ひとまず跡部は宍戸の着ている上着を脱がしてしまい、宍戸の下に敷いた。暖房のきいた
この部屋では、そんな格好でも全く寒いとは感じない。
「なあ。」
「どうした?」
「跡部も脱げよ。」
「アーン?せっかくのサンタ服なのに、脱ぐのはもったいねぇだろ。」
「じゃあ、何で俺のは脱がすんだよ?」
納得いかないと宍戸は文句を言う。そんな宍戸に、呆れたような溜め息をつきながら、跡
部は返しの言葉を放った。
「テメェのは脱がさなきゃ何にも出来ねぇだろうが。それとも着衣プレイっぽく、着たま
までしてぇのか?」
「うっ・・・確かに。しかも、着衣プレイはちょっと・・・」
「だろ?でも、まあ、そんなに言うならよ・・・」
そう言いながら、跡部は上着を止めている小さなボタンを全て外す。首から腹のあたりま
で、真っ白なファーが施されている一つのラインが二つに分かれ、その間から跡部のほど
よく締まった裸体が見え隠れする。
「これで少しはマシだろ?」
「お、おう・・・」
ただ胸をはだけさせただけにもかかわらず、ありえないほどの色気を放つ跡部に、宍戸は
ドキドキしてしまう。
(くそー、前開けただけでこんなにドキドキさせられるなんて、何か悔しい・・・)
自分ばかりがドキドキさせられているようで悔しいと、宍戸は何とか自分も跡部のことを
ドキドキさせてやりたいと考える。上半身に雨のようなキスを受けながら、しばらくの間、
宍戸は一生懸命考えた。
「宍戸。」
「んっ・・・何だよ?」
「何、余計なこと考えてんだ?ちゃんと集中しろ。」
「よ、余計なことじゃねぇよ!!それに、集中しろって何だよ・・・ったく。」
ぶつぶつと文句を言いつつも、宍戸は跡部のすることにちゃんと反応している。弱いとこ
ろに触れられれば、ピクッと身体を震わせ、小さな突起を口に含まれれば、甘い声を上げ
る。それはもう、意識的には止められない反応なのだ。
(う〜、気持ちよくて頭回んねぇー。何かねぇか、何か・・・)
ギリギリの状態で宍戸はパッとあることがひらめいた。跡部をドキドキさせるなんてこと
を、自分で考えることは無理だ。だったら、跡部に好きなようにやらせればいい。これは
名案だと、宍戸は早速それを実行に移そうとする。
「跡部、あ、跡部っ・・・!!」
「アーン?どうした?」
「えっと・・・今日はな、俺、跡部の言うこと全部聞いてやる。どんなこと言われても、
絶対嫌がんねぇ。」
「ほぅ、何だよ急に?何か裏でもあんのか?」
普段なら絶対そんなことを言わない宍戸が、こんなことを言っているのだ。跡部が疑わな
いはずがない。しかし、宍戸はその問いをうまい具合にかわした。
「きょ、今日はクリスマス・イブだからよ。こんな日くらい、いつもと違うことしてもい
いかなあと思って・・・」
「なるほどな。だったら、存分に楽しませてもらうぜ。覚悟しろよ?宍戸。」
「お、おう・・・」
興奮に満ちた跡部の目に多少の恐怖を感じながらも、宍戸は何とか頷いてみせた。自分で
一度決めたことなのだから、どんなことを言われても絶対にひるまないと心の中で決意す
ると、跡部の顔をしっかり見据える。
「それじゃあ、ひとまず・・・」
「ひとまず・・・?」
「下に着てるもん全部脱げよ。あっ、でも、帽子と靴下は脱ぐんじゃねぇぞ。」
「分かった。」
ちょっとマニアックな部分はあるが、それほどキツイ要求ではないと、宍戸は何の躊躇い
もなしに下に着ていたものを脱いだ。帽子と靴下だけ身につけているという格好で、宍戸
はペタンとベッドに座る。
「いい格好じゃねぇか。なかなか萌えるぜ。」
「変態。」
「アーン?聞き捨てならねぇな。テメェが何でもするって言ったんだぜ。」
「だから、ちゃんとしただろ。で、次はどうすんだよ?」
「そうだな・・・俺のを口でしながら、自分のをしごいてみせろ。ただし、俺がイクまで
はイクんじゃねぇぞ。」
