それほど時間をかけずに、入浴を済ませた跡部と宍戸は寝室へと向かう。今夜二人が過ご
す寝室には、かなり大きなクリスマスツリーが置かれていた。そのツリーを彩る電飾も普
通のものよりも数倍多く、部屋の電気をつけなくとも十分な明るさが保たれている。
「すげぇでかいクリスマスツリーだな。」
「そうか?普通だろ。」
「いやいや、普通はこんなにでかくねぇから。電球も随分たくさんついてんな。」
「たくさんあった方がいいと思ってな。」
「確かに綺麗だよな。これなら、電気つけなくても全然明るいし。」
「なら、電気はつける必要ねぇよな。」
宍戸の言葉を聞いて、跡部は電気のスイッチをつけようと思って壁に添えていた手を下ろ
す。これくらい明るいなら大丈夫だろうと、宍戸も跡部の言葉に頷いた。クリスマスツリ
ーの明かりに照らされた部屋の中は、何とも幻想的な雰囲気を醸し出している。そんな中、
跡部は宍戸より一足先に部屋の奥に置かれているダブルベッドへ向かった。
「ほら、宍戸も来いよ。」
「お、おう。」
クリスマスらしい雰囲気の中、ベッドに招かれ、宍戸はこれからすることを思う。期待感
と若干の羞恥心。それが、宍戸の顔をひどく熱くさせていた。宍戸がベッドの近くまで来
ると、ベッドの端に座ったまま宍戸の手を取り、宍戸の顔を見上げる。
「宍戸、この部屋寒いか?」
「えっ?いや、全然寒くないと思うけど。」
「だったら問題ねぇな。寒くねぇんだったら、今日はちゃんと裸になってしようぜ。」
あまりに率直な跡部の言葉に宍戸は、かあっと顔が赤くなっていくのを感じる。しかし、
ここまできて嫌だというのも何だか悔しい感じがするので、宍戸はその言葉に頷く。
「なら、今着てるもの、全部脱いじまおうぜ。」
「・・・おう。」
そう決めると跡部は何の躊躇いもなしに、身につけているものを次々に脱ぎ去ってゆく。
だんだんと露わになる跡部の体にドキドキしながら、宍戸も自分の着ているものを脱いで
いった。どちらも一糸纏わぬ姿になると、しっかりとベッドに乗り、向かい合う。
「いい格好だぜ、宍戸。」
「あ、跡部だって同じ格好だろっ!」
「ああ、そうだな。あっ、でも、宍戸には俺とは違うものを一つだけ身につけてもらうか。」
「へっ?」
そう言って跡部が手にしたのは、先程宍戸の首を飾っていたプレゼント用のリボンだった。
入浴中は外していたのだが、もう一度これを身につけさせたいと、跡部は宍戸の首にそれ
を結わく。
「やっぱ、似合うぜ、宍戸。」
「むー、そんなこと言われてもあんまり嬉しくねぇんだけど。」
「俺様が褒めてやってんだぜ?素直に喜べよ。」
「んなこと言われてもよ、リボンだぜ?リボンが似合うって言われてもなあ・・・」
「まあ、細かいことは気にすんなって。それより、そろそろ始めるぜ。」
いつまでも話ばかりしていては全然先へ進めないと、跡部は無防備にしていた宍戸の体を
ベッドに押し倒す。ある程度勢いよく押し倒されたのだが、跡部のベッドはとても柔らか
くふわふわなため、それほど大きな衝撃は感じられなかった。
「テメェはいつもいきなりすぎんだよ。」
「アーン?そのいきなり感がいいんだろ?」
「ったく・・・」
跡部の言葉に半ば呆れつつも、宍戸の心臓は既にいつもの倍以上の速さでリズムを刻んで
いた。今日はどんなことをされるのだろうと思うと、体が勝手に熱くなる。それを跡部に
勘付かれまいと、宍戸は必死に平静を装っていた。しかし、次の瞬間、平静を装う仮面は
思ってもみない跡部の行動によって、すぐに剥がされる。
ちゅく・・・
「ひあっ・・・!?」
「やっぱ、ローション使うと違うな。いきなりでもこんなにすんなり入っちまうし。」
ローションでトロトロに濡れた指を、跡部は宍戸の蕾に滑り込ませる。まさか、いきなり
こんなところを弄られるとは思ってもみなかったので、宍戸は戸惑うような様子を見せる。
