聖夜の贈り物 〜Side GO〜

枕元のライトはクリスマス用の装飾が施されており、緑色と赤色の和紙を通し、淡い光が
二人の姿を照らしていた。
「何か超クリスマスって感じの明かりだな。」
「せやな。クリスマスっぽいけど、和風な要素が残っとるのが、旅館ならではって感じや
な。」
「でもさ、この色、和紙を通してだから、緑がすごく薄くて侑士の好きな色に見えねぇ?
で、もう一つの色が赤だから、侑士の好きな色と俺の好きな色が混じり合ってるって感じ
がするよな!」
ニッと笑いながらそんなことを言ってくる岳人に、忍足はドキッとしてしまう。自分の好
きな色と岳人の好きな色が混じり合って、自分達を照らしている。そんな状況が、これか
ら自分達のしようとしてることを連想させ、忍足の心臓をひどく高鳴らせていた。それと
同時に忍足はいつもとは明らかに違う高揚感を感じていた。
「なあ、岳人。」
「何だよ?侑士。」
「今日はクリスマスやし、ええこといっぱいしような。」
「お、おう。」
いつもはここまで率直な言葉は言ってこないので、岳人は忍足の言葉にドキドキする。こ
れもクリスマスという特別な日であるからかなあと思いつつ、岳人は忍足に触れようと、
手を伸ばす。すると、忍足の方から抱きしめられることを欲しているかのように、両腕が
岳人に向かって真っ直ぐに伸ばされた。
「侑士?」
「ほら、早く抱いて?」
「―――っ!?」
誘うような笑みを浮かべて、そんなことを言ってくる忍足に、岳人は理性の糸が切れる音
を聞く。赤と緑の光が差す布団の上に、忍足をドサリと押し倒すと、岳人は噛み付くよう
な激しいキスをした。そんなキスを待っていたかのように、忍足は岳人の背中に腕を回し、
口内へ探りに入ってくる岳人の舌に自らの舌を絡める。
「ん・・ぁ・・・・んんっ・・・」
忍足に深い口づけを施しながら、岳人は浴衣の懐から手を差し込み、その滑らかな肌にゆ
っくりと指を滑らせる。岳人に触れられる感覚に、忍足はふるりと身を震わせる。
「んっ・・・んんー・・・っ!」
素直に感じてくれる忍足の反応が嬉しくて、岳人は気持ちが高ぶってくるのを感じる。ち
ゅっと音を立てて忍足の唇から自分の唇を離すと、下顎から首元へかけて唇を這わせた。
「ふあっ・・・あぁ・・・」
「今日の侑士、何かいつもより色っぽい。すっげぇそそるぜ。」
「この明かりの所為ちゃうん・・・?」
「そうかもしんねぇな。」
「なあ岳人、もっといろんなとこにキスして・・・」
「いいぜ。侑士の体、俺のキスマークでいっぱいにしてやるよ。」
どちらもかなり乗り気で、お互いにして欲しいこと、したいことをその唇と肌から伝え合
う。だんだんとはだけてゆく浴衣の合間から、岳人は忍足の肌に赤い花びらを散らしてい
った。
「ハァ・・・んっ・・あ・・・」
「次はどこがいい?」
「岳人の好きなとこで・・・ええよ。」
「マジで?じゃあ、やっぱココかなあ。」
上半身へのキスの雨ですっかり赤く尖った突起に、岳人はちゅうっと口づける。ぞくぞく
と腰が砕けるような快感を感じ、忍足は甘い声を漏らした。
「ひあっ・・あ・・ぁんっ・・・!」
「侑士のココって、本当感じやすいよな。」
「はっ・・・だって・・・岳人がいつも・・・無駄に弄ってくるから・・・」
「無駄にじゃないぜ。ちゃんと、侑士を気持ちよくさせるためって、大事な目的があるん
だから。」
間違っていないだろと言わんばかりに、岳人は先程より強い力でその突起を吸う。何が出
るわけでもないが、忍足が感じてくれているのは確かなので、岳人は何度もそれを唇と舌
を使って弄った。
「うあっ・・・あっ・・・ああ・・・」
「俺、侑士のそういう声大好き。マジたまんないぜ。」
「ふあっ・・・あんっ・・・岳人ぉ・・・・」