(いきなりレベルが上がってるじゃねぇか!!うー、でもまだ、それくらいなら・・・)
先程の要求より一気にレベルが上がったが、これくらいならまだ平気だと宍戸は四つん這
いになって、跡部の足の間に顔を埋める。ズボンの中から跡部の熱を外に出すと、何度か
手で擦り、より口に咥えやすいような形にした。
「本当に嫌がんねぇんだな。」
「だから、言ったじゃねぇか。俺は自分が言ったことはちゃんと守る主義だからな。」
そう言うと宍戸はパクッと跡部のモノを咥え、右手を自分の熱へと伸ばす。舌でつぅっと
根元から先端を舐め上げ、先まで来るとちゅっとその中心を吸ってやる。その動きに合わ
せ、自分のものにも指を使って似たような刺激を与える。そんな宍戸の行動をじっくりと
眺め、跡部はいつもとは違う興奮を感じる。
(これは思った以上にクるな。まさか、宍戸があんなこと言ってくるなんて、予想外だっ
たぜ。)
そんな予想外のことに、跡部の鼓動はドクンドクンと速くなる。頭を動かし、上下に刺激
を与えるようにすれば、宍戸自身を弄る手もそのような動きになる。それを見ながら跡部
は、宍戸は自分と全く同じ快感を感じているのではないかという錯覚を起こす。
「宍戸・・・テメェ、それはわざとなのか?」
「ふはっ・・・何が・・・?」
「俺にしてる動きと、テメェがテメェのを弄ってる動きが一緒のように見えるんだが。」
「さあ?無意識じゃねぇ?てか、口と手じゃだいぶ感覚違うだろうし。」
「そうか・・・」
「でも、跡部のしながらやってると、一人で自分でするときとは比べ物にならねぇほど、
気持ちイイぜ。」
恥ずかしそうに笑いながらそんなことを言う宍戸に、跡部の顔はかあっと赤くなる。まさ
か、そんな反応をされるとは思っていなかったので、宍戸の顔も真っ赤に染まった。その
恥ずかしさを誤魔化すかのように、宍戸は再び跡部の熱を口に含む。
「くっ・・・ああ・・・」
(な、何で跡部のヤツこんなに感じてんだよっ。うわっ、何か俺まで感じやすくなっちま
う・・・)
「んっ・・・んぐぅ・・・んっ・・ふっ・・・」
恥ずかしさを掻き消すように、宍戸は激しく口を動かし、それと同時に右手も激しく動か
す。どちらの快感ゲージもものすごい勢いで上がってゆき、ほぼ同時にその限界まで昇り
つめた。
「はぁ・・・宍戸っ・・・・」
「んぐっ・・・んっ・・・はっ・・あぁっ!!」
いつもなら口を閉じたままで飲み込むことも出来るのだが、今回は同時に自分もイッてし
まったため、宍戸は思いきり口を開いてしまった。そうすれば、必然的に跡部の放った蜜
は顔全体にかかる。
「ひゃあっ・・・」
「あー、顔にかかっちまったな。」
「うー、飲みたかったのに。」
「だったら、手で拭って舐めればいいじゃねぇか。」
「でも、手・・・」
宍戸は自分の蜜で汚れた手を跡部に差し出す。すると、跡部は躊躇なくその手を取って、
ペロペロと舐め始める。
「あ、跡部・・・?」
「おら、綺麗になったぜ。これでいいだろ。」
跡部の唾液で濡れた手で、宍戸は顔の蜜を掬い取り口へと運ぶ。口の中に広がる苦味のあ
る独特の味に、宍戸は思わずうっとりとしてしまう。
(すげぇ跡部の味・・・苦いけど、美味い・・・)
猫が顔を洗うかのように宍戸は跡部の蜜を夢中になって舐める。その仕草に跡部はドキド
キし、目が離せなくなる。
「宍戸・・・」
「ん?何・・・っ!?」
あまりの宍戸の可愛さに耐えられなくなり、跡部は噛みつくように宍戸の唇にキスをする。
獣のような激しいキスに宍戸は息苦しさも感じるが、舌が絡まる感覚、歯の裏は舐められ
る感覚に、宍戸は言いようもない快感を感じる。
「ん・・・ふぅ・・・んっ・・・んんっ・・・!」
(あー、ヤベ・・・また、勃っちまう・・・)
ヒクヒクと身体を震わせて、宍戸は跡部の上着を掴む。ほんの少しだけ目を開け、跡部の
様子を確認すると、真っ青な瞳が自分の瞳を射抜いていた。
ドクンっ!!