「んあっ・・・なっ・・・何でっ・・・?」
「何がだ?」
「い、いきなり・・・そこ、って・・・早くね・・・?」
「別にいいだろ。テメェだって、いきなりだろーが何だろーが、ちゃんと感じてるじゃね
ぇか。」
そう言いながら、跡部は中にある指をぐいっと動かす。ローションで濡れたそこをぐりぐ
りと擦り回されるように弄られ、宍戸は身を捩じらせた。
「ああっ・・・ひぅっ・・んっ!!」
「すぐに俺様のが入るくらいまで解してやるよ。テメェは俺様の美技にただ喘いでりゃい
いんだ。」
「くそっ・・・んで、そういうこと・・・」
「こういうこと言われる方が感じるんだろ?テメェはよ。」
跡部の自分勝手な言葉に多少腹の立つ宍戸だったが、自分が言葉で責められるのが弱いこ
とを指摘され、何も言えなくなってしまう。実際、今のやりとりだけでかなり弄られてい
る部分の感度は高くなり、跡部の指が少し動くだけでも、声を抑えられないくらいの快感
が感じられるようになっていた。
「ハァ・・・う・・ぁ・・んんっ・・・あっ・・・」
「テメェのココは正直でいいな。もうこんなに解れてるぜ。」
中に入っている何本かの指を広げて、その入り口を無理矢理開かせる。しかし、すっかり
解れたそこはそれほど大きな抵抗を見せることなく、指が開かれるままに、その口を広げ
た。
「ふああぁっ・・・そんなに・・・広げんなぁ・・・・」
「テメェの中は、本当綺麗だよな。」
「あっ・・・み、見んなよっ!!」
「心配すんな。すぐにでもここを俺様でいっぱいにしてやるからよ。」
広げたままの状態で指を一気に引き抜くと、跡部は宍戸の体をうつ伏せにさせ、腰を上げ
させる。そして、既に十分な硬さを持っている熱い楔を赤い蕾に突き入れた。
「んっ・・・ああぁ――っ!!」
まさか本当にこんなに早く入れられるとは思っていなかったので、宍戸は目を見開いて驚
愕する。まだ状況がしっかり掴むことが出来ないまま、その体をぐいっと持ち上げられ、
跡部の膝に乗せられるような体勢をとらされる。
「んああっ・・・奥まで・・・あっ・・・入っ・・・!」
「すげぇ、テメェん中。超イイ感じだぜ。」
「お前っ・・・何考えてん・・だよっ・・・こんなに早く・・・入れやがってっ・・・」
いつもとは違う流れに多少混乱しながら、宍戸は少し納得のいかないという口調で跡部に
文句を言う。しかし、跡部には跡部なりの理由があるのだ。それを伝えようと跡部はぎゅ
っと宍戸の体を抱きしめ、ゆっくりと耳元で囁いた。
「今日はクリスマスだろ?クリスマスくらいテメェと出来るだけ長く繋がってたいと思っ
てよ。」
「んっ・・・だからって・・・」
「安心しろ。繋がったままちゃんと他のところもしっかり弄ってやるからよ。」
低く囁かれるその言葉を聞いて、宍戸の胸はひどく高鳴り、全身がとろけてしまうような
甘い痺れを感じる。自分の中に跡部の熱を感じながら、宍戸はこのままの状態がどれほど
長い時間続くのであろうと、熱く甘美な期待感に胸をふくらませていた。
「まずはココを存分に弄ってやるぜ。」
宍戸の耳に唇をつけたまま、跡部は両手を胸の突起に持ってゆき、赤く色づき小さく尖っ
たそれをきゅっと抓んだ。そんな小さな刺激にも宍戸の身体は過敏に反応してしまう。
「あっ・・・」
「少し抓んだだけでそんな声上げるんだったら、こんなふうにしたらどうなるんだろうな
あ?」
指先でその突起を転がしたり、思いきり抓みあげたり、中心部に爪を立ててみたりと様々
な方法で、跡部は宍戸の胸を弄る。どんな刺激を加えても、宍戸は痛がるような素振りは
見せず、ただただ快感に震え、甘い喘ぎを絶え間なく跡部に聞かせるだけであった。
「あっ・・ひんっ・・・あぅっ・・あ・・・っ」
「テメェは本当ここを痛いくらいに責められるのが好きみてぇだな。一回一回俺が入って
