「侑士ー、一緒に風呂入ろうぜ。」
「ええよ。ほんなら、着替え持ってくるからちょっと待っとき。」
「うん。」
今日は侑士はお泊りだーVv母さん達はバレンタインだから二人で食事してくるとか言っ
てたから、邪魔者はいないしー。いろんなことが出来るぞー。
忍足を待っている間、岳人はニコニコしながらタオルを用意する。お風呂はもう大分前に
岳人が入れていたので、十分にたまっていた。
「お待たせ、岳人。」
「あっ、侑士。じゃあ、風呂行こうぜ。」
パジャマとタオルを持って二人はバスルームに向かう。何度か入ったことのある場所だが、
人の家のお風呂とあって、忍足はまだ少し慣れていなかった。
「どうしたの?侑士。早く脱ぎなよ。」
「あ、ああ。」
何回か岳人と入ったことはあってもまだ少し恥ずかしいなあ。あ〜、ドキドキしてこのま
まだとアカンな。
忍足はドキドキと胸を高鳴らせて、着ている服のボタンに手をかける。だが、緊張してい
るせいかうまくボタンを外せないでいた。
「何やってんだよぉ。遅いぞ侑士!」
「スマン。何かうまくボタンが外れへんのや。」
「じゃあ、俺が外してあげるよ。」
「えっ・・・!?」
早くお風呂に入りたい岳人は忍足の服のボタンをパッパッと外していった。まるで、する
前に脱がされているような感じがして、忍足は赤くなる顔を隠そうと手の平で自分の顔を
覆った。
「外せたよ、侑士。あれ?どうしたの。」
「な、何でもあらへん。気にせんといて。」
「うん?早く入ろう。」
「ああ。」
忍足の態度に疑問を持つものの特にそれ以外で変わった様子はないので、岳人は忍足の手
を引き、バスルームへと入って行く。浴槽のふたを開けると真っ白な湯気が風呂場いっぱ
いに広がった。
「わあ、真っ白だー。」
「ホンマやな。」
「先に洗っちゃってさ、それからゆっくりあったまろーぜ。」
「せやな。」
というわけで、二人は先に髪や体を洗ってしまうことにした。シャンプーで泡立てた泡で
遊んだり、シャワーをわざとかけ合ったりして二人は遊びながら洗っている。
「見て見て、侑士。ソフトクリーム。」
「それじゃあ、全然ソフトクリームやないやん。こういうふうにしたらええんやない?」
「わあっ、すっげー侑士。それメッチャソフトクリームじゃん!」
「でも、食べたらきっと苦いやろな。」
「当たり前じゃん。石鹸だもん。」
楽しそうに笑いながら、泡で遊びまくる。髪の毛を洗い終えてしまうと、お互いに背中を
流し合おうということになってスポンジにボディーソープを垂らし、泡立てる。今度は体
中を泡だらけにして、また一遊び。
「何や、いやに泡多くないか?」
「そう?俺、いつもこれくらい泡立てて体洗ってるよ。」
「そうなんか?俺はいつもこれの半分くらいやけどな。」
「侑士、石鹸ケチりすぎじゃないの?」
「そんなことあらへんよ。」
確かに岳人が泡立てると半端じゃない泡が生まれて、どこもかしこも泡だらけ。直接皮膚
が見えなくなってしまうほどだ。
でも、ホントすごい泡だよな。そうだ、ちょっと侑士に悪戯しちゃおうっと。
スポンジで忍足の背中を洗っていた岳人は後ろから手を回し、ちょうど泡で見えなくなっ
ている忍足の胸の飾りを軽く弄る。
「あっ・・・」
なっ!?岳人、どこ触っとんねん!?何か泡のせいでいつもとは違う感じやし・・・。
「やっ・・・あっ・・・岳人・・・どこ触って・・・」
「侑士、敏感すぎー。俺、ちょっと触ってるだけだぜ。」
「せやけど・・・んっ・・・」
これくらいでこんなに反応しちゃって。侑士ってばホーント可愛いなあ。ついでだから、
下の方も触っちゃおー。
「やっ・・・あぁん・・・岳人ぉ・・・」
泡だらけのそれを岳人に弄られて、忍足は声を上げる。そんな忍足の反応を楽しみ、岳人
はその行為に夢中だ。
「あっ・・・あぁ・・・あんっ・・・ああ――っ!!」
「可愛いー、侑士。これくらいでイッちゃうなんて。」
「岳人〜、いきなり何すんねん・・・。」
息を乱して、忍足は少し怒り口調。岳人は悪びれた様子もなく無邪気に笑っている。