その青い瞳から目が離せなくなり、宍戸は目を閉じることが出来ない。信じられないほど
近距離で目を合わせたままするキスは、たまらなく興奮する。ほんの数十秒のことであっ
たが、宍戸には果てしなく長い時間に感じられた。
「ふあぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「キスしてるときのテメェの顔、最高にエロいぜ。」
「・・んで、目開けてんだよ。」
「テメェだって、途中から開けてたじゃねぇか。」
「そ、そうだけどよ・・・・」
途中から目が離せなくなってしまったのは、事実なので、宍戸は恥ずかしがりながらうつ
むく。そんな宍戸をもっと虐めてやろうと、跡部は枕の下から小さな箱を出した。その箱
は透明なガラスで出来ていて、中には赤と緑の何かの実のようなものが入っている。
「宍戸、足開いて膝を抱えろ。」
「へっ・・・?」
「何でもすんだろ?」
「お、おう・・・」
多少の羞恥心を感じながらも、宍戸は跡部に言われた通りのポーズをとる。跡部に秘部も
再び勃ち上がり始めている熱も全てさらけだしているような格好になり、宍戸は興奮と緊
張で全身の血が沸き立つような気分になる。
「いい格好だぜ。全部丸見えだ。」
「こんな格好させて、どうすんだよ・・・?」
「これを使って、テメェの蕾に蜜をたっぷり入れてやろうと思ってな。」
そう言って、跡部はガラスの箱から真っ赤な実を出し、ちゅっとそれに口づける。直径が
3cmほどのその実は、箱の中に4つも5つも入っている。
「まさか、それ・・・入れんのか?」
「ああ。もちろんだ。」
「結構デカくねぇ・・・?」
「テメェのココは、俺様のをいつも咥えてんだぜ?これくらいどうってことねぇだろ。」
それとこれとは話が別だろうと思いながらも、宍戸は嫌だという言葉は発しなかった。こ
れからされることに多少の不安を感じつつ、宍戸はゆっくりと息を吐き、跡部の顔を見る。
「その顔は入れてもいいって、顔だよな?」
「跡部がそうしてぇなら・・・・」
「フッ、本当今日のテメェは最高だぜ?」
赤い実をぺロリと舐め、十分に濡らすと、跡部はそれを宍戸の秘部に押し当て、ぐいっと
中へ無理やり埋め込む。ある程度の固さを持ったそれは宍戸の蕾を抉じ開けながら、その
内側へと姿を消した。
「ひぅっ・・・いっ・・・ぁ・・・」
「結構簡単に入っちまうもんだな。それじゃ2個目行くぜ?」
今度は緑色の実を手にとって、大きな実を1つ咥え込んでヒクヒクとしている蕾に押し当
てる。1つ目の実をさらに奥へと押しやるようにして、2つ目の実も宍戸の中に入ってい
った。
「うあぁっ・・・あっ・・・キツ・・・」
「まだまだ入れるぜ。テメェの中を蜜でいっぱいにしてやるんだからな。少なくともこの
箱に入ってるくらいはここの口で食ってもらわねぇと。」
足ががくがくと震えてきていることなどおかまいなしに、跡部は箱に残っている実を次か
ら次へと宍戸の中に入れてゆく。4つ目が入った時点で、宍戸の身体はその圧迫感と異物
感で悲鳴を上げ始めていた。
「よし、最後の1個だぜ。」
「は・・・あ・・とべっ・・・もう入らな・・・」
「アーン?何言ってやがる。入らねぇなんてことはねぇ。」
既に4つ入っている実をさらに押し上げるかのように、跡部は5つ目の実をぐいっと押し
込む。
「くっ・・・ひぃ・・・・!!」
「ほーら、入ったじゃねぇか。」
「あ・・あっ・・・あぅ・・・・」
奥の奥まで大きな玉が入っている感覚に、宍戸は苦しさとともに何とも形容し難い快感を
覚える。その証拠に、何も触れられていないにも関わらず、茎の先から大量の先走りの液
が滴っていた。
「あと5秒ってとこか。」
「な、何がっ・・・?」
「その中の実が破裂するまで。」
ニヤリと笑いながら跡部は言う。それを聞いて、宍戸の心臓はドクンと高鳴った。そして、
次の瞬間・・・
プチュッ・・・・・プチュッ!!