るところが締まってすげぇ気持ちいいぜ。」
「ん・・・だってよ・・・跡部の触り方・・・すげぇよくて・・・」
「当然だろ?テメェ好みの弄り方、完璧に熟知してんだからよ。」
自信満々に答える跡部が、どういうわけかこの状態ではとてもかっこよく見えてしまう。
普通だったら絶対呆れるのになあと思いつつ、宍戸は自分の今の感覚に苦笑する。
「何笑ってやがる?」
「別に何でもねぇよ・・・あのさ、跡部・・・・」
「アーン?何だ?」
「そこもいいんだけどよ・・・出来れば下も触って欲しいなあなんて・・・・」
跡部自身を中に入れられ、胸を存分に弄られたために、宍戸のそれはすっかり勃ち上がり、
ふるふると震えていた。あからさまに触って欲しいような状態になっている宍戸の熱を見
て、跡部はいいことを思いつく。
「俺はまだこっちを弄っててぇんだ。そこに触って欲しいんだったら、自分ですりゃいい
だろ?」
「えっ・・・?」
「俺に入れられながら、自分でしてる宍戸ってのも見てみてぇしな。こっちは俺が弄って
てやるから、自分でしろよ、宍戸。」
そんなの恥ずかしくてたまらないと思う宍戸であったが、逆にその言葉が宍戸のMっ気を
刺激する。しかし、そう簡単には行動には移せない。何も出来ずに困惑した表情を浮かべ
ていると、跡部はぎゅうっと胸を突起を力いっぱい抓んだ。
「ああぁんっ!!」
「やるのか?やらねぇのか?」
「あっ・・・やるっ、やるからっ・・・」
せめてもう少し力を緩めて欲しいと、宍戸は涙目になって跡部を見る。いまだに羞恥心は
抜け切らないが、おずおずと宍戸は自分の熱に両手を添えた。
「ハァ・・・」
「いつもしてるみてぇにして見せろよ。ちゃーんと、見ててやるから。」
「んっ・・・やっ・・・」
「嫌じゃねぇ。もう触りたくて仕方ねぇんだろ?」
跡部の言葉はまるで催眠術のようで、そう言われると本当にそんな気分になってくる。ド
キドキしながら、宍戸は自ら自分のモノを擦り始めた。それと同時に、跡部は胸の突起へ
の愛撫を再開する。
「んあっ・・・あっ・・・あ・・あっ・・・」
「上手いじゃねぇか。いい感じだぜ。」
「あ・・とべ・・・胸・・・もっと強くっ・・・」
「ああ、いいぜ。」
一度始めてしまうともう手は止められない。跡部に与えられる刺激をもっと感じたいと、
そんなことを要求しながら、宍戸は自慰にふける。突起に与えられる刺激と自らの手で熱
を擦る刺激が相乗効果をもたらし、感じることの出来る快感を高めていた。
「あっ・・ああっ・・・もっ・・・あ・・あぁっ・・・」
「随分早いんじゃねーの?ま、イキたいんだったら、イっちまえよ。」
ぶるぶると身体を震わせ、限界を伝える宍戸を見て、跡部も興奮してくる。一際強く両方
の突起を抓み上げると、宍戸はビクンと大きく痙攣し、自分の手を白濁の蜜で汚した。
「ああぁんっ!!」
宍戸が達すると同時に、その刺激をうけた蕾は激しく収縮する。きゅうきゅうと楔全体が
締め上げられるような刺激に、跡部も相当な快感を感じていた。しかし、まだ達するとい
うところまではいかなかった。
「ふあっ・・あ・・・あっ・・・」
「どうよ?自分で弄ってイッた感想は?」
「全然、一人でやるときと・・・違う・・・これ、マジヤバイって・・・」
「そうか。そりゃよかったじゃねぇか。気持ちよかったんだろ?」
「お、おう・・・」
絶頂の余韻に浸りながら、宍戸はくたっと体を跡部の胸に寄りかからせる。しかし、跡部
はあえてその体を押し返し、体勢を変えようとした。
「少し体勢変えようぜ。今度は向かい合わせでいろいろしてやる。」
「向かい合わせ?じゃあ、跡部の一回抜くってことか?」
「抜かねぇよ。ギリギリまで抜くつもりだけど、少し入ったままの状態でも動けんだろ?」
「どうだろ・・・?」
「とりあえず、動かすぜ。」