「いいぜ。超クる。もっと聞かせろよ。」
忍足の可愛い声をもっと聞きたいと、岳人は夢中になって赤い突起に吸い付く。しつこい
くらいにそこばかり弄られ、忍足は岳人の頭を掻き抱きながら、快感に濡れた声を上げる。
「ふぅ・・・んあっ・・・んんっ・・・」
「はぁ・・・そろそろ下の方、していいよな?」
「ああ・・・ええで・・・」
ふっと口元に笑みを浮かべて、忍足は岳人の言葉に頷く。その顔にぞくっとしながら、岳
人は忍足の浴衣の前を開き、下着を脱がした。そして、先端からトロトロと蜜を溢れさせ
ている茎にちゅっと軽く口づける。
「はぁ・・んっ・・・」
「もうすっげぇトロトロじゃん。」
「あんなに・・・胸舐められとったら・・・・こうなるって・・・」
「侑士ってば、エロ〜い。でも、そこがまたいいんだけど。」
忍足の顔を見ながら、岳人はパクッとその茎を咥える。根元から先の方までその形をなぞ
るかのように舐め上げる。熱く濡れた舌が触れる感覚に忍足は、ヒクンと腰を揺らす。
「あっ・・・ひあぁ・・・あ・・あっ・・・!」
「侑士の、口の中で大きくなってる。」
「んくっ・・あ・・はあっ・・・んっ・・・」
敏感な熱の塊を口と手を使って愛撫される快感は、羞恥心を凌駕し、忍足の頭の中をとろ
けさせる。あまりの気持ちよさに忍足は、感じるままのことを素直に口に出していた。
「あっ・・・岳人の口・・・すご・・・気持ちええ・・・」
「ふーん。特にどのへんが?」
「先っちょのトコ・・・咥えられて・・・吸われ・・・んのが・・・」
「こう?」
ぢゅうっ・・・
「ひああぁっ・・・!!そこ、あっ・・・アカンっ!!」
「それは要するにイイってことだよな?」
「んんっ・・・気持ちええ・・・あっ・・・ひあっ・・・」
あまりにもはっきりと感じていることを口に出している忍足に、岳人はひどく興奮してき
てしまう。ぢゅうぢゅうと音を立て、わざと忍足を煽るようにそれを吸っていると、忍足
はぎゅっと髪を掴み、腰を仰け反らせるように熱い蜜を放つ。
「んああぁぁ――っ!!」
ドクドクと口の中に流れ込んでくる忍足の蜜を存分に味わい、岳人はそれを自分の体内に
取り込む。熱い蜜が喉を通り抜ける感覚に、岳人は全身が痺れるような恍惚感を覚えた。
「・・・ハァ、すっげぇ今ドキドキしてる。侑士の蜜、マジ美味すぎだし。」
「はっ・・・ハァ・・・んっ・・ハァ・・・」
口元の残った蜜を手の甲で拭い、岳人はかがめていた体を起こす。激しく息を乱し、うっ
とりとした表情になっている忍足を見て、岳人はもっともっと忍足の乱れた姿が見たいと
いう欲求に駆られる。そんな岳人の気持ちを知ってか知らずか、忍足は突然体を起こし、
潤んだ目で岳人を見つめる。
「ゆ、侑士・・・?」
「なあ・・・俺の指、舐めて・・・?」
「えっ・・・?お、おう。」
突然何を言い出すんだろうと思いながらも、岳人は差し出された忍足の手を取る。そして、
言われた通りにぺろぺろとその指を舐め始めた。
「そんなもんでええで。」
十分に指が濡れると、忍足は岳人にそう声をかける。
「何すんだよ?」
「今日はクリスマスやからな・・・ちょっとサービスしてやろうと思て。」
「サービス?」
全く何をするか見当がつかないと、岳人が首を傾げていると、忍足は岳人に見えるように
大きく足を開き、すっかり濡れた指を自分の秘孔へと持ってゆく。恥ずかしそうに顔を赤
らめながら、大きく深呼吸をすると、忍足はその指は自分の中へと埋めた。
つぷ・・・
「あっ・・・んんっ・・・」
「〜〜〜〜っ!!??」
まさかそんなことをするとは全く予想していなかったので、岳人は絶句する。岳人が驚い
ていることなど気にもとめず、忍足は自分の蕾を自らの手で慣らしてゆく。