「別にいいじゃん。もう泡流していいよね?」
やることはやってしまったので、岳人は忍足の体についている泡をシャワーで流した。そ
のあと、自分の体についていた泡も流す。忍足の放ったものは、この時、一緒に全て流れ
てしまった。
「じゃあ、湯船入ろうか。」
「ちょっと待ち岳人。」
「何だよ、侑士ぃ。さっきのことまだ怒ってんのか?」
自分だけあんなことされて、怒っていないはずがない。体を洗うときに座るようなイスに
無理やり岳人を座らせた。
「何すんだよ!?」
意外な忍足の行動に岳人は驚く。岳人を座らせると忍足は大きく息を吐いて、岳人のもの
口に含んだ。
うっそー!!何やってんだよ侑士ー。こんな仕返しってありかよ〜。
「うっ・・・あ・・・」
「んっ・・・んん・・・んっ・・・・」
「侑士っ・・・こんなのズルイ!!」
「んんっ・・・んぅ・・・」
初めてこんなことをされるので、岳人は感じまくり。忍足ほどあからさまな声は出さない
が、かなりキている。
「あっ・・・侑士っ・・・ダメ・・・」
「・・・んく・・・んん・・・」
「もう・・・イクっ・・・」
「・・・んんっ!!」
結局、岳人は忍足の口の中に出してしまった。忍足にとってもこんなことは初めてなので、
全部を飲み込めるはずがなく思わずむせる。飲み込めなかった分の雫が顔や胸のあたりに
零れていた。
「ハァ・・・もう、何すんだよ侑士!」
「さっきのお返しや。」
呼吸を整えながら、岳人が目を開けると、そこには思った以上にいやらしい姿の忍足が潤
んだ目をして座っていた。自分がされていたのとさっきむせたことで、かなりの涙目にな
っているうえ、顔や胸に飛び散っている乳白色の雫がやらしさ度をアップさせている。
ちょっと・・・これはマジヤバイって。うわっ、どうしよ。我慢できねぇ・・・。
「侑士、湯船に入るのはもっとあとになるかも。」
「何でや?もうこれでおあいこなんだからええやん。」
「そんな侑士見せられて俺が我慢できるわけないだろ。侑士がいけないんだからな!」
「えっ、ちょっと待ち岳人!!・・・あっ・・・やめっ・・・」
浴槽の壁の部分に忍足を押し付け、岳人はそのまま進めようとまだ閉じたままの花弁を慣
らし始めた。嫌がる態度とは裏腹にそこは岳人を受け入れ、すぐに蜜で濡れ始める。
「やっ・・・ダメや・・・岳人・・・」
「侑士が誘ったんじゃん。」
「俺・・・別に誘って・・・なんか・・・あらへん・・・」
「あーいうことするのは誘ったって言うの。」
「でも・・・こないなとこで・・・ひゃっ・・・あん・・・」
「だって、俺、自分の部屋まで我慢できないもん。だから、ここでやる。」
あーー、あんなことしなきゃよかった。風呂場でやるなんてアカンやろ。でも、ここまで
きてしもうたら、もう逃げられんもんなあ。
「あっ・・・岳人・・・そこ・・・ダメっ・・・」
「大分、濡れてきたよ。もうそろそろいいよな?」
「ダメって言うても・・・どうせ入れるんやろ?」
「まあな。だって、早く侑士と繋がりたいし。」
「じゃあ・・・もうええよ・・・そのかわり・・・あんまり痛くせんといて・・・」
「了解。」
忍足の許しももらえたことで岳人は足を抱え上げ、忍足の中に入った。締めつけられる感
じはいつも通りだが、中は熱くて柔らかくこれ以上なく心地が良かった。
「うあっ・・・あん・・・あっ・・・はぁ・・・」
「侑士、熱い。」
「やっ・・・岳人・・・はっ・・あぁん・・・」
「なんか風呂場ってすごい声響くな。侑士の声、すごくいいぜ。」
そう言われて忍足は一気に恥ずかしくなった。必死で声を殺そうとするが、それはなかな
か難しい。岳人が動く度、嫌でも声が漏れてしまう。
「んんっ・・・ぁん・・・く・・ふ・・・」
「侑士、声我慢しなくていいよ。うちには誰もいないからさ。」
「でも・・・声・・響くから・・・恥ずかし・・・」
「大丈夫だって。そんなに気になるならシャワーだそうか?」
「その方が・・・まだ・・ええかも・・・・」
繋がったままの状態で岳人はシャワーの蛇口に手を伸ばし回した。少し熱めのシャワーが