「ひあぁぁぁ――っ!!」
宍戸の中で、入れられていた実が破裂し始める。きゅうきゅうと収縮する宍戸の壁の圧力
を受け、弾ける仕組みになっているらしい。入れられた時間にズレがあるので、1つが破
裂してから、しばらく経って、より入り口に近い実が破裂する。破裂するときの衝撃は、
なかなかのもので、宍戸の敏感な内壁を容赦なく刺激した。
「あっ・・・あはっ・・・ひっ・・・あぁんっ!!」
1つ実が弾けるたび、宍戸は甲高い声を上げる。最後の1個が弾けた瞬間、宍戸はビクビ
クと身体を震わせ、茎の先から真っ白な蜜を放った。
「くっ・・ああぁぁんっ!!」
そんな宍戸の姿を見て、跡部はゾクゾクとした快感を覚える。このまま今すぐにでも、挿
れてしまいたいという衝動に駆られたが、それでは楽しみが減ってしまうとここは何とか
堪えた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「実が弾ける刺激だけでイッちまうなんて、淫乱な身体だな。」
「ウルセーっ・・・仕方ねぇだろ!!」
「で、どうよ?中の感じは。かなりイイ感じになってんだろ?」
そう問われれば、嫌でも中がどのような状態になっているかを意識してしまう。あの大き
い実の中身は全て蜜だったようで、宍戸の内側はトロトロした蜜でいっぱいになっていた。
「何か・・・すげぇ濡れてるって感じ。少し隙間があれば、溢れちまいそうなくらいトロ
トロしたのでいっぱいになってる・・・・」
「それならもう俺様のを挿れたって平気だろうな。」
「・・・たぶん、平気だと思う。」
素直にそう言う宍戸に跡部はどうしようもなく嬉しくなる。実際にトロトロと蜜が溢れ出
している蕾を眺め、そんな刺激でそそり立った自分のモノを宍戸の前に呈する。それを見
て、宍戸はドキッとする。
「何でもうそんなになってんだよ・・・?」
「さっきのテメェ見てたらこうなるに決まってんだろ。」
「・・・で、もう挿れんのか?」
「ああ。だが、俺は挿れねぇ。テメェがここに来て、足を跨いで自分で入れろ。」
また無茶苦茶な要求をしてくるなあと思いつつ、宍戸はベッドに膝をついて、ゆっくりと
跡部のもとへ行く。そして、跡部の足を跨ぐと、くっと腰を上げた。そのはずみに、中の
蜜が太腿を滴り落ちる。
「う〜・・・何か変な感じ・・・」
「だったら、さっさと塞いじまえ。俺の挿れたら、そんなふうには流れ出ないぜ。」
そう言われて、宍戸はゆっくりと腰を落としてゆく。濡れた蕾に跡部の茎が触れ、その蕾
を押し広げるようにして中へと入ってゆく。じゅぶじゅぶと濡れた音が響き、繋がり合う
感覚に宍戸は身を震わせた。
「ああ・・・すごっ・・・どんどん入ってく・・・」
「テメェの中の蜜、すげぇ熱くなってるぜ。ヌルヌルのトロトロで俺のが溶かされちまい
そうだ。」
宍戸の中の熱さに恍惚としながら跡部は呟く。そうこうしているうちに宍戸の腰はかなり
下まで下がっていた。
じゅぷっ・・・
「ひぁ・・んっ・・・ぜ、全部・・・入った・・・・」
「ああ・・・そうだな。」
「ただ入ってるだけなのに・・・すげぇ・・気持ちイイ・・・」
「だったら、動けよ。そしたら、もっと気持ちよくなれるぜ?」
「う・・うぅ・・・・」