向かい合わせにしたいと、跡部は宍戸の体を軽く浮かせると、半ば強制的に宍戸を反転さ
せた。跡部の楔が入ったままの状態で、無理矢理動かされ、宍戸は中を抉られているよう
な刺激にビクンと体を震わせる。
「ひあっ・・あんっ!!」
「こんなのでも感じてんのかよ?」
「しょ、しょうがねぇだろ!!・・・テメェのがデカイからいけねぇんだよっ。」
「それは褒め言葉だぜ?宍戸。」
「うう・・・」
どんなことを言ってもプラスに捉える跡部に、宍戸はちょっとばかり悔しさを感じる。少
し不機嫌そうな顔をしていると、ふと額に跡部の唇が触れた。
「キス、しようぜ。」
「へっ・・・?」
「せっかく向かい合ってんだからよ、キスしてぇだろ?俺様のキスで、最高にいい気分に
させてやるからよ。な?」
「べ、別にキスくらい、聞かなくても勝手にすりゃいいだろっ!」
あえて言われるとなかなか照れくさいと、宍戸は真っ赤になりながらそんなことを言う。
そんな態度をとる宍戸が可愛らしいと、跡部はふっと顔を緩ませた。宍戸が離れないよう
にしっかり頭を抑え、深々と宍戸の唇に口づける。
「ふっ・・・う・・・んんっ・・・」
いきなり口内に入り込んでくる舌に驚く宍戸であったが、跡部のテクニックにすぐにメロ
メロになってしまう。舌を吸われ、上顎の裏側を愛撫するかのように舐められる。どちら
とも分からない蜜が口の中で混じり合い、少しでも唇を離そうとすると、くちゅりと濡れ
た音を立てる。まるで口内を激しく犯されているようなキスに、宍戸はぞくぞくと全身が
痺れ、頭の中がとろけてしまいそうな感覚を味わった。
「んっ・・・んぅ・・・うっ・・・んん―・・・」
どんな表情をしているのか見ていたいと、目を開けたままキスをしていた跡部だが、宍戸
があまりにもよい表情をしているので、そう簡単にやめられなくなってしまう。もっとも
っと自分のキスに酔いしれている宍戸の顔が見ていたいと思いながら、跡部は何度も角度
を変え、キスの種類を変え、宍戸をキスの嵐で責め立てた。
「んく・・・ふぅ・・・んんっ・・・ぅ・・・」
跡部のキスがあまりにも気持ちよく、宍戸は跡部の楔で貫かれている中がひどく疼いてき
てしまう。その疼きを何とかしようと、宍戸は自らゆるゆると腰を揺らし始めた。それに
気づいた跡部は、ふとキスをするのを止める。
「ふあっ・・・ハァ・・・はっ・・・」
「何勝手に動いてやがる。」
「うっ・・・だって、こんな中途半端な状態じゃ・・・満足出来ないから・・・」
「俺様がちゃんと動かしてやるまで我慢してろ。」
「で、でも・・・」
跡部に言われて一時腰を動かすのをやめるが、一度疼きを感じ始めてしまったら、どうし
てもそこに意識が集中してしまう。しばらくは我慢しようとする宍戸だったが、すぐに我
慢出来ないくらいの切なさと激しい疼きが襲ってくる。
「ハァ・・・跡部・・お願っ・・・このままの状態なんて・・・我慢出来ねぇよ・・・」
「そんなに動きたいか?」
「動きたい・・・跡部は何にもしなくていいからっ・・・なあ、跡部ぇ・・・・」
呼吸を乱して、顔を紅潮させながら許しを請おうとする宍戸は、跡部に今までになく激し
い興奮を引き起こさせた。こんなにも必死で懇願しているなら、普段では考えられないく
らい積極的に動いてくれるだろうと考え、跡部は宍戸の願いを聞き入れる。
「そんなに動きたいんだったら、構わねぇぜ。その代わり、俺のこともちゃんと気持ちよ
くさせろよ?」
「う・・んっ・・・分かった・・・」
跡部の許しを得ると、宍戸は跡部の楔を内側の壁全体に擦りつけるように激しく腰を動か
し始める。ローションが絡んでいるために想像よりも滑らかに動かすことが出来、宍戸は
中を擦られる快感に夢中になってゆく。
「あっ・・・はぁんっ・・・気持ち・・いっ・・・あっ・・あっ・・・」
「くっ・・・なかなかやるじゃねぇか。想像以上だぜ。」