「んあっ・・・あぁ・・・あんっ・・・」
ちゅくちゅくと音を立てながら、赤く潤んだ蕾を出入りする忍足の指に岳人の目は釘付け
になった。少々刺激の強すぎるその光景に、岳人は全身の血液が煮立つような興奮を感じ
る。
「ひあっ・・あぁんっ・・・岳人ぉ・・・」
快感に濡れる声で名前を呼ばれ、岳人の熱の中心は脈打つ。今すぐにでもあの収縮を繰り
返す蕾にそれを埋めたいという気持ちと、もう少し自分で自分の中を弄っている忍足を見
ていたいという気持ちが交錯する。
「・・・侑士。」
たまらず口からこぼれ落ちた声は、ひどく震えていた。そんな岳人をさらに煽るかのよう
に、忍足はより奥まで自分の指を埋め込み、ぐりぐりとその指を動かす。
「ああっ・・んああぁっ!が、岳人っ・・・なぁ、俺のココ、ちゃんと見える・・・?」
「う、うんっ・・・すっげぇエロい・・・」
「どや?・・・興奮っ・・・すんやろ?」
「もう・・・爆発しちまいそうなくらいだぜ。」
「はは、俺も・・・岳人に見られて・・・・すぐにでも・・・イッてしまいそうや・・・」
本当に色っぽい顔してそんなことを言う忍足に、岳人はもう我慢が出来なくなる。忍足の
肩を掴み、岳人はバクッと唇を塞いだ。
「んんっ・・・」
「ハァ・・・もう我慢出来ねぇ。侑士、俺、侑士ん中に入りたい。入れさせて!」
「俺も・・・指じゃ届かないようなトコ、擦って欲しいと思ってたところや・・・岳人の
で、俺ん中・・・いっぱいにして・・・?」
そんな誘い文句を聞いたら、もうその欲求を抑えることなど出来ない。蕾の中から忍足の
指を抜くと、岳人は忍足の体を押し倒しながら、自分自身をその中へ埋めていった。岳人
の楔が、開きかけた蕾を貫くと、忍足はその果てしない快感に達してしまう。
「んあっ・・・ああぁ――っ・・・!」
「すげ・・・侑士の中、俺のを誘うみてぇに動いてる・・・」
「あっ・・あっ・・・岳人っ・・・」
岳人の背中に腕を回しながら、忍足は絶頂の余韻に浸る。びくびくと震えている姿が可愛
らしいと、岳人は愛情を込めて、その額や頬にキスをした。
「はぁ・・・岳人ぉ・・・」
「分かるか?侑士。今、俺のがどれくらい入ってるか。」
「分かるで・・・」
「まだ、全部は入ってないよな?」
「・・・せやな。」
「全部入れて欲しい?」
「欲しい・・・」
率直な回答に岳人は満足気に笑って、ズドンと残りの部分を忍足の中へ突き入れる。最奥
を突かれる感覚に、忍足は背中を仰け反らせた。
「ひっ・・ああっ!!」
「これで、全部入ったぜ。」
「ああ・・・岳人の熱くて・・・ドクンドクンいうてて・・・メッチャ気持ちええ・・・」
「侑士の中の居心地が最高だからな!俺のも元気になっちまうよ。」
冗談っぽく笑いながらそんなことを言う岳人につられて、忍足も笑顔になる。そんなふう
に笑い合っているうちにも、繋がっている部分はもっと大きな刺激が欲しいと疼いてくる。
どちらもそんな感覚に耐えられなくなり、より気持ちよくなろうと動き始める。
「んはっ・・・ああ・・・んっ・・・」
「くっ・・・たまんねぇ。侑士のココの締めつけ、超絶妙だぜ。」
「岳人のそれやって・・・あっ・・ん・・・俺のイイトコばっか擦って・・・最高やで?」
「やっぱ、俺達って、こっちの相性も最高なんだな!」
「せやな・・・んっ・・ハァ・・なあ・・・岳人、もっと激しくして・・・?」
「いいぜ。最高に激しくしてやるよ。」
忍足の頼みを聞いて、岳人は激しく出し入れを繰り返し、忍足の中を何度も抉る。熱い棒
で中を擦りあげられるように掻き回される感覚は、指で弄っている時とは比べ物にならな
い快感をもたらしていた。
「んっ・・・いっ・・・中っ・・全部気持ちよくて・・・ああっ・・・!!」