跡部の首に腕を回し、宍戸は上下に腰を動かし始める。蜜で満たされている内側を跡部の
熱で擦られるのは、どうしようもないほど気持ちがよく、嫌でも声が漏れてしまう。
「あっ・・あ・・・んぁ・・・あふっ・・・・」
「ああ・・・ヤベェ。マジよすぎだ。」
「動くたびに・・・蜜が・・・出ちゃ・・・・」
「ああ。突くたびにこんなに蜜が溢れてくるなんて、まるで女みてぇだな。」
「俺は・・・女なんかじゃ・・・ね・・・」
「んなことは分かってんだよ。女にはこんなもんついてねぇもんなぁ?」
中を擦られる刺激ですっかり固くなっている熱を掴まれ、宍戸はビクンっと反応する。
「ひあっ・・・んっ・・・そんなとこ・・・触・・・っ」
「触って欲しいって?今日は俺のしたいようにさせてくれんだろ?」
「はぁっ・・・ぅ・・んんっ・・・」
そういえばそんなことも言ったと、宍戸は嫌がることをさせてもらえない。宍戸が文句を
言わないのをいいことに、跡部は宍戸の熱を思うままに弄り回した。
「くっ・・はぁ・・・んっ・・・・跡部ぇ・・・」
「こっちもビクビクいってるぜ。後ろの方もきゅうきゅう締まってるし。」
「そんなに・・・弄られたら・・・イッちゃう・・・」
「安心しろ。俺がイクのと同時にイカせてやるからよ。早くイキてぇんだったら、もっと
激しく動いてみせろ。」
茎全体を擦ったり、先端をぐりぐりと刺激しつつ、跡部は宍戸の根元を握り、イケなくし
てしまう。前も後ろも刺激を与えられ、宍戸の絶頂感は半端なく高まってゆく。しかし、
跡部が達しない限りは、自分も達することは出来ない。早く出したいという一心で、宍戸
は激しく腰を動かし、跡部の楔に刺激を与えた。
「はあっ・・・跡部っ・・・あっ・・・あぁんっ・・・」
「くっ・・・なかなかやるじゃねぇの。でも、まだまだだぜ。」
「もっ・・・早くイケよっ・・・あっ・・・あぁっ・・・」
「そんなに早くイキてぇんだったら、テメェの一番感じるところに俺様のを当ててみせろ
よ。テメェその部分避けて動いてんだろ?」
跡部の言う通り宍戸は、前立腺の部分は避けて腰を動かしていた。そこを突いてしまった
らそれだけで達してしまうからだ。しかし、もう限界であった。それでイケるのならと、
宍戸は思いきってその部分を狙って、跡部の熱を擦りつける。
「ひああぁっ・・・あはっ・・・ああぁんっ!!」
その部分に跡部のものが当たった瞬間、宍戸は天を仰ぎ、激しく身を震わせる。もちろん
蕾は今までになくきつく締まり、跡部の熱をぎゅうぎゅうと締めつける。跡部はこの刺激
を待っていた。
「はあっ・・・・たまんねぇ。宍戸、もっとだもっとしろ!!」
「ひぃっ・・・くはぁっ・・・あっ・・・ああぁっ!!」
何度もそこを狙って突き、宍戸は何度もイク一歩手前の快感を味わう。内側の収縮がさら
に激しくなると、跡部は身体を震わせ、宍戸の背中をかき抱いた。
「・・・ハァ・・・宍戸っ、イクぜ。」
「ああっ・・・もう・・・早く・・・早く・・・イカせてぇっ!!」
宍戸がそう叫んだのと同時に、跡部は宍戸の茎の根元を握っていた手を離した。その瞬間、
宍戸の一番敏感な部分に跡部の熱が今までになく激しくぶつかる。
「ああぁぁ―――っ!!」
「く・・あっ・・・!!」
二人の上に降り注ぐ雪と同じ色の蜜をどちらも思う存分放つ。この世のものとは思えぬほ