二人に降りそそぐ。
『うわっ・・・』
もろにお湯がかかってしまい、二人は声をあげたがそんなのに構っている余裕はない。例
えかかっていてもそんなのは全く気にせず、岳人は行為を続ける。自分の上げる声が消え
るたのはいいが、忍足は今度は違うことが気になり始めた。
「あっ・・・く・・んんっ・・・岳人・・・その音・・・嫌や・・・」
「音?何の?」
「言えへんけど・・・その音が・・・ハッキリ聞こえて・・・変になりそう・・・」
岳人は初めはなんのことだかさっぱり分からず、しばらく考える。岳人の耳に聞こえるの
は忍足の甘い喘ぎとシャワーの音とそれから・・・・
「ああ、分かった!でも、これはしょうがないじゃん。」
「でも・・・ふっ・・・ああっ・・・」
忍足がさっきから気になると言っている音、それは二人が繋がっている部分から漏れる濡
れた音だった。普通ならそんなに気にならないのだが、シャワーの水がかかってしまって
いることによって、さらにその音が強調されて聞こえるのだ。
「気になるんだったら耳塞いどいてあげようか?」
「あんっ・・・岳人・・・それ塞いでるって・・・言わへん・・・」
耳を塞ぐといいながら岳人は忍足の耳たぶを軽く噛む。忍足は体をビクンッと震わせ、岳
人にしがみついた。
「岳人・・・もう・・・アカン・・・」
「俺もなんかお湯の中に入ってもいないのにのぼせてきちゃった。」
「そんな冗談言ってへんで・・・俺・・・もう・・・・ホンマに・・・」
「分かってるよ。いいよ、一緒にイこう。」
岳人は軽く忍足の唇にキスをして、思い切り抱きしめる。それと同時に奥に岳人のものが
忍足の中に入っていき、忍足を絶頂へと運んだ。
「あっ・・・あぁんっ・・・!!」
「くっ・・・ん・・・!」
二人とも全身から雫を滴らせ、真っ白な湯気が立つ中で果てた。胸のドキドキがおさまる
までそのままの状態で、湯船に入ることは出来なかった。
「あっちぃ。ちょっと、風呂入りすぎたな。」
「せやなあ。でも、たまにはええんとちゃう?」
「ホントにそう思う?侑士。」
「まあな。いつもあんなやったら大変やけど。」
「じゃあ、また今度やっちゃおうかなー。」
「えっ!?いや・・・もう風呂場でっちゅーのはちょっと・・・」
「何でー、今たまにはいいって言ったじゃん!!」
「そんなにしょっちゅうは嫌やもん。」
「何だよケチー。」
パジャマを着て、ペタペタと岳人の部屋に向かう。部屋に到着するとどちらもベッドに横
になった。キレイに布団に入るのではなく、掛け布団の上からそのままボスッと倒れたよ
うな感じだ。
「なんか疲れたねー。」
「そりゃ、あないなことしたら疲れるのは当然やろ。」
「侑士は疲れてないの?」
「もちろん疲れてるで。でも、岳人と同じやからな。」
「俺と同じなら大丈夫ってこと?」
「まっ、そういうことになるな。」
「うれしーぜ。俺も侑士と同じなら全然大丈夫だぜ。」
岳人は寝転がったままの状態で忍足に抱きつく。忍足は抱きついてきた岳人の頭を撫でる。
「ガキ扱いすんなよぉ。」
「いい位置にあったからついな。」
「じゃあ、俺も侑士のこと撫で撫でするー。」
岳人も忍足の頭を撫でる。思ったよりそれが気持ちよくて忍足は目をつぶる。その表情が
可愛くて岳人はそっとキスをした。目を開けると岳人の顔があまりにも近くにあるので、
忍足はビックリ。
「岳人はホンマにキスが好きやな。」
「だって、侑士がすっごく好きだってのをいっぱい伝えるにはキスが一番手っ取り早いん
だもん。言葉よりも分かりやすいでしょ?」
「せやな。じゃあ、俺からも。」
岳人のこのキスの定義を聞いて、忍足もお返しにキスをする。お互いにいくら伝えても伝
えきれないたくさんの好きをキスに乗せて、その気持ちを伝え合う。そして、その後、布
団に入った。疲れていても大丈夫だとは言っているが、体は正直で二人とも眠くてしょう
がなかった。もう一度、深いキスをして二人は眠りについた。バレンタインの夜。チョコ
レートのように甘い夢を二人は見るのであろう。
END.
跡宍へ 滝鳳へ