「はあっ・・・跡部の・・・大きく・・て・・・俺ん中、全部・・跡部ので・・・擦られ
てっ・・・ひあっ・・ああぁ・・・」
「くそっ・・・気持ちイイ・・・っ・・・」
まさかここまで宍戸が激しく動いてくれるとは思っていなかったので、跡部は一気に高ま
る快感に翻弄される。どちらも大きな快感の波に呑まれ、絶頂に向かって突き進む。
「んあっ・・・もう・・・あっ・・・ああぁ――っ!!」
「――っ・・・宍戸っ!!」
どちらも真っ白で濃い蜜を放ち、快感の高みに達する。達した瞬間はお互いの身体を掻き
抱き、お互いの熱を体の底から感じ合った。
「はぁ・・・んっ・・・はあ・・・」
「よかったぜ、宍戸。テメェにしてはやるじゃねぇか。」
「すげ・・・中、跡部のでトロトロになってる・・・」
どちらも十分なほどの快感を感じて達しはしたのだが、まだ少し足りないような気がして
いた。その証拠に宍戸の中にある跡部の熱も、蜜で濡れている宍戸の熱も、まだまだ全然
萎えていない。そんな状況にも関わらず、跡部は何故か自身を宍戸の中から抜いてしまう。
「んあっ・・・!?」
まだ抜いて欲しくなかった宍戸は、焦るような表情で跡部の顔を見る。しかし、跡部はた
だ意味ありげな笑みを浮かべて、宍戸がどんな反応をするのかを窺っていた。
「跡部・・・俺、まだ抜いて欲しくない・・・」
「でも、もう抜いちまったぜ。」
「跡部、今日は出来るだけ長い時間繋がってたいって・・・言ってたじゃねぇか・・・」
ひどく困惑した様子で、宍戸はそんなことを訴える。この時点でも相当クるなあと思って
いた跡部だったが、もう少し率直な態度を示して欲しいと思っていた。
「テメェがどうしてももう一度入れて欲しいって分かるくらいねだれば、もう一回入れて
やってもいいぜ。」
宍戸がどんな態度をとるかは分からないが、何かしら動いてくれるだろうと思い、跡部は
そんな言葉を発した。宍戸としては、もう我慢出来ないほど跡部の熱が欲しいと思ってい
た。そんな思いを胸に、宍戸は跡部に双丘を向けるような形で四つん這いになり、跡部の
放った蜜が滴る蕾を自らの手で広げて、心からして欲しいことを口にした。
「跡部のそれ・・・もっかい俺ん中に入れて・・・もっとたくさん、俺を犯して。」
その一連の行動と下半身直撃の言葉に、跡部は激しく興奮する。これはもう宍戸の望みを
叶えてやるしかないと、跡部は勢いよく目の前に晒されている宍戸の蕾に太い楔を突き刺
した。
「ひあっ・・・あぁんっ!!」
「そんなにコレが欲しいなら、いくらでもくれてやるぜ?」
「あんっ・・あっ・・・んんっ・・・たくさん・・・欲しいっ・・・ずっと・・・俺ん中
に・・・入れてて・・・欲し・・・」
「いいぜ。何度でも何時間でもテメェの中に居て、テメェのココが俺の形を絶対忘れられ
ねぇくらい犯してやるよ。」
自分好みに乱れている宍戸の姿に、跡部の理性の箍は完璧に外れてしまう。後ろから激し
く宍戸を犯し、自分の欲望のままに何度も宍戸の中に熱い雫を放つ。そのたびに宍戸は、
全身は貫くような快感に震え、自らもありったけの精を放った。跡部が再び宍戸の中に入
ってから、二人は体力の尽きるまで、その身を繋ぎ続け、滾る想いを伝え合う。それは、
クリスマス当日へと日付が変わってからも、数時間続くのであった。
体力の限界までそんなことを続けていた二人は、その行為が終わると、体を重ね合わせた
まま深い眠りに落ちた。二人がその深い眠りから目を覚ましたのは、日が昇ってから数時
間経った頃であった。
「んん・・・んぅ・・・」
頭はまだぼーっとするものの、体が随分すっきりしているなあという快い気分を感じなが
ら宍戸は目を覚ます。ゆっくりと目を開けると、真っ青な瞳が自分の瞳を射抜いていた。
「っ!!」
「何そんなに驚いてんだよ?」
「い、いや、だって・・・まさか、こんな至近距離に跡部の顔があるなんて思ってなかっ