「俺もっ・・・・すげぇ気持ちよくて、もうイッちまいそうなくらいだぜ。」
「イクんやったら・・・中に・・出して・・・熱いの・・・中に欲しい・・・」
「言われなくてもそうするつもり。くっ・・・そろそろっ・・・」
忍足の中の動きも激しくなり、岳人は熱い白濁の雫を忍足の中に放つ。まるで搾り取られ
ているかのような内壁の動きに、岳人の楔からはしばらく雫が放たれ続けていた。
「すげ・・・超出るっ・・・」
「ふああぁ・・・中、岳人のでいっぱいになっ・・・あっ・・・んああぁ――っ!!」
ドクドクと熱い雫で内側が満たされてゆく感覚に、忍足も今までにないほどの絶頂感を感
じながら果てる。雫が全て出しきられても、中を満たしているその雫の熱さがじんじんと
敏感な壁を刺激し、いつまでも忍足を快感の海の中に沈めていた。
「俺ので、侑士ん中、超ぬるぬるだぜ。」
「岳人の・・・熱くて、まだ気持ちイイ感じが全然治まらへん・・・」
「だったら、もう少し続けてやってもいいぜ?」
「ホンマに?」
「実を言うと、まだ俺もちょっと足りねぇんだよな。せっかく中もぬるぬるで動かしやす
くなったんだし、もう少ししてても全然問題ないと思うぜ。」
「まあ、今日はクリスマスやしな・・・」
「なら、第2ラウンド行くぜ、侑士!」
まだまだ全然物足りないと、二人は再び繋がったままの状態で動き始める。トロトロにな
った内側は、二人に先程とは一味違った気持ちよさをもたらしていた。どちらもその快感
に夢中になり、全身がとけてしまうのではないかと思えるほどの絶頂感を何度も味わう。
それが二人の身体のみではなく、心までも結びつけ、これ以上ないほどの一体感をもたら
す。枕元にある明かりと同じように、岳人と忍足は心と身体を交わらせ、一年に一晩だけ
の聖夜を存分に楽しむのであった。

着乱れた浴衣をしっかり着直し、岳人は布団の上に座り、忍足は岳人の伸ばされた足を枕
にして横になっている。部屋の明かりは枕元の赤と緑の淡い光だけで、二人の居る場所を
柔らかく照らし出していた。
「何やえらい静かやな。」
「そうだな。もうこんな時間だし、この部屋、他の部屋と少し離れた場所にあるからじゃ
ねぇ?」
「まあ、それもあるかもしれへんけど、そういうんやなくて、もっとこう・・・音が何か
に吸い取られて、なくなっとるみたいな。」
「うーん、よく分かんねぇけど・・・あっ、もしかして!」
初めは忍足の言っていることがよく分からない岳人であったが、忍足の言葉を聞いて、そ
ういうことがどういう状態で起こるかを思い出す。それを確かめようと、岳人は立ち上が
ろうとした。しかし、忍足が自分の足に頭を乗せているので、いったんどいてもらう。
「侑士、ちょっと起き上がって。」
「あ、ああ。」
「よいしょっと・・・」
その場から立ち上がると、岳人は窓の方へ向かってゆく。そして、露天風呂に続く窓を開
けた。
「うわあ・・・」
窓の外の景色を見て、岳人は感嘆の声を上げる。寒いにも関わらず、じっと窓の外を眺め
ている岳人を不思議に思い、忍足も窓のもとまで歩いていった。
「何や?」
岳人の視線の先を見て、忍足も声を失う。窓の外ではふわふわと真っ白な粉雪が舞い降り
ていた。
「雪、降ってる。」
「ホンマやな。うわあ、何かええなあ。」
東京にいるとホワイトクリスマスになることはほとんどないので、岳人も忍足もその光景
に釘付けになる。部屋の中も外も真っ暗なので、雪の白がひどく際立っていた。
「超綺麗だな!」
「せやな。」
「もしかしたら、サンタさんがプレゼントしてくれたのかもしれねぇな。」
「岳人、まだサンタさん信じてるん?」
「子供の時みたいにではねぇけど、マジで世界中には公認サンタっているらしいじゃん?