どの快楽の高みに昇りつめた二人の目に映ったものは、満天の星空と温かい雪、そして、
快楽に酔いしれ恍惚と輝くお互いの顔であった。
興奮が静まり、ある程度落ち着くと、二人は布団の中に入り、星が瞬く天井を見上げてい
た。
「本当、マジ綺麗だよな。」
「そうだな。周りもだいぶ雪景色になってきてるし。」
映像の雪ではあるが、本物の雪が降っているかのごとく雪が降り積もってきている。それ
を見て宍戸は驚きの声を上げた。
「本当だ!雪が積もってきてる!」
「この部屋だけはホワイト・クリスマスだぜ。」
「すげぇ。何か偽物だって分かってても、嬉しいもんだな。」
「ああ。まあ、俺はこんなもんがなくても、テメェとこうして同じ布団で寝られりゃ、十
分満足だけどな。」
「な、何恥ずかしいこと言ってやがんだ・・・」
跡部の言葉に赤面しながら、宍戸は布団で顔を隠す。そんな反応を見せる宍戸を、可愛い
なあと思いつつ、跡部は顔を隠している布団をはがした。
「何照れてんだよ?可愛いヤツだな。」
「あ、跡部が変なこと言うからだろ!!」
「別に俺は本当のことを言ったまでだぜ。それともテメェはそんなこと全く思ってないの
かよ?」
そんなことを尋ねてくる跡部に、宍戸は言葉ではなく態度と行動で示してやった。ぎゅう
っと跡部に抱きつき、すりすりと顔を跡部に胸にすりつける。
「っ!?」
「・・・思ってねぇわけねぇだろ、アホ。」
小さな声で宍戸は呟く。それを聞いて、跡部は嬉しくなり抱きついてきている宍戸の体を
抱きしめ返してやった。ドキドキして恥ずかしさを感じるが、跡部の腕に包まれ、宍戸は
他のものでは感じられない安心感を感じる。
「跡部。」
「何だよ?」
「25日はよ・・・」
「ああ。」
「丸々一日二人だけで過ごしてぇ。ダメか?」
跡部の胸のあたりから上目遣いで、宍戸はそんなことを頼む。そんな宍戸の表情に跡部は
やられた。ドキドキと速くなる心臓を抑えられず、すぐに返事の言葉も出てこない。
「跡部?」
「あ、ああ。俺は全く構わねぇぜ。他の奴らはさっさと帰らせればいいんだし。」
「へへ、よかった。」
自分の願いが聞き入れてもらえ、宍戸は笑顔になる。その表情にも跡部はドキドキしてし
まう。
「クリスマスの間は・・・・」
「アーン?」
「さっき言ったこと・・・跡部の言うことは何でもきくってやつ、有効にしといてやる。
だから、いろんなことして過ごそうぜ!」
どういう意味で言っているのかはハッキリと分からないが、とにかく普段は感じることの
出来ない期待感が跡部の胸を凌駕する。また心臓の鼓動が速くなると感じながら、跡部は
宍戸を抱きしめた。
「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇの。いいぜ。今から25日が終わるまで、二人きりで
すごそうな。」
「おう!!」
そんな跡部の言葉に、宍戸は嬉しげに返事をする。
(へへへ、跡部の心臓、超速くなってる。俺の言ったことで、こんなにドキドキしてくれ
るなんて、何か嬉しいかもー。)
当初の目的を完璧に果たせたと宍戸はひどくご機嫌だ。どちらも相手の一挙一動に心を動
かされながら、星空から雪の降る聖夜を楽しむのであった。
END.
岳忍へ 滝鳳へ