たから・・・」
「どうだ?少しは体力回復したか?」
「んー、まあな。腰はだりぃけど、動けないほどじゃねぇし。でも、さすがにこの状態で
テニスやれって言われたら無理かもしれねぇな。」
「少し寝ただけで、そこまで回復してるんだったら上等だ。今日はこの部屋でゆっくり過
ごそうぜ。」
宍戸の体を気遣って、跡部はそんなことを言う。そんな気遣いが嬉しくて、宍戸は跡部に
ぎゅうっと抱きつく。
「何だよ?」
「別に。今日はクリスマスだから、ちょっとは素直に甘えてみようかと思ってよ。」
「フッ、なかなか可愛いことしてくれるじゃねぇか。」
ゴロゴロと甘えてくる宍戸が猫のようで可愛らしいと、跡部は緩ませる。そんな跡部の目
にふと宍戸の首についていう赤いリボンがとまった。
「このリボン、結局外さなかったな。」
「そういやそうだな。まあ、あーいうことに夢中になっちまったら、リボンがついてるこ
となんて忘れちまうよな。」
「こんなリボンしたまま、こんなふうに甘えてたら、マジでテメェ黒猫みたいだぜ。」
「また黒猫かよ?どんだけ好きなんだよ?黒猫が。」
ここまできて、まだ単なる黒猫好きだと思っている宍戸に、跡部は呆れてしまう。これは
はっきり言わないと分からないだろうと思い、跡部は自分が黒猫を好きな理由を宍戸に話
すことにした。
「宍戸、俺様がどうして黒猫が好きかを今から話すからちゃんと聞いとけよ?」
「おう。」
「俺にとって黒猫は、テメェを連想させる動物なんだよ。綺麗な黒髪に、気まぐれな性格。
素直じゃない態度をとってると思ったら、急に甘えてきたりしやがる。それが俺の黒猫の
イメージとピッタリ一致してるから、黒猫を見てるとどうしてもテメェと同一視しちまう
んだ。」
「じゃあ、跡部にとって黒猫は、イコール俺みたいになってるってことか?」
「テメェにしては理解が早いじゃねぇか。その通りだぜ。だから、俺は黒猫自体が好きな
んじゃなくて、テメェのことが好きだから、そのイメージにピッタリあった黒猫を好いて
るんだ。要するに、俺はテメェのことが半端なく好きってことだな。」
最後の部分を聞いて、宍戸の顔は火がついたように赤くなる。それはちょっと違うだろう
と思いつつ、全てが間違ってるわけでもないので、どんな言葉を返していいのか分からな
くなってしまう。
「だから、テメェがくれたプレゼント、あれは嬉しかったぜ。俺にとっては、リボンで遊
んだりしてる宍戸が描かれているマグカップをプレゼントされたようなもんだからな。」
「なっ・・・!」
「今も首にリボンつけて、すっげぇ可愛いし。本当、テメェはどこを取っても俺好みだぜ。」
ポンポンと好きだ、可愛いという言葉を並べられ、宍戸はふしゅ〜と頭から湯気が出そう
なほど恥ずかしくなる。しかし、その言葉が嬉しいと感じる部分も確かにあった。
「・・・・俺だって、跡部のこと激好きなんだからな。」
跡部に聞こえるか聞こえないくらいの小さな声で、宍戸はそんなことをボソっと呟く。そ
れが、今の宍戸にとっての精一杯の返しだったのだ。本当に小さな声であったのだが、跡
部はそれを聞き逃さなかった。
「嬉しいぜ、宍戸。普段からもう少し今みたいに素直だといいんだけどな。」
「う、ウルセー!!今日はクリスマスだから特別に言ってやったんだからな!!」
「だったら、もう少しデカイ声で言えよ。」
「い、今のが俺の精一杯なんだよっ!!」
そんなことを言ってしまったのが恥ずかしくて、宍戸は耳まで赤く染まった顔を跡部の肩
に押しつける。こういう態度もたまらないなあと思いつつ、跡部は宍戸と二人きりの今日
一日をどうやって過ごそうかと、顔を緩ませながら考えるのであった。
END.
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