だから、いるにはいるんだろうなあって思ってるけど。」
「あー、確かにそないな話聞いたことあるなあ。」
「だろ?だから、クリスマスにこんな景色が見られるのも、サンタさんかのプレゼントか
もしれないって思った方が、ちょっとロマンチックでよくねぇ?」
目をキラキラさせながら、そんなことを言う岳人に忍足はきゅんとしてしまう。こんな気
持ちになれるのなら、そう考えるのも悪くないかもしれないと、忍足はふっと笑った。
「そうかもしれへんな。」
「へへへ、何か嬉しいな。この年になってもサンタさんからプレゼントがもらえるなんて。」
「この雪の降る景色がプレゼントって?」
「おう!」
「確かにそりゃ嬉しいなあ。なあ、もう少しこの景色見てたくない?」
「まあ、見てたいけど、こんな格好でずっと窓開けっぱにしてたら風邪引くぜ。」
「今目の前にあるのは、何や?」
「目の前?あっ・・・」
窓を開けて立っている二人の前にあるのは、湯気をもくもくとたたせている露天風呂だ。
確かにこれに入りながらであれば、この景色をしばらく見ていても風邪など引かないだろ
うと、岳人は忍足の言いたいことを理解する。
「ここに立ってて体も少し冷えてきちまったしな。露天風呂、もっかい入るか。」
「ああ。」
この綺麗な雪景色を存分に楽しもうと、二人はもう一度露天風呂に入ることにする。浴衣
を脱ぎ捨て、桶でお湯を浴び、湯船の中に入るとびりびりと痺れるくらいの熱さが剥き出
しの皮膚にしみ込んできた。
「あっちぃ。でも、これなら少しくらいココにいても、全然余裕だな!」
「せやな。」
熱い温泉の中で、冷たい結晶が降り続くさまを二人はしばらく眺めている。その光景があ
まりにも綺麗すぎて、何だか夢の中にいるように思えてきた忍足はお湯の中でぎゅっと岳
人の手を握った。
「どうした?」
「んー、何か、あんまりにも幸せすぎて、夢やないかなあって思て。」
「夢なんかじゃねぇよ。ちゃんと俺も侑士もここに居て、クリスマスの夜を雪を見ながら
一緒に過ごしてる。それは間違いなく現実だぜ。」
「そうやな。」
「俺はクリスマスの夜を侑士と二人きりでこんなふうに過ごせて、本当に幸せだと思って
るぜ。だから、この記憶、しっかり頭と胸に刻みつけておこうぜ。」
「・・・岳人にしては、随分くさいセリフ言ってくれるやん。でも、そう言われるのメッ
チャ嬉しいで。」
岳人の素直な気持ちを述べた言葉に、忍足は照れながらも感動する。本当に今日は幸せな
クリスマスだということを感じながら、忍足はぎゅうっと岳人に抱きついた。
「今日は・・・ずっと一緒やからな。」
「当たり前だろ。ずっと一緒だぜ。」
一つ一つの言葉が胸に響く。粉雪の降るホワイトクリスマス。今日した全てのことを胸に
刻み込み、二人は幸せなこの瞬間を心の底から楽しむのであった。

                                END.

          〜Side AS〜    〜Side TC〜

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