは全て分
かる。いつまでもどこまでも一緒だと触れ合う部分教えてくれる。どちらのものか分から
ない熱が繋がっている部分を焦がし、二人は最高のクリスマスプレゼントを与え合った。

いつもの就寝時の格好に戻った二人は、ベッドに座ったまま岳人の入れてきたココアを飲
む。疲れた体にこの甘さと香りが十分な心地よさをもたらした。
「今日は本当よかったよな。」
「せやな。あんな激しかったのに全然体痛くないし。」
「それ、すげぇことだよ!!これってさ、もしかしてサンタさんからのクリスマスプレゼ
ント?」
「岳人、まだサンタさん信じてるんか?」
「まさか。でも、あんなことが起こるんだったらいてもおかしくないかもな。」
無邪気に笑いながら岳人は言う。そう言われるとそうかもしれないなあなどと普段は全く
思わないようなことを忍足も思ってしまう。
「せやな。でもサンタさんが本当にいるとしてもいないとしても、俺は一番大事な人と一
緒に過ごせれば、楽しいクリスマスになると思うで。」
「確かに。俺は侑士さえいればそれでいいよ。たとえサンタさんが来なくても、プレゼン
トがもらえなかったとしても。」
「俺もやで岳人。でも、今年はたくさんプレゼントもらえたし、岳人と一緒に過ごせてる
し、すごく豪華なクリスマスや。」
「たくさんのプレゼント?侑士、俺以外からプレゼントもらったの?」
「いや、もらってないで。」
「えっ?じゃあ、たくさんプレゼントもらったって?」
忍足の言葉の意味が分からず、岳人は首を傾げる。忍足は笑いながら岳人の唇にキスをし
た。岳人は赤くなって固まってしまう。
「今年はありえないくらいたくさんのプレゼントを岳人からもらった。そういう意味やで。」
「侑士・・・。俺も俺も!!俺も今年は侑士からいっぱいクリスマスプレゼントもらった。」
一気に岳人のテンションは高くなった。思いきり忍足に抱きつく。その勢いで二人はベッ
ドに倒れてしまった。
「わっ!!岳人〜、はしゃぎすぎやで。」
「だって、嬉しいんだもん!!侑士、今日はずっと起きてような♪」
「俺、もう眠いんやけど・・・。」
「じゃあ、夢の中でも一緒だ。とにかく今日はもう侑士とずっと一緒だからな。」
「いつも一緒やん。」
「確かにそうだけど、今日は特別なの!!」
岳人のはしゃぎっぷりはいつもの倍以上だ。忍足もあまり外には出してはいないが、気持
ち的には岳人と変わらない。自然に溢れる笑顔がこの部屋を明るくする。空の彼方、どこ
かで鈴の音が鳴り響き、たくさんの幸せが降り注ぐのであった。

                                END.
               跡宍へ     滝鳳へ

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